過去の職場&就職体験記 (2)弱小企業での地獄−13

最終話「辞めてやる!」

(1998年11月執筆)


 さて、愉快なQ社での思い出話もこれで最後となります。感慨深いですねぇ。──っつーことで、詳しい話=辞めた経緯に参りましょうか。

 まーさー、勤めて3日目で既に「私、いつまでこの会社にいるつもりだろ……」と思ったほど強烈な会社でしたが、’97年10月1日〜 ’98年10月31日までの13ヶ月は今となっては結構良い思い出です。むしろQ社での刺激的な毎日に慣れてしまった私の身体は、今後普通の会社に勤めたとして満足できるのかと心配になるほど……。

 もーねー、あの会社はなんかひとつの「ワールド」だった……。社長の空想と思い込みだけで成り立ってるワールドだったのよね……。もしかすると私を含めて全社員が社長の空想の産物じゃないかと思えるほど、社長個人の威力(精神的破壊力か?)の絶大なコト。
 毎日のように起こるイベントの数々。普通の人が一生に一度経験するかしないかの祭を週単位で経験していた私。

 連日続く報告を楽しみにしていた友人は、私の状況を「可哀相だけど、羨ましい……」と評していましたが、その気持ちもちと解かる。だって友達の会社なんて占い師は来ないわ、社長は暴れないわ、裁判沙汰の事件は起きないわで全然問題なくてつまんないんだもん(←いや、それが普通)
 やっぱ人間はさ、異常を求めてるのよね、きっと(←詭弁)

 実際辞めた時に思ったことは、今後の私の人生どうしよう……ってコトも勿論あったケド、それ以前に「あぁ……もう皆に事件報告が出来なくなるんだなぁ……」ってコトでした。
 ホントにね……そんな事心配してる暇があったら、再就職できるのかどうかを心配した方がいいと思うんですケドね、このご時世。ははは……。

 気になる所は「辞めたのか、辞めさせられたのか」ってトコだと思いますが、まぁ半々……痛み分けってコトで。
 さぁさぁ、詳しく話そうじゃないのさ! 返す返すも凄い会社だったヨ。いや、実に良い経験をさせてもらった。ありがとう、社長! アンタが死んだらバラの花束持ってくよ!!
 ――……恨み辛みはたった数ヶ月やそこらじゃ消えはしないのさ……ふっ。

 とにかくクリスティーヌの出現(第11話参照)に色めき立っていたのも束の間、様々な事件を経て私は ’98年9月8日に退職表明をしたのです。引継ぎが済み次第退職、と言うことで。
 主な原因は私の態度の悪さらしい。社長が占い師とかの話を始めると、私、あからさまに「では、以上で報告は終わりですので、仕事に戻ります」とか言って席立っちゃったり絶対に無駄話を聞こうとしなかったので……。
 まぁさー、ワールドでの出来事が楽しいっつったって、それは無理矢理そう感じるよう努力しているからであって、毎日毎日仕事の話を中断させられて1〜2時間を社長の与太話に付き合ってると、いい加減イライラしてくるのよ……。それに社長の人間性も一緒にいるだけで「殺しちゃおっかなー……うふ(はぁと)」って思えるほどのモノだったし。心の中で何度拷問したことか(←?!)
 私、社長のコト大っ嫌いだったからさー。社員の使い方も辞めさせ方もメチャクチャだし。

 社長の社員の扱い方はそのホンの一部を紹介だけでこんだけある。
 コピー1枚とるのだって、Fax1枚送るのだって社員を大声で呼び付ける。社長の自宅の水道料金やガス料金の支払いは勿論社員の仕事。自分の個人的な友人へのプレゼントの包装を社員にさせる。個人的な手紙も書かせる。自宅のクーラーが壊れりゃ社員に直させる。社員の手に負えなければ、修理会社を社員に呼ばせる。会社に届いた米10キロを自宅に運ばされたこともあったっけ。どっちのスカートが似合うかの意見を求めて仕事中の社員を自宅に呼んだこともあったな。マニキュアを塗らされた社員もいた。

 辞めさせ方に関しては、社員の扱い方から見ても解かるように酷いモンだった。
 アルバイトや派遣や試用期間や契約社員の場合、いきなり「今日で辞めてもらうわよ」とか言う辞めさせ方もザラだったし、正社員をクビにしたい場合は自分から辞職表明をさせるために右腕に命令して徹底的にターゲットを苛めさせるんだ……。これが大人のやり方?ってくらい下らないイジメすんのよ。トイレに行っただけで「アラ、またトイレ行くの? お腹悪いの? 身体弱いならウチの仕事は勤まらないわよぉ」と言われた社員もいたな。結局この人は2週間で辞めたけど。
 どんどん人が辞めるので、どんどん人を採るのよね。で、常に苛められてる人(クビ候補)がいるんだけど、この右腕が新しく入った社員に「あの人と口利いちゃダメよ」とか言ってんの聞いちゃって、正気か?と驚いた……。苛められてる社員と話しただけでクビになった人もいたし。

 この会社平均年齢高くて(40代後半女性)、皆生活に困ってる人達ばっかだったから、反抗できないのよね。最年少の私は唯一この会社辞めてもそんなに困らない立場にいたもんだから、結構強気の態度を取ってた訳サ。そういう事を繰り返す内に社長が
「あなた、そんな態度で一体いつまでこの会社にいるのかと思うわよっ。言っときますけどね、広報なんて募集かければ『やりたい』って人が五万といるんですからね。あなたのやってる仕事なんか、誰にだって出来るんですから
って言うからカッチーンときて、売り言葉に買い言葉で
「解かりました。なら今すぐ募集かけて下さい。決まりましたらその方に引継ぎして、それが終わり次第、退職いたします」
って言ったのね。
 ――そういう流れで辞職しました……(しーん……)

 要するに、世の中の厳しさを分かってない極楽とんぼ=バカ女の辞め方ですね……ハイ。後悔はしていませんが、どうにかしないとね、とは感じています……。

 さすがに私がアッサリ退職表明をした時には社長も焦ってましたが、言った途端に私の決意は物凄く強固なものになりまして、左腕からも引き止められましたが、もう「辞めるったら辞める!」状態。結構前から「辞めるならいつかなぁ」と覚悟は決めていたので、この勢いは丁度良かったのかも、と納得しちゃう始末。
 私、出来事に気持ちを合わせるタイプなのよ……。なるようになれっての? どんな事があっても、「まぁコレはコレで良かったよ」といつも言ってる気がする。コレって一種の逃げっつーか防衛本能なんだろーなー……。

 とにかく。
 家に帰って「辞めることになったワ」と親に報告しても、親は親で「あら、そう。良かったじゃない」で終わりでしたが。さすが私の親。まぁ後悔もしていないし落ち込みもしなかったケドね。ただ退職手続きとか失業保険の請求手続とか面倒だな〜と思って気が重くなったけどさ。

 取り敢えず、就職最前線レポートは一時中断です。また新しい会社に勤めたら開始します。それまで暫しお待ち下さい。
 では。



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