2009年9〜12月の日常日記&コラム

[前の日記に戻る] [次の日記に進む]


36歳になって、父が肺癌になって、腸への転移も疑われたままで……人生色々です。

日記の小見出し一覧
 9/2(水) 陰性≠転移していない  9/9(水) サイト10執念と治療法模索  9/13(日) 会社での日々の近況
 9/14(月) 改竄合戦と初協力  9/18(金) 中国旅行前夜  9/19(土)〜25(金) 中国旅行
 9/28(月) 「自衛官と結婚しようよ!」  10/7(水) 我が父奇譚(5) 欠落機能  10/12(月・祝) 告知前々夜
 10/14(水) 告知と厳しい現実  10/17(土) ひと山越えて終末コント  10/18(日) 間違いだらけの7回忌
 10/22(木) 肺と大腸のW原発  11/1(日) 「癌治療は情報戦」  11/12(木) 11月インドア漫遊(1)
 11/18(水) 11月インドア漫遊(2)  11/25(水) 事の起こりは歯列矯正  11/26(木) 人生初の虫歯治療
 11/27(金) 疑惑が芽生える経過  11/30(月) 軽度の虫歯で2ndオピ…  12/1(火) 独自路線な歯科業界
 12/21(月) 区職員の平均給与月額…  12/22(火) 年末最後で風邪っぴき  12/23(水・祝) 癒しの男女ダンス
 12/28(月) 年末最終出社日の決意  12/31(木) 我が父奇譚(6) 嘘つき…




2009年9月2日(水) 陰性≠転移していない
 本日正式に父の大腸検査の結果を聞きに主治医を訪ねて参りました。8月18日のPET診断結果で、腸にも取り込み(=影)があるため検便による便潜血検査を、ということになったのですが……。
 2日前に電話で検査結果が陰性であることは知っていましたが、何となく主治医の声に緊張を孕んでいるような違和感があったため、検便による便潜血検査の有意性などを調べてみることに。すると、腫瘍が2cm以下の場合や腫瘍自体がただれていない場合は、たとえ癌が存在していても陽性反応は出ず、検便による早期発見は難しいようです……。

 大腸進行癌の患者に検便をしますと約90%の人が潜血陽性にでますが、早期癌の人では、半数にしか陽性となりません。そのため、検便だけでは大腸早期癌の発見が困難とされています。また実際に検査による大腸集団検診でみつかった癌の約10%くらいは前年の検査で異常がなかったとの報告もあります。
 大腸癌を確実に発見する方法には、バリウムを使う注腸X線検査とファイバースコープを挿入する内視鏡検査があります。

……【増える大腸癌】より

 主治医の結論も「検便は陰性だが、腸に転移していないとは言えない」というもので、結局は内視鏡検査を勧められました。ただ、これで陽性と分かったところで、では手術をするのか、身体への負担はいかほどか、肝心の肺の進行具合はどうなのか、など、様々な事象を照らし合わせると、どの方向に進んでいいのやら迷います。
 8月18日に見せられた腸のPET取り込み撮影写真をもう一度見ながら再検討。
先生 「腸は食べ物のカスなどが写る場合もあるので、PETだけでは分からないんですよ。一番確実なのは、やはり内視鏡で直接見ることなんですが……」
鷹瀬 「……例えばもう一度PETを撮ってみて、全く同じ場所に影が写らなければ、『転移してない』と言えますか?」
先生 「それは、言えます。ただ、PETは1年に1回程度の頻度で行うもので、普通はそんなに頻繁にはしません。鷹瀬さんの場合は前回が7月24日ですから……もしやるにしても、2ヶ月は空けた方がいいですね」
鷹瀬 「でも肺の方の進行状況も、3ヶ月後に確認するって言ってましたよね? 肺は、丁度横隔膜と背骨に邪魔されてレントゲンに写らない位置なんですよね? だとすると、確認はPETでするんですよね?」
先生 「いえ、CTです」
鷹瀬 「……ああ、そうでしたね。では、CTで腸まで写して、PETで影のあった位置に影があるかは比較できますか?」
先生 「う〜ん……CTとPETの結果で位置の比較をするのは、見え方が違うので難しいですね。前回のPETとの比較をするのであれば、やはりPETを撮らないと比較になりません」
鷹瀬 「PETって何回も撮るとどんな負担があるんですか? CTと比べてどうです?」
先生 「被曝量は少ない順に、レントゲン<CT<PETですね。それなりに被曝するので若い方には勧めませんが、鷹瀬さんの年齢でしたら2ヶ月以上開ければ大丈夫でしょう」
鷹瀬 「じゃあ、肺の方の進行状況も合わせて、10月にPETを撮る、という方向で進めてもいいですか? 馬鹿馬鹿しく思われるかもしれませんが、その頃にはフコイダンを飲み始めて2ヶ月以上経っているので、その効き具合も見てみたいですし……」
先生 「そうですね……腸の方も一刻を争う訳はないので、そうしましょう。では10月上旬にPETの予約を入れましょうか」

 ――ということで、10月7日に再度PETをして、その際に肺と腸の影の大きさを確認することに。

 上記の話を進めながらも、話の合間合間で主治医のテンションと言うか微妙な雰囲気で、肺癌の方は着実に進行するものであるという現実が窺え、何となく気持ちが沈んでしまいました……。
 誤解のないように言っておきますが、主治医の態度がどうこうという訳ではありません。人間的にも、父との相性という意味でも非常に良い先生で、この方以上の先生を望むのは難しいと思っています。ただ、その先生を持ってしても、やはり普通に見て父の肺癌は結構な速度で進行するのが当然と思われているのかなぁ……と。
 先生にネガティブな雰囲気があった訳ではありません。ただ、どこがどうという明確な言動はなくとも、何となく解るのです。まぁ医者ですから、先を見据えるのは当然です。患者本人や家族のように一心に完治のことだけを考える訳には行きません。と言うか、信念系の努力は本人と家族がすればいいことで、医者の役割は現実を見据えることです。しかも父の場合、手術も放射線治療も不可能、化学療法も効果を期待できないという、医者としては「なす術がない患者」ですから、淡々と経過観察をする上で予想される事態を見据えることこそが「すべきこと」なのでしょう。
 緩和ケアの話にもなっちゃいまして、そうか……そこまで考えておかないと駄目だよな……と沈みつつ、思い立って先生に質問。
鷹瀬 「先生の患者さんの中で、何か民間療法に手を出して目を見張るような成果が現れた方って、過去にいましたか?」
先生 「……僕の患者の中では……いませんね」
鷹瀬 「………………同僚とか、仲間内からそういう『奇跡的な話』を聞いたことは……?」
先生 「……ありません。少し前、丸山ワクチンを使っている患者さんが何人かいましたけど、効果は特に……。ただ、丸山ワクチンとかに手を出す患者さんは、色々な治療をして、他に手立てがないという末期の方が多いので、それで効果が特に見えないということもあるかもしれません。ただ、丸山ワクチンは一時期ブームのようになりましたが、今は余り聞きませんよね……」

 ………………それなりの覚悟はしていたつもりですが、正直凹みました。もちろん、「フコイダンで癌が治る!」なんて怪しげな宣伝にまんまと乗せられている訳ではないつもりですが、やはり人間ってどこかで「自分(の身内)には奇跡が起こるかも」と本気で思っているのだと思います。と言うか、そのくらいの勢いで回復を願わなければ、病気は治らないと思います。
 とりあえず、その場に父もいたので、
鷹瀬 「……まぁ……じゃあ、これで今度のPETで肺の影が大きくなってなかったら、それってフコイダンが効いてるってことで、先生の患者の中で初の民間療法の成功者になりますね。あはは」
などと話をムリヤリ明るい方向にまとめ上げましたが、心は当然ブルーです……。主治医の微妙な雰囲気から感じた厳しい現実は母も感じ取ったようで、帰り道ふたりして「なんか……私たち甘く見過ぎてたのかなぁ……」とどんよりムードに。(父がいない場所で)

 切ないのは、現在何の自覚症状もなく、目下すこぶる体調が良い父がイキイキしながら
「おい、確実に調子いいぞ。俺、このまま治っちゃうんじゃないかって思うよ!」
とか言い始めていることです……。精神が肉体に与える影響は計り知れないという常識から、そういう前向きな気持ちを殺ぐような真似は絶対にしないようにしていますが、私までもが「そうだね、癌は消えちゃうかもね!」などと能天気に言うことは出来ず、かと言って「今はまだステージが進んでないから自覚症状がないのは当然なんだよ」なんて口が裂けても言えず。10月7日のPETは期待半分、恐怖半分。

 冷静にならねばイカン。でも完治を信じなければイカン。の間を行ったり来たり。
 きっと深刻な病を患っている人とその身近な人々は、こんなふうに冷静と情熱の間で日々激しく揺れ動いているのだろうなぁ。


▲TOP
2009年9月9日(水) サイト10執念と治療法模索
 ふと気付けば【脱サラ宣言!】も10執念……もとい、10周年です。開設が1999年9月9日、9が異様に多い日をわざわざ選んだんだっけなぁ……。まさか10年続くとは思いませんでしたし、その10年目の今日、会社でしたことと言えば「肺癌の治療法模索(8割)」と「居眠り(1割)」と「仕事(1割)」、なーんて人生を送っているとは思ってもいませんでした。10年前の今日、こんなサイト作ってないで子供作ってたら今頃もう10歳なのに〜。

 さて。
 癌は熱に弱いという常識から、「じゃあお灸とかどうよ」という安易な発想に飛び、「癌治療 灸」で検索したところ、ヒットしたのは「灸による自然治癒力の向上」という意味での治療ばかり。癌自体を熱で叩くという意味での灸治療は見当たらず、効果がある治療なら何かしら見つかる筈なので、何も見つからないと言うことは、ま、そういうことなんだろうと。
 しかし灸を使用する熱治療はないらしいにしても、熱による癌治療はあっても良さそうだな……と検索を続けると、ありました。温熱療法 ハイパーサーミア ……名称からしてハイカラです。読み込んで行くと、まさに手術・放射線・化学療法ができない父にピッタリの治療法なような気がして、真剣に治療法候補に加えるべくサーチ対象に。更に口コミ情報の掲示板「癌掲示板温熱治療(ハイパーサーミア)その2」を見つけ、現在過去ログで勉強中です。(こんな実例もある、というリアルを感じる「ハイパーサーミア顛末記A」も非常に参考になりました)

 ちなみに、これらのサーチのついでに先述の「癌掲示板」にて「フコイダンって?」というトピックスがあったので一通り目を通すと……覚悟はしていましたが、過半数の書き込みが否定的でした。(しかし参考になる書き込みもそこそこある) 更に残りの過半数は言葉尻の揚げ足取りや同じことの繰り返しといった情報として役に立たないもので、肯定的であり参考になる実体験談らしき書き込みは1〜2割程度かと。
 ま、フコイダンは高い上に特定の医者が絡んでいるし、価格設定を含む販売形態に胡散臭い面があるし、こういう掲示板には本当にサクラ(=業者)の書き込みが多いので、警告の意味で強く否定する気持ちもよく分かります。ただ、本当に効果があったらしい人の書き込みも少数ながら中にはあるのに、それらすべてをサクラと決め付け過剰な言葉で完全否定している攻撃的な書き込みが多いので、これじゃあ効果があっても書き込む気はしないなぁ……と残念に思いました。

 私は、フコイダンは効く人には効くのではないかなぁ……と思っています。「効く」というのは「完治」を指すのではなく、「何かしらの改善」という広い意味ですが。
 以前にも書きましたが、約2年前に子宮癌を患った友人Nさんがフコイダン経験者なのですが、
私の化学療法中にはかなり効き目があったように思います。
個人差もありますが、ひどくだるく味覚も鈍感になり、食事がとれなかったとき、
非常に助かりました。また術後いちばん気を使うお通じがうまくいったのは
フコイダンのおかげと思います。

と言っているし、目下1日300mlのダッシュ療法をしている父は、暗示療法の気配はあれど、やはり飲み始めてから排便に劇的な改善が見られたし。上記掲示板上での実体験らしき書き込みを見る限り、「抗がん剤の副作用を軽減する」という方面で効果が期待できそうに感じました。
 問題は、この改善が1日約4,000円(※注)に値するものなのか、ということですね。(※注:1本 1,800ml 定価47,250円のものを24,000円で購入しています) この辺りが自分の中でもスッキリしていないため、色々なワードにリンクを付ける私が、フコイダンにはあえてリンクを張っていないのでした。フコイダンのサイトを選ぼうとすると、どうしても販売サイトに直結してしまうので……。
 もしもフコイダンに興味があって色々と情報が欲しいと思ったならば、フコイダン徹底比較サイト をお勧めします。このサイトに関しては、販売サイトではあるのですが、その情報の誠実さからもリンクを張っても良いかと。「なぜ?!」と不思議に思うほど非常に読みにくいレイアウトなのですが、管理人の熱意は伝わってくると思います。

 ――と、言うことで、フコイダンについては10月14日、2度目のPETの診断結果で1日約4,000円に値する良い変化が現れているようなら堂々とオススメしますが、それまでは「正直、なす術がないので大枚叩いて手を出しています」というスタンスで書き連ねていますので、ご了承ください。約2ヶ月続けてみて、何の効果も現れないようならすっぱり止めようと思っていますが、これまたある程度の勇気が必要となりそうです……。


▲TOP
2009年9月13日(日) 会社での日々の近況
 心的比重を占める父の記録ばかりが累々としとりますが、会社での日々も相変わらず地味にイヤ〜な感じで女王(一応、上司)に対して目一杯の不満(構成要素→呆諦怒苛蔑など)を抱えながら、さしたる希望もなく淡々と業務をこなしています。ひとつだけ良い点は、私と全く同じ想いを抱える同僚Aさんが隣の席なので、愚痴をリアルタイムで吐くことができ、しかもお互い状況を完全に把握しているので余計な説明も不要で、まさしく「我がことのように」共感でき、それゆえに相当量のストレスをその日の内に解消できることでしょうか……。
 同僚Aさんに言わせると、女王による被害度は私よりも同僚Aさんの方が上。
同僚A 「だって、細井さんもそうだけど、女王って相手によって態度変えるもん。鷹瀬さんには及び腰だよね。まぁ結果的な被害は同じだけどさ。でも頼み方とかは『私の時と違う!』って思うよ〜。細井さんだって私にはタメ口だけど、鷹瀬さんには絶対に敬語じゃん」
 私の場合、同僚Aさんのように理不尽な指示に無抵抗で従ったことは一度もないし、面と向かって強く批判するから気持ち良くないだろうし、女王もできれば私とは関わり合いたくないと思ってくれているのでしょう。日々の努力の賜物ですか。
 っつーか、「嫌われる代わりに頼まれ方が及び腰になられて敬語を使われる」コースと、「好かれる代わりに頼まれ方も若干無理が入りタメ口も使われる」コース、どちらを選ぶかという話ではないかと。嫌われることに関する抵抗力はある方なので、私は迷うことなく前者を選んでシャッターを下ろしている訳ですが……。
同僚A 「いやいや、女王は別に鷹瀬さんのこと嫌ってはいないよ。恐いし厄介だとは思ってると思うけど。しかも私も別に好かれてる訳ではないしね。単に便利なんだよ。…………改めて冷静になるとムカツクなぁ……」
 後半部分は……可哀想ですが少し同意しちゃったりもしますが、前半部分はいや違うだろうと。嫌いでしょう、どう考えても。女王は。私のことを。事実として。私も別に好きじゃないので全然構わないのですが。

 女王に関しては7月17日の日記で、
女王 「そうじゃなくて……。信じてくれるか分からないけど、私はね、鷹瀬さんのことを言われる度に、『でも彼女は仕事が早くて正確で、本当にできる人なんです。彼女の代わりはいません』って庇ってるんだよ。これだけは本当に」
(略) そして、女王――上司としての能力、問題解決能力やマネジメント能力はないと思うけれど、こうして私が言いたい放題言ってもクビになってないのは、もしかしたら本当に女王のお陰なのかも。結構度量の深いイイ人なのかも……?
と書きましたが、後日談がありまして……。同僚Aさんを含み、他部署の人に女王の発言をそのまま伝え、「なんか陰で庇ってくれてるんだって」と言ってみたら、全員が異口同音でこのように言っとりました。
「はぁ? まさかソレ、信じてるの? もうさ〜いい加減、目を覚ましなよ〜。どんだけ嘘つかれれば気が済むのー? 悪いけど女王が鷹瀬さんのことを庇ってる場面なんか一度も見たことないよ。鷹瀬さんが辞めたら自分の責任問題になるから必死なんでしょ。鷹瀬さんも色々言う割に意外に純っつ〜かオメデタイっつ〜か、騙されやすい性格だよね
 ………………ちょっと傷ついた……。

 とにもかくにも、私や同僚Aさんがどんなにもがき苦しもうと女王は依然として遣りたいようにやっとります。ただ、そんな状況を粛々と受け入れていた訳でもなく、2008年4月にアマゾネス政権になって約1年半の間に色々なんとか現状を打破しようとはしているのですが、敵が強すぎます……。
 やはりご本人も自信満々なように、ある程度の規模を保つ会社において、上層部を抑えているというのは強いですね。オセロで言うなら既に四隅に女王の石が置かれているんですもん。会長、社長、専務、部長……どんなに中石を稼いだって、ある程度までゲームが進めばバタバタと女王の石にひっくり返るというこの厳しい現実。
女王 「いいんだ、誰から何を言われようと。社長と会長は分かってくれてるもん」 ――2009年4月6日(月)「勝ち目のない戦い」より
 あーはいはい。その通りでしょうよ。

 そう言えば、7月中旬頃に部長に向かって「1対1の面接はして下さらないんですか? 私だけでなく、下々の者は部長とサシでお話したいと思ってるんですよ」との個別面談実施の要請をしているのですが、以後現時点まで一切の返事なし。それどころか、気のせいでなければ微妙に避けられているような感じがするのですが……。
 下々との個別面談を実施するにせよ、しないにせよ、何らかの回答があるのが当然と思っていたので、本格的にシカトされてビックリしています。この要望が出た経緯として、他チームの下々からも「個別面談して欲しいよね!」との声があったので、私の要請に対する部長のリアクションに注目していた人は大勢いたのですが……。
「部下の1人から面と向かって個別面談を申し込まれて、やらないばかりか、その返事すらもしないってのは……それって職務放棄に等しいんじゃないの? 形式だけでもやって、だからと言って意見を聞かないってのが普通の逃げ方なのに、今度の部長も凄いよね。ヤル気なくて。あ〜あ、結局ウチのボスは遣りたい放題のままか〜」
 我がチームだけでなくそこここで同じような問題が起きている模様です……。
 部長、頭は良さそうなのですがヤル気ない……いや、頭が良いからこそ、面倒なことを明確に避けているのかなぁ……と思わせる方で……。女王の取り入り方が猛烈に上手いという可能性も捨てきれませんが。

 ――こんな下地がありつつ、9月10日の出来事です。
 とある業者との取引において、担当は一応細井さんなのですが、現実的には私が実質的な対応をしています。しかし書面上は「業者A:担当 細井」と。
 先日業者Aから、今度△△(有名人)をキャラクターに採用し、キャンペーンで△△関係のプレゼントが貰える!という応募用紙を1社に1枚配っているとのことで、当社も1枚貰うことに。業者Aの担当も誰が実務的な担当か分かっているので、細井さんと私が2人いたときに私に応募用紙を差し出したのですが、さすがに書面上の担当は細井さんなので、その応募用紙はそのまま細井さんに渡しました。
 細井さんもイイトコロがあって、チームの皆で分けられるプレゼント(商品券)に応募しようとしたそうですが、その応募用紙の存在を知った女王が自分の名前を書いて、プレゼントも「(△△と会える?)パーティー」への1名招待券に変えて応募しやがったのだそうです。当たらないとは思いますが、万が一当たったら自分だけが行くつもりっ?!

 コレ、細井さんが同僚Aさんにチクり、同僚Aさんが私に教えてくれたのですが……凄くないですか? この修正した応募用紙を細井さんに渡して、「業者Aの担当者に渡しておいて」って……皆にバレても全く平気ってことですよね? 自分がどれだけ破廉恥なのか、全く自覚がないってことですよねっ?!(面と向かって女王に突っ込まず、陰で同僚Aさんにチクる細井さんもどうなの?と思いますが……)
 見えてる部分でコレだけ好き勝手やってるんですから、見えない部分では本当に想像を絶するズルイことをヤッテル気がします……。本当に凄い人だなと思いましたよ……。やはり大した実力もないクセに人脈だけで伸し上がる人というは、下からどう思われても痛くも痒くもないのでしょう。恥や外聞なんかに気を取られてたら実力の範囲内での出世しかできませんもんね……。いやはやマジ凄いっす……。

 この先もずっと勝てる気がしないし、勝ちたくもない。やっぱ心底嫌いだわ……と、思う一方で、ある意味での尊敬はしています。なんだかんだ言っても私の1.8倍くらいは稼いでますからね。真似したいとも思いませんが、頑張っても私には絶対にできないことなのは確かなので。
 こういう人種って、きっと多くの会社にチョイチョイいるんだろうなぁ……。


▲TOP
2009年9月14日(月) 改竄合戦と初協力
 昨日の日記の後日談です。
 本日細井さんが、同僚Aさんに促され、私にも業者A主催のキャンペーン応募用紙を見せてくれました。話には聞いていましたが、改めて女王の名前が書かれ、応募プレゼントが修正されている用紙をこの目で見て、またじんわりと「女・王・キ・ラ・イ」の感情が沸き起こってきます。
 おもむろに修正液を手に取るワタクシ。
鷹瀬 「細井さん、これFAXでも応募できるようですけど、もう応募しちゃいました?」
細井 「あ、まだです。今度業者Aの担当が来たときに渡そうかと……」
鷹瀬 「じゃあコレ、修正しちゃいましょう。どう考えてもオカシイですからネ。プレゼントは分けられるモノで……商品券でいいですよね? まぁ当たらないと思いますけど、当たったら10万円分だから、細井さん・同僚Aさん・派遣さん・私の4人で、1人2.5万円配当で」
細井 「そうですよね! 女王なんか関係ないし」
鷹瀬 「担当者は細井さんなんだから、細井さんの名前に直しておきますね。女王に何か言われたら、鷹瀬が書き変えたって言っていいですよ」
細井 「もうこの用紙は見せないので大丈夫です! じゃあ、当たったらここの4人で山分けってことで!」
同僚A 「……………………うわぁ……細井さんと鷹瀬さんがひとつのことを協力して行う姿なんて、初めて見たよ……」
 敵の敵は友……? 当たるとイイナー。


▲TOP
2009年9月18日(金) 中国旅行前夜
 明日から……いやこれ19(土)午前2時に書いているので、正確には「今日から」、6泊7日で中国に行ってきます。主には上海と黄山の2都市のみのこじんまり旅行ですが、18(金)22時過ぎから荷造りを開始するにあたって黄山の現地気温を確認すると最低9度……。えーっと……久しく冬と疎遠だったもので、どのくらいの防寒用意をすべきなのかさっぱり分からず、衣類箱をひっくり返し、すったもんだでいまだに荷造りが終わりません。毎度毎度思うのですが、どうしてもっと前から準備しておかないのでしょう……。いつも前夜にテンテコマイしている記憶が……。
 ああ……早く寝たい……。


▲TOP
2009年9月19日(土)〜25(金) 中国旅行記/上海+黄山 6泊7日
 写真集はまだ完成していませんが(それ以前に完成させる気があるのかどうかも分からない)、とりあえず食事の写真のみアップ。どんだけ食い意地張ってるんだってなモンですが……。

 ざっくりスケジュールは以下の通り。今回の旅のメインは、世界複合遺産に登録されている黄山です。

19
(土)
上海
20:15着
ホテルに着いたのは23時頃
20
(日)
上海→黄山
夜行列車
17:49−09:05
南京路/100年以上前から栄える上海一の繁華街
豫園/伝統的な上海を今に伝えるエリア
21
(月)
黄山
市内
溝口古民居/明代の建築の廊下と言われる
牌坊群/800年の歴史がある(鳥居)群が残る
徽州人家/盆栽園
屯西老街/宋代の町並みが残る繁華街
程氏三宅/屯渓区内に残る3ヶ所の明代の古民居
22
(火)
黄山
山頂
風景区/奇松・怪石・雲海・温泉で有名な中国有数の景勝地
※安徽省の南部に位置する72の奇峰からなる山岳風景区で
 '90年12月にユネスコ世界文化遺産・自然遺産に登録された
23
(水)
黄山→上海
飛行機
22:40−23:40
宏村/張芸謀監督の映画撮影にも使われた世界遺産の村
墨工場/安徽の特産品の墨の工場
屯西老街/宋代の町並みが残る繁華街
24
(木)
上海 淮海路/旧フランス租界地で流行発信ストリート
新天地
25
(金)
上海
13:10発
街も動き始めてないし、空港で土産でも買おうと思い、
ホテルを出たのは8時頃


 結論から言うと、黄山、良かったです。1年の2/3が雨や霧と悪天候に見舞われるらしく、到着当日は小雨、黄山登山日は霧で何も見えず……という順調にバッドな日程の中、最終日の下山直前に念願の晴れ模様が訪れ、雲海を拝むことができました。日頃の行いの賜物に違いない!


黄山風景区
安徽省の南部に位置する72の奇峰からなる山岳風景区、西海大峡谷


ノリノリなアタイ、イェイ! ……本当に日頃の行いが良ければメインの登山日に晴れるだろうが……というツッコミもありますが、雲海はド青天では起こらない現象なので、やはり雨→晴れの流れでこそ見ることができた絶景だったのであります。何せ、2日前は豪雨と雷だったそうですから……運良かったんだよ私、うん。
 黄山は現地ツアーで日本語ガイドを頼みましたが、ガイド付きの旅行に慣れていないので、本当に楽しめたのはガイドと離れて完全に自由行動になった時。もうノリノリですわ。イイ歳してアホなポーズで写真撮るのが好きなので(え?)、さすがにガイドがいる時にはできないっつ〜か、イヤしなくていいから、みたいな……。

 黄山のガイドに「中国に来るのは何回目?」と聞かれ、「初めてです」と答えたら非常に驚いていました。

「初めてで黄山? なんで? 普通、日本人で黄山に来る人、中国へは5回目、10回目……初めての中国で黄山?? なんで??」

 ……なんか昔々に北海道旅行した時、阿寒に4泊しようとしたら、ホテルの人がえらい驚いていた雰囲気に似ています。「阿寒に4連泊ですか? 何するんですか?? 何もないですよ??」とホテルの人自らに言われた記憶が……。
 いや、正直なところ九寨溝・黄龍に行きたかったんですが、私はどうも高山病の気があるような気がするので、上海から近くて水墨画のような景色を見たいと思ったら黄山が一番手頃だったと言うか……。適当に決めた割には良かったですよ? オススメ。


〜 食事 〜

クリックすると詳細ページに飛びます
クリックすると詳細ページに飛びます


〜 黄山風景区 〜

黄山風景区、西海大峡谷 黄山風景区、西海大峡谷

奇石の上に松が1本
奇石の上に松が1本で非常に珍しくも風流……って、本物かなぁ。
なんかどっかで「元々あった松が枯れたから偽モノを設置した」って聞いたことあるんだけど。


団結松 探海松 竪琴松
様々な松。中国人は松が大好きなんですと。

2人で担ぐ駕籠(かご) 利用している人もチラホラいる
駕籠(かご)で山を登ることもできる……けど当然料金は高い。
正確には不明だけどガイドによると「上海−黄山の飛行機代くらい」とのこと。
すると630元? それは嘘じゃないかな〜。ちなみに小さいスーツケース(10kg)の運賃は100元。
……あぁ、じゃあ600元位してもおかしくないか……担ぎ手も2人だし。



山頂に生活必需品を運ぶ人々
山頂の物価が市内の2〜10倍ほどになるのも頷ける……。

風景に溶け込むセンスの良いゴミ箱
ゴミをその場に捨てるのが当然の10年前は考えられなかった中国での清掃作業!
そこここにゴミ箱があり、清掃員がいる。これには感動。日本の観光地より綺麗かも!
ゴミ箱がすぐそこにあるのにその場に捨てる中国人観光客はいますが、
まるでディズニーランドのようにシュタッ!と現れて即行にゴミ処理をする夢の清掃員!
いや〜本気で近代国家に仲間入りしようとしている気がする……って失礼か。
意外に金になると納得すればこういうことをこまめにできる国民性なのかも……って失礼か。



〜 風景区以外の黄山の見所 〜

古民居・潜口民宅 7つの牌坊群(鳥居)
(左)古民居・潜口民宅  (右)7つの牌坊群(鳥居)

屯西老街 屯西老街 屯西老街
宋代の町並みが残る繁華街・屯西老街

宏村 墨工場
(左)世界遺産の村・宏村  (右)安徽の特産品の墨の工場


〜 他、黄山のビックリ 〜

程氏三宅の看板  ガイド証明書
(左)「程氏三宅」を探して探してようやく現れた看板……一応名所なのにゴミ溜めの壁に殴り書き
(中)マッサージ屋のトイレ。1つの個室に2つの便器……えぇっ?!
(右)ガイド証明書。私がボカしたのではなく本当にこの通りで……意味あるのか?


〜 上海 〜


上海一の繁華街・南京路
銀座みたいなモンですが、さすがと言うか道が広い! しかもゴミが落ちてない!






伝統的な上海を今に伝えるエリア・豫園(入場料 40元)


〜 他、上海の雑事 〜

一人っ子政策プロパガンダか? サンドイッチ風おにぎり? 進み切ってる都市開発 一般的なビジネスホテル
(左)一人っ子政策プロパガンダか?
(中左)サンドイッチ風おにぎり?@コンビニ
(中右)進み切ってる都市開発
(右)一般的なビジネスホテル・ツイン部屋(1部屋5,000〜7,000円)


 以下、気になったコトのまとめです。

意外に綺麗
 実は、今回の旅行の前まで私は中国に対してかなりの覚悟をしていました。「かなり」と言うのは「インド程度の覚悟」……つまり、トイレとかどんなんよ? 宿はお湯出るの? 路地裏に死体はない? 強盗とか平気? 夜道は歩ける?くらいの覚悟でして……。
 ――大袈裟でした。中国の観光地に赴く限り、こんな覚悟は全く不要。普通に綺麗、いや、普通以上に綺麗。他のアジア諸国の観光地よりも全然綺麗かも。まぁ私の行った国なんて限られているけれど、具体的に言うならば、最近から遡って2009年香港・マカオ、2007年ベトナム・カンボジア、2005年タイ、2004年韓国、2003年インド、2001年バリ……の観光地よりも本格的に近代的と言うか……。
 アジア自体がここ数年で急激に変わってきているので、中国も最近になって大きく様変わりしたというのが真相なようですが。だから数年前に中国を訪れている人とは違うものを見ている可能性があります。
 10年以上前に中国に留学していた友人Zが、黄山で「中国人がゴミ掃除してる!」と感動してました。黄山は世界複合遺産に認定されたことですし、中国もこの地区を大事な大事な収入源と捉え、観光客を捕まえるためにあの手この手なのでしょう。中国人の「道端に平気でゴミを捨てる」という文化はそう簡単には修正されないようで、黄山での中国人観光客はゴミ箱が目と鼻の先にあるにも関わらず、足元にゴミを捨てていました。ただ、今はそれを即行で片付ける清掃員がいる、それだけのことです。それだけのことですが、人間が多い国はそれでも人海戦術でこんなに綺麗になるんだなーと。

急激な発展
 2009年9月現在、上海の観光地は東京と同程度。田舎の観光地は日本の田舎の観光地と同程度。ホテルなんか綺麗なもんです。泊ったホテル5ヶ所のうち4ヶ所がハイビジョン薄型液晶TVを設置。上海のホテルはツイン1部屋6,000円前後で色々最新式かつモダンで、今までのアジアの旅で私が泊ったホテルよりも……いや、日本で泊るホテルよりも綺麗でゴージャスな雰囲気。
 まぁ私の乏しい経験によるところなので、何とも言えませんが。しかも今までのアジア旅行は一人旅で安宿に泊まっているからだし、物価差を考えれば日本で同程度のホテルに泊まろうと思ったら倍以上するので単にそんな高いホテルには泊まれないという現実もあります。
 ただし、見えるところと見えないところの落差は日本の数倍も激しいと思います。汚いところと綺麗なところの差が激しいのは急激な発展を遂げた(遂げている)都市の特徴かもしれませんが、なんかこう……中国は共産圏の得意技と言いますか、市民の都合なんぞ関係なく、「ハイ! この地区キレイにします!」と国が号令をかけたら一気にそれまでのモノをぶっ壊して、いきなりド新しいものをゴンゴン建てて行きそうな勢い(←言葉を選んでみた)があります。だからこんなにも「一気に近代化」が成立しているのかもしれません。しかも、中国の建築法は日本のように「現存の建物を壊して更地にしてから建てる」のではなく、「既存の建物を壊しながら、壊したところから建てる」のだそうで、工期も日本の半分とはいかないまでも、かなり短縮できるのだとか。それになんか突貫工事っぽいしね……。
 黄山も上海も、いたるところが工事中。今まさに、古いモノを一掃して「近代的に」生まれ変わっている過渡期なんでしょうね……。それがあまり良いことじゃないと日本から学ばなかったのかしら……。せっかく独自色の濃い素晴らしい文化がある国なのに勿体ない。

注目のトイレ事情
 中国のトイレ事情は有名ですよね。扉がないとか、1本の溝に敷居で区切るだけなので隣の人の排泄物が流れてくるとか、ティッシュではなく紐で拭くとか……。
 しかし、2008年の北京オリンピックで外国人を誘致するために、この辺りも含めて一気に「近代化」したと言われていますが、今回の旅で私が使用したトイレはすべて個室で扉がありました。
 さすがにウォシュレットが着いていたのは上海三越の中にある一部のトイレだけでしたが、ホテルや上海のデパートでは洋式、上海のレストランや黄山では和式、おおよそ半々の和洋折衷。ただ、基本的にあけすけな文化なのか知りませんが、扉が曇りガラス、1つの個室に2つの便器、という「?!」なトイレもありました。

一人っ子政策
 上の写真にもありますが、中国の国を挙げての一人っ子政策……私はこれはあくまでも「推奨」であって、子供が1人の家庭には何かしらの優遇がある程度かと思っていましたが、さすが共産圏、そんな生易しい「ガイドライン」ではありませんでした。公務員は一人っ子がMUSTで、2人目が生まれたら辞職しなければならないのだそうです……。(農村部は2人まで許されているようです) 恐るべし共産圏の「政策」。

痰吐く人々
 今回の旅行でかなりの頻度で気になったのは中国人の痰を吐く習慣と言うか文化と言うか生活の一場面と言うか……。話には聞いていましたが、人によって本当によく痰を吐きます。とりあえず私が目撃したのは男性のみですが。
 上海空港から市内までのタクシーの運転手は1時間以内に5回以上は窓の外に痰を吐き捨てていました。黄山のガイドもちょいちょい痰を道に吐いていました……。何でなんだろう……空気が悪いから? 文化? 習慣??
 一度リアルに痰を吐く現場を確認してしまうと、道を歩いていて道路に点在する「白っぽい何か」の正体が明確にイメージされ、うっわ〜〜ココにもソコにもアソコにもっ!と胸せり上がるキモチになります……。
 あ、そうそう。黄山のガイドの痰吐きで印象に残った出来事(いや、そんな綺麗な話じゃナイ)がひとつ……。
 徽州人家という盆栽園を訪れた時のコト。園内に鯉がたくさんいる池がありまして、私たちは「わ〜鯉だ〜」なんて普通に楽しんでいたのですね。人が来ると餌が貰えると勘違いした鯉がわらわら集まってきて……私たちは普通に「何か餌になりそうなものないかなー」なんてのどかに言ってたのですね。そ、そしたら、ガイドが……ガイドの兄ちゃん(26歳)が……おもむろに池に向かって「カ〜ッペ!」と……っ! ……絶句する私たちを尻目に、餌と勘違いした鯉が我先にと痰に群がり……ぅうぅぅぅおおぉぅぅおおおえええぇぇ!! 今でも思い出すと軽く吐きそうになる印象深い出来事でした……。コレ書いてても気持ち悪くなった……。

会話? 喧嘩?
 痰同様、噂には聞いていましたが、中国人の話し方はまるで喧嘩しているよう……。こんな口調で話していたら、日本ではまず間違いなく喧嘩していると思われるよね、レベルで語気が荒いっつ〜か無駄に勢いがあるっつ〜か。しかも声もデカイ。そして捲し立てるように話されます。
 以前、「冬のソナタ」にハマっていた頃、日本語の吹き替えで観始めて、途中から韓国語で観るようになったのですが、最初は韓国語の口調……いや、語調?ですか? とにかく韓国語の響きが、キツくて下品に聞こえて、「おいおいユジン(ヒロイン)って儚げだと思ってたけど、随分キツイ口調のねーちゃんじゃないか!」とヒロインのイメージが一変したのを今でもよく覚えています。
 ――と言うことで、韓国語もキツく聞こえますが、中国語はそんな比じゃない。繰り返しになりますが、口調の問題だけでなく、早口だし声もデカイ。しかもなんか無駄に勢いがある。黄山での日本語ガイドも、日本語を話しているときは普通なのに、中国語を話しだすと途端に乱暴な口調になり、もしかしたら中国語の発音自体がソレなんですか?という錯覚を起こしそうになるほど。
 でも、「中国人の会話って喧嘩してるみたいに聞こえるよねー」なんて言ってたら、フランス人から「初めて日本に来て日本語を聞いた時、皆怒っているのかと思った」って言われちゃいました。はいはい、そりゃジュテ〜ムボンソワ〜ルな方たちから見れば、アジアは一括りで余裕がないんですよ、スミマセンねぇ。

物価
 物価は当然安いのですが、思っていたほど安くないものもあり、やはり安いものもあり。同じものでもピンキリです。輸入物は円高の関係か、日本で買う方が安いようです。
 下記は単に私がちょっと見ただけの参考値。地元民が知るもっと安いところがあることでしょう。
1元=14.5円として……
中国産の水(500ml)  1〜2元=15〜29円
輸入物の水 Evian(500ml)  11元=160円
ラーメン  4〜30元=58〜435円
ジュース(350ml位)  3〜15元=44〜218円
地下鉄(市内)  1〜4元=15〜58円
バス(空港−市内)  22元=319円
タクシー(空港−市内)  150元=2,175円
タクシー初乗り  11元=160円
夜行寝台列車(上海−黄山)  264元=3,828円
国内飛行機(黄山−上海)  630元=9,135円
黄山でのガイド1日  300元=4,350円
足ツボマッサージ(1時間)  100〜120元=1,450〜1,740円
全身マッサージ(1時間)  150〜200元=2,175〜2,900円
日本のお菓子(ポッキーとか)  日本より若干高い
UNIQLO  日本より若干高い
スターバックス  日本と同程度
マクドナルド  安い中国オリジナルメニューがある
海外輸入化粧品  日本で買う方が安い(円高の関係?)


 とりあえず、こんなとこで。あ〜〜でも楽しかったなぁ。完全に日本での生活を忘れた1週間でした。


▲TOP
2009年9月28日(月) 「自衛官と結婚しようよ!」
 いきなりですが、国民とともに防衛を考える――日本唯一の防衛省オフィシャルマガジン「MAMOR(マモル)」ってご存知ですか? いえ、私は今日の今日までこんな愉快な雑誌があることすら知らなかったんですけどね……。友人Zからのネタ提供によりその存在を知りまして。(彼女の名誉のために言っておきますが、彼女も別に好きで読んでいる訳ではない)


----- Original Message -----
From: 友人Z
To: 鷹瀬
Subject: どこもかしこも

ウチの職場に、自衛隊広報誌が寄贈されてくるんだが。
今月の記事に絶句。

http://www.fusosha.co.jp/mamor/index.html

「お見合いデータBOOK」にはマジで名前やら生年月日やら
載ってるんだよ〜………………。



 記載されていたURLをクリックすると……


マモル vol.33(2009年11月号)

マモル vol.33(2009年11月号)

マモルの婚活 自衛官と結婚しようよ!
現役自衛官の魅力が満載! お見合いデータBOOK



 ……………………えーっと……ま、まぁ絶句もするわな……。

 しかし、この記事を読んでしみじみ思ったのが、本当に「婚活」って言葉は、最初は何だかさもしい感じがして嫌でしたが……ってか今でも嫌なのですが、物事の本質を突いているのではないかな、と。
 以下、友人Zに返した返信です。


----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: 友人Z
Subject: マッチングミス

今さ、不景気になって製造系で働く人々がバンバン首切りにあって職を
失ってるじゃない? その一方で、飲食・販売系とか介護系ではいつでも
人が足りなくて。私さ、事情が分かっていない時には浅はかに思ったの。

「じゃあ製造系で職を失った人たちが介護の仕事とかすればいいじゃん!」

でもね、人材派遣業界で働く人に言われてハッとしたもんだよ。

「製造系って、基本的に人と向き合わなくていい仕事じゃないですか。
 黙々とベルトコンベアに向かっていればいいと言うか。それはそれで
 スキルですけど、介護の仕事で必要なスキルとは真逆なんですよね。
 介護職では人と人との触れ合い、コミュニケーションスキルがすべて。
 だから、製造系に従事してた人たちに、さぁ介護職に就けと言っても
 無理なんですよ。それが出来ないから製造系を選んだんですから。
 介護の現場だって、人手は欲しいですけど、誰でもいいって訳じゃない
 ですから、対人スキルの低い人が面接に来たって落としますよ」

余ってるのに! 足りないのに! マッチングミス!!
………………いと難しき就活!!!!

農村に嫁が来ない。漁師の嫁になりませんか? 自衛官と結婚しようよ!
一方で、都会では負け犬だー、嫁き遅れだー、と妙齢の女は余ってる。

足りないのに! 余ってるのに! マッチングミス!!
………………いと難しき婚活!!!!



▲TOP
2009年10月7日(水) 我が父奇譚(5) 欠落機能
 通常の治療ができない我が家の肺癌患者は、現在食事療法と漢方茶とフコイダンにすべてを賭けているのですが、まーその流れで「蓋付きのカップが欲しいよね」と随分前から言っとりまして。(始まりは深刻でも、着地点は随分小さい話に……)
 蓋付きカップなど別に日本でも手に入りますが、せっかくだからと今回の中国旅行で蓋付きカップを調達してきました。母と私のはよくある茶葉こしが別パーツになっているカップ、面倒臭がり屋の父には「これぞ殿用!」という茶葉こしが一体型となったカップを。


中国土産
(左)殿用の茶葉こし一体型カップ 80元=1,160円
(右)母と私用の通常の中国茶対応カップ 60元=870円


 モノを買うのに迷いに迷うタイプなので、たったこれだけの(しかも安い)カップを買うのに一体どれだけ時間を費やしたことか……。形が気に入ればデザインが気に入らず、デザインが気に入れば形が気に入らず、デザインと形が気に入ればサイズが気に入らず……で、上記のカップも100%納得して買った訳ではなく、最終日にタイムリミットの状況下で「強いて選ぶなら……」程度の気持ちで購入したのですが、母と自分用のカップ(写真右)に関して言えば大活躍しています。このカップのお陰で、今まで何となく飲まずに放置してあった中国茶葉がどんどん消費されており、久々の大ヒットの土産物となりました。――母と私の分は。
 問題は写真左のデザインや大きさを充分に吟味して「これぞ殿用!」と思って購入した茶葉こし一体型のカップです。迂闊なことに吟味段階でスッカリ抜け落ちていた茶葉こしの位置、写真からも分かるように、このカップは右手に食べ物、左手にこのカップを持って飲むように設計されており、カップを右手で持つと丁度茶葉こしの部分が口元に来る……ということで、土産を渡した直後に「俺はコレは使わねぇな」と高らかに宣言されてしまいました……。あんなに苦労したってのに、殿へのお土産はナシ。

 母曰く、「普通使えなくたって娘が買って来たものなら使うわよねぇ」
 私曰く、「役に立たなきゃ誰が買ってこようが使わないんだよあの人は」

 鷹瀬家の会話、早々に終了ーーーーっ。
 私が蓋付きカップを買うのに散々時間を費やしていたのをその目で見ていた友人Zにこの報告をすると……

聞きわけが良くなったと言っても、思いやりとか好意とか
そういう分野はまだ弱いですか。


 ……そう、父は癌になってからというもの、私の言うことを素直によく聞くようになり(母に対してはいまだに暴れん坊)、しかも「ありがとう」も今までの殿の人生で使用した回数をここ2ヶ月ほどで軽く上回っているのではないかというほどよく言うようになっているのです!(それでも平均を大きく下回っているわけですが……)
 今はまだ症状も出ていないので、一見健康であり、そんな健康な父が言うことを聞くわ礼を言うわ生活態度は改まるわで、「いや〜あの人は晩年に癌になって良かったよね!」とか思ったりもしています。(健康で暴君なまま家族に煙ったがられてツンケンされつつ召されるよりは、癌になってチヤホヤされて毎日ご機嫌で過ごす方が殿的にも良いと思うのですね。癌末期の壮絶な痛みが襲う前までの話ですが。痛みが現れたら、どんなに性格悪くても健康でいて欲しい!と思うでしょう……はぁ) 癌になってからというもの殿のご機嫌はすこぶる良いのですが、それは――自分で言うのもナンですが――愛娘がせっせと世話を焼くからで、「もしかして足りなかったのは愛情なんじゃ……?」と言うのが私の見解です。

 友人Zの指摘に戻りますが、我が父は「思いやりの分野に弱い」と言うよりも、そもそも機能として備わっていないのではないかと思います……。(遠い目)
 話は変わるようで後に繋がりますが、9月末日、私が1年以上前から月1ペースで通っている中国医による推拿(中国式整体)を行う健康サロンに殿を連れて行きました。この健康サロン、私は母の紹介で知り、母は母の友人の紹介で知り、私の友達も私の紹介で知り、と完全に口コミで利用者が増えている知る人ぞ知る実力派。
 強いのに痛くない、という先生の絶妙なマッサージの腕前もさることながら、その時に調子の悪い部分を訴えると身体全体を視野に入れた納得行く説明をしてくれて、症状に合わせた漢方茶の処方や食事のアドバイスなどをしてくれます。実際に私の友人は数年間止まっていた生理がこの先生のマッサージを始めて半年で再開し、私自身に劇的な改善は見られぬものの(元々健康なので……)、何となく信頼感があるので通い続けています。
 健康関係の雑誌やネットでも取り上げられているようで、サロンに置いてあった記事コピーを見ると、「末期癌患者も訪れるという人気の××先生」とあり、「え? 先生って末期癌患者も診るんですか?」ってことで父の話をしたところ、1回連れてきなさいと。
 そんな経緯で半ば強引に父を連れて行ったのであります。

 施術中の1時間は暇ですが、私は1度先生の施術風景を見てみたいと思っていたので丁度良い。自分がマッサージを受けている時は目を瞑っているので、先生が何か木の棒やタオルなどを道具として使っているのだろうと思っていましたが、父の施術風景を見てすべて手で行っていると知って驚き! プロって凄いなぁ!と感動しつつも先生に色々質問したりして。そうしたら先生が施術中に殿に言ったのです。

「一緒に来てコンナニ一生懸命。良い娘。なかなかイナイヨ。お父サン、良かったネ」

 殿っ! 聞きましたか?! キラーン!と眼光鋭くなる私と対照的に、殿は施術中だったこともあるけれど軽くスルー。ちょっとちょっとォ! 何かリアクションがあって然るべきなんじゃないのォ?!
 ええぃ!とばかりに足を突いて

「聞いてる? 『なかなかイナイヨ。良い娘』だって!」 ←感謝を強要

と直接的に絡んでみたら(……私の性格も我ながら難あり)、殿は先生に向かって

「んー? まぁ曖昧なことは嫌だと。何事もハッキリさせようと。徹底的に調べる、理解したい、そういうタチだからね」

 えーっ?! そっち?!?! 思いやり方面の評価じゃないのっ?!
 でも見逃さない。ちょっと頬に渦巻き出現。殿なりのウキウキ。
 ……ってか感謝してくださいよ、普通に。アタシャ「感謝して欲しい訳じゃないの」なんてドラマばりのセリフは死んでも吐かないわよっ。感謝して欲しいわよ、普通にでいいから!
 しかしコレで私への評価を終了する父。きっと己に「思いやり」という項目が機能として備わっていないから正しい評価が下せないのでしょう……。(まぁ実際のところ的外れでもない現実があるわけですが……)

 ちなみにこんなんでも非常に態度が良い方に入る父。食事療法に則った食事を日々せっせと作る母に対しては極悪非道、「何にもしねぇじゃねえか」とか言い放ちます。そして私が激怒り、「そんな腐った根性だから癌にもなるんだよ! 大体うんたら〜」で馬の耳に念仏。
 友人に話すと大体「照れてるんだよきっと」とか言われますが、母と私の見解は「いや、違います。あの人は本気です」で一致しています。

 食事療法を開始するに当たり非常に参考になった書籍「がんを治す食事療法レシピ」の中に「食事療法は信念体系で選ぶ」という章があり、その中に下記のような記載があるのですが……

■ホリスティックな健康のための5つの条件 (P.27)
 深い呼吸をする
 自然な食物をとる
 特定の相手に対して愛情や敬意をもつ
 汗をかくまで動く
 肯定的な想念をもつ


 ……殿は後半3つが軒並みダメだな。ホリスティックな健康にはほど遠い……。

 ともあれ、本日2度目のPET検診を済ませてきた殿ですが(初回は7月24日)、来週の告知でどのような結果を聞かされるのか……日々覚悟を再結成しとります。あー小さくなってなんて贅沢言わないから、せめて現状維持で転移してなきゃいいなぁ……。


▲TOP
2009年10月12日(月・祝) 告知前々夜
 いよいよ明後日、先週行った父の2度目のPETの診断結果報告を受けます。7月24日の検査から約2ヶ月半経っているこの検査で、もしも腫瘍が大きくなっているようなら近い将来の転移(=激痛)への心構えをさらに強くしなければならないし、「成長が早いと思われる」と診断されている腫瘍が大きくならずにキープ出来ているようなら現在展開している民間療法(食事療法・漢方茶・フコイダン)で間違いないと自信を持てるし、百万が一小さくなっているようなら奇跡ゲットでフコイダン信者を公言する予定です。

 本人は「良くなってると思うよ」なんてアッサリ言っているため、私もバランスを取るのが大変です……。色々な体験談を読めば読むほど、肺癌で自覚症状が出るのは「手の施しようのない末期」に近付いてかららしいので、転移もしていない初期の段階では無自覚で当然なのです。その辺りをまろやかに伝えておきたいけれど、変にビビらせるのも嫌だなぁ……と悩みどころですが、父の性格上、事実は事実として伝えておくのがヨシと判断し、
「良くなってると思うけど、まぁ今は自覚症状がないステージなのよ。万が一大きくなっててもガックリしないでね。今度の検査で大きくなってたら、次は温熱療法のハイパーサーミアに手を出すつもりだから。それでも上手く行かなかったら、最終的には徹底した緩和ケアに力を入れようと思ってる」
と言うと、夕食のメニューを聞いているような顔をして
「ふーん、そうかい。まぁ俺は自分でも『いよいよ駄目だ』ってなった時にぎゃーぎゃー言わねぇ方に賭けてるんだよ。『あらそ』ってな。面白ぇだろ! わっはっは!」
「いやいやいやいや、末期になって痛みが出たらそんなこと言ってられないから! 多分」
「今時痛みをどうこうしようなんて、そんな技術も進んでるだろ」
「昔よりは進んでるだろうけど、それでもやっぱ末期の痛みは物凄いらしいよ!」
「物凄いったって、『ああ痛ぇな』以外に別にどーしようもねぇだろ。モルヒネだ何だって色々あるだろ? 一番いいのはアレだね、寝ている間に本人気付かない内に殺しちゃってくれるコトね」
「そりゃ出来る限りの緩和ケアはするけどさぁ……」
「だろ? 大体、日本の医療制度なんてのは酷いからね。新薬の研究なんか見てもお粗末だろ? いいか? 北欧なんかじゃ終末医療って言うとうんたら〜」
 余りに浮世離れ……っつーか、常識知らずの殿に、思わず隠そうとしていた厳しい現実を一気にぶちまける私。しかし全然動じずにお決まりの政治論議を滔々と逆展開する殿……。なんつ〜か……変に隠しだてしないで済むので非常に助かります。平常時には周囲に負担を掛けまくる難ありの性格ですが、危機的状況下ではちょっと愛おしくなる性格だったようです……いやぁ……イイコトに気付いたなぁ……。

 何にしても明後日。神様、ひとつよろしく。


▲TOP
2009年10月14日(水) 告知と厳しい現実
 何だかんだと覚悟していたつもりですが、結論から言うと、奇跡なんてものはそうそう起こらないから奇跡と言われるんですよね、と言うことで。フコイダン? 何それ? ああ、あの効く人には効くかもしれないという幻の秘薬ですか?と言うことで。(でもキッパリ止められない……人間って弱い生き物……)

 7/24のPET検査で32×32mmだった腫瘍が、10/7には36×35mmに成長しとりました……。約2.5ヶ月で4×3mmも成長しているということは、主治医の予想通りの「そこそこ急成長株」であり、しかも悪性度を示す数値SUVmaxも8.8→12.4と高くなっており、順調に成長中とのこと……。位置的に、腫瘍が70mmになると横隔膜を突き破り、転移や胸水の可能性もぐっと高まるので、その前に色々と動かねばなりません。
 ただの食べカスの残骸かも?!と期待していた盲腸へのPET取り込み画像も、今回も同じ場所に写っており、SUVmaxも5.4→8.1と上がっていることから悪性腫瘍の可能性が高いとのことで、結局22(木)に内視鏡検査をすることになりました。それで悪性度が肺より深刻であれば、まずは腸から対処しなければならないそうですが、肺の腫瘍の成長具合を見る限り、何もかもを急ぐ必要がありそうです。
 癌細胞の増え方は直線的ではなくネズミ算式なので、70mmになるのも半年かかるかどうか。

 次なる手立てとして第一候補にあったハイパーサーミアは、放射線治療の補助的な療法のため、これを単独で行うことに主治医が余り肯定的でない感じ。一方で先日友人から教えてもらったラジオ波灼熱療法なる治療法は1ヶ所50mm以下の肝臓癌や肺癌に効果的とあり、目下こちらを主に検討中。主治医も「鷹瀬さんのケースには、ハイパーサーミアよりラジオ波の方が適しているでしょうね」とのこと。
 ただし、ラジオ波灼熱療法を選択するならば岡山大学まで行く必要がありそうで、再び調べることやることがテンコモリです。


▲TOP
2009年10月17日(土) ひと山越えて終末コント
 14(水)の時点で「ラジオ波灼熱療法」なる治療法に一条の光を見出して早速サーチを開始し、意外にこの最新治療法の情報が見つからないことに困難を見出しつつも、どうやら日本では岡山大学が一番この治療法の症例が多いようだというトコロまで辿りつくことができました。
 その後、岡山大学 放射線科の公式サイトを見つけて、「最先端治療」>「ラジオ波による肝、肺、腎、骨軟部悪性腫瘍の治療」>「肺腫瘍に対するCTガイド下ラジオ波凝固療法」の記事を読み、平日日中は会社にいるため電話ができないので、早速以下のような問い合わせのメールを投げてみることに。

----- Original Message -----
From: 鷹瀬トウコ
To: 岡山大学放射線科
Sent: Thursday, October 15, 2009 1:56 PM
Subject: 肺癌のラジオ波凝固療法について

岡山大学放射線科 御中

はじめまして。「ラジオ波灼熱療法」を調べている際、サイト検索により、
貴大学放射線科に辿り着きました、鷹瀬と申します。
診察予約等は主治医を通して、とのこと承知しておりますが、
可能であればその前に2〜3質問させていただければ幸いです。

患者は私の父になり、以下が詳細です。

鷹瀬×× 83歳
主治医:××大学 呼吸器内科 ××先生
肺がん(右下葉)、血液検査結果より扁平上皮癌の可能性が高いとのこと。
7/24と10/7にPETを行い、検診結果は
32×32mm→36×35mm、SUVmax8.8→12.4。成長が早いと診断されています。
体力的に手術は不可能、放射線治療も間質性肺炎を患っているため不可能、
化学療法も余り効果は見込めないでしょう、と主治医より言われており、
「なす術がない」状態です。そんな中、ラジオ波灼熱療法を知りました。
リンパへの転移は確認されておりませんが、盲腸にPET取り込みがあり、
10/22に内視鏡検査を行います。10/7現在、SUVmax 8.1です。(恐らく悪性)

そこで質問なのですが、

【質問1】
父は3年前に結核を患ったことがあり(現在完治)、更に慢性的に
間質性肺炎という「肺がボロボロ」状態なのですが、このような
状態でもラジオ波凝固療法は施術可能ですか?

【質問2】
主治医にラジオ波凝固療法の質問したところ、余り詳しくないとのことで、
紹介状は書いていただける旨の了解を得ているのですが、
「局所療法は原発性のものにしか効かない」というような主旨のことを
言われており、10/22の大腸内視鏡結果を待ってから、と言われました。
50mm以下が対象サイズとのことで、急成長の腫瘍のようなので一刻を
争う状態だと思うのですが、10/7の36×35mmからもうすぐ1ヶ月経って
しまうし、紹介状を得次第すぐにでも初診に伺いたいと思いますが、
もしも手術となった場合、どの位の待ち期間があるものなのでしょうか?

【質問3】
ラジオ波灼熱療法と同様に、ハイパーサーミアへの期待もあるのですが、
ハイパーサーミアは放射線治療の補完的な治療なので、本来は単独で
行う治療ではないと聞きました。ただ、身体への負担が軽そうなことと
都内にも病院があるとのことで、気になってはいます。
父の場合、年齢も年齢ですし、完治を目指さずとも、現状維持でも
充分なのですが、ラジオ波凝固療法とハイパーサーミアのどちらが
適しているでしょうか? もしくは両方ということも考えられるのでしょうか?

他、何でも良いので、有効と思われる情報があれば教えて頂ければ
幸いです。お忙しい中大変恐縮ですが、お返事頂ければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

鷹瀬トウコ
XXXXX@XXXXX.XX.jp
東京都××××××××
Tel. 090-XXXX-XXXX


 初診では紹介状が必須と公式サイトに書いてあるし、こんな一般人からの不躾な質問にいちいち答える義務はないのだし……と、正直期待せずに出したメールです。数日待って返信がなければ、勤務中に抜け出して一度電話でもするか……と、最初からその程度の覚悟はしていました。それでも事前にメールを送っておけば、電話したときに話が早いかと。直接電話で問い合わせが出来ないようであれば、主治医の先生にお願いして急いでもらおうと。
 実は、数週間前にハイパーサーミアの質問メールを他のクリニックにしたのですが、現在までに返信はなく、こういう一般人の質問メールには普通返事はしてくれないものなんだろうな、と思っていたのです。

 ――ところが! 翌朝何気なくメールを確認してみると、なんと岡山大学放射線科の先生から既に返信が! しかも昨日の深夜に送信された模様!

----- Original Message -----
From: ××××
To: 鷹瀬トウコ
Sent: Friday, October 16, 2009 00:03 AM
Subject: RE: 肺癌のラジオ波凝固療法について

鷹瀬トウコ様

メール拝見しました。所見を総合するとT2N0M0でstage IBです。ステージ自体は
低いのですが、主治医の先生のおっしゃるとおり状況は厳しいようです。
まず肺癌の治療は手術、化学療法(抗癌剤)、放射線治療が3本柱で、
ガイドラインにも記載されています。手術は困難といわれ、放射線治療は間質性
肺炎のある方にはほとんどされません。さてラジオ波はどうかと申しますと、
適応は一般に3cm以下とされ、たまに4cmまでの肺癌を治療することもありますが、
かなり危険が伴います。成績も2cmを超えてくると良くありません。
最近間質性肺炎を合併した肺癌のラジオ波治療の報告が大阪からありましたが、
間質性肺炎自体の増悪で亡くなった方もいるようです。総合しますと、お父さんの
癌の治療をラジオ波ですることは、治療成績も期待できず、危険が大きすぎると言う
ことになります。大変残念ですが治療を行うメリットはほとんどないと思われます。
なお温熱療法は肺腫瘍を加温する方法があるようには思えませんし、もし加温
できるとしても間質性肺炎が急に悪くなる状態が生じる可能性があると思います。
それほど間質性肺炎は肺癌と並んで恐ろしい病気なのです。
お役に立てず申し訳ありませんが、ご了解下さい。

岡山大学 放射線科
×××× 拝


 要するに、間質性肺炎を患っている父には、腫瘍に攻撃を仕掛けるタイプの治療はNGなようで、残念な結果ではありましたが、ひとつ問題がクリアになって精神的な負担が一気に軽くなりました。明確な理由があって物理的にダメなら諦めも付きますし、次の行動を考えることができるので、時間を無駄にせずに済みます。
 行動が遅かったために手遅れになってしまったとか、無駄に悩んでいる時間が長過ぎたというようなことにならなかっただけでも、この先生からの回答で得たものは非常に大きく、何よりも質問メールを送った当日に返信が来たことに対する感動と感謝は計り知れません。大学病院の、しかもかなり偉い先生が、一般人の質問メールにここまで丁寧に答えて下さるとは……! 岡山大学の質の高さ、患者と向き合う真摯な姿勢を見て、本当に驚いたし感動しました。岡山大学のファンになりそうです……。もし今後身近な人がラジオ波凝固療法に適応するタイプの癌になったら、岡山大学放射線科をオススメしてしまうことでしょう。

 若干落ち着いた今ではこんなことを思っていますが、上記のメールを読んだ直度は私もここまで冷静ではありませんでした。ようやく見つけた一条の光も断たれ、会社でこっそりメールを確認していたのですが、自席で泣きそうになっていました……。「じゃあもう一体どうしたら……」と、誠実なお人柄が窺えるこの先生につい縋ってしまい、勤務中ではありましたが早速感謝&追加質問メールを。

----- Original Message -----
From: 鷹瀬トウコ
To: ××××先生
Sent: Friday, October 16, 2009 11:27 AM
Subject: ラジオ波凝固療法の質問をした鷹瀬です

××先生

お忙しい中、詳細のお返事を誠にありがとうございました。
こんなに早くお返事いただけるとは思っておらず、本当に感謝しております。

非常に残念ですが、父にラジオ波灼熱療法は適用できない旨、了解いたしました。
「ハイパーサーミア」もやはり間質性肺炎がネックになっているようで、
肺自体に色々と直接的なアクションを起こすこと自体が難しいようですね。
一応、ハイパーサーミアを実施している病院に問い合わせてみます。

素人に出来る範囲で色々と治療法を模索しているのですが、基本となる3大治療が
オールNGのため、それらに派生する補完的な治療も適用外となり、医学的に
「治療」とされているものがほぼすべて適用できないようで、途方に暮れています。

図々しいお願いなのですが、もしよろしければ、キーワードだけでも良いので、
父の状態(要は間質性肺炎を患っていても出来る肺癌治療)に合った治療法など
ご存知でしたら教えていただけると幸いです。不確かでも構いません。
治療名だけ教えていただければ、後は自分で調べたいと思いますので……。

また、これも医者としての見解でなくて構いませんので、民間療法などで
効果があったと聞いたことがある、程度の情報でも良いので、何かヒントとなる
キーワードがありましたら是非教えてください。

正直、効果に関して胡散臭い民間療法(健康食品や食事療法)に頼る他ない
状態のため、現在は下記を行っています。
  冷え取り法(湯たんぽにより身体を温める)
  食事療法(肉を止めて玄米食に切り替え)
  フコイダンと青汁(2ヶ月前から摂取)

一度ならず二度までも、お忙しい中大変恐縮ですが、お返事頂ければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

鷹瀬トウコ


 金曜日の昼頃に送ったメールですから、月曜日にはお返事いただけるかしら……でも今度の内容は既に専門のラジオ波凝固療法から外れてしまっているから……とドキドキしながら待ちの姿勢でいると、なんと本日、土曜日の早朝だというのに再度の返信が!

----- Original Message -----
From: ××××
To: 鷹瀬トウコ
Sent: Saturday, October 17, 2009 7:19 AM
Subject: RE: ラジオ波凝固療法の質問をした鷹瀬です

鷹瀬トウコさま

私から一言言わせてもらえるなら、勇気を持って何もしないのも一つの方法です。
副作用もありません。癌は症状があれば困りますが、症状が出てきたときだけ、
その症状に対する治療をするのです。どんな治療を持ってしてもおそらく癌が根治
することはありません。根治しようと思うから何もできないと思うのです。症状が
なければ困らないという考えに立てば、現在も達成されています。そういう考えで
対症療法を行いつつ将来必ずやってくる死に備えるのがホスピスでの考え方です。
ご検討下さい。

×××× 拝


 これまた無駄を省いた非常にクリアなご回答で……お陰さまで色々覚悟が決まりました。今後は、積極的・攻撃的な治療法を探すのは止めて、「身体に良い食事」と「適度な運動」と「規則正しい生活」の3大柱のみで過ごして行こうと。即行でお礼&決意表明メールを送るワタクシ。

 上記メールの遣り取りすべてを父に報告した上で私の決断を告げてみると、
「俺なんかは最初からそれでいいって言ってただろ。40代なら色々考えるけど、もう80にもなってガタガタすんのも面倒だし。その岡山大学の先生もハッキリしてて気持ちのイイ奴だね」
 嘘だー、結構治療に乗り気だったクセに。は〜……我が父ながら、ホント、助かる性格ですわ。どこまでも上目線なのがナンとも言えませんが……。

 「勇気を持って何もしないのも一つの方法です」――こういう回答をスッパリ言い放ってくれる先生がいると、本当はなす術もないのにジタバタしているウチのようなケースの患者は助かります。メールという手段ゆえに表現がシャープになっているのかもしれませんが、それがハッキリ体質の鷹瀬家にはありがたいのです。
 主治医の先生はとても良い人なのですが、報告の際に若干曖昧さが含まれる感じなので、ズバッとある種の決断を下して欲しい父や私はちょっとモンヤリすることがあったりもして。父とは付き合いの長い先生ですし、患者本人を目の前にしているので、きっと思い遣りの結果なのでしょう。
 それに、患者にも色々なタイプがいるので、ハッキリ言われると落ち込んでしまう人も多いのかもしれません。癌掲示板で、患者本人と家族の前で癌告知をした医者に対して「なんて無神経な!」と激怒している方もいたので、医者も大変だな〜と。私だったら事態を常に明確にしておきたいので、医者から患者と家族が同時に説明を聞けるのはありがたいばかりですが……。

 しかし、縁もゆかりもない飛び込み(?)のメールに懇切丁寧にご回答くださった、今回の岡山大学の先生に出会えたことは非常に幸運でした。直接診ていただかなくてもお医者様はお医者様なんだなぁ、と感動してしまいました。主治医の先生も良い先生ですし、父の場合は「治療」という意味で出来ることは少ないですが、先生には恵まれたなと。

 ――とまぁ途中色々ありましたが、ここに来て落ち着きました。
 治療関係が一切できないので副作用に悩む必要もないし、変な話、症状が出始めたらそりゃ大変だとは思いますが、多分そんなに長く苦しまずに逝くだろうな、と。
 良くも悪くも父の性格上、上記のようなことをすべて本人に言えるので楽です。何度も言ってきましたが、健常時には結構嫌な奴でしたが、緊急時になってこんなにありがたい性格だったと不覚にも気付くことになったのは、もう何と言って良いのやら。不幸中の幸い? 地獄に仏?

 深刻な病を抱える患者の家族が辛いのは、何もしてあげられなかったり、患者の苦しみを目の当たりに受け止めなくてはならないと言うことももちろんありますが、意外に「本人に隠しておかなくてはならないコトがある場合」ではないか思います。本当は絶望的なのに本人は治る気満々とか……家族は相当辛いと思うのです。事実を隠すのも辛いし、見ている現実がズレていると正しい相談も出来ないし、正しい意思確認も出来ないし、正しい行動が出来ない。これは辛い。ある面では患者本人より辛いと思います。
 だからと言って、全員が全員、患者本人に全部言うべきだとは思いません。こればかりは性格がありますからね。ただ、私の場合は、全部本人に悪い結果もリアルタイムで報告しているし、それに対して本人が余りガタガタしないので非常に助かっていると、それだけの話です。しかも、父は癌になってから確実に性格が良くなった! これは大きな収穫です!!!

 いつも罵倒される勢いで殿から暴言を叩き付けられている薄幸の母ですが、つい先日、父がお客さんに
「俺が女房に怒鳴り散らすのも信頼関係があるからで、うんたら〜」
みたいなことを言っていたのを聞いて、母ビックリ。私もビックリ。母も私も「そうだったの?! 全然知らなかった!」状態。なんだかドギマギしてしまいます。
 父の部下でいつも父に怒鳴り散らされて過去数回泣いたことさえある方も、つい先日父が「アンタには感謝してるよ」とちょろりと言った一言で「ホロリと来ちゃいました」と大感激。
 普段が余りにも酷いので、ほんの1mm優しい(普通の?)言葉が出てきただけで周囲を感動させてしまう暴れん坊将軍……ズルイっつ〜か、得な性格だなぁ……。ツボを心得ていやがる。

 ひと山越えても殿は殿。やっぱりいちいち笑えます。
 本日昼、岡山大学の先生からの助言、「勇気を持って何もしないのも一つの方法」について話し合う内に……
「要するに、お父さんの場合はさー、結局『間質性肺炎』がネックになって治療らしい治療は出来ないのよ。煙草1日100本とか吸ってたんだから、自業自得だよね
「もう止めて数年になるのにダメなもんかねぇ」(←私のイヤミは軽くスルー)
「人生そんなに甘くないよ。今までの積み重ねなんだよ」
「でも俺もこの年まで健康に生きてんだから、そういう意味じゃ立派なもんだろ!」(←なぜかいきなり自慢)
「そうね、もう平均寿命以上だしね。前に有名な占い師に視てもらう機会があった時、『ご両親、共に健康で長生き』って言われてて、今回のことがあったから、『あの占い師、嘘つきだよ!』って友達に今の現状言ったら、『83歳で今まで特に大きな病気もしてないなら、既に当たってんじゃん』って言われちゃったよ」
「わはは! その通りじゃねぇか! それよりお前がさっきから言ってる『カンシツセイ肺炎』ってのはなんだ? どんな字書くんだって?」
「国が難病指定してる118の疾患のひとつで、『間質』ってのはアイダに性質のシツって書くんだけど、肺胞と肺胞の間の場所の名称ね。この場所に炎症を起こすのが間質性の肺炎、ってこと。普通の肺炎は肺胞の内部の空気のある場所が細菌とかウイルスとかで炎症起こすんだけど、間質性は肺胞の外に炎症を起こすのよ。発病率は10万人に5人だって」
「肺胞の外で炎症起こすと、普通とどういう風に違うんだい。症状はどんなんだ?」
「なんかね、間質性の場合、症状が進むと肺胞壁が厚くなって、肺が固くなって、要するに肺の組織が役立たずになるから、息苦しくなったり、咳が出たりするみたいよ? 治療して肺癌自体が小さくなっても、間質性肺炎が悪化して亡くなった患者さんとかもいるらしいし」
「死ぬほど酷くなるもんなのか?」
「岡山大学の先生は、『間質性肺炎は肺癌と同じくらい恐ろしい病気』っつってたよ」
「あれま、大変だねぇ。10万人に5人ってことは日本に6千人くらいしかいないの? 俺もまた珍しいコトになってんね」
「肺癌とW併発だともっと少ないだろうね。性格悪いから天罰なんじゃない?
「他は癌の症状が出始めると、どんなことが起こるって?」(←私のイヤミは軽くスルー)
「肺自体の悪化は息苦しさ、咳、発熱とかかな? 骨に転移したら激痛。脳に転移したら麻痺とか。痛いのはモルヒネとかで緩和できるのかなぁ。調べとくよ。呼吸関係は苦しいだろうね」
そうなったら寝てる間に殺してくれよな
「お医者さんが協力してくれればいいんだけど、どうかな〜」
「アイツ(主治医)も頼りねぇからなぁ」
「いやいや、責任問題になっちゃうから、当然と言えば当然でしょ。まぁ私は私で安楽死の努力はするけど、お父さんは身辺整理の方を頼むよ。大腸癌でお父さんを亡くした人が言ってたんだけど、『本人治るつもりだったから、何も書き置きとかなくて、後がすごく大変だった』って」
「借金なんかねぇからそれでいいだろ」
「他にも色々あるでしょ、普通。あと、連絡して欲しい人とか」
「別に連絡なんて要らねぇよ」
「じゃあ遺産関係とか、相続税対策とか、そういうことを」
面倒だからヤダね。俺が死んだ後でお前らが勝手にやれよ」
「そんなこと言うなら苦しんでても殺してあげないよ。延命しちゃうからね
「そんなことしたらますますやらねぇぞ! 化けて出るからな!

 ……終末コント。


▲TOP
2009年10月18日(日) 間違いだらけの7回忌
 本日、伯母(母の姉)の7回忌の法要があり、母方の親族(で集まれるメンバーだけ)がお寺に集まりました。我が家からは父以外が参加。
 時期が時期ですので、お坊さんがお経を唱えている間もお焼香の間もずーっと、
「伯母さん、父のことを頼みます。癌を消してくれなんて無茶は言いません。現状維持程度でいいので、是非お力添えをよろしくお願いします。母も、今後も健康で幸せでありますように。今、父もそこそこ優しくなってイイ感じなので、この調子で末永くふたりが幸せに……。ついでと言ってはナンですが、私も早いトコ家庭を持てますように。父に孫を見せてあげたいので急いだ方がイイと思うんですよ。ここはひとつご協力よろしくお願いします」
とかなり念入りに祈っていたのですが、途中、お坊さんが読経を中断し説法を……。
「回忌法要とは、1回忌、3回忌、そして今回の7回忌というように、故人が回忌を重ねて仏の世界に上がっていくので、それを助けるために現世の私達が故人の成仏と極楽浄土に行けるように祈り、供養するものです」

 !? やっべ! 私ってば自分のコトばっか頼んでたッ!!!
 慌てて最後の念仏の間中、
「すみませんでした、自分のコトばっかりで! 伯母さんも、来世は……いや、来世も良い人生が送れるといいですね。ってか、送れますとも! 本当にスミマセン、自分のコトばっかりで! 状況が切羽詰まっているものでつい……。伯母さんの来世に幸あれ!!」
と伯母に詫び倒してました……。

 そんな7回忌の帰り道。家では父の食事療法の一環で甘いモノが食べられないので、こんな機会だもの何かケーキでも……と母とお茶をすることに。
 まったりカフェにて寛いで、紅茶を啜りながらおもむろに語り出す母。

「回忌法要って故人を送り出すための行事なのね……。私、お姉さんに頼みごとばっかりしちゃってたわ……

 ごふ…ッ…アナタもでしたか?! 母娘してなんて奴らだ……! 伯母さん、今頃天国で苦笑しちゃってるだろうなぁ……。


▲TOP
2009年10月22日(木) 肺と大腸のW原発
 「勇気を持って何もしないのも一つの方法です」――岡山大学の先生からの端的アドバイスにより、
 ――とまぁ途中色々ありましたが、ここに来て落ち着きました。
 治療関係が一切できないので副作用に悩む必要もないし、変な話、症状が出始めたらそりゃ大変だとは思いますが、多分そんなに長く苦しまずに逝くだろうな、と。

なんて、一瞬潔く決意した17(土)でしたが、人間そんなに簡単に割り切れるモノでもないらしく、つい時間が出来ると無意識に治療法を模索する日々がしんめりねっちり続いておりました、実は。水面下で。はぁ。そして新事実を発見する度に、「やはり何もしないのが一番みたいだ」という結論に舞い戻る、の繰り返し……。

 そんなモヤモヤ状態に、本日拍車がかかることになりました。肺癌発覚時(7/24のPET)より地味に疑われていた大腸(場所は盲腸)の影ですが、本日の内視鏡検査により、正式に堂々の悪性と診察され、これで父は晴れて肺と大腸のW原発癌患者と格が上がってしまったのであります……。
 「原発性の癌」とは「最初に発症した癌」ということで、肺と大腸の癌に関連(転移関係)はなく、同時多発テロ的なものだと。まぁ要するに、83歳というのは身体中の細胞が色々オカシクなるお年頃なのでしょう。いや、実際よく生きたよ……うん……はぁ……。でももうちょい生きても良さそうに思うんですけどね……。

 しかし、肺癌だけでも充分に余命がチラチラ見え隠れしており、それ相当の覚悟はしていたつもりでしたが、改めて肺と大腸のW原発と判明して意外なほどに落ち込んでおります。成長度合で言ったら肺の方が若干早く死期を運んできそうなのですが、大腸のアイツも無視できない。肺1ヶ所でも手一杯なのに、もう勘弁してくださいよって感じです……。
 「フコイダンで治るかも!」なんてお伽噺を信じるところから始まって、食事療法もダメ、冷え取り法もダメ、父方のご先祖様に祈ってもダメ、母方の伯母に頼んでもダメって……なんだか最近、本格的にイイコトまったくないなぁ……。あ、そういうネガティブな気持ちじゃマズイのか。えーと、殿がカワイイと思えるようになったのが唯一の良いコトですか。

 正確には盲腸癌ですが、タチの悪い陥没性ではなく隆起性のためド悪性ではないけれど、本日の内視鏡検査の際、ポリペクトミー(ポリープ切除術)を行おうとしたところ、サイズ的(2〜3cm)・形状的(やや扁平、浸潤が疑われる)に無理に取ろうとすると腸壁を破ってしまう危険性があるため断念したと。
 悔しいのは、自覚症状もない初期のため、開腹手術をすれば綺麗に取れそうなのに、全身麻酔を必要とする開腹手術は間質性肺炎を悪化させる危険性があるために避けた方が良いということです。ただ、その危険性は1%程度なので、大腸癌だけの単発であれば手術をしても良いのですが、しょせん肺癌を抱える身、無理に手術をして大腸癌が根治しても、体調を崩すと今度は肺癌の方が悪化してしまう可能性があると。

 不幸中の幸いとして、盲腸の癌は症状として貧血などが筆頭に挙げられ、苦しい腸閉塞などにはなり難い位置のようです。1年くらいは何の症状も出ないでしょう、とのこと。勝負は1年後ですかね。肺か、大腸か、寿命か……。

殿 「あー参っちゃうよなぁ。なんか前世で悪いことでもしたかな?」
鷹瀬 「現世で悪いことしてるからだよ。つーか、83歳まで元気だったんだから文句ないでしょー」
殿 「まーそうだよなぁ。結核やって? 大動脈瘤やって? 色々運も使っちゃってるよなぁ……。あー……睡眠薬でも用意しとかねぇとなぁ……」

 分かり難いかもしれませんが、これは父娘共に気持ち的に相当弱っている会話です……。


【後日追記】
 主治医の先生が大変親切で、わざわざ24(土)の休日にお電話くださり、断念していたハイパーサーミアについての追加情報を教えてくれました。根治を目指す目的ではなく、転移を防いだり腫瘍拡大を阻止したりするためには、もしかしたら有効かもしれないので、もう少しサーチを続けることに……。その際に盲腸癌のことにも話が及んで、改めて「盲腸癌は組織的に性質が悪いことが多い」ということを知ったのであります……ヘヴィだ……。
 しかし、病状的には何ひとつイイコトありませんが、父を取り巻くお医者様には恵まれたなーと。


▲TOP
2009年11月1日(日) 「癌治療は情報戦」
 この3ヶ月間、ネットで書籍で伝聞で、と癌関係の情報収集に奔走した日々を送ってきて、今も地味に続いてはいますが、とりあえずは落ち着きました。
 往生際悪く最先端治療の模索は止められず、フコイダンも飲み続けていますが、いざ転移が始まった時のための緩和ケアの情報もぼちぼち入ってきて、激痛が伴うと言われている骨転移が起こっても痛みを感じずに穏やかに生活を送っている末期癌の方の体験談なども参考にしつつ、最悪その路線で、みたいな。

 しかしこの3ヶ月を通して至るところで目&耳にした「癌治療は情報戦」というキャッチフレーズは本当にその通りで、癌治療における主人公は改めて「医者ではなく患者本人&その家族なんだな〜」と思いました。それは当たり前のコトかもしれませんが、「完治も含めれば日本人の2人に1人が癌を患ったことがある」という時代に突入しても、やはりいまだに「癌は医者に従って治療するもの」という意識は根強いと思います。だって医者って専門家でしょう?とつい思ってしまう訳です。

 今回の情報戦に臨んでよーく分かったことは、医者はあくまでも広く浅く総合的な知識とそれに伴う経験を持つ専門家であって、特定の癌、例えば父の「高齢・間質性肺炎を患う状態での肺右下葉末梢型・扁平上皮癌」という肺癌に関する知識は、過去に全く同様の患者を診たことがない限り、医者と言えども初心者なのです。だから本気で調べまくっている患者&その家族の方が、特定の癌に関しては医者の知識をも上回るのは珍しいことではないのです。(一番良いのは同じタイプの癌患者で勉強している人を見つけることです。医者よりもよほど頼りになります。そういう意味で、癌掲示板は情報の宝庫!)
 もちろん医者は基礎知識があるので6割程度までは正しい診断をするでしょうが、残りの4割、「適切な治療法」「患者の望む余命生活」などは患者自身&その家族が模索して行かなければなりません。そして、むしろ生死や幸不幸を決めるのはこの自己努力の4割だと言えそうです。

 医者にとって患者はあくまでも患者であり、どんなに誠実な医者であっても、いえ、誠実であればあるほど、たった1人の患者に24時間の心血を注ぐことはできません。たった1人に100の情熱を注ぐのではなく、100人に1ずつの気配りをするのが医者の役目なのですから。情報は自分で集め、ある程度まで決断を下し、どうしても専門家の知識が必要になった時だけ医者を頼る――というのが癌治療における基本のようです。
 当たり前のことですが、実際に自分(の身内)が生きるか死ぬかのラインに立たされれば、医者に対して過剰な期待、「どうしてもっと親身になってくれないの?!」という気持ちが理性とは別路線で発生します。多かれ少なかれ、多分9分9厘の人に。目下私もこの気持ちは発生していますが、それを理性で抑え込んでいる状態です。
 ――という悟りを開いた先月頃に、癌を克服した友人より下記の本を貸してもらい、おおお!まさしく私が辿り着いた回答が既にここに!と感動してしまいました。

「ガンを恐れず――ガン難民にならない患者学」 藤野邦夫 著 (p.10〜12より抜粋)

「ガンを恐れず」患者が主役にならなければ何もはじまらない

 いろいろな患者や家族と接した経験からいえば、いまもなお情報を知っていれば死ななくて済むのに、知らないばかりに死んでいくガン患者が少なくありません。ガンで亡くなった若い患者たちの話を聞いて思うのは、
「何というもったいないことをしたのだ。幅広く治療法を調べていれば、もっと長く元気で暮らすことができただろうに」
ということに他なりません。死なないで済む情報を知るためには、患者や家族が努力するしかありません。ガンという病気を相手にするには、患者は自分の考えや判断がすべてを決定することを自覚する必要があります。
 ガンをオーケストラにたとえると、指揮棒をふるのは患者自身で、内科医、外科医、放射線科医、腫瘍内科医(抗ガン剤を扱う専門医)、看護婦、緩和ケアの専門家などは、それぞれの楽器を演奏する団員に相当します。つまり患者が最終的に治療方針を決定し、自覚的に治療を受けなければ、何も始まらないということです。それなのに医師から治療方針を提案されると、
「先生にお任せします」
という人たちが少なくありません。医師の中には、
「車や電気製品を買うときなどには事前に色々調べるだろうに、自分の命がかかっている時にお任せしますというのは、信じられない態度ですよ」
と嘆く人たちがいます。
 医師の方も患者が要求しなければ、難しい高度な治療を避けて、安全な治療法を選ぶ傾向がありますから、ソンをするのは患者の方でしょう。アメリカから来た医師が、
「日本のガン治療のレベルは世界でも第一級なのに、患者のレベルはひどく低い。知識も主体性もないんだから」
というのを聞いたことがあります。
 実際に患者に付いて病院に行くと、忙しい医師を相手に、実にバカバカしい質問をする人たちがいます。これは基本的な知識がないばかりに、何を聞いたらいいか分からないからにすぎません。たとえば、
「先生、私はどうしてガンになったんですか」
とか、治療法の話をしない内に、
「私は助かるんですか、それとも死ぬんですか」
と聞かれても、医師は答えようがないでしょう。
 もっと他に治療法がないのか、提案された治療法にどんな合併症や副作用があるのか、入院が必要なら、どれくらいの期間入院するのか、経費はどれくらいかかるかといったような、自分の命がかかる治療法をめぐる一番重要な質問をすべきです。医師には医師にしか答えられない質問をすべきでしょう。


 この本で書かれていることは至極もっともだと思いますし、私が辿り着いた結論に近いこともありますが、それでも世の中の人全員にこれを求めるのは厳しいかな、とも思います。車や電気製品を買うときだって、店員のオススメをそのまま鵜呑みにする人だって大勢いますし、「命がかかってるんだから自分で調べるだろう」と言うのは強者の意見かもしれません。
 今はインターネットで簡単に情報を探すことができますし、私自身はそれを苦にしないタイプなのでこのような情報戦にも臨めますが、もしも自分がインターネットなどに無縁で、調べ物も苦手で、頼れる家族もなくたった1人で癌治療をしなければならない状況に置かれたら、気力や思考力が低下して「先生にお任せします」と言うかもしれないし、「だって専門家でしょ? 素人の私より適切な判断してよ」と当然のように思うでしょう。

 自力で調べて自力で治療方針を打ち立てるのは患者側の理想像ですが、同時に、幅広い知識と経験を持って最も適切な診断&治療方針を早い段階で下すのが医者側の理想像であると思うのです。
 ――とは言え、この医者不足の日本では今のところ「理想の医者」が主治医に……なんてことはほぼナイと言い切れます。自分(身内)の身を守るのは己ということで、結論が出ました。

 「癌治療は情報戦」――これを読んでいる方の中にも、自分が、身内が、知人が、癌と戦っている方は少なくないでしょう。性格・立場・状況にもよるので何とも言えませんが、抱え込むと重いので、カミングアウトしてオープンに情報収集するのもひとつの手だと思います。情報収集に至らなくても、ちょっとした愚痴を言えるのでストレス発散になるし。オススメ。私の場合は、8月以後に対面して会った友人と、会社では同じチームの同僚2人と仲良しの2人にはカミングアウトしているので(上司には言っていない)、独りで悶々ということはなくて済んでいます。
 なんだかここ3ヶ月のまとめみたいな日記になってしまいましたが……。最近は土日に全然遊んでいませんでしたが、11月は毎年恒例の紅葉狩りに行こうっと。

 追伸ですが。このサイトを通じて情報を下さった方々には何とお礼を申して良いのやら。本当にありがとうございました。


▲TOP
2009年11月12日(木) 11月インドア漫遊(1) 奥田英朗賛歌
 11月は遊ぶぞー!と心に決めた割に、天気や外せない用事などに振り回されて、当初予定していた紅葉狩りには発展しない状態が続いておりますが、インドアでささやかな娯楽はチョイチョイありーの。

 まず、書籍(小説)関係で当たりアリ。
 最近小説も「おおおおおおこれはっ!!!」という作品にはなかなか出会えず、そこそこ及第点でも5点満点で3〜3.5点程度が関の山……という状態が続いておりました。去年末から今年にかけて読んだ本の中で4〜5点を獲得したのは最愛の作家・奥田英朗の古い作品ばかり。(伊良部シリーズは基本として、「マドンナ('02)」「ガール('06)」「家日和('07)」がオススメ!)
 奥田英朗の何が凄いって、明快で平易な語彙を駆使して、誰かが感じている本人さえも言語化できない感情や心理をド的確に表現する才能です。(別の意味でスゴイと思う森見登美彦「太陽の塔」と正反対) しかも女性の描き方が余りにも絶妙。(この辺りも森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」と正反対)

 男性作家の描く女性はどーも薄っぺらいもしくは出来過ぎで現実味がナイことが多く、女性作家の描く女性は恐らくその作家の思考回路とマッチすれば激しく共感できるのでしょうが、外すと男性作家の描く女性以上に遠い存在となるため、小説の中に登場する女性は「共感」する対象ではない場合が圧倒的に多いのですが、奥田作品に登場する女性には共感することも多いし、共感しなくても「あ、この人××さんに似てる!」と実在する人物に重なることが非常に多いのです。
 ちなみに、「サウスバウンド('05)」のお父さん・一郎氏は若干ウチの父に被ります。残念ながら、後半、沖縄で大活躍してカッコイイ一郎氏には全然似てませんが……。


マドンナ ガール 家日和 サウスバウンド
奥田英朗特選集


 去年秋に例外的高得点6点を弾き出した貴志祐介の「新世界より('08)」を除けば、最近は「当たりと言えば奥田英朗、奥田英朗と言えば当たり」というヤケッパチ気味な結論に至りそうになっていたところですが、そんな大雑把な姿勢を後押しするかの如く、今回の久々の当たりも奥田英朗作品でした。

オリンピックの身代金 「オリンピックの身代金」――昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で警察を狙った爆発事件が発生した。しかし、そのことが国民に伝わることはなかった。これは一人の若者が国に挑んだ反逆の狼煙だった。

 2008年11月に出版された直後に図書館で予約を入れ、途中どうしても読みたいシリーズ物を優先させたため、あと数人という段になって予約をキャンセルしてしまい、再度48人待ちの列に並びなおしてようやく回ってきた、という待ちに待った1冊。私の好きな奥田テイスト=ユーモア小説とは全く違いますが、堂々の4.5点獲得!

 リアリティ溢れる人物&心理を描くのが天才的に上手いなぁと常日頃から(エッセイ以外の)作品を堪能させていただいている作家ですが、今回の主役は人物というよりも「時代」、正確には「東京オリンピック開催の昭和39年」を丁寧に描いている社会派小説。Amazonの内容紹介では「著者渾身のサスペンス大作」と紹介されていますが、ジャンルとしてサスペンスになるのか難しいトコロ。
 確かに、事件が起きて、追う者と追われる者がいて、紆余曲折を経て解決する、というサスペンス的な起承転結の流れはありますが、作者は多分「物語を書いた」のではなく、「忘れてはならない時代を出来る限り忠実に再現して伝えたかった」のではないかと思いました。私がジャンル設定するなら「ルポ・フィクション」とかかなぁ。

 東京オリンピックの舞台裏で起こった爆発事件を軸に、戦後日本の奇跡的な復興を支えた影の主役たちにスポットライトを当て、現代に通じる社会の格差をリアルに描き出しているこの作品。私の知らない時代ですが、読んでいて全く浮ついたところのない話で、登場人物たちが実在したであろうごく普通の人々と重なります。
 しみじみと、物事や心理をバランス感覚優れる視線で、しかも俯瞰で捉えることのできる凄い作家です。

 「残業なんかバカみたい」とか「働くために生きてるんじゃない」とか「ゆとり」とか、日本人がそんな台詞を言える時代になるまでにどれだけの犠牲があったのか。昭和39年を振り返って、だから「(主に物質的に)豊かな」現在に感謝しましょう!という短絡的な話ではないけれど、こんな時代を経て今があるのだということを知っておく必要はあると思いました。

 ――以上のように「オリンピックの身代金」を読んで、戦後日本の復興とそれを支えた人々の生活などに思いを巡らせてしんみりしている最中、タイムリーなドキュメント映画の試写会を観ることに。

泣きながら生きて 「泣きながら生きて」――1989年、上海に妻子を残して、人生の再出発を図ろうと単身日本に渡った当時35歳の中国人・丁尚彪。しかし厳しい現実を前に、不法滞在者に転落しながらも身を粉にして働き、15年間家族と離れたまま娘の学資金を稼ぎ続けた丁氏の1996年から10年間の記録。

 公式サイトを見ていただければ大体分かると思いますが、これはもうどう頑張っても打ちのめされる号泣映画……。「オリンピックの身代金」で再現された45年前の日本に通じる人生が目下繰り広げられていると言うか……。
 「必死で生きる」こと自体、身近でなくなってきている昨今、「生きるというのは本来こういうことなのかも……」と考えさせられるドキュメンタリーです。

 15年間、家族と離れ離れで、ほとんど休まず、早朝から深夜まで、時には3つの職を掛け持ちしてひたすら娘の学資金を貯め続ける丁さん。家賃の節約のために風呂なしの古い木造アパートに住み、台所の狭いシンクで頭を洗い、大きなビニール袋を洗濯バサミで吊るし広げた中で風呂代わりに少量の湯を浴びる丁さん。幸運にも貧乏を経験したことのない私にとって、このシーンは衝撃でした……。未体験を知るには、聴覚よりも視覚ですね……。
 少なくとも明日の食事の心配をしたことがなくて、毎日普通に湯が張られた風呂に入れて、1週間に2日も休みがあって、1日に8〜9時間程度の労働でそこそこの給料を貰えて……。何も特別なケースと比較して自分が幸せだと思う必要はないけれど、自分が恵まれていることは自覚しようと切に思いました。そして、月並みですが努力の大切さも……。

 観て損のない映画です。今月下旬から順次、東京・愛知・千葉・茨城と偏りのある地域限定で上映するようですが、機会があれば是非。


▲TOP
2009年11月18日(水) 11月インドア漫遊(2) Michael Jackson
 特にマイケル・ジャクソンのファンと言う訳ではないのですが、まさかの急死により伝説になったことで情報が一気に氾濫し、YouTubeなどで過去の作品を見ている内にその凄さを再確認してじわじわと好きになって行った、という王道コースを辿った俄かファン(?)です。
 インド映画が好きなくらいですから、マイケルのミュージック・ビデオなんかはそりゃもういとも容易くアタイのハートを撃ち抜いちまうワケですよ。

 脳と四肢が疎遠なボディを授かってしまった悲しい運命上、踊りたいけど踊れないのでせめて歌えるようになりたい!と思って歌詞検索なんかしちゃって色々読み込んで行くうちに、歌詞自体も裏話も意外に面白かったり深かったりで、それを切っ掛けにまたサーチ魂が燃え上がったりして……。
 マイコーの歌(と言うか歌い方?)は歌詞を短い文節で勢いよく切り上げるので、アップテンポのメロディに合わせて歌うのはなかなか難しく、今のところ歌えるのは「Beat It」と「Billie Jean」だけ。早く「Smooth Criminal」を歌いたいのですが、この歌は「Are you OK, Annie?」という簡単な一節さえも「アユウォッキーエニィ」と聴こえて、一体何と言っているのかサッパリ分かりませんでした……。
 他にも「Bad」の歌詞中に出てくる「come on」が、どうしても「カモン」ではなく「シャモーン」と聴こえて途方に暮れていたら、OKWave上で私と同じように途方に暮れている人が質問しており、下記のような回答が。
BADの歌詞の中で、マイケルは”COME ON”を”シャモン(実際には”シャモ〜ン”と発音し歌っています。
NO.1の方が書かれている番組で観たのですが、マイケルは自分でかっこよく発音を変えて歌っている場合があるそうです。”COME ON”を”カ”モンではなく、”シャ”と発音するのは、よりかっこよくシャープに聞こえるからだそうです。

 …………王様にこんな勝手なコトされちゃあ完唱への道は果てしなく遠いっすヨ……。

 ってなコトで、いきなりですが で好きな曲だけ自分のためにミーハー・ブックマーク。
1982年/24歳 Thriller (8分5秒) ≫歌詞 ≫歌詞和訳
1983年/25歳 Billie Jean 日本語字幕 (5分39秒) ≫歌詞
1983年/25歳 Beat It 日本語字幕 (4分57秒) ≫歌詞
1987年/29歳 Bad 日本語字幕 (6分34秒) ≫歌詞
1988年/30歳 Smooth Criminal 英語字幕 (9分24秒) ≫歌詞
1991年/33歳 Black or White 日本語字幕 (9分12秒) ≫歌詞
1996年/38歳 They Don't Care About Us 日本語字幕 (4分46秒) ≫歌詞

 20年以上も前のパフォーマンスにも関わらず、今観ても完成度が高くカッコイイと思えるのは凄いことかと。
 比較としてはショボイかもしれませんが、1988年に大ブレイクした光GENJIの「パラダイス銀河」とか……当時中学生でそれなりに好きだった覚えがありますが(流行りの歌謡曲は何でも好きなので)、今観たら恥ずかしくて悶絶するもんなぁ。その頃マイコーは今観てもウットリする華麗なる犯罪(Smooth Criminal)の舞を踊っていたと言うのに……。

 上記のビデオを年代順に観て行くと、見事なくらいどんどん漂白されて行く過程が別の意味で印象的ではありますが、そういうことはさて置いて、人を惹き付ける偉大なるタレント、キング・オブ・ポップであったことは明白かと。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT そんな流れで本日の映画レディースデーに観てきました、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」!!
 マイケルの急逝によって実現せずに幻のコンサートとなってしまった「THIS IS IT」のリハーサル映像の映画化。よくある追悼の意を酌んだインタビュー形式などではなく、本当に本番さながらのリハーサル風景や、舞台を作り上げて行く様を覗き見ることが出来て、下手な映画を観るよりも余程お得な作品を観たという気になりました。

 改めて感心したのは、50歳のマイケルが、20代のバックダンサー達と一緒に踊っても全く見劣りしなかったこと。それどころか、リハーサルの合間合間、若いダンサー達が息を切らしている傍ら、歌まで唄っているマイケルの呼吸は乱れているように見えませんでした。
 バックダンサー達が力一杯踊っているのに対して、マイケルの動きはとても優雅で、力が入っていないのが分かるのですが、それでも動きにキレがあり要所要所で形が決まるので、総合的に見て目を引くし、あくまでも「主役」なのです。
 若かりし頃のマイケルの踊りを観ると若者特有のパワーを感じるので、「THIS IS IT」のマイケルはやはり50歳のベテランならではの熟達したパフォーマンスを見せているんだなぁと感動しました。
 マイケルって普段から姿勢が良くて所作が綺麗なんですね。今回のこの舞台裏映像でそれがよく分かりました。

 印象に残ったのは、マイケルの話し方がどんな時でも囁くような穏やかさを常に保っていること。少なくともこの映画の中で、マイケルが誰かに対して声を荒げている場面はありませんでした。スタッフにもバックダンサーにも制作仲間にも、誰に対してもとても丁寧に接していて、それゆえに彼の繊細さが滲み出るようで、周囲もまた彼に対して非常に気を遣っているように感じました。
 プロデューサー仲間(?)の唯一マイケルと同等の位置にいるらしいおじさんが、行動の節目節目に「MJ、良かったよ! 最高だよ!」と必要以上に誉めちぎっているのを見て、マイケルってきっと物凄く傷つき易い永遠のガラスの少年なんだろうなぁ……とか勝手に妄想してました。

 また、コンサートを作り上げる上で、マイケルが完全に指揮を取っているのも印象的でした。彼がシンガーでありダンサーであることは明白でしたが、「舞台を作るプロデューサー」は他にいて、マイケルは自分の関わる範囲でリクエストをする程度の関わり方なのだろうと思い込んでいたら、とんでもない勘違いでした。リクエストどころか、音楽も照明もアクションも、見る限りすべてマイケルが自らかなり細かいド指示を出しており、彼こそがメインのプロデューサーで、リハーサルは彼の頭の中にある完成されたビジョンを共演者に伝えるのが主な目的なのだと感じるほど。指示の内容ひとつ取っても、妥協を許さない完璧主義者であることが簡単に伺えました。
 対等な人がいないと思わせるのは、マイケルがそうしたド指示を出すと、全員がそれに何の反論もなく従っており、「こうした方がいいんじゃない?」とか「こんなのはどうだろう?」というような共同制作の雰囲気が希薄なのです。恐らくこれはマイケルの指示が余りにも的確で、反論の余地がないほど完成されているからなのだと思いますが、圧倒的な才能を前に、なんて孤独な人なんだろう……と可哀想になってしまいました……。

 口元だけの穏やかな笑顔はあれど、弾けるような笑顔はなかったのも気にかかりました。周囲にいるのは信者か敵かという極端な境遇だったのではないかと思うと、栄光は掴んでいたけれど、幸せだったのだろうかと何とも遣りきれません。
 目まぐるしく変わった外観が、身体の病のせいか心の病のせいかは不明ですが、生涯のほとんどをゴシップに苦しめられた人生であったことは間違いなく、早すぎる死だけが確実に彼を安らかな場所に導くことが出来たのかもしれないなぁ……と感傷的になってしまうのでした。

 ――と、まぁ特別ファンと言う訳でもない私でも感動してしまった映画「THIS IS IT」、オススメです。

コンサート「THIS IS IT」の最も長い広告 2009年3月8日放送 (3分30秒)
映画「THIS IS IT」の予告編 (2分34秒)


THIS IS IT [1枚組通常盤CD] キング・オブ・ポップ−ジャパン・エディション [CD] ヒストリー・オン・フィルム VOLUME II [DVD] NUMBER ONES [DVD]
財布の紐はめちゃ固い方なのですが……まんまとマイコー衝動買い。
CD 2枚とDVD 2枚……なんなんだ私は……。



▲TOP
2009年11月19日(木) 父と湯たんぽ
 治療という意味では何もすることがない我が家の肺&盲腸癌患者、今日ものびのび元気です。最近つぶらな瞳で私からの指示を一心に仰ぐので、何だこの可愛いクソじじぃめ!というむず痒い心境に陥ることがよくあります……。(想いは複雑)
 ちなみに私からの指示とは、「夕飯は19時には食べなさい」「もずくを一番に食べなきゃ」「嫌いなモノが足りないモノなの。酸っぱいモノがアナタには必要なんです」「甘いモノは控えるのだ」「このお茶を寝る前に飲むんですよ」「身体を冷やしなさんな」「半身浴をするといいよ」「深呼吸はしてるの?」「1日30分のウォーキングをするといいのに」「せめて軽い運動でも」などなど。

 食生活に関しては大分改善が定着してきましたが、運動の方はどうも上手く行きません。
 一応気持ちはあるらしく、ウォーキングを2日間ほど連続して1時間以上も外出して頑張りましたが、頑張り過ぎたためか3日坊主までにも届かず挫折。季節も季節だし、無理をして風邪でも引かれたら大変と、大目に見ることに。代わりに「せめて肩・腰・足の関節回すくらいの軽い運動でも!」と口うるさく言っても、そっぽを向いて返事も返さない始末。運動はトコトンお嫌いなようです。
 それでも思い出しては「運動するんだよ」と地道に声かけ運動。するとある日、母からこんな密告が……。
母 「今日、玄関でお父さんがゴソゴソ何かしてるから、何かと思って覗いたら……腰回してたわよ
 隠れて運動している模様! 何これジャンルで言うと「ツンデレ」? うわーなんか萌える! クソじじぃ萌え!!

 コホン……。気を取り直して。
 多くの癌患者が通る道だと思いますが、「免疫力を高める」のは大きな目標です。運動も、血行を良くして身体を温める――大きな意味では免疫力を高めるために必要なのです。
 様々な方法がありますが、我が家では「がんを治す療法事典」(帯津良一監修)で紹介されている「冷え取り法」(P.720)を参考にし、そこで推奨されている湯たんぽに目を付けました。湯たんぽで腹・尻・太腿・二の腕を集中的に温めることで、リンパ球を増やし、免疫力を上げるという方法です。
ドイツFASHY社のゴム製湯たんぽ 肝心の湯たんぽですが、「固いのは嫌だ」「重いのも嫌だ」「熱が長持ちしないと嫌だ」とうるさい注文をかいくぐって見付けたのがドイツFASHY社のゴム製湯たんぽ(右写真参照)。これは私も使用していますが大ヒットでした。珍しくお気に入り認定され、せっせと日々使っている模様。もう元は取ったかな、と。

 しかしいつかはやるだろうと思っていましたが、つい先日、お約束でベッドを水浸しにしとりました……。
 朝起きたらベッドマットが応接間にででーんと干してあって、遂にボケたか漏らしたかと愕然としたもんです……。単なるアクシデントと判ってどれだけホッとしたことか……。

 ――とまぁ間にちょいちょいスパイシーな出来事も挟みつつ、とりあえずは平穏な日々が続いております。


▲TOP
2009年11月25日(水) 事の起こりは歯列矯正
 11月30日に一応の決着がついたことで、振り返って書いています。本当は恐い歯医者の話、是非記録しておきたい。でも長いのでなるべく日付を事実に合わせて小分けにします。

 事の起こりは先月末、唐突に歯列矯正に興味を持ったトコロから始まります。
 最近になって下前歯の1本が倒れていることが気になりだし、治ったらいいな〜なんて気軽に考えまして……。審美的にもそうですが、歯が折り重なる部分が磨きにくく、茶渋の汚れが付き易いから。この時点で歯列矯正の知識はゼロ。大変なんだろうなとは何となく思っていましたが、何がどう大変なのかはサッパリ分からず。身近にも結構やっている(た)人はいるし、昔に比べてそんなに大変ではないのかも、と。比べるだけの「昔の矯正法」の知識もないクセに、導入はこんなにも気軽だったのであります。
 ネットで軽く調べると「部分矯正」なるものもあるようで、たった1本起こしたいだけだし私はコレでいいんじゃないかと。何てったって1本だしきっと簡単なんじゃないかと。着々と自分に都合のいいように解釈していったのでありました。

 軽く自慢ですが、誇れるポイントが極端に少ないワタクシの堂々と威張れるポイントが歯です。虫歯ゼロ、治療歯ナシ、親知らず上下4本健在で計32本フル装備――このように歯関係で苦労したことがほとんどないので、歯に関して何かを調べたこともなく、2009年10月までは矯正や虫歯治療など一般的な知識すらまるでなかったのです。従って不意に思いついた歯列矯正も、歯並びが綺麗になるならいいじゃな〜い?程度の気軽さで事態を甘く見ていたのですが……。

【起】
 手始めにWebで矯正の基礎知識を集めます。導入部の知識は矯正を行っているクリニックであれば大体掲載されているので、ざら〜っと読んでみることに。後から考えれば当然ですが、歯科サイト=広告サイト、矯正なんてのは歯医者にとっても有力な収入源でしょう。そりゃイイコトだけを大袈裟に書きますわな。随分ガタガタの歯並びだった人が1年後の写真では綺麗になっている。噛み合わせが悪いとこんなに恐ろしいことが! 矯正をするとこんなに素晴らしいことが! ――入門編辺りを調べて行けば行くほど「矯正しなくては!」的な気分が盛り上がります。
 そんな盛り上がった気分に拍車をかけるのが魅惑のBefore/After写真……この2枚並んだ写真の間に起こりうる患者の苦労や挫折などは写真から想像できるはずもなく、矯正歯科サイトで語られるのは成功体験談ばかり。そこにはマイナス要因となるネガティブな可能性など一切紹介されていません。無知な私もまんまと「やっぱ矯正、いいじゃな〜い」という気持ちになってきます。

【承】
 早速目星を付けたクリニックに電話などで問い合わせるも、実際の歯並びを診ないことには何とも言えないらしく、料金もクリニックによってバラバラ。そもそも部分矯正が適用されるのかどうかによって金額も全く違うようです。
 参考として、あるクリニックでは1本3万円、上下全体78.8万円、精密検査代3.7万円……。か、考えていたよりも馬鹿っ高い……。

 矯正をする・しないはともかく、まずはその判断をするためにも無料診断を行ってくれる評判の良い矯正歯科をサーチし、11月上旬に歯列矯正に強いクリニックを3ヶ所ほど訪れてみました。すると、3ヶ所でそれぞれ違ったことを言われるという不穏な幕開けに……。

Q: 下前歯右2番が内側に倒れているのを治したい。ついでに上前歯4本が若干出ているので同時に矯正することは可能か?

Aクリニック:
 下は、上前歯が出ているので、下の前歯も出してもさほど影響がないため、削らず抜かずに矯正可能。矯正範囲は4〜6本。上は少々削ってスペースを作れば2mmくらい奥に戻すことは可能。こちらは矯正範囲6〜8本。上下ともに舌側矯正可能。矯正期間は3〜6ヶ月。

Bクリニック: 下は、削ってスペースを作れば非抜歯で対応可能。矯正範囲は6本。上は左右5番を抜いてスペースを作って全体矯正。上下ともに表面矯正を勧められる。矯正期間は6〜10ヶ月。

Cクリニック: 下は、削ってスペースを作り、全体矯正。上は左右5か6番を抜いてスペースを作って全体矯正。上下ともに表面矯正。矯正期間は10〜12ヶ月。


 これは色々調べた結果、後に思ったことですが、これらのバラバラな回答は、歯医者の想定する治療の完成度が違っているのも一つの要因ではないかと思われます。
 ただ、リアルタイムでは相談に訪れる度に言われることが違うので、毎回混乱していました。共通して、どこのクリニックも説明が足りず、独善的な結論だけを言っているように感じました。
 最初に訪れたAクリニックでは削らず抜かずでOKと言われたのに、なぜBクリニックでは削る、Cクリニックでは抜くと言われたのか。訪れた順に質問できるだけの材料が増えてゆくため、Cクリニックでは一番よく質問し、結果的には一番多くの情報を収集することができましたが、歯医者が自ら教えてくれた訳ではありません。
 Cクリニックの言い分としては、「削って一時的に歯列を矯正することもできるけれど、長い目で見ると、充分なスペースを確保して矯正をしないとすぐにまた歯列が乱れる可能性が高い」と言うことです。ならばAクリニックで行う矯正は、一時的に治っても、時間が経てばまた崩れるタイプの暫定治療である可能性が高いと言うことになります。

【転】
 とにかく上前歯を奥に戻すためには抜歯は必須なようです。たとえ親知らずであっても健康な歯を抜くのは論外だったので、上の歯の矯正はアッサリ断念。下の歯に関しても、たった1本のために24時間装着の器具を半年も着けるなんて精神的に無理。
 既に矯正しない方向に気持ちも傾いていましたが、3ヶ所巡ってもどうも腑に落ちる結果に落ち着かなかったため、矯正に関する情報収集は続けました。
 実際に歯医者を訪れて得た情報+ネット上でサーチした情報を合わせると、歯列矯正というのは私が思う以上に精神的にも経済的にも時間的にも物理的にも大変だということがよーく解りました……。

●現代人は顎に対して歯の数が多く、そのため加齢とともに歯同士が押し合い、長年かけて歯列が乱れる。日本人に出っ歯が多いのは上顎に対する歯の数が多いため。
●歯列を整える際、多くのケースで歯を正しい位置に戻すスペースを作るために健康な歯(親知らずを含む)を抜く必要がある。若干の移動であれば歯を削るだけでも対応できる。
●なんやかんやと実は挫折する人が多いらしい。(特に男性。女性は痛みに強いから、と女性の歯科医がコメントしていました)

以下、私の場合の部分矯正について。
●装置を24時間装着しっぱなしで半年〜1年程度かかる。24時間装着の装置が取れた後もさらに1年ほど取り外しできる装置を付け、さらにその後も就寝時にマウスピースをするなど永続的なメンテナンスが必要。(メンテナンスしないと元に戻る可能性がある)
●装置代、検査代、調整料など結局トータルで30〜50万円ほどかかる。


 しかも、ここに至ってようやく私も「矯正 失敗」をキーワードにナマの体験談を探し始めることに。すると……出るわ出るわ、ハカイシャ歯医者による安易な歯列矯正で、深刻なダメージを被ることになってしまった方たちの体験談が……。

小川リエ/【地獄からの脱出】 歯列矯正治療の失敗
――歯列矯正の失敗で体がボロボロに・・・。歌手が立てない歩けない歌えない、その地獄の様な日々から脱出する!

歯列矯正の失敗
――抜歯矯正を初めて1年半頃から体調がおかしくなり始めた。。

歯列矯正失敗例鬱病 ひきこもり不登校顎関節症名医
――最初に行った歯列矯正の失敗により、噛み合わせが狂い、顎関節症になったため、ひきこもり、不登校に陥り…

 これらのサイトを読んで、今現在、噛み合わせが悪いなどの問題があれば矯正を考えても良いかもしれませんが、審美的観点のみから安易に矯正なんかするもんじゃない、と強く思いました……。矯正って恐い……。

【結】
 私の歯並びなんて、こんな危険を冒してまで治すほどのモンじゃない――そんな訳で、歯列矯正計画という仄かな野望は約2週間ほどで立ち消えになったのでした。

 ちなみに、色々な歯科サイトで矯正についての説明を読むと、大きく抜歯派と非抜歯派に分かれるようで、さらにこの議論はもう何年も前から繰り返されているようです。

抜歯か非抜歯か―矯正治療における抜歯問題の是非

■抜歯派……非抜歯・拡大・矯正詐欺師に死の鉄槌を加える会

■非抜歯派(非常に評判の良いH歯科医院の公式サイトより抜粋)……
ドイツで考案され、ヨーロッパで広く普及している可撤式(取り外しが出来る)装置を用いて行います。原則的に親知らず、保存不可能な歯以外は抜かず、顎の骨も正しい大きさに広げる方法です。顎と歯をゆっくり動かすことにより、特に歯に対するダメージ(歯根の吸収)を少なくすることが出来る等のメリットがあります。ブラケットを用いた矯正では、顎の大きさと歯の大きさのバランスが取れない(顎く歯)という理由で、第一小臼歯を抜歯するケースが未だに見受けられます。これを、便宜抜歯といいますが、全体的な歯の動きは早くなりますが、最終的に本来あるべき歯がないわけですから、正しい咬み合わせになる、ということは絶対有り得ません。

■現在大学病院にて矯正中の友人からのメール
> 私のかかっている先生は、見える歯は抜かないけれど、
> 親知らずでその分微調整するんですって。
> もう1つの治療方針をもつグループとしては、従来通り、
> 見えるところの歯を抜くものらしい。
> 歯を抜かない場合はどうなのかということも聞いてみたんだけれど、
> ちょっと前までそう言われており、そうすることもあったが、
> 時間が経つと噛み合わせに問題が出てきて崩れていくことが多いので、
> やはり抜く方法が今も採られているとも言っていたよ。

■鍼灸師の知人談
「歯って思っている以上に根っこがあることが大事で、それこそ健康な歯を抜こうものなら、そこから気が流れ出て、身体的なバランスを崩しやすくなるんだよ」


 非抜歯と抜歯の両極端な意見、それぞれ納得行く点はあれど、基本的に私は非抜歯派です。――と言うか、矯正に抜歯が必須ならば矯正はしない、という方向性で。やはり人間ってそれなりに精巧に出来てると思うので、目先の思惑で安易にいじるのは良くないかな、と。虫歯になって左右イイ感じに抜く羽目に陥ったり、噛み合わせが悪くなって身体的に支障が出ることになったら、その時に歯列矯正を改めて考えることにしますわ。


2009年11月26日(木) 人生初の虫歯治療
 前日分日記でねちねち書いているように、事の起こりは歯列矯正のための無料相談だったのですが、その際にCクリニックで「歯のクリーニングを定期的に行った方がいい」と勧められ、それならばと16(月)にクリーニングを行いました。すると芋づる式に今度は「右下5番、右上4番の歯の表面が薄ら黒い。軽度の虫歯なので削りましょう」と言われ、あれよあれよと言う間に本日、訳も分からぬままレントゲンも撮らずにいきなりまず1本(右下5番)の表面を削られました……。
 誰に訴えてもなかなか理解されませんが、後悔と屈辱感で一杯です……。歯だけは自慢だったのに……虫歯があったなんて……。そして、本当に必要な治療だったのかとの疑惑も……。

 実は1年ほど前に別の歯医者でクリーニングを行った際に、既にこの上右4番の薄ら黒い部分は確認されており、その時はレントゲンを撮って、「まだ虫歯になりかけの初期なので、このまま放置して様子を見ても大丈夫」と言われていました。1年前なので進行している可能性はあるのですが、この経緯を伝えたにも関わらず、Cクリニックではレントゲンも撮らずにいきなり治療しており、それって本当に正しかったのかと不信感が……。

 次回の治療(右上4番)は12月上旬ですが、本当に治療の必要があるのか調べなくては……。


▲TOP
2009年11月27日(金) 疑惑が芽生える経過
 昨晩の件を親・友人・同僚に話すと、皆口を揃えて「レントゲンを撮らないのはオカシイ」と。ネットなどで同様のケースを探すと、親近感を抱く不安が転がっておりました。

歯石も取らずレントゲンも撮らずに虫歯治療。本当に虫歯だったのか?

 この掲示板は回答者が歯科医に限られており、専門家からの回答を得られるのですが、残念ながら参考になるどころか、患者と歯科医との温度差を感じる回答群にガッカリしました……。質問者である患者は、
もしかして、治療した歯は虫歯ではなかったのでは?
ただ先生が穴だと思っていたのは、歯石がたまっていただけでは?
などと、不信感でいっぱいです。
それなのに、大きく削って銀のインレーにしたので、すごく後悔しています。

と不安と後悔で一杯なのに、それに答える歯科医の意識の軽いこと……。
回答1) いわゆる結果論になりそうですね。
回答2) 明らかなムシ歯であれば、レントゲンを撮るまでもない、ということもありえます。視診だけで十分だ、という判断だったのでしょう。(治療した歯が虫歯だったかどうか)は、今になっては治療した先生にしか分かりません。
回答3) 虫歯かどうか、白黒ハッキリ付くものは良いのですが、そうでない場合の判断は歯科医師の技量によっても考え方によっても異なります。今回のケースに関する回答は「結果論にしかならない」のですから、今後はそうならないようにしっかりセルフケアを行い、定期的なメインテナンスを受けるように心がけるようにしてください。

 質問者は「もしかしたら削る必要のない歯を削ったのでは? そうだとしたら酷い!」という歯科医に対する不信感と恨み節が根底にあるのだと思いますが、ここで回答している歯科医たちはあくまでも「削っちゃったものは仕方ないよね」というスタンスで、削る必要のない歯を削ったかもしれない事態を軽く受け流しているのが他人事ながら腹立たしく、同業者である歯科医の処置に対する振り返りや反省が全く窺えないのが気になりました。
 大きな意味では軽い治療に当たるのかもしれませんが、当事者にとっては歯は一度削ったら二度と再生しないのだし、もっと深刻に受け止めて欲しいものです。こんな歯医者には診てもらいたくないし、どうも私の虫歯治療を行ったCクリニックもこの手の歯科医に見えてしょーがない……。

 周囲の人に過去の虫歯治療を聞けば聞くほど、ネットで虫歯について調べれば調べるほど、不信感は増してゆきます。
 「替えの効かない大事な歯を安易に削ると、それを切っ掛けに被せモノの下に虫歯ができたりと、どんどん虫歯が広がる」などという記事を見つけて心底ブルーになり、なんでよく調べもせずに右下5番を削らせてしまったのか、己の迂闊さにのた打ち回りました。

 命に別状がある訳でもないし、虫歯治療を何度も行っている人から見れば笑っちゃうくらい軽い虫歯なのですが、こだわりと納得の問題でしょうか……。
 Cクリニックにて歯を削る時に「染みるかもしれない。確率は半々。麻酔しますか?」と言われたので、恐くて安易に麻酔をお願いしたのですが、このことに関しても、麻酔はなるべく使わない方がいいのだと後で知りました。虫歯が浅い場合は痛くないし、深くても虫歯の部分は削っても痛くないので、むしろ痛みは正常な歯からの「これ以上削るな」という重要なサインと言うではないですか。
 上手い歯医者は、削りながら患者が痛がったら神経を触らないように迂回して削って、どうしても神経に障るようなら麻酔するのだと。歯の声を聞かず、麻酔で最初から歯の意識を殺してしまって削ると、削らないでいい部分まで簡単に削ってしまう恐れがあるので非常に危険なのだと。「麻酔しますか?しませんか?」ではなくて、そういうことも事前に説明が欲しかったです。このような説明があれば、多少痛くても麻酔なんか絶対にしませんでした。
 歯医者にとっては些細な治療でも、こっちは人生初の虫歯治療と言ってあるのだし、こんな説明2〜3分程度で出来るでしょうに。

 しかもレントゲンも撮らずに、深さも確認せずに、目視でうっすら黒いからと言って安易に削りましょう、という歯医者はやはりどう考えても信用できません。治療後にどのくらい削ったかの説明もないし、どんなものを詰めたのかの説明もないし、結局虫歯の進行度がCいくつなのかも不明なまま。聞こうと思ったら次の患者を見ていたので聞けませんでした……。(ただ、被せモノは痛みも違和感もなく上手く収まっています)

 レントゲンを撮らないのは、余りにも明らかなので無駄な手順を省いたからなのかもしれず、むしろ治療費の節約という意味で感謝しなければならないのかもしれません。結果的にはごく普通の治療を行ったのかもしれませんが、余りにも説明不足のため、もしかしたら削らないでキープできる歯だったのではないかという疑惑がどーしても消えません。
 専門家にとっては普通のことでも、こちらは素人なのですからだから、やはり人としてちゃんと説明して欲しいと思うのです。自分の身体のことだし、どういう治療を行ったのかは完全に把握したい。忙しい先生にとっては果てしなくウザイ患者だとは思うのですが……。

 このように悶々としながら情報収集を続けると、またしても歯科医に対する不信感を煽る記事に出会いました……。

レントゲン撮影の結果と、虫歯の治療方針が、歯医者によって様々です…

 歯の治療は(多くの場合は)命に関係ないし、一度してしまうとやり直しが効かない上に、何度も虫歯にならない限り歯科医の腕の比較はなかなか出来ないので、凄く曖昧な分野なのかもしれないと思いました。一度信頼できる歯科医を見つけてしまえば後はお任せでいいですが、そのような真の主治医を見つけるのも、信頼できるかどうか判断するのも、とても難しいです……。おっと、これは歯科医に限ったことではなく、何もかもに当てはまりそうな事態かもしれませんね。


▲TOP
2009年11月30日(月) 軽度の虫歯で2ndオピニオン、そして事の顛末
 たとえアホみたいに軽度だろうとこの私の歯なのよ! 納得行ってないのに治療なんか続けられないわ!ってことで、急遽本日半休を取って、歯医者口コミランキング「デンターネット〜街の歯医者さん」で評判の良い歯医者(D歯科医院)を訪れました。アホみたいに軽度の虫歯でセカンド・オピニオンをいただこうと。
 あー、ハイハイ。何とでも言ってください。もー友達から寄ってたかってバカにされるされる。
「はぁ? ちょっと削るだけなんでしょ? 大騒ぎしすぎ。落ち着きなさい」
「今まで虫歯がない方が幸運だったんだからさー」
「抜くとかじゃないんでしょ? C1とかそんなレベルだよね? それでセカンド・オピニオンって……」
「大袈裟だよ〜。いいじゃん、ちょっと削っちゃえば!」

 ヤ・な・ん・で・す! いや、本当に削る必要があるならいいですよ。でも、なんかオカシイ。なんか納得行かないんだもん! 治療が恐いのではなく(全然痛くなかったし)、曖昧で腑に落ちないこの状態がどうしてもイヤ!

 こんな荒れ狂う心境の最中、白羽の矢を当てた評判の良い歯医者さんD歯科医院は、HPにも「出来るだけ歯を削らずに、神経を残すように治療を行い、1本1本の歯を大切にすることで、結果的に抜かないで済むように務めています」と書いてあり、価値観が似てるかな、と。こういう価値観の先生が、それでも「削りましょう」と言うのなら従えるなと。
 価値観云々言い始めたのにはそれなりの理由があります。矯正の件も含め、治療に対する歯科医の意見はまちまちで、なんだか歯の治療って、もしかしたら個々の歯医者の考え方次第なのかなー……と。「軽い虫歯なので治療しましょう」でも、「軽い虫歯なので様子を見ましょう」でも、それは本当にその先生の治療方針なのかもと思いました。そういう意味では、出来るだけ現存の歯を大事にしたい私としては、「ぱっと見虫歯なので削りましょう」という現在の担当医の方針とは合わなかったようです。

 ――と言うことで自分の価値観と合うD歯科医院を見つけ、本日診察に伺ったのですが、Cクリニックで次の治療をする前に行った甲斐がありましたっ!!
 納得の治療をしてくださった本日の先生は、まず口腔内の環境を確認し、歯の写真を撮り、それを私に見せて薄ら黒い部分の説明をしてくれました。
「現在の口腔内環境と過去に治療歴がないことも合わせて、ケアもできているし、恐らく虫歯が出来にくい体質のようなので、今回の右上4番の少々黒い部分もレントゲンを撮ってみて、中まで進行していないようなら経過観察で大丈夫でしょう」
 そして実際にレントゲンを撮ってみて、結局虫歯は浅いということで、晴れて経過観察になりました! バンザイ!
 既に削られてしまった右下5番も確認していただきましたが……。
先生 「ほんの少し削っているだけですね。実際に見ないと何とも言えませんが、これしか削っていないなら、経過観察で充分だったかもしれませんね」
鷹瀬 「……削るほどではなかった、ってコトですか?」
先生 「う〜ん……例えば虫歯だらけの人で、この程度の黒い染みがあれば、私も『削りましょう』と言うと思います。そういう人は放っておくと酷くなる可能性が高いので。ただ、鷹瀬さんの場合さんは、口腔環境も良くてブラッシングも出来ているようですし、実際に痛くなってからでも十分に間に合います。今削ると健康な部分もだいぶ大きく削らないとならないので、虫歯が進行した時と同じくらい削ることになるんですよ。この虫歯も今を保っていれば進行しないと思われるので、トータル的に見て経過観察で大丈夫でしょう。3〜6ヶ月に1度、クリーニングに来ると良いと思います。もし染みたり歯痛が続くようなことがあれば、そういう時はすぐに」
 非常に分かり易く、納得の行く処置でした。Cクリニックの次回予約は即キャンセル、今後はD歯科医院にお世話になるつもりです。

 出会う先生でこんなにも治療方針が違ってきてしまうということに、歯医者探しの難しさを痛感しました。私のように軽度の虫歯でセカンド・オピニオンを求める暇な人も少ないと思うので、もしかしたら少なくない人が、削らなくても良い歯を安易に削ってしまっているのかもしれません。
 失った右下5番の一欠片は、私にとっては高い勉強料でした。 ……本当に返してほしい。物凄く悔しいです。

 でも、皆に「そのくらい……」と言われつつも(相当馬鹿にされました……)、すっごいちっちゃい虫歯に対してサーチしまくり、セカンド・オピニオンを求めてD歯科医院に行って本当に良かった!! 今回の調査量(ってか、費やすエネルギー)、父の肺癌の時の1/5位に匹敵する気がします! 騒いだ期間が短いため、濃度的には1/2位ですか。
 自分で自分の身を守ったこの充実感! あ〜妥協しなくて良かった!!

【参考サイト】
歯医者/歯科情報の歯チャンネル88
歯医者口コミランキング「デンターネット〜街の歯医者さん」
All About > 歯の健康
病院検索で自分に合った病院探し!−口コミ病院検索QLife(キューライフ)


▲TOP
2009年12月1日(火) 独自路線な歯科業界
 友人と虫歯治療話で盛り上がり、「表面が薄ら黒いと言うだけで、レントゲンも撮らずにいきなり歯を削られた!」とわぁわぁパニクる私とは真逆の文句を聞きました。
「歯が痛くなって、案の定虫歯だったから治療してもらったんだけど……その虫歯を治療した後、別の歯を見て『表面が少し黒くなってますね』って言うから、続けて治療してくれるのかと思ったら、治療してくれないの! 表面が黒くなってるなら治療してよ!って思った!
 ……少しの黒さで勝手に削る歯医者に怒る私と、少しの黒さを指摘しながら放置する歯医者に怒る友人……真逆なようでいて、実は根底に巣食う問題は一緒ではないかと。どちらの歯医者も、患者の意向をまったく尋ねない。コレに尽きます。状況をその歯医者の視点だけで判断し、勝手に治療方針を決めているのです。「削りますか?」でも「様子を見ますか?」でも、主役(=患者)の意見を聞いて下さいよ……。なんでこんなに勝手なのだ。

 歯科業界というのはこういうことが往々にして発生している気がします。「こういうこと」とはどういうことかと言うと、端的に言うなら「独自路線」ということです。先に紹介した歯医者/歯科情報の歯チャンネル88の回答群を見ても、事態に対する回答が非常に曖昧で、そこにあるのは「正解」ではなく「意見」と感じるものが多いような気がします。だから、意見の合う歯科医を見つけられればラッキーですが、意見が合わない歯科医にかかってしまうと途端にもやもやしてしまうのです。

 今回、セカンド・オピニオンを求めたD歯科医院は、口コミサイトで非常に評判の良い歯医者ではありますが、「少し黒いだけで勝手に削りやがった!」と私から評判の悪いCクリニックも、口コミサイトではそこそこ評判が良いのです。「処置が早い」と。
 真逆と思われる方針を取るCクリニックとD歯科医院の評価がそれぞれ良いのは、客層の違いなのかもしれません。
 Cクリニックはビジネス街にあります。昼や夜、仕事を抜け出して来ている忙しいサラリーマンにとって、まどろっこしい説明は不要、最善と思われる方法でとっとと治療をしてくれるCクリニックは、良い歯医者なのかもしれません。
 対する私が信頼するに至ったD歯科医院は下町にあります。私の前後の患者さんは近所のお年寄りという風情の方たちでした。詳しく説明し、ゆっくり納得してもらい、一緒になって治療法を相談し、一息吐いてから治療する。その姿勢が評価の良さに繋がっているのでしょう。そしてその姿勢は納得したがりな私に合っていた、と。

 歯医者を探すなら、設備や治療の腕もさることながら、歯科医の方針というのも大事な確認項目となりそうです。

 歯科業界の曖昧さは、治療費にも現れています。
 歯医者の話をアップした日に、治療費にまつわるメールをいただきまして、そこで初めて治療内容で一杯一杯だった私も己の治療費を顧みたのですが……。

歯の治療:クリーニング
2009年11月16日 Cクリニックで行った歯のクリーニング費 2,660円
内訳:初診料185点+医学管理等270点+検査200点+処置232点=合計887点
治療内容:歯の目視チェック・クリーニング
クリーニングをしただけなのに、「医学管理等270点」って何だろう??

歯の治療費:虫歯&詰め物
2009年11月26日 Cクリニックで行った虫歯治療費 2,350円
内訳:再診料40点+検査100点+処置348点+歯冠修復及び欠損補填296点=合計784点
治療内容:歯の目視チェック・麻酔・虫歯を削る・詰め物
麻酔欄が空欄ですが、異様に高い処置費は麻酔代を含んでいるのでしょうか……?

 点数の羅列ではこれが高いのか安いのかまったく分かりませんが、16日のクリーニングの際に行われた「検査」は200点で、26日の虫歯治療の際に行われた「検査」が100点である理由が分かりません。どちらも同程度に感じたのですが、患者に分からない費用のかかるチェックでもしていたのでしょうか……。何を判断するために何のチェックをするのか、やっぱりヒトコト言えよと思います。
 メールを下さった方も似たような治療(レントゲン・歯茎チェック・麻酔・虫歯を削る・詰め物)を行っているものの、教えていただいた点数内訳は全く違っており、この料金設定もどんぶり勘定臭く疑っているワタクシ。どういう行為に何点付くのかの解説一覧が欲しいものです。
 いただいたメールに
歯みがき指導でも歯のクリーニングでも薬品を使っての歯垢のチェックでも何でも、一言でいいから「〜してもいいですか?」「〜した方がいいですよ」と声をかけてくれる医院に巡りあいたいです。
とあり、このような事態はどこもかしこもなんだな……と改めて確信を強めました。

 父の肺癌関係での治療法模索の総括として書いた11月1日の日記「癌治療は情報戦」で紹介している「ガンを恐れず――ガン難民にならない患者学」(藤野邦夫 著)の言葉は、ここでも当てはまります。
患者が主役にならなければ何もはじまらない
死なないで済む情報を知るためには、患者や家族が努力するしかありません。
患者が最終的に治療方針を決定し、自覚的に治療を受けなければ、何も始まらない

 一理あるとは思うのですが、こんなに素人(=患者)が必死で頑張らねばならない状態って……今の医者の在り方って……と色々スッキリしないのでした。


【追記】
 上記日記を読んだ方から以下の補足ご意見をいただき、その通りだなぁとしみじみ。
「どちらの歯医者も、患者の意向をまったく尋ねない。」と日記にもございますが、
これは歯医者に限らず、医者全体。医療業界全体の問題と思います。
例えば、インフォームドコンセントやセカンドオピニオンという言葉が流行っており、
その行為自体もそれほど否定的なものではない昨今です。

<略〜これらが浸透する前の状況、そして浸透後の功罪について>

素人に十分な周辺知識もないまま、治療法を決めさせ、あまつさえ自己責任という事態です。
(もちろん、行為自体はいいのですが、なんというか使われ方が悪いと感じます)

要するに、医者というのは患者の意向を(基本的には)問わず、医者の都合で決める。
但し、訴訟などが増えて面倒になったら、患者に押し付ける。
と、まぁ兎角無責任な業界なのではないでしょうか。


 勿論、個人単位で良いお医者様は存在するのでしょうが、適当に近所の病院に駆け込めばこのような良いお医者様に巡り合える、という可能性は果てしなく低いと思われます。病気になったり怪我をしたり、そもそものライフライン上でのアクシデント時に頼る先を「必死で頑張って自分で調べ」て、「努力して知識・情報を収集し、自覚的に治療を受けて自分の身を守る」って……どんだけ厳しい世の中なのかと……。
 最近の世の中に蔓延する「弱者は死ね」的なムードは一体どうしたら覆るのでしょう……。

 医療の現場に立つ知人・友人から業界の裏話など聞くと、医者も物理的・精神的に大変であることは充分に分かるのですが、だからと言って、やはり命を扱う現場で「大変だから仕方ないよね」とは言えず、この辺り国が上手くマネージすべき大問題なのになぁ……と思います。
 医療に限らず、教育・経済・農業・環境問題……なんでも、国が間に入って指揮棒を振ることで抜本的解決が出来るかもしれない、なのに国にその能力がない、ということが多すぎてうんざりします。私腹を肥やすことではなく、国および国民の生活が良くなることに喜びを見出す政治家が、全体の3割……いや、2割でもいいので存在してくれたらどんなにいいか……。


▲TOP
2009年12月21日(月) 区職員の平均給与月額とお役所の透明性
 2年半前の入社時は2ヶ月以上を保障されていた冬のボーナスも、さすがに今年は1.84ヶ月と目減りし、結果年収が微減することになりました。まぁ、職があるだけありがたいと思えという雰囲気が立ち込める中、相対的には不満があるものの、絶対的には満足しております。
 ――なんて慎ましやかに己の境遇を享受していたというのに、ひょんなことから千代田区職員の収入なんかを知っちゃいまして……なんだコレ?!

千代田区職員の平均給与月額(平成20年度実績)

詳細は千代田区総合HP内の 区職員の給料・手当等の状況(概要) で確認できます。

 職位と平均年齢が見事に正比例の年功序列……きっと、仕事が出来ようが出来なかろうが、ただそこにいるだけで年齢とともに着実に給料が上がってゆくのでしょう。
 一般職の平均年収は、主事(35.5歳) 545万円、部長(56.1歳) 1,320万円って……。これだけでも驚きだと言うのに、各職種の平均年収、警備 915万円、自動車運転手 847万円、作業 768万円、用務 734万円……。………………ふーん。

 この記事はたまたま千代田区の広報誌を見せてもらって知りました。紙面上にも下記のように紹介されており、誰でも閲覧可能です。
区は、職員の人事行政運営の透明性と公平性を確保するため、平成17年3月に「千代田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例」を制定しました。この条例では、区職員の採用、職員数、給与、勤務時間等の区の人事行政に関わること全般を区民の皆さんに公表することを定めています。そのうち給料、手当等に関してその概要をお知らせします。
公表内容の全文は、区のホームページ(http://www.city.chiyoda.lg.jp)に掲載しています。

 「透明性と公平性を確保するため」なんてカッコイイこと言ってますけどね、この記事をホームページから見付け出すのは至難の業でした。この記事の存在を事前に知っている人が「あるハズだ!」という信念に基づいて探さねば見つからないように掲載されております。「職員 給料」のキーワードでページ内検索をしても見付けられないという念の入れよう。そりゃ知られたくないでしょーがね。
 トップページからまっとうに探そうと思うと、下記のような深い階層にまで潜ってゆくことになります。
トップページ
 > 区政情報
  > 広報・広聴・相談・情報公開
   > 広報、広聴、情報公開
    > 広報、広聴、情報公開:広報千代田、他
     > 広報、広聴、情報公開 ●広報千代田
      > No.1269 2009年12月5日号
       > 広報千代田2009年12月5日号 5ページ(PDF) (173 KB)

 溺れるわッ!(怒) 公表する気がナイならナイと正直に言えやッ!
 そもそも「広報千代田に掲載された情報」として探さないと絶対に見付けられないでしょー、こんな場所……。しかも最後のページに辿り着けても、視覚的にこんな感じです。

広報千代田

 ……何コレ、ウォーリーを探せ?
 要するに、お役所の言う「透明性・公平性」なんてのはこんなものなのです。広報内に紛れ込ませずに正々堂々と項目別立てにしてトップページに直リンクでも置いてミヤガレ。


▲TOP
2009年12月22日(火) 年末最後で風邪っぴき
 先週末から風邪をひきまして、熱はなくとも咳が酷く、金・土・日と咳&絡みつく痰のせいで夜も眠れず、睡眠不足と腹筋の筋肉痛でヨロヨロ。菌を撒き散らしても申し訳ないし、どの道こんな状態じゃ仕事にならないし、ってことで本日お休みいただきましたが、明日の祝日と合わせて計らずも2連休だと言うのに引き篭もり休暇となってしまいました。とほほ……。
 しかし久し振りの病気らしい病気に、最近縁遠かった「弱ったときの心理」を堪能しました。ああ、これが呼吸器疾患の「苦しさ」かぁ……とゲホゴホ咳き込みながらイロイロ考えてしまいましたヨ。

 いえね、話はいきなりディープになりますが、末期癌における終末医療・最新の緩和ケアでは、モルヒネなど麻酔薬を駆使して骨転移など「痛み」の多くは取り除くことができるのだそうです。ただ、「息苦しさ」は取り除くことが難しく、そのため肺癌は非常に苦しい症状を引き起こす大変な癌なのだと主治医が言っとりまして……。

 咳をしても咳をしても痰が喉に絡みついて息苦しく、眠れずに布団の中でのた打ち回るこの地獄。回復する見込みがあるならともかく、コレもし寝ても覚めてもずーっと続くならどーよ……とか思うと、「そうなった寝てるうちに睡眠薬で殺しちゃってくれよな!(キラーン)」という殿の要望にはキッチリ応えてあげたいのですが、9月9日「約2ヶ月続けてみて、何の効果も現れないようなら(フコイダンを)すっぱり止めようと思っています」と宣言しておきながら未だにずるずると止めるきっかけを掴めずにいる私に、そんな人生の幕引きの睡眠薬投与判断なんて出来るのかなぁ……。


▲TOP
2009年12月23日(水・祝) 癒しの男女ダンス
 風邪もようやく治りかけ。北野武「座頭市」のラストの町民タップダンスを見て癒されようとYouTubeを彷徨っていると、どこをどう間違ったのか妖しげな「男女ダンス」なるものに辿り着きました。
 ――これがツボ。踊り手の弾けっぷりがツボ。仮面の下の表情を想像するだけでニヤける。アホすぎて微笑ましい。癒される〜。

男女ダンス (1分59秒)
男女/太郎 (2分13秒) ※男女ダンスの元ウタ
座頭市〜下駄タップ (4分38秒)


▲TOP
2009年12月28日(月) 年末最終出社日の決意
 お恥ずかしながら「癒し系」に憧れております。……とか言うと「無理」と即答される2009年(+それ以前)ですが、2010年の目標は……目標くらい自由設定したって罰は当たるまい。安心感を与える人になりたい。目指せ癒し系! 私の心の中での宣言です放っておいてください。

 言い方がキツイ、眼光が鋭い、目が恐い……などなど、切れ味系の形容をよく頂戴します。そんなに仲良くもない人(新婚さん)から「今度マンション買うんだけど、見に行くの付き合ってくれないかなぁ。彼氏も『是非』って。――え? 彼氏、鷹瀬さんのこと知ってるよ。私がよく話してるから。なんか鷹瀬さんのことGメンみたいに思ってるの」と言われたこともありました……。(当然断った) 黒いボディフィットな長袖Tシャツ&パンツを着用すれば「SPみたい」と言われ、黒いパンツジャケット上下に薄紫のシャツを(襟を出して)着用すれば「ホストみたい」と言われ……何も悪いことをしていないのに、それどころか結構イイコトもしていると思うのに、何故こんな酷い仕打ちばかり受けるんですか神様!
 ――そんなことを時々思った2009年でしたが、この年の瀬にトドメを刺されました。

 本日は今年最後の出社日。16時を過ぎた頃から皆が片付けでざわつき始める中、私も湯呑でも洗ってくるか……とマイカップを洗いに廊下に出ると、そこそこ仲の良い他部署の人が「あ〜! 鷹瀬さん!」と遠くから手を振って近寄ってきました。ここ2ヶ月ほど彼女が担当するプロジェクトTを手伝っていたのですが、12月末でようやく終了したこともあってか久し振りに顔も明るくさっぱりしています。
「プロジェクトTも無事終わったよ〜。本当に色々ありがとう! なんか昨日、鷹瀬さんの夢見たんだよね。言わなくちゃと思って」
「……何それ、どんな夢よ……。良い夢? 悪い夢? 現実っぽいの? プロジェクトT絡み?」
「良いとか悪いとかじゃなくて、恐い夢って言うか……現実っぽいと言えば現実っぽいか……プロジェクトTは……微妙に絡んでるかなー。何かね、東京の海で大きなクラゲが出現するので、それを捕獲しに行くのね。1ヶ所1名配置で5時間半勤務なの」
「ああ、なんかプロジェクトTが微妙に反映されてるね」
「でしょ? で、私も鷹瀬さんも出動することになるの。別の場所なんだけど。すっごい大きなクラゲで恐くてさ〜。そしたら何でか米軍に捕えられちゃうのね
「米軍って?! 本当に何で、だよ!(笑)」
「私も自分で意味分かんないんだけどさー。とにかく、鷹瀬さんも一緒に捕えられて、何か夢の中の私は安心するの。そしたら鷹瀬さんが米軍相手に交渉始めて、早く解放するように!とか言ってて、私は『さすが!』って拍手してたんだー」
 …………えーっと……確かに「安心感を与える人になりたい」と思っていますが、こういう路線ではなくて……もっとこう……癒し系な……。っつーか、人様の夢の中でまで交渉してるんですか、私……じゃなくて、夢の中で勝手に交渉させないで下さいヨ(涙) 悪意か好意かで大きく二分すれば辛うじて好意っぽいけど、もっとこう……違うモノになりたいアタイ……。来年こそは……。


▲TOP
2009年12月31日(木) 我が父奇譚(6) 嘘つきと正直の間
 最近、父の態度が悪いです。8月の肺癌発覚後、それなりにしおらしくなって四半期ほどは「ジジィ、可愛いじゃねぇか!」と思うことが多くありましたが、所詮、人間そんなには変わらないようで、威張りん坊で怒鳴りん坊なアンチクショウに逆戻り。母に対しての暴君ぶりにもむしろ磨きがかかっているような……。

 やらんでイイコトをやり、やって欲しいことをやらないのも以前のまま。
 本日、年末最後の最後にも余計なコトをヤッテくれましたし。母が準備していた10杯分のお汁粉を、火を付けたまま放置して焦がしてしまうという、何の芸も面白味もない基本的なミステイクをね……。
 このミステイクの事後処理も脱力モノでした。
 何か焦げ臭いと最初に気付いたのは私だったのですが、母に「小豆の焦げる臭いがするけど、火ぃ点けっ放しじゃないの?!」と声をかけ、「ええっ?! 消したわよ! ……消したはずだけど……」と慌てる母と共に台所に向かうと、お汁粉の鍋がぐつぐつと煮え立っているではありませんか。火を消して鍋を確認すると、鍋底は堂々と焦げ、汁粉はもはや餡子になり、上部まで焦げた味が回ってしまっていて、とてもお客様に出せるものではない。
母 「え〜! 嫌だわ、絶対消したハズなのに……確かに消したと思ったのに……」
鷹瀬 「も〜さ〜しっかりしてよ。いつかはヤルと思ってたよ。この前も魚グリル点けっ放しだったし! 恐いなー」
母 「消したハズなんだけど……」
鷹瀬 「………………お父さんかな?」
母 「まさか、それはないでしょう。……一応聞いてみる?」
鷹瀬 「上手く聞きなよ。変に疑ったらまたギャーギャー言うから」
母 「……あなたが聞いてきてよ」
鷹瀬 「……」
 ああ〜もう自分が信じられない〜と悲嘆に暮れる母を背に、父の部屋に向かう常に仲裁役の娘。
鷹瀬 「お父さん、あのさ……台所で火、使った?」
殿 「……使ってないと思うよ
鷹瀬 「思う、って何よ。使ったの?」
殿 「ん? 覚えてねぇな」
鷹瀬 「ほんの数時間の話でしょ。使った?」
殿 「……使ってないと思うよ
鷹瀬 「……」
 では、やはり母が忘れただけ? いや、でも何か殿の態度の曖昧さが気にかかる。どっちにしても、娘としては凹むな〜。どっちも犯人の素養たっぷりだしな〜〜。いつか火事になるんじゃないかと心配して黙り込む私を、遠くから母が窺っています。
母 「お父さんじゃないって?」
鷹瀬 「う〜ん……火は使ってない、と思うよ、だって」
 言いながら、何かオカシイと引っ掛かりを覚える殿の世話係。殿は意外と正直なのです。素直に悪事を白状したりしませんが、嘘はつかないと言うか、つけないと言うか、分かり易いと言うか……。
 以前、絨毯に染みが出来ていたので「お茶こぼしたでしょう!」と怒ったら、「こぼしてない」と言い張る殿。でも何となく様子がオカシイ(=勢いがない)ので用心深く「……何かこぼしたんじゃないの?」と聞き直すと、「うどんの汁ならこぼしたよ」とあっさりゲロる。一休さんかよっ!(怒) とんちじゃないんだからッ!

 今回も、火を使っていなければ、そもそもこんな風に明らかに疑っています的な雰囲気を醸し出して質問すれば、すぐに激怒するのが常です。それが歯切れ悪く若干視線を逸らしつつ、「思うよ」を繰り返す……。コイツ……やっぱり犯人じゃないのか?
 もう一度父の部屋に。そして、ドラマなどでよく聞く、いつか私も自分の子供に言うのかもしれないと思っていたとっておきの定型台詞を発動してみることに。まさか親に使うことになるとは……トホホ。
鷹瀬 「お父さん、怒らないから、正直に言ってごらん。あっちのレンジ、お汁粉に火ぃ点けたんじゃないの?」
殿 「……んー?」(目を逸らして黙り込む)
鷹瀬 「正直に。怒らないから。ね?」
殿 「……」
鷹瀬 「……」
殿 「……」
 なかなか吐かねぇ! ええぃ!と踵を返して台所に戻るワタクシ。犯人なのか? 犯人じゃないのか? 母ということも充分に考えられる。しかしこの妙に収まりの悪い殿の態度がどーも気になる。
 母は相変わらず鍋の上澄みをタッパーに移し、「ああ……もう自分が信じられない……恐いわ……」と己の失態にショックを受けてヨロヨロしています。噴き零れて汚れているレンジを拭きながら「しっかりしてよ」とか言っていると、おもむろに台所に殿が登場。ばばーん!
殿 「あー、そうだそうだ、確かお汁粉を温めたよ」
 やっぱりかーーーーっ!! っつーか、何その「今思い出した」的な演技は! 絶対、最初から自分だヤバイって思ってたクセにー! 「確か」とか付けてリアリティ出そうったって騙されないわよ!
 「なんでそんな勝手なコトしたの?!」「火を使うなら気を付けてって言ってるでしょ」「どーしていつも余計なコトするの!」「いつかヤルと思ってたんだよ!」――ギャーギャー言う妻子を完全に無視して、失敗作となってしまったお汁粉……を経由した若干焦げ味の餡子をもそもそ食べ始める殿。
殿 「美味いよ」
鷹瀬 「甘いモノそんなに食べちゃダメだよ!」
殿 「そうか! 甘いモンも身体に悪いんだったな?」
 そこには反応するのかヨ。全く、どんな状況下でも自分のコトばっかりな人です。2010年も、多分こんな感じなんだろうなぁ……。


▲TOP

[前の日記に戻る] [次の日記に進む]