過去の職場&就職体験記 (2)弱小企業での地獄−10
第10話「履歴書直筆コメント事件」
(1998年6月執筆)
今回の話はコンパクトにまとまった小話です。
Q社によく起りうる占い師や霊媒師は出てこない(あ、間接的に出てきてますな)地味な話だけど、インパクトは強かった事件に付いて、報告しておこうと思って……。
就職活動して履歴書を出した経験のある人なら分かると思うけど、履歴書だけで不合格になることって、結構あるよね。採用担当はどうやってこの不合格ラインを決めているのかなー……なんて、気になることない? 逆に学歴も職歴もパッとしないのに、面接まで進めたりすると、一体提出した履歴書の何を見てOKを貰えたんだろう……とか、気になるコトあるよね?
さて、今回は一般的でない例ですが、異常な会社ではこんなふうに採用を決めているんだよ、という裏話です。心してどうぞ。
話は前回より時期的に戻るけど、5月下旬に心底凄いと思った事件があってね……。Q社で「凄い」っつったら世界的に見ても凄いと思うよ。多分。何があったかってーと……。
5月にまた人が2人辞めてね。ほぼ同時期に。いきなり「明日から来なくていいから」と言われて辞めてった人達だけどね。ま、正確には辞めさせられたのね。私が勤めてから8ヶ月のこの時点で計7人くらい見送ったんじゃないかなぁ……。
話を戻そう。
人が辞めるのはウチの会社ではそれこそ日常茶飯事で、どうでもいいことなのよ。問題はいなくなった穴は埋めなきゃ、ってんで、このクソ会社が一丁前に人材募集したことにあるんだな。とらばーゆで。またコレが「広報・企画」なんてハイカラな職種欄に載っちゃったもんだから、可哀相な子羊が30人ほど来てね……。
履歴書だけで不採用が決まる人もいるんだな。決め手は姓名字画数と住所の方位……。
社員の一人が履歴書とデカイ地図渡されて
「ここ(会社)から南東90度以内の範囲に住んでる人だけを採用候補に残して」という仕事を仰せつかってた。私は不採用の人に手紙と履歴書の返送をさせられた。
「まさか『方位が悪いので不採用となりました』とは言えないよねー」と言ってる社員がいたケド、いっそそんな理由の方が落ちた人は納得するだろう。却って「良かった……こんな会社に採用にならなくて……」って思うよ。その方が親切ってもんじゃ……。
んで、面接した結果、不採用になった人にも履歴書を返送したんだけど、一緒に渡された履歴書のコピーに社長の直筆コメントが書いてあったのね。何となく見ちゃったら凄いんだわ……。
最初見たとき、面接して見た印象を書き込んでるのかと思ったら、違うんだよ。実物を見たら分かるんだけどね。捨てずに証拠物件として持ち帰ったから機会があったら見せたいわ。社長の直筆のコメント入りだ! 私もマーカーで注目の箇所に線とか引いてるんだよ!
まぁ見せることは不可能なので一例紹介する。見ながら書いているので正確です。M.S.さんって35歳の女性に対する社長のコメント。行くよ。覚悟はいい?
「運は乏しい方。まぁまぁはっきりしている。性格強くないがチャッカリしている。悪い人ではない。能力は発き。男性運はないが良い一生をおくる。今年好きな人出来る? 天中殺。人に可愛がられる。トラブルメーカー」………………………おーい。コレ、会った印象じゃないだろう……。
「運は乏しい方」から既に雲行きはオカシクなってるよね、明らかに。初見の段階で「天中殺」「トラブルメーカー」ってのも大概スゴいコメントだと思うけど、なんだよ、「今年好きな人出来る?」って……。ご丁寧にも問い掛けだよ……。誰に問い掛けてるの?
もーさー……。本当に、どうにかしないとね……。やるべき事は人事であって、占いじゃないんだから。とにかくグッタリした……。
何にしても就職していない人に告ぐ! どんな会社でもその会社の善し悪しを測る尺度はズバリ離職率だと思うよ。まぁ聞いたところで正直に答えてくれるかどうかは別問題だけどね。でもウチの会社の例で言うなら採用面接の時なんかに離職率を聞く人は「なんて失礼なのッ!!(by 社長)」という理由で絶対採用にならないんだー。ご不興被ろうと、いっそ聞いちゃった方がイイかもよ? マズイ会社なら自動的に落としてくれるし。変に採用されちゃうより、その方がよっぽど有り難いよ。
就職はしても地獄、しなくても地獄。
誰かが言ってた言葉が思い浮かぶよ。