日常エッセイ−23
「Movin' on without job」
(1999年11月14日執筆)
替え歌を作ることを趣味にしている人種は、市民権を得るほどではないにしろ確実に存在すると思う。私はそうした「替え歌を作るのが趣味」というレベルには全然到達していないが(加えてそんな予定もないが)、流行歌を歌うのが好きな割には歌詞を覚えようとしない性質上、歌いたいメロディラインに、自分の頭に浮かぶ単語を無理やり押し込めて、即興でデタラメな歌詞を歌うことがよくある。これは、あくまでも仕方なく替え歌になってしまっているだけで、積極的に替え歌を作っている訳ではないことにご注意いただきたい。
私は歌を歌うことは好きだが、「フンフンフ〜ン♪」とか「タンタタンタターン♪」とか「ランラララララン♪」などといった誤魔化しのテクニックを使って妥協するのは本意ではない。歌は言葉付きで歌わないと、歌った感じがしないのである。デタラメだろうが間違っていようが、歌詞付きで歌うことに深い意味があるのだ。充分な満足感を得るためにも、歌詞は絶対に必要なのだ。
──下らないこだわりだが、私の人生、大半がこんな下らないこだわりで構成されているので、ここでいちいち疑問を持つのはご遠慮頂きたい……。
さて、「積極的に歌詞を覚えようとしない」と言いつつも、思い浮かぶ単語がしっくりとメロディラインに乗らないと、何か強い敗北感に襲われ(何に負けてるんだ? 一体……)、その歌をとにかく自分のモノにするために仕方なく本家本元の歌詞を覚えることになる。そして一度完璧に歌詞を覚えてから、再び自己流の歌詞にアレンジするためにポイントとなる単語を挿げ替えて、本格的な替え歌に発展させてゆく。
上手い替え歌を作るにはコツがある。オリジナルの言葉を大幅に変えず、語感を残すこと──これは鉄則だ。以前「だんご3兄弟」の替え歌で「談合3兄弟」というものがネット上で大流行したが、あれは秀逸だった。その後「残業3兄弟」など様々な類似品が出回ったが、どうやっても「談合3兄弟」だけが群を抜いて冴えていた。「談合3兄弟」はその他の類似品と違い、「だんご3兄弟」の歌詞を丸々挿げ替えるようなことはせず、微妙に変化させるだけで「談合」というテーマの下に文意を成立させていたのである! ビバ!
話が逸れたが、今回の本題は以下である。
最近(……と言うか、ちょっと前に)替え歌を作ったので、記録として残しておこうと思う。「談合3兄弟」が替え歌の100点とすれば、私の今回の(←次回があるのかっ?!)「Movin' on without job」は30点くらいだ……謙遜ではなくて。まぁ最初のハードルは低い方が頑張り甲斐があるってものだろう。──って、私、これから頑張るつもりか?
と、とにかく、冒頭でも述べたが、私は替え歌を積極的に作ろうとしたことはない。その割には行動が計画的で、見え隠れする真剣(マジ)が気になるが、まぁ取り敢えず、本人的に「私は替え歌を積極的に作ろうとしたことはない」と思い込んで生きて行きたいらしいので、そういうコトにしておく……。
では、元歌と合わせてお届けしよう。
【Movin' on without you】(作詞:宇多田ヒカル)
夜中の3時am 枕元のPHS 鳴るの待ってる バカみたいじゃない
時計の鐘が鳴る おとぎ話みたいに ガラスのハイヒール 見つけてもダメ
構うのが面倒なら 早く教えて 私だって そんなに暇じゃないんだから
I'm movin' on without you
フザけたアリバイ 知らないフリは もう出来ない こんな思い出ばかりの 二人じゃないのに
切なくなるはずじゃなかったのに どうして いいオンナ演じるのは まだ早すぎるかな
用意したセリフは完璧なのに また電波届かない 午前4時
静かすぎる夜は 考えが暴れ出すの 分かってるのに 結局寝不足
あんな約束 もう忘れたよ 指輪も返すから 私のこころ返して
I have to go without you
悔しいから 私から別れてあげる いいオンナ演じるのも 楽じゃないよね
切なくなるはずじゃなかったのに どうして いいオンナ演じるのは まだ早すぎるかな
戸惑いながらでもいいから 愛して欲しい そんなこと言わなくても 分かってほしいのに
切なくなるはずじゃなかったのに どうして いいオンナ演じるのは まだ早すぎるかな
【Movin' on without job】(作詞:鷹瀬)
夜中の3時am PowerPointのOHP 出来るの待ってる バカみたいじゃない
社員の腕が鳴る 過去の資料の中に 使えそうなデータ 見つけてもダメ
雇うのが面倒なら 早く教えて 私だって そんなに余裕ないんだから
I'm movin' on without job
フザけた命令 従う真似は もう出来ない こんな残業ばかりの 会社じゃないのに
辞めたくなるはずじゃなかったのに どうして いい社員演じるのは まだ早すぎるかな
用意した資料は完璧なのに まだ許可が下りない 午前4時
静かすぎる夜は 考えが暴れ出すの 分かってるのに 結局寝不足
入社時のコト もう忘れたよ 社員証も返すから 私の月日返して
I have to go without job
悔しいから 私から退職してあげる いい社員演じるのも 楽じゃないよね
辞めたくなるはずじゃなかったのに どうして いい社員演じるのは まだ早すぎるかな
戸惑いながらでもいいから 雇って欲しい そんなこと言わなくても 分かってほしいのに
辞めたくなるはずじゃなかったのに どうして いい社員演じるのは まだ早すぎるかな
──うん。うんうん。分かってるんだ。自分が馬鹿だって。だから「目を覚まさせてやろう」なんてビックなケアーはノーサンキュー!!
んじゃ、ま、そゆコトで。