2010年5〜6月の日常日記&コラム
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「肺癌」「盲腸癌」「脊椎圧迫骨折(疑い)」「ボケ」というクワトロ・パンチ、無敵のプロパティを誇る我が父、通称「殿」もしくは「暴れん坊将軍」の日記になりつつありますが、それが目下リアルタイムでの私の生活の中心になっちゃってるので仕方ない。どれかひとつでも治らないかなぁ……ちくしょう。
| 日記の小見出し一覧 | ||
| 5/9(日) 骨転移疑惑と激痛コント | 5/10(月) 待機状態に一条の光 | 5/12(水) 続く待機状態 |
| 5/13(木) 信頼と実績の東洋医学 | 5/14(金) 大病院のアホ過ぎる対応 | 5/16(日) 健康食品との付き合い方 |
| 5/17(月) ヤクルト一家への転身 | 5/18(火) 暴君からの礼は放屁 | 5/21(金) 癌とボケとの競争劇 |
| 5/22(土) 昨日の続き | 5/23(日) 健康食品は繰り返す | 5/26(水) 圧迫骨折と急成長の癌 |
| 5/27(木) 介護認定に陰り | 5/28(金) 殿、反省する | 5/30(日) 殿とお散歩 |
| 6/14(月) 理屈屋のボケ症状 | 6/16(水) 韓国ドラマの威力 | 6/17(木)〜7/8(木) 3週間の経緯 |
前回、我が家の肺癌患者(=父)のことを書いたのは2月17日「淡々と進む症状」。それから毎晩寝る前に20分の運動をしたり(でも続いたのは1ヶ月)、肉食が復活してしまったり、性格が元通りに悪化してしまったり、と色々ありましたが、それなりに小康状態を保っておりました。
2010年5月9日(日) 骨転移疑惑と激痛コント
癌と言うのは耳馴染みのある病名からして既に恐いイメージの強い病気ですが、辛い治療をせずに症状も出ていなければ、ウッカリ忘れてしまいそうになるほど、初期の頃は生活に何の影響もないものです。それよりアタシャ殿のボケの方が気になる……という的外れに平和な日々を送っておりました。――が。
先日6(木)の午前中、父の腹部周りに未だかつてない激痛が走り、小1時間ほど相当苦しんだそうで、私が帰宅すると「今日1日大変だった」との報告を受けました。すぐに思い当たったのが「骨転移」ですが、本人曰く、「骨盤や腹部を押しても痛くない。動くと痛い。特に身体を捻ると腰に激痛が走る」とのこと。骨転移の痛みがどんなものかをネットで調べると、「体動時に増悪するのが典型例。痛みが局所に限局していることも多い」との説明文を見つけ、疑いは深まります。
翌日7(金)、「朝一番で主治医に相談しなさい」と、相談の手順や質問ポイントをまとめた紙を渡しておいたにもかかわらず、私が帰宅すると「検査しなかった」との報告を受けました。一体どゆコト?! 詳細を聞くと、「朝一番で主治医に電話すると整形外科に行くように指示を受け、12時に整形外科を訪れた」と。そこまではイイ。この後が問題です。待合室で待つ間に痛みが治まったため、そのことを整形外科の医師に告げてそのまま検査を受けずに帰ってきたと! アホですか!!! 一時的に痛みが治まったとしても、骨転移というデカイ疑惑は晴れておらず、そんな状態でどうして検査も受けずにノコノコ帰って来たのかと!! 検査を受けずに帰って来た本人も阿呆なら、デフォルト肺癌という患者が腹部に激痛という症状が起こったことまで知っておきながら、検査をせずに帰してしまう医者もどうなの?!と、何もかもにカリカリ来ます。
もしかしたら、本人的には検査が恐かったのかもしれないなぁ……と思うのですが、下記の記述を見つけて「2日以内の処置」がキーワードとなっていたため、気持ちは焦ります。
最後に、骨転移のなかでも脊椎転移は特に大きな問題を生じます。脊椎は大事な神経である脊髄を保護しています。脊椎骨に転移が起きるとこの脊髄を圧迫し、部位により膀胱直腸障害(便意がわからなくなる状態)や四肢麻痺(手足が動かなくなる状態)をきたします。この状態には前触れがあります。手足のしびれ感、トイレ回数の減少(特に排尿の回数)です。もし首や背中が痛くて、このような症状が現れはじめたら2日以内に適正な治療を開始することが必要となります。その治療とは、整形外科的手術か、ステロイドという薬を併用した放射線治療です。適正に治療されたケースでは7割以上で重大な障害が回避できます。リウマチがあるため手は慢性的に痺れているし、トイレの回数は減少しているとのことで、もし上述のケースに当てはまるならば、48時間が勝負なのに……。
――日本放射線腫瘍学会「骨転移に放射線治療は効きますか」より抜粋
本人にもこの話をして、検査をせずに帰ってきたことを責め立てていると、検査を強要しなかった医者が悪い、自分を説得させなかった母が悪いと逆ギレする始末。一体コイツの性格はどこまで悪いんだっ!と、「痛いの可哀想」という気持ちと同程度に「生まれ変わって性格直せ」とも思います……。
同時に、痛みが治まったこと自体は歓迎すべき好転なので、まぁ良かった良かった、と。丁度12(水)が主治医との定期面談なので、とりあえず痛みがないなら、その時に詳細を聞けば良いか……と一旦は落ち着きました。
――が、8(土)の明け方、再び激痛が父を襲ったのであります……。
朝、居間に降りて行くと、ソファーにぐったりして座っている父が。昨晩ベッドで横になって寝ていると、4時頃に激痛が腰に走り、ベッドから這い出して隣の部屋の居間のソファーまでのた打ち回りながら移動したのだと。上の階で眠る母と私を呼ぼうとしたけれど、とても階段は上れないとのことで、ソファーで痛みが引くのを待っていたと。
土日になってしまったので、再度病院で検査を受けに行こうにも、2日後を待たねばなりません。言わんこっちゃない! なぜ7(金)に検査を受けなかったのだ! 馬鹿バカ! 馬っ鹿! 大馬鹿野郎!!! ――もちろん心配もしていますが、それよりも「馬っ鹿だなぁッ!」という気持ちの方が強い。痛みに呻く殿に馬鹿馬鹿と軽く30回ほどは言ったような……。
何だかんだと懲りない殿。アイタタアイタタ言いながらも反省する様子もなく、自分の大変さをアピールしてきます。
殿 「イテテテ……ま、今はこんな風に動けるけどな、今朝方はもう酷かったよ。『アイテェ〜〜!!』ってなもんでな。起き上がれねぇから、ベッドの上でのた打ち回って、まず足を下ろしてな、身体を捻ると痛いから、少しずつ淵まで移動して、一度ベッドから降りて四つん這いになってな。そんで、サイドテーブルに手を付きながらヨロヨロで立ち上がって、こっちのソファーまで来たんだよ。お前ら(母と私)呼ぼうにも、上の階までとてもじゃないけど行けなかったね」
鷹瀬 「椅子に座ったり、椅子から立ったりは出来るんだよね? その動きは痛くはないの?」
殿 「痛いけど、我慢できないほどの痛みじゃないね。今日の朝のは、もうまっすぐ横になって寝てられねぇほど痛くて痛くて。1時間くらいのた打ち回ってたよ。あんなのが1日続くなら死んだ方がマシだね」
鷹瀬 「そんなに痛かったのか……可哀想に……。じゃあ今日も横になって寝るのは危険なのかなぁ……。横になると痛くて、椅子に座ってると平気なんだよね?」
殿 「まぁオイ、来てみろよ。今朝の脱出劇を見せてやるから!」
(ソファーからヨロヨロと立ち上がって、ベッドに向かう殿)
鷹瀬 「え……何? 再現すんの? いいよ、ちょっ……ちょっとちょっと、横になると痛いんじゃないの?」
(イテテと言いながらベッドに横になる殿)
殿 「こうだろ。こうしてな、起き上がろうとするとだな……アイテテテテ! イテェ! ヒィ! くぅ〜〜!!」(確かにのた打ち回っとる……)
鷹瀬 「ちょっと! 身体起こすの手伝おうか? 背を押し上げて平気?」
殿 「イテェ〜! な? こんな感じでな、アイテテテ! いや自分でやらないと、痛いのを調節しながら起き上らないとな! イテェ!! はぁはぁ!」
(ベッドの上で体勢を変える度に痛みに呻く殿。なかなか起き上がれない)
殿 「痛ぇよ!! オイ! なんでこんなコトになっちゃってんだ?!」
鷹瀬 「……私が聞きたいヨ」
その後も、「激痛の末、ようやくベッドを下り、床に四つん這いになってから立ち上がる」流れをニコニコしながら這々の体で再現して下さる殿……捨て身の激痛コントですか……? 我が親ながら、笑っていいモンか反応に困るっつの。
そんな激痛コントを挟みつつ、背を起こした状態であれば痛みが少ないようなので、急遽リクライニングベッドを購入することに。結構高額な品物なので(電動式3モーターで20〜30万円)、評判やクチコミは購入前にチェックしたい。また、リクライニングベッドを父の部屋に入れるにあたり、荷物だらけの部屋を大掃除せねばならず、更にはいよいよ介護保険の申請をせねばと、大きく3つが同時進行です。いや、この間1日中何かにつけて父に呼ばれていたので、大きく4つが同時進行ですか……。私の場合は母が洗濯と夕食の支度をしてくれるので、2人で作業分担して父1人の面倒を看ることが出来ていますが、これが1人で支えることになったら相当大変です。
また、私は父が47歳の時の子供なので、30代の体力ある内に80代の老人の面倒を看ることができますが、世の中平均として80代の親の面倒を看る子供は50代程度でしょうし、その体力でこれらのことをこなそうと思うと色々大変だろうなぁ……としみじみ思います。ましてや、子供が介護に日常的に協力できず、同年代の伴侶が介護にあたるとなれば、その苦労は測りしれません。介護とは、介護を必要とする本人だけでなく、関わる人すべてが体力的にも精神的にも、そして経済的にも大きな負担を負うものなのです。
話を戻します。
8(土)の夜はさすがにベッドに横になるのは恐いので、ソファーで座りながら寝ることにしましたが、ただでさえ弱っているのに何日もこんな体勢で寝かせるのは気の毒です。ベッド購入は土日で多くの店が休業日のため、即納どころか在庫確認すらも難しく、1日でも早くリクライニングベッドが欲しいということで、介護用ベッドのレンタルを探しました。ニチイ学館>福祉用具サービスにて24時間対応の問い合わせ窓口があったので、8(土)深夜に電話をすると、在庫さえあれば翌日9(日)には即納できる(かもしれない)との返事をいただくことができました。働く側としては厳しいことですが、土日営業で24時間対応というのは非常に助かりますね……。
そして本日9(日)9時に連絡をいただき、ニチイ学館には在庫はなかったものの、こちらの緊急状況を汲んで他社を紹介して下さり、無事17時には介護用リクライニングベッドが父の部屋に設置されたのでありました。電動式2モーター・ベッド本体+マットレス+手すりを含めて月額16,000円。介護認定さえ下りれば1割負担のため月額1,600円。こうなったら最後までレンタルで通す方が割安だなぁ。
病院での検査という意味では、週末に症状が悪化したのはバッドタイミングでしたが、私がフルに動ける土日に一気に環境を整えることが出来たので、ある意味ではグッドタイミングでした。
とにもかくにも。今夜、殿が激痛に妨げられることなく明日の朝まで乗り切れることを祈って!
明日、父は今度こそ検査をしに病院へ、母は介護保険の申請をしに役所へ、私は会社で骨転移治療とリクライニングベッドの調査を。
【追記】
骨転移のことを調べれば調べるほど、その深刻さにブルーになっておりますが、まだ確定した訳ではないし、明日に来る症状悪化に怯えて今日を暗く過ごすのは止めようと、心のコントロールを強化中……。本人が(今のところは)カンラカンラしているので非常に助かっております。
朝一番に殿の様子を窺うと、リクライニングベッドの背もたれは70度程度に起こされており、お〜既に大活躍? 痛みなく眠れたかい?と普通の会話を持ち掛けたトコロ、ヤレこのベッドの開発者は全然分かっちゃいない、いいか大体この角度で枕を置くだろ?そ〜すっと……とイキイキとわぁわぁ喚き始めました。元気で何より、でも正直ウルサイ。
2010年5月10日(月) 待機状態に一条の光
ベッドの性能は置いておいて、痛みはどうなのさ?と話を本筋に戻そうと軌道修正を加えると、
殿 「今も痛いよ。でも俺の方がコツを掴んで『ギャー痛ぇ!』という事態にならないようにちょっとずつ姿勢を変えてな。いいかこのリクライニングをだな……」……元気で何より、でも正直シツコイ。
鷹瀬 「痛くなかったなら良かったね。じゃあ今日はちゃんと先生に症状を話して、レントゲンなりMRIなり検査らしい検査をして貰うんですよ」
殿 「おい! このリクライニングをだな、こうすっだろ? そーすっと見てみろ、枕がな、落ちちゃうんだよ!」
鷹瀬 「そりゃ傾ければ枕は落ちるよ、重力に従って」
殿 「これはどういう風に使うのが正しいのかねぇ」
鷹瀬 「そんなん、個人の裁量で適当にやるんだよ」
殿 「いや、これは開発した奴がちゃんとしてないからで……」
鷹瀬 「リクライニングの話はもーいーよ。痛くなかったのね? 良かった良かった。遅刻しちゃうからもう行くわ。今日は検査ちゃんと受けてね」
殿 「おい! もう1回教えてくれよ! 俺は先生に何言えばいいんだっけ?」
鷹瀬 「だーかーらーっ! 症状の詳細を話して、木曜日に一時的に痛みが治まったけど、その後やっぱり激痛があったとか、座ると痛くないけど寝ると痛いとか、身体を動かす時に痛いとか。便が4日出てないコトもちゃんと言うんだよ。あと、骨転移の疑いがあるのかどうかもね。――って、昨日も言ったじゃん! 紙に書いておきなよ! 私が書こうか?」
殿 「そこに書いてあるよ」
鷹瀬 「ならそれでいいじゃん!」
殿 「で? 俺は病院のドコに行けばいいんだ?」
鷹瀬 「いきなり行かないで、まず主治医の先生に電話しなさいっつの!」
殿 「ふーん。このベッドな、枕が落ちちゃうんだよ」
鷹瀬 「あーハイハイ。行ってきま〜す」
殿 「人の話を聞けよ!」
最近確実に頭の回転が鈍くなった父の相手を日々しているので、私の方も確実に忍耐強くなったよなぁ……と悦に入るワタクシ。
老人との共同生活では、同じことを何度も何度も繰り返し話してきたり、説明を求めて来たり、理解力が著しく低かったり、人の話を聞かなかったり、あくまでマイペースで自分の要求だけを通そうとしたり、イラッとする場面が頻繁に起こるのですが、それが日常生活として定着してくると、歳を取るってのはこういうことなんだなぁ……と自然に受け入れられるようになります。親の老いを感じるのは当然ショックな面も多々ありますが、日々の生活の中で身近にゆっくりと老化を目の当たりにするのは、生きて行く上で良い体験だと思います。同時に子供を育てるというのも人として必要な体験であり、総合すると、家庭内に頭も身体も不自由な老人がいるというのは子供の情操教育にとても良いと思うし、死にゆく老人の近くに生命力溢れる小さな子供がいるというのも老人に良い影響を与えることを考えると、複数世代が同居する大家族と言うのは人が生きて行く上で必要な経験をあらゆる時系列で体験できる合理的な生活様式ではないかと思うのです。
核家族化が進んで、人の世話にならない代わりに人の世話もしないというコミュニケーション断絶人生が主流になっていますが、私は昔から変わらず一緒に暮らす家族は世代をまたがって多い方が良いし、その場の状況に応じて助けたり助けられたり、それが人生ってモンではないかと信じているのでした。
家族の在り方論はさておき、本日月1回ペースで通っている中国式マッサージ(推掌)のC先生に、父の状態および骨転移の疑いについて話すと、少しだけ明るい情報が。
「普通、骨転移というのは鈍痛から始まって2〜4週間かけてじわじわ痛みが酷くなって行って、痛みがMAXになったらその痛みがずっと続く……という感じで起こるものだから、いきなり激痛が起こる、というのは余り聞かないネ。今は季節の変わり目だから、ご老人には節々の痛みが起こることもよくありますよ。ただ肺癌は骨に転移し易い癌だし、可能性もゼロじゃない、骨転移の可能性としては充分あり得るけれど、もしも骨転移でなければ、今の状況は好転反応かもしれない。もう食事療法を続けて半年以上になるでしょ? 腰の痛みは腎から来るもので、身体を正常な状態にしようと闘っているから起こる痛みかもしれない」
骨転移と好転反応では結果は真逆ですが、とりあえず本日レントゲンを撮ったらしいので、明後日12(水)の主治医との定例面談にて検査結果が告知されます。ヌカ喜びはしたくありませんが、2日間悶々と過ごすよりは明るい希望があると思って過ごしたいモンです。
母の方も介護保険申請の件で進展があり、今後の窓口となる福祉センターの担当さんが非常に親切で良い人だったようで、色々良かったね、と。結果はどうであれ、ほんの3〜4日間で状況が大きく動き出しました。
しかしまぁ、歳を取るというのは大変なことです。支えてくれる家族がいればこの大変さも分散されますが、1人で老いるのは相当大変だろうなぁ……と自分の40年後に想いを馳せてしまうのでした。
骨転移疑惑を抱えたままの父ですが、激痛は治まったものの結局何だかんだとずっと痛がっており、夜も痛みで熟睡できないらしく、昨日11(火)などは機嫌も悪くかなり弱っていました。
2010年5月12日(水) 続く待機状態
終末医療とか緩和ケアとか、色々なキーワードが渦巻く中、いよいよ本日は主治医との定期面談であり、10(月)の検査結果が告げられました。
結論から言うと、「要精密検査」……正直、病院の体制、いえ、姿勢にイラッとしました。本日、主治医から聞かされた結果はこうです。
「10(月)に脊椎のレントゲンを撮ったが、レントゲンを診る限り骨の溶解などの目立った異常は見られない。だからと言って『骨転移ではない』とは言えないので、14(金)に整形外科の脊椎専門医による診察を行い、それによってMRIなどどういう検査が必要になるかを判断する。そして腰痛とは別件で、そろそろ全身チェックと言う意味で20(木)にPET検査をする。これらの追加検査を合わせ、すべての結果が出揃う26(水)に再度面談をする」
聞けば、レントゲンでは初期の骨転移は分かり難いものだそうで……。ならばどうして最初から整形外科で骨転移を念頭に置いた検査をしないのでしょうか? 整形外科には7(金)に一度訪れており、その時は痛みが一時的に治まったことから検査をせずに帰ってきてしまった訳ですが、本来なら肺癌が骨に転移し易いのは常識なのだから、そもそもこの時に引き止めてでも検査すべきだったのではないですかっ?!
私の通っている中国式マッサージのC先生の話を聞いて、「治まるような痛みは骨転移ではないと判断されたのかな?」と推測しましたが、これは私が勝手に聞き込み調査をして得た知識から導き出したもので、病院の医師たちからは何の情報も与えられず。検査をしない理由があるのなら一言説明してくれてもいいのではないかと。
しかしその後ネットで骨転移について色々調べましたが、骨転移の症状は人それぞれで、痛みの現れ方も人それぞれ。本来なら、たとえ一時的に痛みが治まったとしても、肺癌患者が腰痛を訴えたなら、とりあえずは骨転移を念頭に置いた検査をするのが妥当だと思います。本日、主治医にこの件、つまり「骨転移の可能性を考えて7(金)に検査すべきだったのでは?」と確認したところ、確かにその通りですと認め、「整形外科の先生にちゃんと(肺癌であると)言ったんだけどなぁ……」とぼやいていたので、大病院にありがちな情報伝達ミスだったことが窺えました……。主治医もなぁ……人柄は良いと思ってますし、好きか嫌いかと言えばキチンと「好き」ですが、時々「しっかりしてよ!」と言いたくなります……。
このように、6(木)に腰痛が始まってから、7(金)の初訪問で整形外科の先生が検査をせずに帰してしまったこともチョンボなら、10(月)の再訪問で整形外科での検査をせずに、骨転移を断定できない単なるレントゲンの検査しかしなかったのも大チョンボ。ただでさえ腰痛でヒィヒィ言ってる老人が週1〜2ペースで病院通い&検査をするのは結構な負担だと言うのに。
約1週間に渡る父の腰痛との闘いを看ている私としては、医者たちの緊張感のない対応にイラッとしますし、しょせん他人事なんだなぁとしみじみ思います。一事が万事こんな調子ですから、世の中で医療ミスが起こるのも全く不思議ではありません。
西洋医学のセンセーたちに不信感が湧き起こる一方で、どんどん信頼度を増しているのが中医学のC先生です。
もう今日は眠いので続きは明日。
6(木)に突然起こった父の腰激痛、私は勝手に「骨転移なのでは?」と疑っている訳ですが、10(月)に行った中途半端な脊椎レントゲン検査では判断できず、追加の精密検査を明日14(金)に行う予定です。病院ってヤツは手間かけさせるったらありゃしない。
2010年5月13日(木) 信頼と実績の東洋医学
現時点では「もしかしたら違うかも」という希望的観測があるようなないような。その推測の根拠となる情報は、ほとんど中国式マッサージのC先生とネット経由で得たものであり、主治医からは特に何の説明もありませんでした。すべてこちらから具体的に聞くと、それに対して答えてくれるだけ。
以下、12(水)の定期面談でのやり取りの一部です。
鷹瀬 「先週末、整形外科で診察をせずに帰ってきてしまったことについてなんですが……ちょっと納得行ってないんですけどね。骨転移の痛みは通常治まるようなものではないので、一時的にでも治まったということは、骨転移とは考えにくいと判断されて、緊急検査の必要がないから帰されたんですか?」………………私が質問しなかったら一体この面談、どう進むのさ。黙っていたら何も教えて貰えない気がするんですけど……。
主治医 「僕もその場にいなかったので詳しいことはよく分かりませんが、恐らくそうでしょう」
鷹瀬 「骨転移の場合は、やはり該当する骨を押すと痛いんですよね?」
主治医 「そういうケースが多いですね」
鷹瀬 「父の場合は骨を押しても痛くないんですよ。ってことは骨転移の可能性は低いですか?」
主治医 「そうですね。ちょっと診てみましょうか」
鷹瀬 「……」
色々不満が溜まっており、水面下では友人Zにメールで愚痴ってこんな遣り取りを展開させています。
今日(5/12)の検査結果で、月曜の検査はレントゲンで、「レントゲンでは
骨転移かどうか分からない」って……アホかと! なんで月曜日に
MRIなりPETなり、骨転移かどうか分かる検査をしないのだ?!?!
そんで、結局レントゲンだけでは分からないから、明後日14(金)に
もう一度整形外科に検査しに行くの。どうして月曜日の時点で整形外科で
再検査させなかったのかと!!!
もーさー!!! オペレーションが馬鹿すぎて苛々する!
なんかさー、他の人からもよく聞くけど、病院って検査の段階を踏みたがる。
A検査で分からない時はB検査へ、それでも分からない時はC検査へ。
じゃあ、最初からC検査してくれよって思うのは素人だからなのか?
今回のことは、結局骨転移だろうと早く治療しようと、根本解決にはならない
ので、治療と言うよりは「目先の痛みを取り除く対処療法」となるらしく、
緊急性はそこまでないから、らしいのだけど、それも私から色々聞いて
そのようだ、と私が推測しただけの話。主治医からは明確な説明はなし。
いや、対処療法ならなおのこと、原因はどうあれ、今苦しいと言ってる
痛みを取り除く努力を早くしてもらいたいというのは素人考えなの?
あまり薬を飲むと後日の手術に影響が出るかもしれないから、とか
理由があって引き延ばしてるならわかるけど。
聞き込みをすると、どうやら色々理由があるらしいけど、だったらその理由を
最初から開示して、段階を踏んでの検査をするのか、最初からC検査なのか、
本人に選ばせて欲しいよね。
セカンドオピニオンで専門家として決めて欲しいときには「自分で
選んでください」とか言うくせに、こんな時には説明ナシかよ!と。
ホントだよ! まさにそこだよ!全部を説明しても患者には理解しにくいとか
思ってるのかもしれないけど、それを分からせるのが仕事でしょ?
その上で患者の判断に任せますよってことでしょ? ろくろく説明もしないで
選べって言われても選べるかっ! ……まあ、医者に対する法律や環境が
変わっても、一朝一夕で医者の心構えが変わるわけはないのだけど。
訴訟の上手な避け方とか勉強してる暇あったら、平易な日本語使う
勉強すりゃいいんだよ。
まぁ私自身としては、主治医の人間性を垣間見る限り、今回のようなことは医者落ち度と言うよりも、病院の体質なのではないかなーと思う面もあり……患者を丁寧に診たいと思っても、環境的にそうできない体質があるのではないか……とか……。2割は贔屓目、3割は希望的観測ってトコかもしれませんがね。
さて、このように病院に対する不信感を埋め合わせるべく、相談する先は件の中国式マッサージのC先生です。母娘共々2年以上お世話になっているため、浅からぬ付き合いってコトで、父のことで親身に相談に乗って下さっています。って言うかもう私が勝手にマッサージの時間内にぐいぐい相談しているだけなんですが。
去年10月に1度だけ父を無理やりC先生の元へ連れて行きましたが、場所的に面倒なようで残念ながら本人は特に再訪を望みませんでした。以後、私が父の状態を詳細に伝えて、C先生から主に食事療法などのアドバイスを貰っています。今回父に腰激痛が起こった後、10(月)に私がマッサージに訪れた際にもアドバイスを下さり、12(水)に主治医との定期面談がある旨を伝えると、「診断の後に電話しなさい、良い対処法があったら教えるから」と。縋れるものが他にないので本当にありがたいです。
こんな中医学をベースにしたC先生からの診断と対処方ですが、タイミングもあったのかもしれませんが見事に結果を出し、現在では父はC先生の言うことなら聞くぞ!というステージに来ています。何があったのかと言いますと……。
父は今回の6(木)に起こった腰激痛からずっと便がなく、「トイレの回数が減る」というのも骨転移の症状としてあるので、それも含めて心配していたのですが、この件をC先生に伝えると、こんな診断をしてくれました。(10(月)の日記にも少し書いてありますが、その続きにあたる具体的なアドバイス)
老化によって腰や関節が痛くなるのは珍しいことではない。骨転移に限らず、腰周りの障害によって便意がなくなるのはよくあること。
腎は排泄を司る臓器であり、身体に深刻な問題が起こった時に最後に活躍する臓器でもある。今回の場合は腰の障害を正しい状態にしようと腎のエネルギーがすべて腰の障害対策に使われていて、排泄のエネルギーが足りていない状態ではないかと考えられる。そのために排泄回数が減り、便秘が起こっているのかもしれない。もしそうなら悪い変化ではなく、好転反応の可能性がある。
腎を強化するためには黒豆茶を1日2回、2週間毎日続けて飲むこと。黒豆茶は腎の機能を高めるので、腎にエネルギーを補給することで排泄を促すことが出来る。緊急処置としては足湯も効果的。半身浴よりも足湯の方がより集中して下半身にエネルギーを供給できる。
【興味ある人のために】
★黒豆茶……黒豆(40〜50粒)とクコの実(約30粒)を水700ccに入れて火にかける。沸騰したら弱火で20分煎じる。長く煮過ぎると効果が飛ぶので注意。煮汁は朝晩2回に分けて飲む。
★足湯……少し熱めの湯(42℃位)に足を15分ほど入れる。水位はくるぶしから指3本程度上が目安。1日1回、いつでも良い。
早速10(月)の夜から1日2杯、黒豆茶を飲み始めたところ、なんと12(水)に6日ぶりに便が出たのです! 納得の行く説明に加えて結果まで出たことで我が家は盛り上がりました。単にタイミングのせいかもしれませんが、12(水)には腰の調子も若干良くなったようで、父も母も私もC先生を信じています! 「信じる者は救われる」状態でもいいのです! むしろ救われたい!
何となく怪しげな認識をされてしまっている民間療法的な位置付けの東洋医学ですが、きちんと説明できる先生の下で話を聞くと、理屈がもっともで侮れませんし、何よりも我が家の好みに合っています。西洋医学が緊急・部分解決であるのに対して、東洋医学はゆっくり全体的根本解決なんですね。だからアクションと結果が結びつくのに時間がかかるし、しかも複雑に絡み合ってるから「A=イ」「B=ロ」となりにくく、証拠を提示しにくいのかもしれません。
目先の痛みを取るには西洋の化学薬品は劇的に効くのでしょうが、痛み止めの薬を出そうとする主治医に「そんなモン飲みたかないね。要らないよ」と言い放ち、代わりに黒豆茶を粛々と飲んでいる父を見て、今まで余り意識したことはなかったけれど、この手の感覚は私と同じらしいと知りました。
何にしても今回たまたま東洋医学的処方から劇的に結果が出たため、父の信心を煽る結果になって良かった良かった。少し前まで運動もしない、風呂も入らないと聞き訳がなかった殿ですが、今では「C先生が1日30分くらい歩いた方がイイって」「C先生が身体を温めた方がイイって」とC先生を絡ませて言うと素直に聞こうとしております。(でも身体がついて行かないらしい)
これで骨転移でなければ、今回の腰痛もいいカンフル剤だったと言えるのですが……。
上記でリアルタイム経過を記していますが、再度まとめを……。
2010年5月14日(金) 大病院のアホ過ぎる対応
【実際の動き】
6(木) 父の腰に激痛。骨転移を疑う。
7(金) 主治医に相談し、整形外科に検査に行くよう指示を受けるも、診察前に痛みが治まり、何もせずにノコノコ帰って来る。
9(土) 週末になって再度激痛が襲い、横になって寝られない。急遽介護用(リクライニング)ベッドを導入。
10(月) 主治医に再度相談して、検査(脊椎レントゲン)を行う。
12(水) 主治医との定期面談にて10(月)の検査結果を聞くが、脊椎レントゲンのみでは骨転移かどうかの判断がつかず、14(金)に整形外科での再度精密検査が必要となる。
【予定】
14(金) 整形外科で脊椎専門医による精密検査 ←今日ココ
20(木) PET検査
26(水) 主治医との定期面談
――っつーことで本日14(金)、整形外科にて精密検査を行う予定でした。予・定・で・し・た!
そう、本日14(金)、これだけスッタモンダしたってのに、この期に及んでなんと検査をしなかったのです! もう色々あり得ない!!!
今度は父が「調子が良いから」と帰ってきてしまった訳ではありません。病院に行き、整形外科の先生にも会ったそうです。脊椎のレントゲンだけでは骨転移かどうかの判断が出来ないから、ということで14(金)に整形外科を訪れたハズだったのに、この日検査をせずに何をしたのかと言うと、10(月)に撮った脊椎レントゲンを見て整形外科医が改めて「これだけでは骨転移かどうか判断できません。20(木)にPETをするようなので、それで詳細が分かるでしょう」という診断を下したんですと!
はぁ?! そんなの2日前に肺癌の主治医が既に診断してるっつの! 20(木)にPETをするのもその時に決めてたっつの! 今日、整形外科で診てもらう必要ってあったの?! 専門医に見てもらう必要があったのかもしれませんが、レントゲンを見るだけの診断なら本人がわざわざ病院に行く必要はないし、もっと言えばレントゲンは10(月)に撮ってあるのだから、患者の負担を減らそうと思うならあらかじめ整形外科の先生に診てもらっておいて、12(水)の定期面談にて主治医経由で教えてくれれば充分じゃないですか?! 2日待って、更に腰痛に苦しむ死にかけの老人をわざわざ病院まで呼び付けて、一体に何やってんの?! この的を射ていない数々の診察、アホ過ぎて本当に頭に来ます! 緊急処置が必要な患者なら手遅れになってるぞ!!
こういうことが父だけに起こっているとは考えにくく、恐らく大病院では日常的に無駄な手順で無駄な診察が無駄に行われているに違いありません。医者が死ぬほど忙しいであろうことは想像できるし同情もしますが、こっちは本当に命かかってるんですからどーにかならんもんなの?! 医者の責任と言うより病院の体質としての話で、深刻に改善を願います。
殿はまぁ83歳ですし、根治に向けての治療をしている訳でもないので、この先何があっても最終的には「寿命以上元気に生きた」と死を受け入れられる可能性は高いのですが、コレ患者が若い世代で死に物狂いでシャカリキに治療している最中にこんな間抜けな対応されたらキレますがな。
この件も含めて大病院の体制に頭に来たのは当然私だけではありません。ちゅーか、こういうことに腹を立てる性質は父から譲り受けた遺伝子なので、本家本元の殿が平静でいられるはずも無く、病院で「院長呼んで来ーい!」と医者に絡んだようです……。(当然呼んで来ない)
しっかし、11(火)辺りは本当にこのまま死んでしまうのかも……ってくらい弱っていましたが、12(水)の定期面談で主治医に会ったら若干元気になり、今日の院長出せ事件では病院からイキイキして帰ってきましたよ……。さすがに夜はグッタリしてましたが、こうなると心地良い疲れってヤツですか?と。腰痛は依然としてあるようですが、ピークの時に比べると大したことないレベルまで治まっているようですし……。大切なのは人との触れ合い、と言うよりも、充分な量の揉め事があれば一生イキイキしてそう……。
ともあれ、いつまで経っても精密検査を行ってくれないので、結果が分かるのは26(木)ですか……。
本日ようやく高額健康食品フコイダンを完全に中止しました。父の肺癌告知後からすぐに開始したので、去年8月から約10ヶ月間飲み続けていたことになります。
2010年5月16日(日) 健康食品との付き合い方
去年9月9日に「約2ヶ月続けてみて、何の効果も現れないようならすっぱり止めようと思っていますが、これまたある程度の勇気が必要となりそうです……」と書いていますが、予想通り、効果ナシと薄々分かって来た10月14日にも「フコイダン? 何それ? ああ、あの効く人には効くかもしれないという幻の秘薬ですか?と言うことで。(でもキッパリ止められない……人間って弱い生き物……)」と、やはりキッパリ止めることは出来ずにいました。
効果がなかったら止める!などと勢い良く言っていましたが、途中何度も「もう止めよう」と思っていたにも関わらず、止めるのではなく摂取量を減らす方針を取り(1日300ml→最終的には1日90ml)、振り返ればずるずると10ヶ月が経っておりました。その間、腫瘍マーカーは微増を続け、肺レントゲンの影も確実に大きく濃くなっています。
健康食品の恐いところは、一度摂取し始めてしまうとたとえ目に見える効果が現れなくても、「摂取しているからこの程度の進行で済んでいるのかも」「止めたら悪化してしまうかも」との新たな恐怖が付きまとい、そう簡単に中止できなくなるところにあります。
販売元もこの辺りの弱者の心理を熟知しているようで、フコイダン摂取開始から3ヶ月目にメールでこのような遣り取りをしております。
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鷹瀬→フコイダン販売元
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フコイダンの効果ですが、8/6から毎日300ml飲んでいますが、
肺の悪性腫瘍は速いスピードで大きくなっており(2.5ヶ月で33mm→
36mmに)、正直、効果を感じることができていません。
止め時の決断も難しく、どの程度様子を見てから「合わないので
止める」という判断を下すべきなのでしょうか……。
もしよろしければ教えて下さい。
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フコイダン販売元→鷹瀬
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効果の件ですが、もっと大きくなるのがこのくらいで済んでいるのかもしれません。
1.もう少し様子を見る
2.×××も併用してみる。。。
のもひとつかもしれません。
販売元の回答は、売り上げを念頭に置く業者としてはまずまずです。断定はせずに仄かな脅しを含みつつ、高額商品を購入し続けるか、更なる高額商品を追加購入するか、という金を吐き出させる方向にのみアドバイスしているのですから。
購入を強制されている訳ではなく、判断しているのは購入者サイド(我が家)なので、販売元に文句をつけるのは筋違いだと承知していますが、打つ手がなく藁にも縋る立場の人間が平常時に出来るであろう判断を出来るとは限りません。この回答メールを見れば明らかですが、まさに分かり易く弱みに付け込まれているのです。
金儲けではなく、本当に困っている人を助けたいと思う気持ちで高額健康食品を販売する立場になったら、私だったら自分の扱う商品に自信があれば事実を交えて答えます。「3ヶ月以内に体質改善以上の効果を得られたのは●%」「半年以内に効果を感じられずに止めたのは●%」というように。そこまでのデータがなくても、このふたつのアドバイス自体何の根拠もないのですから、せめて中止を視野に入れる第3の案も挙げるべきでしょう。
購入をずるずると10ヶ月も続けたのは己の間抜けな判断ミスによるところであり、自己反省はたっぷりしていますが、それとは別問題として、中止を検討する案を申し出なかった販売元の、しょせんは弱者の足元を見る対応に、高額健康食品販売者の本質を見た気がします。
もちろん、高額健康食品を取り扱う業者の中には、自身や身近な人が奇跡の回復を遂げ、この素晴らしい効果を是非同じ境遇の人に伝えたい!という動機で始めた人も少なくないでしょう。しかし、金はあるが判断力が低下している高齢者が増え、日本人の3人に1人が「不治の病」というイメージの強い癌を患っている昨今、高額健康食品業界が効率良く継続して大金を絞り取ることができるオイシイ業界であることは間違いないのです。
――と言うことで「癌患者家族」経験者の私から、打つ手がなく途方に暮れた挙句に民間療法に手を出している、もしくは出そうとしている同じ立場の方たちに、心情的に難しいことを承知で是非言いたい。
健康食品は一度始めてしまったら、相当気持ちを強く持たないと止めることが出来なくなります。効果があれば長期に渡って摂取することになるし、効果がなくてもすぐには止める決心がつかないことを念頭に置いて、経済的に半年以上続けられない高額なものには最初から手を出さないようにしましょう!
友人・知人、身近な人に効果があったものでも、自分(家族)に効く保証はありません。病状は一人一人違います。試用期間を区切って(大体は1ヶ月〜半年)効果を観察し、何の好転もなければ必ず速やかに手を引きましょう!
そんなことを言っても、なす術がない人ほど精神的な安定を求めて「奇跡の秘薬(=高額健康食品)」に手を出しがちなのはよーく解ります。だって我が家がそのケースですから。そこでウチと同じ罠に陥らないように、目が覚める一例として経済面での現実をお見せしましょう。
フコイダン1本(1800ml)定価47,250円。それをネットで安売りを見つけて1本21,500〜35,000円で購入していました。最初の3ヶ月は1日300ml摂取、次の2ヶ月で180mlに減量、更に120ml、90mlと減らして行きましたが、結果10ヶ月間で29本、総額約70万円の出費です。(定価で購入していたら137万円) 1日平均2,400円の出費を垂れ流し続けた10ヶ月でした。
本当のところどれだけの効果があったんでしょうねぇ。ま、抗がん剤より安いと思うことで自分を納得させていますが……。
誤解のないように言っておきますが、フコイダン自体を「効果のないまがい物」として否定するつもりは毛頭ありません。業者に無関係な(……と思われる)掲示板の書き込みで、特に「抗がん剤治療との併用による副作用の軽減」で効果を上げている旨の投稿をよく見かけますから、効く人には効くのだろうと思います。ただ、父には値段相応の効き目はなく、10ヶ月もだらだら続けるべきではなかったと後悔しているだけです。
健康食品というのは取り扱いの難しい代物です。恐らく、ある程度の広告になるようなものは、ごく一部の効く人には本当に効果があるのでしょうが、全く効果がない人も絶対にいます。安定した効果が得られるようであれば、薬になるか口コミで爆発的に広がるか、既に多くの人が摂取していることでしょう。それ以前に、薬でさえ万能ではないのだから、健康食品が万能である筈がない。
「癌に効く」と言うようなものは揃いも揃ってまず間違いなく高価なので、患者(家族)にとっては効けば天国ですが、効果がない場合には経済的負担および精神的絶望感が重くのしかかる地獄のような代物です。そのことを承知の上で始めなければいけません。
高額な健康食品や治療に対する思いは複雑です……。きっと多くの患者(家族)が同じような道を辿っているのだろうと思うと遣る瀬なさを感じます。去年末に「健康食品などを使ったいわゆる代替療法の有効性を検証するため、厚生労働省の研究班が、治療に効果があったとされる具体的な症例を集めていくことになった」というニュースを聞いたのですが、その後どうなっているのかなぁ……。
【オススメの読みモノ】
「患者よ、がんと闘うな」で知られる近藤誠医師のコラムを見付けたのでご紹介。
民間療法 僕がすすめるがん治療 近藤誠著/文藝春秋 より
昨日の日記で書いた経緯で、10ヶ月続けていたフコイダンを止めることになった殿。しかしやはり「何もしない」と言うのは精神衛生上ヨロシクないのです。そこで、代わりにヤクルト400(1本74円)を飲むことにしました。正確には逆の流れで、ヤクルト400という代替案が候補に挙がったからこそ、フコイダンを止める決心ができたのですが……。
2010年5月17日(月) ヤクルト一家への転身
父の肺癌とは全く関係なく、自分の健康維持のツールとしてヤクルトには随分前から注目していました。
2年ほど前に足ツボマッサージに行った時のことです。手慣れたマッサージ師に当たってラッキーと至福の時間を満喫していると、あるツボが痛くて痛くて。そこは消化器系のツボだと言うので、「消化器系が弱いというコトですか?」と聞くと、マッサージ師のこんなお答え。
「このツボはほとんどの人が多少なりとも痛がりますね。今まで何百人もマッサージしてきて、ココを押して全く痛がらなかった人はほんの数人です。つい最近も痛がらない人がいたんですけどね、押してて指の入り方が他の人と全然違う!って分かるんですよ。その人に何か特別なことをしているか聞いたんですけど、毎日ヤクルトを飲んでいると。それも普通のヤクルトではなく、ヤクルトレディからしか買えないスペシャルなヤツを飲んでるって言ってました。それ以来、私もヤクルトを飲んでるんですよ」以来、私も何となくヤクルトを気にしてはいたのですが、スーパーで買えるならまだしも、ヤクルトレディからしか買えないと言うのは面倒で、胃腸のトラブルがある訳でもないので、真剣に飲むまでには至っていませんでした。
しかし最近、会社に来ているヤクルトレディがヤクルト400LTおよびミルミルの販売に力を入れており、試供品を気前よく配り、更には10日間半額キャンペーンを行っていたため、フコイダン中止を検討していたこともあり、急遽真剣にヤクルト生活を検討することに。1本74円なら、1ヶ月分(2,220円)がフコイダン1日分(2,400円)より安いのです。
ネットサーフすると背中を押す記事がゴロゴロと……。
ヤクルト!飲むで〜〜〜
医学博士の話では「ヤクルト」最高らしい!
ヤクルトに含まれるシロタ株といわれる乳酸菌だそうで、何十年も前からマウス実験では「粘膜系の癌」には効果絶大だそうである。今ある抗がん剤よりよほど効くらしい。しかし、医学博士の中では有名な話だそうだが、1企業の特許なので公にすることがないそうである。
そうそう・・・、私ヤクルト配ってます(^・^)
抵抗力を高め、免疫力を強める・・年齢とともに衰えていく免疫力をフォローしてくれたり、ガン細胞をやっつけてくれる働き・アレルギーを緩和する働きがあります。
このことは、我が家の家族でも確かに結構実証されてます。
だんなさんは季節の変わり目には軽い喘息が出てくるんだけど、ヤクルト400を飲みだしてから、吸入する回数が明らかに減ったらしいです。だからだんなさんは大喜び(^^♪で毎日飲んでます。飲み忘れたら次の日2本飲んでるし(^_^;)
それに子供たちも鼻水はたらすけど寝込むような病気はしなくなったかな。先日の熱ももしかしたら1年ぶりぐらいかも・・・。
乳酸菌がNK細胞活性化
研究チームは「生活習慣によって低下している免疫力を食品で改善できる可能性を示した」としている。
昨日フコイダンについてあれだけ色々書いておきながらまだ懲りないのか……と思われそうですが、ヤクルトは安い! これは大きな違いです。しかも(取得フローに色々問題あれど一応)信頼感あるトクホ商品ですし、これで癌が治るなどという大それた期待は最初からしていませんし、それでも整腸作用があるという話はよく聞きますし、美味しいので単に飲料として好きですし、これで1日1本74円なら安いモンかと。
ヤクルトレディによると、小腸で働く乳酸菌シロタ株が400億個入っているヤクルト400はヤクルトレディからしか買えず、それが1本74円。スーパーなどで買える普通のヤクルトはシロタ株が150億個で1本35円。癌細胞に対抗するにはシロタ株300億個以上必要らしいのでヤクルト400を、父と、ついでに母と私も始めようかってことで、今日から我が家は俄かヤクルト一家となりました。
母と私はヤクルト400で充分ですが、父は大腸(盲腸)癌もあるので、ええぃ出血大サービス!で大腸で働くビフィズス菌が100億個以上入っているというミルミル(1本95円)も併用しようじゃないか!と。父・母・私と3人合わせても月9,510円!
夕食時に「今日から食後にヤクルトとミルミルが付きます。甘いのでデザート代わりに……」と差し出すと、甘いモノを抑制されていた殿にとって大歓迎の味だったようで、「美味いなぁ! これで身体にもいいのか? ヤクルトってのは凄いじゃねぇか!」と大喜び。74円+95円でこの効果……なごむなぁ……。
そんなほのぼの場面の裏で、単に美味しいものだからヤクルト400だけでなくミルミルも飲みたがる母と、95円×30日=月2,850円の追加出費を渋る吝嗇娘。
母 「私はミルミルはいいの? 私も飲みたい!」兄弟に平等に扱うのが難しい親心のように、両親を平等に扱うのは難しいと感じる孝行娘であります……。
鷹瀬 「ミルミルは95円で高いから、お母さんはヤクルトだけでいいの! お父さんは大腸(盲腸)癌だからミルミル飲むんだからね。大体、お母さんは腸の調子良いじゃない。ミルミルは必要ないよ」
母 「……えーえー、そうですか。いいわよ、どーせ私は70円の人生よ」
ここ数日落ち着いたかに見えていた父の腰痛ですが、本日「痛くて眠れない」レベルに再燃したらしく、日付も変わる真夜中に下の階から父の怒鳴り声が……。どうやら痛みのため母に激しく八つ当たりしている模様。(いや、殿は痛みがない時でも怒鳴ってるわ……)
2010年5月18日(火) 暴君からの礼は放屁
上の階まで響き渡る怒鳴り声の音量から判断する限り、とても元気に思えるのだけど……。我が家の日常茶飯事である「父の母への罵詈雑言」をドアの影に隠れて立ち聞きしながら(←日々のコトなので動揺はしない)、「ふーん痛くても怒鳴れる種類の痛みなんだ。気ィ紛れンのかなー。放っておいても大丈夫じゃね?」と分析しつつ、「あーあ、出てった方がいいのかなぁ、でも明日は早いし眠いのに参ったなぁ」としばし事件現場に繰り出す気持ちになれず。しかしその間も絶え間なく詰られ怒鳴り付けられている母がさすがに気の毒になり、父の腰痛ではなく母の精神状態を慮ってババーンと登場するは、生まれた時から仲裁役の任に就いている娘。
鷹瀬 「はいはい、どしたのー? 痛むの?」ホントかよ。構って欲しいだけじゃないの?と疑いつつも、獲物(=母)から気が逸れたことを確認して、本格的に構ってやることに。しかしその間も少し口を挟んだだけで殿から「分かりもしないクセによく言うなッ!」とギャアギャア罵倒される家庭内弱者のママン……可哀想すぎるこの扱い……。毎度思っている(&時々本人にも言ってみる)ことですが、この暴君には本気で感謝の気持ちがないのかと。どうしてそこまで性格が悪いのだと。
暴君 「痛いよ! 腰のマッサージでもしれくれりゃあな、痛みも治まるんじゃないかと思うよ」
鷹瀬 「マッサージしたら治りそうな痛みなワケ?」
暴君 「アイテテ。多分な」
結婚に夢が持てない環境に生きとるなぁ……と自分で自分の家庭に感心します。母も以前は「(自分の夫を指し)あんな人でも独りよりはイイ」とのたまっておりましたが、最近では私が「こんな旦那なら要らないんですけど」と言うと、「そうね」と素直に同意しております……。
さて、話を戻しますが。
殿からの言葉の暴力をヒョイヒョイとかわし、再び母に襲い掛かる前に「じゃあ腰のマッサージしてあげるからこっちおいで」と気を逸らせます。「殿の気を逸らせる」――この技術においてはもう右に出る者はいないってくらいプロの間合いで展開できるワタクシですが、汎用性のない能力に愕然とする思いです……。
喚く殿を適当にあやしながら椅子に座らせ、尾てい骨上辺りをそっと擦ると、もっと強く!と偉そうにリクエストが。要望通りにぐりぐり押し擦ると痛がらずに気持ち良いと。こんなんって骨転移じゃないよねぇ?? やはりただの老人性神経痛? 色々思うところはあれど、結局は親切にぐりぐりし続けると、いつまで経ってもストップの声がかかりません。
――15分経過。まだやんのー? 腕だるいし眠いよー。
鷹瀬 「まだぁ?」…………腰のマッサージで後ろに回っているため、暴君の放屁をモロに浴びる孝行娘。神様、これ一体ナンの修行ですか? 幸せになりたいよぅ……。
暴君 「もう少しやるとイイコトが起こりそうな感じがするよ」
鷹瀬 「……。そういや今日は便は出たの?」
暴君 「いや、昨日も今日も出てないよ」
鷹瀬 「アレ? 日曜日は出たよね? また便秘かー」
暴君 「(マッサージを)やってるとな、出そうな感じになって来るよ」
鷹瀬 「ふーん、それは良かっ……」
暴君 ぷぅ
鷹瀬 「?! くさっ! 臭い!」
暴君 「な? こんなふうに何度か屁が出てな、(便が)出そうな感じにはなってるんだよ」
痛みのためでしょうか……最近(いや、前からですが)殿が事あるごとに物凄い勢いで怒鳴ります。タイミングを問わず、本当に朝一番(7時頃)からギャーギャーと。余りの剣幕に元気だな〜と逆に感心してしまうほどに……。
2010年5月21日(金) 癌とボケとの競争劇
まぁ殿の良いところは、こんな激怒体質が最近始まったモノではなく、癌発覚以前からの老人性の根本的性質だったという点。母も私も20年くらいかけてこのように荒れる殿に慣れているので、気持ちの良いモノではありませんが、そこまでショックではないという利点が……。いや、これ利点かなぁ……。(←自分で言ってて自信ない)
癌患者を支える家族の辛さとして、こんな話があります。
同僚Aさんは2年前に癌でお父様を亡くされており、そのこともあって現在の我が家の状況を非常に親身に理解してくれるので、精神的に助かっているのですが、そんな同僚Aさんが言うのです。
「うちの父は本当に優しくて、声を荒げたことなんか一度もない人だったんだけど、抗がん剤の副作用とかで苦しかったんだろうね……最期の方は怒鳴ったり、言えないような酷いコトを言われたりして本当にショックだったよ……」……普段優しい人が病気の苦痛から人が変わってしまうのは、支える家族としては非常に辛いしショックだろうと思います。その点ウチはショックの分割前払いとでも言うのでしょうか。目下、日々のショックはそれほどでもないです! ……全然自慢になりゃしませんが。
それよりも最近ボディブローのようにじわじわとキているのは、殿のボケっぷりです。些細なことで大激怒するのも、ボケの一環な気がします。
同じことを数分経たない内に何度も聞いたり、1つしかないモノを「2つあった!」と言い張ったり、その勘違いを指摘しても「お前が知らないだけだ!」と自信満々だったり……。まともな時もあるのですが、基本的に理解力は確実に低下している様子で、元来頭の良い人だっただけに、正直寂しく思います。誰しもに平等に訪れるとは言え、老いるって切ないなぁ……。
本日の夜、いよいよと言うか、殿が血痰を吐きました。痰の中に血の塊が混じっているもので、慌てて確認すると2日前にも出ていたようで、余りに呑気な態度にこっちが怯みます。
急いで血痰と癌の進行度合いの関係を調べると、殿の扁平上皮癌では初期の症状として血痰が挙がっていました。普通の人は血痰から癌を早期発見しますが、殿の場合は癌であることが先に分かっていたため、これ(血痰)は想定範囲内の症状であり、そんなに心配することないよ、と慰めるつもりで説明すると……なんと!
「俺って肺癌なのか?」!? こいつぁさすがの私も衝撃を受けました。毎日のようにそれについて語っていたと思っていましたが?! 「癌」という単語を避けた覚えもなく、むしろ積極的に状況や症状を細かく話していましたが?!
瞬時に色々考え、仮面の下に動揺を抑え込み、心の体制を整えるアタイ。癌の進行よりもボケの進行の方が深刻なのかも……。
鷹瀬 「えーと……約1年前から主治医も私も皆そのつもりで動いていますけど?」患者本人に癌を隠す家庭は多々ありそうですが、本人に「あなたは癌だってば!」と教え込むレアケースな展開に。
殿 「そうなのか? 俺はまた『疑い』だと思ってたよ」
鷹瀬 「一番最初……って去年の7月頃はそう言ってたけど、その後、喀痰検査で癌細胞出たじゃない。ちなみに忘れてるようだけど、肺だけでなく盲腸にも癌があるんだよ」
殿 「そうなのか!」
鷹瀬 「そうなんです。ま、メインは肺の方だけどね。まぁいいや。もー気にすんな!」
殿 「ああ、任せるよ」
昨日のPET検査では問診票に自分で「肺癌」と記入しており、常日頃は把握している(と思う)のですが、ボケの症状が現れて時々忘れちゃうんでしょうね。それはもしかしたら頭が完全にクリアな状態で肺癌を受け止めるよりもイイコトなのかもしれません……。家族としてはかなりショックで凹みますが、本人の気持ちがボケによって平穏をキープできるのであれば、ボケっつーのもなかなか粋な計らいをしやがる、と歓迎すべきことなのかもしれません。なかなかそこまでの達観は素直にできませんけど。
しかし、初期症状とは言え視覚的インパクトの強い血痰が現れたことで、腰痛はやはり骨転移?と疑いが深まり、落ち着かない日々が続いております。
昨晩血痰が出て家族を慌てさせた殿ですが、本人は平然としたモンでした。しかしアレは「平然」ではなく、「ぼんやり」していただけだったのかもしれません……。と言うのは、今朝、朝食を食べていると殿が食卓にババーンと登場し、何を言うのかと思いきや……
2010年5月22日(土) 昨日の続き
殿 「オイ! 大発見だぞ! 俺、血痰出てるぞ!!」…………我ながら、心が強くなる日々を送っているなぁ……。
母・鷹瀬 「………………」
鷹瀬 「えー……その件は既に昨日発見されてるんですよ」
殿 「ん? そーかい?」
歴史は繰り返す……現在起こっている現象に限定して言い直すならば、健康食品は繰り返す。先週16(日)にアレだけ固く決心したつもりだったのに……本当に人間って弱い生き物ですね……。
2010年5月23日(日) 健康食品は繰り返す
――と言うことで、ようやくフコイダンを中止する決心をした矢先に、新しい高額健康食品(今度は乳酸菌)に手を出しつつあります……。
今回は、私は「もういいよね? やらないで……」という態度だったのですが、母が「何でもやるだけやってみましょうよ!」と。本人も「乳酸菌なんてのは最近イイらしいね」と。あーー……蘇るフコイダン開始時の浮ついたキモチ。
今度こそ1ヶ月……いや、3ヶ月様子を見てみて、何の効果も現れなければ絶対に中止しようと思います。とりあえず今回の高額健康食品は1日1,600円ですが、今度こそ費用対効果が良いといいなぁ……。
本日は20(木)のPETの結果発表、主治医との定期面談日です。結論から言うと、腰痛は骨転移ではなく、しかし各所(肺&盲腸)の癌は急成長を遂げておりました……。
2010年5月26日(水) 圧迫骨折と急成長の癌
良いニュースと扱って良いものか……腰痛の原因は骨転移ではなかったものの、なんと圧迫骨折(正確な診断は「Th11椎体圧迫骨折の疑い」)でした。老人が転んだ拍子に骨折するということはよく聞きますが、寝ていていきなり激痛が襲う(骨折?)という発生の仕方もあるのですね……。とりあえず、骨転移ではなかったことは一安心しましたが、骨折は骨折で厄介です。
例によって例のごとく、主治医からは「余り腰を動かさずに。コルセットをした方がいいです。硬いのが嫌なら腰痛ベルトでもOK」程度の曖昧な説明しかないため、詳細情報は家に帰ってから自力で調べることに。すると、
●初期の圧迫骨折はレントゲンでは判断が難しいと言うことが分かり、こんな重要な説明が一切なかった病院に対する不信感がむくむくと……。
●圧迫骨折後は入院やコルセットをして1〜3ヶ月程度は安静にするのが必須
●ただし、年齢により治し方が異なる(高齢者は長期臥床による足腰の弱りや痴呆症状、肺炎などが生じたりするなど様々な合併症がみられるため、安易に絶対安静にするのは危険)
●治療用装具(コルセット)は医療保険が適用され、医者の診断書があれば1〜3割負担で購入できる
主治医は呼吸器内科の先生なので、圧迫骨折についての知識が少ないのは当然なのですが、14(金)に脊椎専門医による精密検査を行っているのですから、上記の圧迫骨折に関する基本知識は整形外科医から説明があって然るべきで、直接の説明がないのなら主治医を通して行われるべきではないかと……。
コルセットを作るにしても、病院で作ってくれるという話が一切出なかったため、どういうモノを買うべきか調べるところから始めて自分で購入しようとしていましたが、せめて保険が使えることくらいは教えて欲しいモノです。
こんな苛立った感情が渦巻く経緯で、翌日主治医にコルセットの必要性と保険適用について電話で確認したのですが……。主治医の言葉の端々に整形外科との連携が上手く行っていないことが窺われ、その原因の筆頭は父本人の態度(?)らしいと分かりました……。
主治医 「本来であれば整形外科の先生が診断書を書くし、そのつもりで用意していたらしいんですが、あの日は鷹瀬さんも長く待たされて診察の時にはそれどころではなくなってしまったようで……えー……色々と行き違いがあったようで……そのー……」………………そうでした、14(金)の検査の日、父は「院長呼んで来い!」と暴れたんでした。
クソジジィめぇ〜……ただでさえオペレーションが悪い大病院で、更に混乱招いてどーすんのよっ! 「患者によって義務を果たさないなんて『医者』じゃない! by 父」って、そりゃ正論だとは思いますがね、患者は完全な弱者なんだから、せめて命かかってる時くらいは黙ってなさいよ! 医者だって人間なんだから好き嫌いで態度変わるでしょ! 態度が同じでもそもそもの力量が足りない医者だって多そうだし。そして悲しいかな、人間できてて力量もある医者なんぞ滅多にいないんだから……。
父の暴れっぷりは家族として簡単に想像できるので主治医に謝ると、「整形外科医でなくても構わないのであれば、診断書は僕が書きますから。多分コルセットを販売している店ならそういうことも知っているでしょうから、聞いてみて下さい」と。あ……保険についても自分で調べるんですか……。先生から整形外科に聞いてくれないの?と思いましたが、もしかしたら整形外科医と患者(父)の間で板挟みになっているのかもしれません……。
主治医は、説明不足と感じることは多々あれど、やはり心根の優しい良い先生だと思います。面談日はたっぷり時間が取れるよう、後に患者のいない遅い時間に設定してくれているし、父が病院の体制の問題点や人間らしくない対応、治療法や健康食品の研究の遅れなどについて先生に絡むと、嫌な素振りを見せずにきちんと聞いて、
「鷹瀬さんのような患者さんは珍しい……と言うか、初めてです。いや、良い意味で。鷹瀬さんの仰ることは本当に正論だと思うんですよ。ただ、どうしても病院側がそういう風には対応できない面があって、そうして行かなくちゃならないとは思っているんですけど、なかなか難しくて……」「良い意味で」と言うのは何となく取って付けた感がなくもないですが、しつこくて話の長い父の相手をきちんとしてくれる先生で、家族としては父がぞんざいに扱われていないので嬉しいし、こんなに扱い難い人なのにありがとうございます!と感謝しております。それに父から逃げなかった最後の先生でもあるので本格的に大事にしなければなりません。
一方で、どうやら整形外科の先生には完全に嫌われた(?)らしく、頼れない雰囲気が……。呼吸器内科の先生に圧迫骨折用のコルセットの選び方など分かる筈もなく、結局は自力で模索(涙)
圧迫骨折の基本知識、コルセット選び、医療保険申請に関して……病院が教えてくれればほんの数分で済む話なのに、聞いても何も教えてくれないので全てインターネットで調べました。知りたい回答がハッキリクッキリ掲載されている訳ではないので、大量に情報を読み漁り、その中から少しずつ望む回答を見付けて行くのです……。これ、20年前のネットが浸透していない時代だったら調べる術もなく呆然とするしかない訳で、父の態度に反省点は多々あれど、病院ってのは随分不親切だなとやはり腹立たしく思うのでした。
さて、肝心の癌ですが……。
右図(PET結果)のように奇跡が起きている様子は微塵にも窺えず、それどころかどちらも想定よりも若干速いペースで大きくなっていました……。
去年7月と10ヶ月後の今回、2つの写真を見比べると、そもそもの写真の濃淡が違うせいもあって色々な場所が黒く映っているのでビビリますが、とりあえず注目すべきは赤丸の肺癌(上)と盲腸癌(下)の増大です。
今回のPET写真の肺赤丸の右斜め下にある脊椎の黒い線が圧迫骨折を疑われているTh11の背骨で、肺赤丸の右斜め上にある小さな黒点はリンパへの転移の可能性を示す影です。
PET検査 肺癌 盲腸癌 2009/7/24 経 32×32mm/SUVmax 8.8 長経 20mm/SUVmax 5.4 2009/10/7 経 36×35mm/SUVmax 12.4 サイズ不明/SUVmax 8.1 2010/5/20 経 64×57mm/SUVmax 16.9 経 36×29mm/SUVmax 11.9
あ〜あ……乳酸菌で奇跡起きないかなぁ……。
【参考文献】
圧迫骨折とは……日本脊髄外科学会 > 病気の解説と治療法の紹介 > 圧迫骨折椎体形成術
圧迫骨折とは……痛み緩和教室 疼元痒舎 > 疾患別の説明 > 腰椎圧迫骨折
補装具の保険適用は……全国健康保険協会 > 健康保険給付の申請書
コルセット選びに困ったら……相談できるショップ 【コルセットミュージアム】
腰痛のことなら何でも!……腰痛専門ポータルサイト 【腰痛NAVI】
気が付けば父の病状記録になりつつありますが、現在私の生活(行動)の6割くらいが父絡みなので、自分の日記を書くと父の(病気の)話題になります。
2010年5月27日(木) 介護認定に陰り
民間療法(主に食事療法)を模索し、病院や国の体制への不信感を抱えつつ、煩雑な申請処理を調べる……など、主にはネットに助けられつつ調べ物の日々。インターネットが無い時代だったらどれだけ大変だったんだろうと当て所ない気持ちになりますが、無ければ無いでできる範囲内だけでどうにかしていたのかもしれません。諦めにくい世の中になったということでしょうか。情報が多いのも善し悪しです。
さて。父を取り巻く介護環境ですが、5/6(木)に起こった腰激痛を切っ掛けに、事態は以下のように自動的に駒を進めています。
5/6(木) 腰激痛が起こる。 5/9(日) 「福祉用具専門店」から介護用ベッドをレンタルする。 5/10(月) 介護保険適用にあたり、「福祉用具専門店」が「高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)」に連絡し、センターの相談員が訪問。 5/11(火) 「高齢者あんしんセンター」相談員から、介護保険申請に必要な医師の診断書(メモ書きでOK)を用意するように言われる。 5/12(水) 主治医の診断書を「高齢者あんしんセンター」に提出。 介護保険適用にあたり、「高齢者あんしんセンター」から「区役所・高齢介護課」に連絡が行く。 5/17(月) 介護認定審査のため、「区役所・高齢介護課」の介護保険認定調査員が訪問。 5/27(木) 介護認定審査のため、「高齢者あんしんセンター」相談員2名、「居宅介護支援センター」管理者1名、「福祉用具専門店」相談員1名の計4名が訪問。 6/9(水) 区役所より介護認定通知が届く予定。
上記のように腰激痛=介護用品レンタル開始=介護認定申請を切っ掛けに様々な人々が登場しましたが、自ら連絡を取ったのは、介護用リクライニングベッドのレンタルを申し込んだ福祉用具専門店のみで、その後登場する地域包括支援センター、区役所、居宅介護支援センターは、こちらが連絡を取った訳ではなく、自動的に現れました。そういう意味では患者を支えるネットワークは出来上がっているようで助かりますが、細かい点で各者説明が足りず、しかも3者(地域包括支援センター、区役所、居宅介護支援センター)の役割分担が曖昧で、正直手際も悪いと感じます。新しい登場人物が現れる度に、「え? あなた誰? 何のために来たの?」状態です。
要するに区役所に介護保険申請をする手続きが煩雑なため、間に高齢者あんしんセンターのような地域包括支援センターが介在し、手続きの代行をしてくれるという仕組みなようですが、これもそもそもの手続きがシンプルであれば仲介など不要だと思うし、親切心から存在する地域包括支援センターの相談員も、担当によっては残念ながら余り頼れないのが現実のようです。
5/11(火) 「高齢者あんしんセンター」相談員から、介護保険申請に必要な医師の診断書(メモ書きでOK)を用意するように言われる。
とありますが、この件に関して最初、相談員は「診断書を作成すると別途費用が発生するので、主治医から口頭で『鷹瀬さんには介護用ベッドが必要である』旨の言葉を貰えれば良い」と言ったのです。診断書の手数料を考慮してくれるのはありがたいのですが、国の申請に必要な情報が口頭伝授でいいハズがないと思い、何度も確認しました。
鷹瀬 「口頭というのは、『先生がベッドは必要だって言いました』と私が相談員さんにお伝えすれば良いと言うことですか?」ここまで遣り取りしていましたが、この日の夕方、この相談員から自宅にメモ付きの簡易診断書が届き、メモにはこうありました。
相談員 「そうです」
鷹瀬 「いや、主治医は『必要です』と言って下さるのはほぼ確実ですけどね。口頭伝授ってあり得なくないですか? 役所に出す書類で、主治医から私、私から相談員さんに口頭で伝えて、それを相談員さんが書類にするんですか?」
相談員 「診断書があればベストですが、そうでなくても主治医が言ったということが明確であれば大丈夫です」
鷹瀬 「本当ですか? 別に嘘を吐くつもりはありませんけど、先生の言葉のニュアンスを私が勝手に勘違いして解釈すると言う可能性もありますよね? そういう場合は?」
相談員 「大丈夫ですから」
鷹瀬 「……そうですか。では明後日主治医と面談なので、その際に口頭で確認しておきますね。その日の夕方にそちらに電話します」
お昼に電話をさせていただいた際には口頭だけで良いと申し上げてしまいましたが、改めて確認してみたところ、又聞きは認められないようなので、簡単な文書を作成いたしました。明日の主治医の説明の際、先生にお渡しください。その場で書いていただけるようであればスムーズかもしれません。…………「又聞きは認められない」って、まぁ当然ですよね。認められたらそっちの方が驚くわ。そしてこういう人の特徴として、絶対に謝らない。どこを探しても「お手数かけてすみません」の一言がない。数時間前に私が何度も何度も確認していた通りだったという事実をどう処理しているのでしょう。
何と言うか、悪気がないのはよく分かりますが、患者と役人の架け橋となる立場の人が、社会の仕組みとしてかなり常識的なことを感覚として理解していないようなので、全然信頼できません。こんな調子ですから、いちいち説明が足りず、本来ありがたいと思わなければならないサポートをしていただいているようなのに、非常にストレスを感じます。(上記遣り取りをした最初の相談員は男性で、その後、女性に代ってからは少しマシになりましたが……)
こういう経緯を間に挟みつつ、本日の記録です。
記録の前に基本知識として、介護認定は8段階(該当せず・要支援1〜2・要介護1〜5)あります。介護にまつわるサービスや保険適用のレンタル品は、この介護度によって享受できるモノに制限があります。例えば保険適用(自己負担1割)でレンタル出来る福祉用具は、杖・歩行器などは要支援1以上で借りられますが、車椅子や介護ベッドは要介護2以上でないとレンタルできません。
父は腰痛を抱えてヨロヨロながらも、トイレに行ったり食事をしたりは自分で出来ている状態、つまりどう頑張っても「要支援」状態であり、とても介護保険が適用される「要介護2」以上の認定が下りないことは申請前から分かっていました。基本規則では、父は介護ベッドを10割負担で借りるべき患者です。
しかし軽度者であっても(介護ベッドを1割負担でレンタルできる)例外規定があります。父の場合は治る見込みのない癌患者であり、実際に通常のベッドでは自力で起き上がれません。その旨記した医師からの意見書を添え、担当者会議を経て、役所の介護保険課へ届け出て許可を得られれば、介護保険が適用できます。この例外規定により、車椅子は軽度者でも比較的借りやすいようですが、介護ベッドはなかなか許可が下りないとのことです。しかし月額16,000円と1,600円では半年で約10万円もの差が出ます。何としてでも例外規定を取りに行かねばなりません。
この例外規定ゲットのための難関である「担当者会議」が、本日の
5/27(木) 介護認定審査のため、「高齢者あんしんセンター」相談員2名、「居宅介護支援センター」管理者1名、「福祉用具専門店」相談員1名の計4名が訪問。
にあたるのですが……。平日日中の訪問のため、私は会社で不在。母だけで大丈夫かなぁ……。
何がこんなにも不安なのか――。父の気質に問題があるのです。それも多分「大」問題が……。
役所で、病院で、交番で、美術館で、お店で、ありとあらゆる場所で、手際の悪さや非合理的な事態を発見すると、医者でも警察官でも学芸員でも運送屋の兄ちゃんでも、相手が誰であっても平等に説教(演説?)を始める気質(いや、もはや体質かも……)の父が、「介護認定調査団が我が家にやって来る」などという大イベントで黙っていられるわけがないのです。
介護認定時によくある不幸として、「認定対象の老人が判定員の前で張り切ってしまい、介護度が低く認定されてしまう」ということは多々あるのですが、ウチはまさにそれになりそう。身体はヨロヨロでも口調に無駄に勢いがあるため、印象として「元気印の老人」と映る可能性は多分にあります。
この訪問審査がいかに大事か、殿には事前に口を酸っぱくして何度も何度も言い含めました。この審査に通らなければ介護用ベッドは10割負担になること、審査員の心証を悪くすればそれだけ認定に不利になってしまうこと、だから大人しくしてるんですよと何度も何度も……。
本日昼頃、そろそろ審査員が来てるのでは?という時間になり、会社で仕事をしつつもそわそわと母からの連絡を気にしていると、携帯メールに着信が……母からです。
11:39 介護保険でベッド借りられないかも!!うわぁ……いきなり予想通りの展開……。あれだけ言い含めたのに無駄だった……? どういう状態か詳細を求める返信メールを送ると、しばらく経ってからパニクリが溢れ出すメールが。
12:40 本人リクライニング必要ないと言ったから認定下りない!と、安いから借りるんだ!!でダブルパンチ!!!!!!!判定は6月中下りる、そうだけど医師書類がどれだけ効力あるか!!……はぁ。思い出すだけでも疲れるこの現実……ここから改めて書くのが億劫になって来ました。「介護認定どうした?」と聞いて来た友人Zに返信した、本日の怒りの報告メールをそのまま転載しておきます。
あの人はまたいつもの調子で役人(認定者)相手に政策のゆがみやら、
とうとうと語りまして。腰痛くてヨロヨロのクセに、元気一杯に振舞っちゃった
わけですよ!! しかも、いつもの「何でも否定する」という性質に基づいて、
借りている介護用ベッドのこともボロクソに言って。
「こんなモン役に立たない。安いから借りてるんだ!」みたいな……。
そりゃ金持ちならシモンズのリクライニングベッドが欲しかったので、
ある意味「安いから」というのは本音だけど、NGワードでしょう……。
認定者なんてあわよくば介護認定は下したくないんだから、そんなこと
言っちゃったらもう!
「鷹瀬さんは、このベッドが不要なんですね?」と3回聞かれたって。
本人の口から不要と言わせたいんだよね。結局言っちゃったらしいし。
帰り際に「保険適用は難しいでしょう」って言われたってさ……。
認定者が帰った後に母から報告を受けて、「『ボケ老人の戯言ですし、
元から何でも批判する性格なんです。リクライニングベッドはちゃんと
活用してます』って電話で言って!」と会社から指示を出し、母もその通りに
したけれど、あっちの対応は「まぁ6月中旬に分かることですから」と
冷ややかだったとさ。
もうさぁ!! 役人にもムカツクんだよね! 本当にボケ老人だったら
そういう人からも誘導尋問で言を取って、認定を与えないとかしてそうだし。
そしてクソジジィにもムカツク!! 役人の前で
「(母を指差して)この人は役人が来たら、ヨロヨロなフリをしろとか
言ってるからね!」
とか言っちゃったらしい。いやアンタ本当に今ヨロヨロじゃん!!!
その夜、物凄い勢いで説教したんだわ。屈原の漁夫辞みたいになった。
「アンタ役人は馬鹿だ馬鹿だって言ってるけど、そこまで分かってて
役人の前であんなこと言ったら、認定下りないって分かんないの?!
そもそも介護認定なんて曖昧で公平性にも正当性にも欠けてるの!
多くの老人は認定者が来るとその時だけ張り切っちゃって、介護度が
下がるという話は常識なの。1日中一緒に生活している訳でもないのに、
切り取って覗き見た30分程度の結果で認定を下すようなシステムなの。
本来はそこまで見越して認定すべきなのに、奴らはそんな気がないのよ。
『本人が不要と言ったから介護保険は下りません』なんてのはそもそも
ナンセンスなのよ。ボケ老人だったらどーすんのさ、と。お父さんも半分
それだけどね。余程親切な認定者出ない限り、そんな弱点に付け込んで
認定が下りないように、軽くなるようにしてんのよ!
次回再認定を申し込むにしたって、半年後以降じゃないと再認定は
出来ないんだからね!(※注) お父さんが余計なコトしてくれたお陰で、
介護ベッドレンタル料月1.6万円が半年、約10万円の出費ですよ!
半年で1万円で済んだものを! 馬鹿だねまったく!
9万円も無駄金を払うなんて! 馬鹿だねまったく!」
※注:再申請は半年後でも、保険は遡って適用されるそうです。
まさに屈原の漁夫辞を地でやることになるとは……しかも私がまさかの漁夫役。どっちかってーと屈原タイプなのに、本家本元には敵わないってコトですか……。
しっかし笑っちゃうのが、殿ってば役人たちの前で演説して政策に思う存分ケチを付けたらスッキリしたのか、認定者達が帰ってしまった後になって、母を捕まえて「このリクライニングはなかなかいいぞ。ちゃんと言っとけよ」とか言い始めたそうで……。そりゃそうでしょ、普通のベッドじゃ自力で起き上がれないんだから。でももう遅いっての。
ああ、もう! 馬鹿だねまったく!
例外規定が適用されるかどうか、結果は6月中旬です。ただでさえ大変なのに、患者本人が手に負えない性格なので、更に大変な事態に陥っております……。
返す返すも、馬鹿だねまったく!!
【追記】
介護認定では皆さん苦労しているようです。特に2006年4月の介護保険改悪後の悲鳴は凄まじいものがありますが、その後も「改正」される度に介護保険は利用者にとって厳しいものになっているようです。
●しんぶん赤旗/2006年8月子供手当やら給付金やら、的外れなバラマキ政策でどれだけの税金が無駄に消費されているのか。一方で、必要と思われる面で予算を削られ、多くの人が介護という精神的にも物理的にも負担の大きい環境下で、更にトドメとして経済的にも多大なる負担を強いられているのです。
介護保険サービス減 生活できず/民医連調べ 改悪後の困難事例集
●全日本民医連/2006年9月
介護保険改悪/自立しろっていうけれど、ベッドがないと起きられない!
●介護de しあわせになる日記/2007年3月
要介護度下がりました
●福祉・介護・保険・医療系専門職のためのソーシャルコミュニティ Wel/2007年9月
認定調査員は必要か?
●日経BP/2009年8月
要介護認定をめぐるドタバタと「新介護難民」
しかしこの手の話はやはり当事者以外の反応は冷たいモンですね。介護度が下げられて困っている方への、介護現場の現実を知らないであろう人々からの冷たい回答群たるや……。法律が改正されて介護度が下がった(負担が増えた)というのは当事者たちの間では常識レベルでよく聞く話ですが、そういう厳しい現実も知らずに
「要介護から要支援に下がるのは、法律が改定になったからではないです。それは親戚の方が、自分でできることが増え、カラダの状態がよくなったと市の審査で判定されたからです。よくなったのに、どうして不満なんでしょう?」なんて役人のような回答をする人もいます。無知なクセに自信満々、弱者の立場を欠片も想像できないようで、なんとまぁお国にとって模範的であり扱い易い小市民の代表格でしょう。(でもこの方、後半の意見はまとも)
ただ私は現在、介護する側に立っているので質問者の不安や憤りがよく解りますが、実際に介護現場に立たされたことのない人々にとっては、これが普通の意見なのかもしれません。
以前、湯浅誠氏が、ホームレスや生活保護受給者など、社会的弱者へのサポートとして、まずは社会の目を変えて行かなくてはならない、理解を得なくてはならない、と言っていたことを思い出します。
多くの普通の人々は、どうしようもない貧困スパイラルを知らない。生まれた時から環境にハンデがあり、本人の努力ではどうにもならない、ということもあるのに、人々は無職やホームレスの人を見ると「努力が足りない」「自己責任」と突き放す。少数の不正受給者の例を大きく取り上げて、本当に必要な人へのサポート体制まで縮小しようという動きが強い。介護であれ、生活保護であれ、無職であれ、母子家庭であれ、様々な社会的弱者に対する理解を得るには、国の広報努力が余りにも足りていないのが現実です。介護なんて遅かれ早かれ経験することなんだから、みんな自分のこととして早い内に真剣に考えた方がイイと思いますがね。老後苦しい目に遭ってから役人と闘おうとしても、エネルギー足りませんよ。
現代社会の人々は社会的弱者に対して余りにも他人事に構えている。
昨晩私から物凄い剣幕で散々責められたことで、殿は殿なりに色々思うところがあったようで、朝、母に宣言したそうです。
2010年5月28日(金) 殿、反省する
殿 「もう俺も耄碌(もうろく)してるからな。アンタが窓口になってしっかりしてくれよ。頼んだぞ」父の口から母に「頼んだ」という言葉が出たのは、多分初めて。私が起きて台所に向かうなり、母がひっそりと耳打ちしてきます。
母 「お父さん、大分しょげてるわよ。昨日のことで反省してるんじゃないかしら」しょげる? 反省? 殿が? あり得るの?――と疑いつつ、朝の挨拶で父の寝室に顔を出し、「どーだね、調子は?」とご機嫌伺いすると、私にも似たようなコトを……。
殿 「いいか! 俺はもう耄碌してるんだから、今度から何か折衝があったら『ウチのお父ちゃんはボケてるから』ってお前が窓口になってくれよ」言われなくてもそうするつもりでしたが。しかし口調こそ勢いがあるモノの、なんだか大分しょげている様子……可哀想に……。
――でもやっぱり自業自得じゃん! 馬鹿だねまったく!!
【6月16日の追記】
無事、特別申請が通り、介護用ベッドを1割でレンタル出来ることになりました! 月額1600円! 万歳!
腰を痛めてから身体機能が急激に落ち、本格的にヨロヨロじーさんになってしまった殿ですが、このままだと寝たきりになりかねないので、毎日無理やり歩かせています。さすがに独りで歩かせるのは危険なので、平日は母が、休日は私が付き添って、30分〜1時間くらいの散歩を実行。
2010年5月30日(日) 殿とお散歩
本日の散歩コースは近所のスーパーまで、一緒にお買い物、ゆっくりゆっくり歩きながらの往復40分。その間、赤信号なのに渡り始めちゃうし、横断歩道を無視して車道をつっ切ろうとするし、注意してもへ理屈こねて全然言うこと聞かないし、ハラハラ苛々する散歩道でした……。
その時に話題もないもので、
鷹瀬 「やっぱさ〜犬とか飼うといいかもね。犬の散歩だったら楽しいよね」と言ったら、どういうつもりか、
殿 「犬だと思えば良いじゃないか」……え? 目的語がないからよく判らないけど、文脈からすると、アナタを??
性格の悪いクソジジィですが、このチラ見せの微妙なカワイサがたまらん……。
圧迫骨折による痛みのせいか、癌が進行しているのか、殿が日に日に衰弱して行くのが分かります。5月末の時点ではそれでも日々30〜50分程度の散歩をしていましたが、6月中旬には10〜20分程度で息が上がってしまい、散歩コースも家の周りを1周程度のささやかなものになってしまいました。
2010年6月14日(月) 理屈屋のボケ症状
最初の激痛からもう1ヶ月経過したと言うのに、快方に向かう兆しが全く見えず、本人も24時間絶え間なく続く痛みに朦朧としてしまい、ボケにも拍車がかかりました。
これを書いているのは、その後更に症状が悪化している7月に入ってからなのですが、6月の記録として色々まとめておきたい。しかし改めて書くのも面倒、ということで、友人Zに宛てたメールをそのまま転載することにします。
----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: 友人Z
Sent: Monday, June 14, 2010 2:35 PM
Subject: 理屈屋のボケ症状
<略>
> 両親と旅行いけるのも残り少ないのかもしれない。と思うと、
> 希望のところに一緒に行くようにしようと思うのであった。
そうだよ、思い切り付き合ってやれば、後々後悔が少なくて済む。
私今パピーに全力投球なので、多分後悔はしないな。でも疲れるし大変。
> 驚いた、写真見て。あんなにあからさまに大きくなるんだねえ。
> 今でも「初期段階」なの? 呼吸器だから進行すると入院が
> 必要になるのかね?
もうステージはU〜Vだろうなぁ。転移してなければT、肺内転移でU、
肺内リンパ節や反対側の肺に転移してたらV、遠隔転移でWなんだけど、
PETやレントゲンや血液検査じゃ転移も正確には分からないからさ。
対症療法しかしないから、経過は気にしても仕方ないっつ〜か。
入院しても投薬できるわけでもないので、症状の出ていない今の
内に緩和ケアのある病院を探してる状態。
はぁ〜。今、圧迫骨折が原因なのか24時間痛い痛いと痛がってて
可哀想だよ…。骨折なら1ヶ月もすれば痛みは治まると思うので
やっぱ転移じゃないの?とか疑ってる…。
24時間痛がってる人と一緒に暮らすのって想像以上に大変だよ…。
<略>
私さぁ、今、色んなところで交渉してるんだけど、医者相手でも区役所の
人間相手でも、こっちの権利主張して説明が足りなければ「説明不足ですよね?
そんなんじゃダメですよね? ウチは私がいるからいいけど、老人だけで
頑張ってる家庭に、そのサポートじゃ足りませんよね? もっと××って
するべきじゃないですか? この場合はこういう説明が適切じゃないですか?」
って突き詰めて、先生にも役所の相談員にも福祉ケアマネージャーにも
「その通りです、すみません」って謝られているんだけど、そしてその謝罪を
「謝って当然だよ、まったく!」ってぶりぶりしながら受け止めてるんだけど、
会社の人にその話したらスッゴイ驚かれて
「医者とか役人相手にそんなこと言ったら見放されちゃうと思って言えない」
と言われたのさ。私は「手ェ抜いたら職務怠慢で訴えてやる」とごく自然に
考えて予定を立てているのだけど、普通に育った人は、こういう権威相手に
戦う気構え(?)っつーか、訓練を受けてないので、それこそごく自然に
「不満があってもぐっと我慢する」もしくは「どうせ改善されないからと諦める」
という風になっているんだろうなぁと思うと、いやはやこれは本当に英才教育の
タマモノですよと父の影響力を実感するのであった。
パピー見てると、しつこいし、相手の状況お構いなしで話すのでヤレヤレとは
思うんだけど、言ってることは正論だし、こういう文句を言う人が一切いなくなったら、
それこそ酷い社会が助長すると思うと、やっぱ言いなさい言いなさいと思うわ。
ちゃんと言える人が少ないから、この手の改善が一切されないんだと思うし。
本当は「100言う人が1人」ではなく、「1言う人が100人」いれば理想的なんだが。
日本は特に「システムや政策の改善を促す文句」を言わない人ばかりだからなぁ。
自分の利益だけを不当に主張するモンスターは多くなってきたのに…。
しかしこのような父に育てられ、実践もそれなりに積んできていて、
30代半ばで私自身にも貫禄ついてきたから、大体どこで話してもちゃんと
丁重に相手にしてもらえる。母相手に上目線で話してた人が、私が代わりに
出て話し始めるとガラリと態度が変わるのが分かる。「すげぇなぁ、私。
一体何様だ?」って自分の中の父に感心するよ、まったく。
我ながら、この能力をもっと有効に使えないもんかとしみじみ思うわ。
口下手な弱者の代弁者になりたい…。そして悪徳強者をぶっ潰したい…。
同時にこんな交渉ごとばっかじゃなくて、普通に家庭を築きたい…。
> 嘘を言ってなくても事実の一部しか言わないことで結果嘘になることが多い。
特にこの情報氾濫時代、物事の本質を掴む訓練が必要だよね。
TV局と財界他の癒着とか、裏の仕組みが分かると覚めた目で見られるけど
それでもまだ「新聞に書かれていることくらいは本当では?」とかついウッカリ
思っちゃう。あるある大辞典とか、あの手の番組で扱われる食材って、事前に
大手スーパーとかに情報が流されるんだってね。すると、納豆とかココアとか、
事前に大手が買い占めておくんだって。で、放送後、小さなところは直ぐ売り切れ。
大手は買い占めてあったのを割高で販売→利益ドカンみたいな。当然、情報の
リーク元にはペイバックがあるのだろう。嫌な世の中だよ、まったく。
>> 何でもそうなんだよね。医者は根本説明が足りないことが多くてヤダ。
> これはさあ、知ってて言わないのか、ホントに知識がないのか、
> どっちだろう? トーコの話を聞いてると、どうも後者の気がするのよね。
> 根本的にバカなんじゃなくて、熱意が足りずに新しい情報を日々
> 集めてないというか。
ああ、それはそうなのかも。医者だって、ある意味サラリーマンだもんな。
「学生時代にお勉強が出来たサラリーマン」ね。その後、給料分だけギリギリ
働く人だっているよね。残業だってしたくないし。私も自分の仕事で最新技術
なんか勉強してないから、同じようなもんか…。
頭が良いのは基本として、医者には日々精進体質の人になって欲しいよ。
患者より知識ない医者、たくさんいるもん。父のタイプの肺癌関係に関しては
下手な医者より私の方が知識あるんじゃね?と思うし。
> ……そうか。そうですか。まあ、お父さんは今人生で2番目くらいに
> 幸せな時期だと思うよ。なんっつっても、娘がこんなに自分を構って
> くれるんだから。人生に悔いなしですよ。
そうは言っても毎日24時間イタタイタタ言ってて本当に可哀想なのだ。
痛いと気力も萎えるしね…。ボケも進行してる。
でもさー、面白いっつーか、興味深いのは、理屈っぽい人がボケるとこんななの?
と思うのが、ボケて言ってることが変に理論的なの。つい先日のボケ発言。
本当にこのまま言った。
「おい、この湯たんぽが『変数y』だろ? だから横にもう1つ置くと
熱が伝導して熱いのがずーっと続くだろう? だから係数を1、2、3って
変えて行くと、熱さが長持ちしねぇか?」
「…………………お父さん、思うにアナタは今、錯乱してますよ」
「俺、錯乱してんのか?」
「うん。湯たんぽは1つしかありませんよ。ココに置くね」
「湯たんぽがもう1つあっただろ」
「最初から1つしかありません。老人のボケ症状として、1つしかないものを
『2つあった』って言うのってよくあるパターンなんだって。
まさにメジャーな症状が出てますよ」
「ふーん、じゃあ1つしかなかったのかねぇ」
理詰めで解説すると、ボケを納得!!! 恐いけど面白い。
あ〜〜〜でも私今毎日一緒で徐々に壊れるパピーを見てるから、
徐々に受け入れてるけど、やっぱ色々ショックだよ〜〜〜〜。
はーーーーーー人生って厳しいなぁ…。
これに対し友人Zは
「えー、でもさー、こうやって納得するなら単なる勘違いとか物忘れで、ボケじゃないんじゃないの?」とか返信してきましたが、正確にはリアルタイムで言っているように「錯乱」って感じです。だって「湯たんぽが『変数y』だろ?」ってどこが勘違いで物忘れよ〜〜!!! 話してて恐いっす。普通に真顔で変なこと言うから。そして何度も言う。何度も何度も……。更には理数系のキーワードが多いのも特徴的です。上記メールを送った日の夜には湯たんぽと四則演算の話を絡めて錯乱してました。湯たんぽは最近の必須アイテムらしい……。
四則演算を絡めたバージョンもご紹介。
「いいか? お前にきちんと分かるとは思わないけどな、ちゃんと聞けよ。+−×÷ってのがあるだろ? でも÷がなくても残りの3つで表現できるだろう。(※注) そういう風に、どんどん少ない要素で大きなモノが表現できるだろ? 世の中のシステムってのは細かいことが積み重なって大きなモノを決めて行くんだよ。だから湯たんぽを足先に置くだろ? そうすると身体全体が温まるねぇ。小さいことで全体の効率が良くなると、そういうことをだなぁ……(以下延々と続く)」こ、これはなんか分かる! 言ってるコトが一見メチャクチャながらも、ボケた頭の中で何を考えて何を言いたいか、なんか理解できる気がするっ! そして、こんなときでもテーマは「湯たんぽ」!! 多分、以前私が言った「癌細胞は熱に弱い」「湯たんぽで身体を温めると免疫力が高まる」などのキーワードが意識下に残っており、湯たんぽは治療らしい治療が出来ない父にとって、癌と闘う重要なアイテムになっているのでしょう。…………少し胸きゅん……。
※注:「÷10」=「×0.1」ということを指していると思われる
ボケ(錯乱?)は痛みが強い時や寝る間際に発生することが多いので、恐らくいわゆる物忘れ的なボケと言うよりも、朦朧としている状態なのだと思います。絵画で喩えるなら「ピカソっぽいボケ」と表現したいトコロ。振り返ってみれば、これらの発言はすべてベッドの上で横になりながら言っており、座ったり立ったり身体を起こした状態の時には聞いたことがなく、ボケ症状は別にあるとしても、これはこれで別路線の症状なのだと思います。
6月下旬には徐々に調子が良くなり、その頃にはこのような発言は一切なかったのですが、7月初旬に急に腰痛が激しくなり、それに伴いまたアヤシゲなピカソボケ発言が再発してきました。
ついでなので、6月初旬〜7月初旬の間の錯乱発言をまとめて記録しておきます。毎回展開される不条理劇みたいな会話……。恐いような面白いような哀しいような可笑しいような寂しいような……でも、記録しておきます。
■6/4(金) ※初の錯乱系ピカソボケ発言
「ビタミンAを湯たんぽに入れると、熱が長持ちするって新聞に書いてあったぞ」
「……それは変だよ。ビタミンAって人が摂取して効果があるものじゃん。ビタミンAを湯たんぽに入れるというシチュエーションがそもそもオカシイよ。何かと読み間違えたんじゃないの?」
「いや、TVでもやってたし、新聞でも何ヶ所かに書いてあったよ。今、流行ってるみたいだな」
「それはビタミンAに関する新発見とか、そういう話じゃないの?」
「いや、熱を持続させるのに有効という効果でな」
「じゃあその新聞見せてよ」
――見つからず。
「どっかに書いてあったけどねぇ」
「見つかったら赤丸付けておいて。後で確認するから」
――当然、翌日になっても見つからず。
■6/7(月)
――深夜に内線で叩き起こされ、父の寝室に行くと……。
「ゴム線を食べちゃったみたいでな。今から病院で看て貰おうと思うんだ」
「ゴム線? 糸か何か食べちゃったの?」
「いや、ゴム線な。長いヤツ。(右脇腹を指して)ココら辺にあるんだよ」
(また錯乱か……と思いつつ)「何かの勘違いだよ」
「いやいや、ココ(右脇腹)にあるのが分かるんだよ。だから病院に行って取って貰おうと思って」
「今の時間じゃ病院開いてないでしょ」
「急患で行けば24時間やってるだろ?」
「……いつ飲んだの?」
「さぁな……30分くらい前かな?」
「じゃあオカシイよ。食べ物って数時間は胃に留まってるモンだもん。そこって腸じゃん。30分じゃまだ腸まで行かないよ。気のせいだってば。何か勘違いしてんだよ」
「……いや、でも何か飲んじゃってな」
「それに、たとえ何か飲んじゃったとしても、消化できないモノならそのまま便と一緒に出てくるから大丈夫だよ」
「長いんだよ。引っ掛かったら大変だろ」
「そんなに長いヤツなら喉に引っ掛かるハズだよ。気のせいだってば。それに、たとえ飲んでたとしても、ゴム線ならどこも臓器を傷付けないから大丈夫だって」
「あ〜ヤダなぁ……飲んじゃったのになぁ……」
「多分さー、錯乱だと思うよ」
「う〜ん……寝てンのか起きてンのか分からなくて朦朧としてんだよ」
■6/8(火)
「湯たんぽが変数y」発言
■6/14(月)
湯たんぽと四則演算
■7/5(月)
「おい、トーコ! こっち来いよ! あのなぁ、痛い原因が分かったぞ。(痛みのメインである右腰を指しながら)ココに立方体があるだろ?」
「……………いや、ないよ」
「お前には見えないか?」
「残念ながら見えません」
「そうかい。まぁな、あるんだよ。プログラム上にこの立方体が現れてな、繋がって行くだろ?」
「待って待って。私には立方体が見えないから、その話には頷けない」
「見えねぇのか……(しょぼん)」
■7/6(火)
――錯乱発言に巻き込まれた母から「トーコ、ちょっと来てぇ! お父さんが何言ってるのか分からない!」とのエマージェンシー・コールあり。
「はいはい、どしたのー?」
「(痛みのメインである右腰を指しながら)ココにな、布みたいなのを結んでな、その端にまた別の布を結んで、その端にまた別の布を結んで……って何個も布を結んで行くと長くなるだろ? それを引っ張ると、どの程度で痛みが出るのか、痛みのチェックが出来るようになるから、そうしたいんだよ」
「…………えーと。その布さ、出発点はどうするワケ? お腹に縫い付けるの?」
「ん?? そうだな……ココ(右腹を指す)にこんな風(さわさわ手を揺らす)に結べばいいだろ?」
「正確に言ってよ。布と、何を結ぶの? お腹の皮?」
「う〜ん……何か上手くやってくれよ。そんで長くなってこっち(布の端)をちょいちょい引っ張ると、どの程度で痛いか分かるだろ?」
「……そもそも何でそんな布を設置したいの? 痛みをチェックしたいから?」
「そうだよ」
「でもさ、痛みをチェックしてもどうしようもないじゃん。痛みをなくすための行動なら意味あるけど、痛いね、って確認しても意味ないし。だから、チェックなんかしないでいいよ。それよりも、もう痛み止め飲む時間だよ。ハイ、これね」
――素直に飲んで会話終了。
■7/9(金)
「441(よんよんいち)ってのがあるだろ?」
「…………あるの? 何の話? チャンネルか何か? 新しいIT技術?」
「違う違う。441だよ、知ってるだろ?」
「知らないケド……」
「知らない? ふーん、そうかい。素数を並べて行くと出てくるじゃない」
「441って……ああ、素数か、な……いやいや、3で割り切れるから素数じゃないよ」
「441が素数なんて言ってないよ。素数を並べて行くと出てくるんだよ。俺な、分かって来たぞ。これで痛みの原因が分かっちゃうんだよ」
「………………ゴメン、私ついて行けないっポイよ」
「ついて来れねぇか……(しょぼん) どうしても分からない?」
「うん、全然分からない」
「そうかぁ……(しょぼん)」
時にきちんと受け止め、時に話題を逸らし、時に拒絶する。毎回最初の意味不明なキーワードが出てくる度にぎょっとしますが、それでも父の錯乱発言にも慣れてきたモンです。汎用性のないスキルばかりが身に付いてゆく日々を送っております……。
もはや四六時中痛い痛いと呻いている殿ですが、どうしてあげることも出来ず、途方に暮れておりました。何か熱中できる趣味でもあれば気も紛れるだろうに……。
2010年6月16日(水) 韓国ドラマの威力
そもそもインドアな人なので、体が不自由になることへのストレスは、アウトドアの人よりは軽いと思いますが、それでも座っているだけでも痛いらしいので、どうにかしてあげたい。そこで思い付いたのが「韓国ドラマ」です。私も母も、見始めたら明け方になっても止められない!とハマリにハマった韓国ドラマの、選りすぐりの作品を見せてみようかと……。
さすがに現代モノのラブロマンスを見せても理解できるかどうか……もっとストーリー自体が面白いモノは……と言うことで、白羽の矢が当たったのが「ホジュン〜宮廷医官への道」(全65話)――韓国では1999年に放送され、大河ドラマ史上初めて60%の視聴率を記録し、現在でも歴代視聴率4位に君臨する国民ドラマです。
13(日)に「まぁ見てごらん」と勧めたのですが、少し目を離すとDVDを再生しっぱなしで寝てしまっていたり、なかなかハマり込めない様子。韓国ドラマは長編になればなるほど、最初の数話は状況説明的で面白くなく、物語が動き出すまでに時間がかかります。乗るまでに脱落してしまいそうな父の閲覧態度に不安を覚えつつ、時々「今何話まで行った? ホジュンは今どうしてる? もう師匠に会った? 捕まっちゃった?」と興味の度合いを窺えど、「んー? なんか色々あるよ」と漠然とした答えしか得られず……。
駄目かぁ。そんなに簡単に目論見通りにはならないもんだよね……と諦めかけていた矢先、本日何気にDVDの進み具合を確認すると、何と既に18話まで駒を進めているではありませんか! 母に聞くと、日中ずーっとDVDにかじりつきだそうで、昼ごはんもテレビの前で食べているのだとか。しかも、ドラマを見ている間は「痛い」とは一言も言わず、ドラマを中断させて食卓に来させると「痛い痛い」と騒ぎだし、ご飯の途中でお皿を持ってまたテレビの前に戻ってしまうと……。
すげぇ! 痛み止めも飲まずに痛みを和らげる韓国ドラマに感謝! 全65話なので、しばらくは痛み緩和に役に立ちそうです。
父の病状記録シート(痛みメモ)より。
2010年6月17日(木)〜7月8日(木) 3週間の経緯
6/17(木) 中腹 激痛 1日中 6/18(金) 中腹 背中 激痛 1日中/11:20〜12:30 レントゲン 血液検査、散歩(母と) 6/19(土) 14:30〜15:30 中国医マッサージ、散歩(私と)/痛い場所が変わって前に戻った。 6/20(日) 痰がよく出るようになった/17:06〜17:20 散歩(母と) 6/21(月) 18:55〜19:07 散歩/トウコによるマッサージ開始 6/22(火) 17:30〜17:40 散歩(母と) 6/23(水) 18:00〜18:50 主治医との面談/18:50〜19:10 散歩(私と) 6/24(木) 18:00〜18:25 散歩(私と) 6/25(金) 16:30〜16:42 散歩(母と) 6/26(土) 17:25〜17:40 散歩(母と) 6/27(日) 18:50〜19:05 散歩(私と) 6/28(月) 16:15〜16:33 散歩(母と) 6/29(火) 10:30〜13:00 来客/16:23〜16:53 散歩(母と) 6/30(水) 17:42〜18:14 散歩(母と) 7/1(木) 8:00〜12:00 背中が痛む/18:33〜18:56 散歩/マッサージ休む 7/2(金) 背中が痛い/散歩せず/マッサージ再開 7/3(土) 非常に痛い/20:25 痛み止め(ロキソニン)初服用/マッサージ中止 7/4(日) 非常に痛い/8:30、13:15、16:20 痛み止め(ロキソニン)服用 ※便秘3日目 7/5(月) 1:30、8:00 痛み止め(ロキソニン)服用/11:00 消化器内科外来で通院、盲腸癌の進行具合の検査→「癌性の痛みではないと思われる」、痛み止めの変更/13:00〜13:10 散歩(母と)/16:00、21:30 痛み止め(カロナール)服用 ※便秘4日目 7/6(火) 8:00、13:45、20:00 痛み止め(カロナール)服用 ※便秘5日目 7/7(水) 痛くて眠れず。朝、自力で起き上がれず。早朝2時間おきに風呂に入る(痛みが治まるため)。痛みが強いため、痛み止めを麻薬(オキシコンチン)に変更 ※便秘6日目 7/8(木) 麻薬が良く効き4割ほど良くなった/昼は椅子で過ごす/13:00〜14:30 来客/15:00〜19:30 爆睡/19:30〜21:30 ベッドから起き上がれず格闘/尿瓶開始 ※便秘7日目
6月の下旬は何だかんだと症状が落ち着いており、毎晩30分マッサージをしたり、夕方散歩に行ったり、何だか愛情深まっちゃったりしてました。世話と愛情って正比例しますよね……世話をすればするほど情がむんむん湧くモンです。母も、これまでの人生で父と一緒に歩くなんて場面はほとんどなかったのに、ここに来て毎日一緒に歩いちゃったりして。振り返ると、この頃が一番幸せだったかなぁ……。(書いてて泣けて来た) 父も痛みはありつつも自力で風呂も入ってたし、食事も3食ばっちり食べていたし、便通も日々あって健康と言えるほど。これは快方に向かっており、このまま良くなるんじゃないかなーと思っていたのですが……。
7月に入って痛みが酷くなり、ついにはずっと服用を避けていた痛み止めを使用することに。痛み止めの代表的な副作用として吐き気や便秘があるのですが、吐き気は上手く薬で抑えられていたものの、便秘は解決せず。食事は3食しっかり食べていたので、一体どれだけ腐敗して腸内に溜まっちゃってんだろう!と日々累計カウントが進んでヒヤヒヤものでした。
同時に、痛みの原因が分からず、癌性による症状ではないのでは?と医師から言われており、麻薬まで飲むようになっていたのですが、いずれ治ると信じていました。
この7月の激痛再開を皮切りに、ガタガタと体調を崩して行くのですが……。
【付録】
痛みのコントロールを行うにあたって、痛みの記録は重要であるとの記述を見付け、早速作った病状記録シート(右図)。5/6(木)に起こった激腰痛から、父に詳細記録をつけてもらうことに。時々私が父の口頭報告を代筆で記録していますが、この頃はまだほとんど自分で記録しています。以下、日付をクリックすると詳細が閲覧できます。
【1】 5/6〜5/15: 大分痛かったようで、5/7には「助けてくれ!」とか書き残している。
【2】 5/16〜5/29: 元は70kgくらいあったのに、5/28には59.5kgになっていた。「沖縄と8月前に約束したことを無視する総理」「口蹄疫の報告遅れる」など、痛み記録にニュースが混ざっている。非常に父らしい。
【3】 5/30〜6/12: この頃は落ち着いていたらしい。6/7が最後の散髪。6/12が最後の歯医者。
【4】 6/13〜6/26: 時々激痛が襲っているようだが、散歩はしている。
【5】 6/27〜7/6: 「尺」や「エベレスト」は父流の痛みの表現らしい。この頃から痛み止めを服用し始め、痛みが引かなくなる。(このシートを読んでいると改めて泣けてくる……)