日常エッセイ−07

「トルコ旅行記」

(1997年3月執筆)



 初めて海外旅行は’96年10月の「アモーレ・イタリア8日間の旅」というツアーだった。本当は、旅行とは自由にフリーで個人行動が出来る方が面白いのだろうが、英語力皆無の私には、ツアー旅行が何より心安らぐのだ。格好悪くても構わない。言葉の通じない外人を前にすると腰が砕けてしまう。そんな醜態を曝すくらいなら、ツアー参加の方が数倍マシなのだ。
 さて、本来海外旅行ギライの私だが、前回のイタリアの旅が余りにも感動的だったので、社会人になる前にもう一丁!ってんで、思わず申し込んでしまったのがこのツアー。
関空から旅立つ、幻想と神秘のトルコハイライト10日間(’97年3月某日出発)」
 ──何と言うのだろうか。ツアーのタイトルというのは、胡散臭ければ胡散臭いほど惹かれるものなのかもしれない……。なぜ東京都民の私が関西空港から旅立たなくてはならないのか。基本的なツアー選択を間違えていることに気付いたのは、旅行の前日だった。

 最初に話を戻すが、私がトルコ旅行をしようと思ったのは、イタリア旅行が素晴らしかったからである。初めての海外旅行というコトもあってか、イタリア本当に楽しかったのだ。イタリア
 ──勘の良い方なら先程から繰り返されている「は」という助詞に引っ掛かっているかと思われるが……。ここからは先は、某ペーパー上で報告したトークを転記する。




 ……トルコはねぇ……。素晴らしかったのよぉ……。カッパドキアの世界遺産も吹雪の中観たしぃ……。天気もそれなりに良かったしぃ……。「誘拐されて二度と日本には戻れない」とか散々脅されていたけど、聞いていた程、恐いこともなかったしぃ……。でも私は二度とトルコには行かないと思うな……。いや、これはトルコが悪いんじゃなくて、私が悪いんだけどサ……。
 一緒に行った友人が、私が↑のようなコトを言って周っているので「間違った情報を広めるなっ」と怒っとりますが……。

 トルコは広い国なのよ……。それをイスタンブールから首都アンカレまで反時計回りにほぼ一周するコースだったのよ。手段はバスです。私、乗物に弱いのよ。特にバスが嫌いなのよ。その中でも観光バスは最悪なのよ。あの絡み付くようなシートの臭いが、胸をギュウっと締め付けるって言うか……。そのスパイシーな香りに包まれた観光バスで約8日間2700km走ったのよ……。バス旅行は6日間が私の限度だと知ったね。(イタリアもバスで移動したけど、全然平気だったんだ) アタシャ7日目に吐きそうになって8日目にホテルで寝てたよ。もー最終日なんか日本に帰りたいよぅ……ってシクシク泣いてたさ。
 また、ツアーが安いツアーだったもんだから、往きが飛行機3回乗り換え計27時間、帰りが2回乗り換え計19時間かかるという……スペシャルなコースでして……。ちなみに往きは
「羽田 → 関西国際空港 → ヘルシンキ → フランクフルト → イスタンブール」
です……。馬鹿だよねぇ?

 旅行の後半は四六時中だるかったけど、気持ち悪くなったのはバスとか乗物のせいだけではなかったんだわ、コレが。……食事が。もー…色といい艶といい匂いといい味といい……、どれを取っても私のお気には召さなかったのよ。だってさぁ、原料が何だか判らないんだもん。
 夕食は全日ビュッフェだったんだけど、どれを選んでも不思議なくらい不味くてね。一応試しに色んなモノをちょっとずつ選ぶんだけど、最終的に食べられるのがキュウリとトマトよ……。どっちも料理じゃねーよッ! 材料じゃッ!!
 しかも添えられているドレッシングが口に合わないモンだから、塩かけて食べてた。デザートはデザートでどれを食べても甘いし。デザートが甘いのは当然よ。だけどね……砂糖より甘いのはナゼっ?! どーやったらこんなに甘くなるんだッッ!!と御立腹でした。

 風景とかスゴク綺麗だったんだけど、人間って基本的欲求が満たされてないとダメじゃない? 印象に残ってるのは食事とツアーのメンバー達のことだけ。またこのツアーのメンバーが濃くてね……。ちょっと紙面の都合上書かないけど、ムチャムチャ楽しかったわ。15人中私たち2人以外全員ジジババでさー。熊本とか福井とか函館とか全国各地から参加してるんだけど、もー個性が強いなんてもんじゃない! アクが強い強い!! 旅行の内容より人間模様の方がよっぽど面白かった。

 ……なんか私の感想も歪んでるよね……。海外旅行の感想ってこんなモンじゃないよね……フツー。ゴメン。このトーク読んでトルコに悪印象持つのだけは止めてね。トルコは素晴らしい国です。私の周りでトルコに行った人達は「良かった!」と言ってますから。本当に行く価値のある国だと思います。

 ──私は二度と行かないけど。(←捨て台詞……)



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