2008年7月〜の日常日記&コラム
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何やかんやと入社1年3ヶ月が過ぎました……。よく持ってるヨと我ながら思いますし、友人達からは「大人になったねぇ」とか言われていますが、違ーうっ! 「会社を辞めない」=「大人になった」ではなーい!! 人生模索はまだまだ続くのです。そういや2003年12月、インドで占い師に言われたっけなぁ……「あなたの人生に平穏はない」って。
数日前、「イタリアの世界遺産に日本人が落書き!」とか何とかで新聞が賑わっていましたが、それを見たときの感想は、
「はへ〜……あの壁一面の落書きの中から日本語見つけ出すのも大変だったろ〜な〜」
でした。何と言うか、その落書きの部分を引きアングルの写真で紹介すればいいのに、と思いましたねぇ。そうしたら、その周囲が各国語の様々な落書きで埋め尽くされていることがよく分かるでしょうから。
<落書き>岐阜市立女子短大がHPにお詫び 謝罪訪問も 6月25日13時40分配信
毎日新聞
岐阜市立女子短期大学の学生がイタリア・フィレンツェの大聖堂に落書きした問題で、松田之利学長は25日、同短大のホームページに「ご迷惑をおかけし、心からおわびする」とのコメントを載せた。
落書きは、黒で、日付や名前、ハートマーク、大学の略称の「岐女短」などと書いた。
松田学長は「海外研修の自由行動時間に愚行に及んだ。修復については、今後も大聖堂と協議し、現地への謝罪訪問も行う」としている。【中村宰和】
世界遺産落書き京産大生2週間停学 6月28日8時1分配信
スポーツ報知
京都産業大(京都市北区)は27日、イタリア・フィレンツェの世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」に落書きした男子学生3人を、2週間の停学処分にしたと発表した。大学側は今後、3人が現地で落書きの消去作業に参加する“おわびツアー”も検討するという。一方、同様の行為で学生6人に厳重注意処分を下した岐阜市立女子短大には「処分が甘い」との批判が多数、届いているという。
京産大は27日の「学生部委員会」で落書きの3人を「懲戒処分相当」と判断。さらに「懲罰委員会」を開き、事態が判明した25日から14日間の停学処分と、心理カウンセラーによる再発防止のための再教育を行うことを決めた。全学生に対しても、モラル向上に関するハンドブックを作成して配布するという。
〜略〜
3人は落書きした理由について「大聖堂の1階の廊下からびっしりと落書きが書かれており、皆がやっているからと安易な気持ちでやった」と説明している。
一方、京産大の前日に同じ大聖堂への落書きが発覚した岐阜女子短大では、すでに学生6人に対し「厳重注意処分」を下している。双方で、処分に差が出た形となったが、岐女短大側は「確かに(京産大の)停学よりは軽い処分ではあるが、厳重注意処分はすでに決定したもの」とコメント。今後、「現地でボランティア活動などをやらせていただければとも考えている」とした。
岐女短大には「厳重注意処分は甘い」とする苦情などが、25日までに500件以上寄せられているという。
みんな落書きしてるんだからイイじゃん、とかそういうことを言っているのではありません。もちろん、人様の領土で、しかも世界遺産に落書きとか、それ自体は許される行為ではありませんし、心の底から「馬鹿だなぁ」と軽蔑されるに値する行為だとは思っています。
ただ、この処罰の重さとマスコミの取り上げ方がどうも空回りと言うか的外れと言うか、対イタリアとの関係において「正しくない」と感じ、こういうことから日本のトンチンカンな外交姿勢を目の当たりにするわけです。
3月15日の「簡易イタリア旅行記」でも書きましたが、世界遺産に限らず、観光地に限らず、少なくとも私が見たイタリア都市部は「落書きだらけ」という印象でした。イタリアに限らず、落書きが多い国は思う以上に存在し、その落書きの大半は自国民によるものです。
日本では、
新幹線車体に落書き=英文字で4〜5メートル−JR東日本 7月1日10時31分配信
時事通信
1日午前5時ごろ、JR東日本の東京新幹線車両センター(東京都北区)に止めてあった上越新幹線の車体側面に英文字で落書きされているのを社員が見つけた。落書きはすぐに消せなかったため、東京発越後湯沢行きの始発「たにがわ401号」が運休となり、約500人に影響が出た。
JR東日本によると、10両編成の2両目側面で4〜5メートルにわたり落書きされていた。「Hack」と赤色や白色で縁取りされたほか、2008といった数字もスプレーらしき塗料で書かれていた。
同車両は30日正午前に運行を終えた後、同センターに止められていた。
このように、落書きされただけで電車が止まっちゃうんですよ! 世界水準となんとかけ離れたことか!と思いますが、高く、良い方向にかけ離れる分には全然OK。落書きで電車が止まる国、日本を本当に素晴らしいと誇りに思います。皮肉ではなく、日本人のマナーの良さ、「常識」レベルの高さ、几帳面さ、真面目さは、着実に失われつつある美徳ではありますが、まだまだ世界に誇れる文化なのです。
落書きに対する神経質なまでに過剰な反応を日本の美徳と誇りに思いながら、今回のイタリアでの落書きに対する処罰にアホらしさを感じるのは何故かと言うと、イタリア相手に日本の物差しを使おうとしているからです。
自らの権利を主張する場合は主役は自分なので自分の物差しを使えばいいと思いますが、相手へ謝罪する場合、主役は相手なので相手の物差しを使うべきなのです。それこそが真に相手を思い遣るということではないかと。しかもこの場合、「相手」は根本的に文化が違う国イタリア。相手に合わせて柔軟に対応することが国際化の基本だと思うのですが、日本の処罰はどうも自分本位で「恥の文化」「外からの目による反省」の傾向が強いように感じ、酷い言い方をすれば自己陶酔に見えてしまうのです。
私は、正しい謝罪が出来ない人は、正しい主張も出来ないと思っています。日本の外交下手は、相手を見ずにいつまでもどこまでも日本人感覚で物事を考えることから来ているのではないでしょうか。つまり、深刻に、謙虚に、神経質に、我を張らずに、真面目に、協調性を持って、外からどう見られているかを気にしつつ、曖昧な笑みを浮かべながら、遠慮して、当たり障りなくコトを進めようとするので、何も解決しないのです。
大雑把な国を相手に神経質に詫びても的外れなのです。図々しい国相手に細やかな気配りをしても無駄なのです。
<落書き>伊紙「あり得ない」 日本の厳罰処分に 7月1日22時12分配信
毎日新聞
【ローマ藤原章生】「教員、大聖堂に落書きで解任の危機」――。イタリア・フィレンツェの大聖堂に落書きをした日本人が、日本国内で停学や務めていた野球部監督の解任など厳しい処分を受けていることに対し、イタリアでは「わが国ではあり得ない厳罰」との驚きが広がっている。
イタリアの新聞各紙は1日、1面でカラー写真などを使い一斉に報道。メッサジェロ紙は「集団責任を重んじる日本社会の『げんこつ』はあまりに硬く、若い学生も容赦しなかった」と報じる。
フィレンツェに限らず、イタリアでは古代遺跡はスプレーにまみれ、アルプスの山々には石を組んだ文字があふれる。その大半がイタリア人によるものだ。同紙は「日本のメディアによる騒ぎは過剰だ」と、日本人の措置の厳しさに疑問を投げ掛けた。コリエレ・デラ・セラ紙も「行為はひどいが、解任や停学はやり過ぎ」と論評した。
一方でレプブリカ紙によると、大聖堂の技術責任者、ビアンキーニ氏は「日本の出来事は、落書きが合法と思っているイタリア人にはいい教訓だ」と語った。
ほらね? イタリア人もビックリしているようですよ。ただ、同時に「日本人のこの落書きに対する過剰な反応を見て少しは学べよイタリア人」とも思うのも事実ですが……。
繰り返しになりますが、地元民も落書きしてるんだからイイじゃん、という話ではなく、このお馬鹿な学生達の行為がここまで深刻に新聞を賑わすほどの話題なのかというのも大きな問題だと感じます。
私の中では、今回の現象は2月11日の日記にも書いた倖田來未の「羊水腐る」発言にまつわる出来事と同じ方向性の、日本人の悪い習性の表れだなぁとしみじみ思いました。要するに、「表面的で分かり易い問題で大騒ぎして、本当の意味での根深い大問題には無頓着」、「弱くて叩ける対象はとことん叩きのめすが、諸悪の根源は放置」ということです。
後期高齢者医療制度にしかり、母子家庭への児童扶養手当の削減しかり、労働者たちの過酷な就業環境しかり、大騒ぎすべき問題は山積みなのですから、怒りのエネルギーは正しい場所に使おうゼ、と切に思うのでした。
【追記】
先日、【日常エッセイ】の「愛しのインド映画『DDLJ』」に熱い感想をいただき、いや、なんか書いて良かったなとか6年5ヶ月ぶりに思いまして。さすが6年以上も前のエッセイなので、読み直してみるとリンク切れなどが多々あったので、その辺りを修正し、またミュージカル・シーンがYouTube動画にあったので、このリンクも加えておきました。インド映画最大の魅力であるミュージカル・シーンを、6年前には文字と静止画のみでお伝えしていましたが、時代は進化する――YouTube動画で再確認したい方はレッツ・ゴー!(いるのか?)
丁度1週間前の6月30日(月)、実は会社を休み……いえ、サボりまして、が正確な文章でしょうか……。とにかく、朝起きたら胃がウネウネしていたのが直接の原因ではありますが、会社を休むほど深刻ではなかったと確実に言えるにも関わらず有給が程よく余っているのでエイッヤァ!の勢いで休んでしまったのであります。
朝、布団の中でギリギリ+αまで悩みに悩み、仕事のスケジュールと有給残日数を検討し、いよいよ己に休みの許可を与えると、「すみません……体調不良により、本日お休みさせていただきます」と思いっきり具合悪そうな声で会社に連絡。時折私がサボる時よりは丸っきりのでたらめでない胃のウネウネが存在するものですから、何かもう勢い余って威張り気味。具合悪そうな声で威張り気味。一体どんな欠勤報告だよと自分ツッコミしつつも、皆が働いている時間にゴロゴロしている己の幸福に酔い潰れ、でもなんかアタシ本当に調子悪くナイ?……とふと我に返り、気付いた原因が前日のデミグラスソースにあるような気がした辺りから祟りは始まっていたのかもしれません。
本日、わざわざ会社に行ったってのに、昼休みから猛烈に気分が悪くなり、船酔いのような吐き気を催し、本当に早退する羽目に陥りました。よくよく考えれば先週の月曜日から体調は本当に良くなかったのかもしれません。自分の体調に鈍感なので、何がナンだかよく分からん……と混乱気味の私に救いの手を差し伸べるように、会社の人がヨロヨロして帰り支度をする私に一言。
「今、胃腸に来る風邪が流行ってるみたいだよ。××さんも○○さんもそれで休んでたし。風邪じゃない? 抗生物質で一発で治るらしいよ」
……風邪か、コレ?
っつ〜コトで、這這の体で家まで辿り着き、しばらく横になってから近所の内科クリニックへ。2004年1月、インド旅行後なかなか治まらなかった水下痢の時も、2007年2月、ベトナム&カンボジア旅行前にインフルエンザになった時も、幼少の頃から変わらずに生暖かく私を見守って下さっているお付き合いの長〜い内科クリニックです。
余り医者に罹らない体質ですが、もう何十年来のお付き合い。数年に1度程度の通院でもとりあえずお互いの個性は把握しています。本日の診察はおっとりしっとりのお父上。
医者 「今日はどうしました?」
鷹瀬 「胃の調子が悪いと言うか、船酔いの様な吐き気がすると言うか……。胃腸に来る風邪が流行っているそうなので、ソレではないかと……」
先生がペラリとめくるカルテの前回の記録には「ベトナム、カンボジア」の文字が……。更にその前の記録には「インド」の文字が……。
アハハ何ソレ旅行記録ですか? 内心寒々とウケている私と同じ想いかどうかは定かではありませんか、妙に乾いた声で問いかける先生。
医者 「――で、今度はどこに行ったの?」
鷹瀬 「いえ、今回は紛れもなく国内で発症したものです。今、胃腸に来る風邪が流行っているそうなので、風邪ではないかと」
医者 「……ふぅん。喉の痛み、くしゃみ、鼻水、咳はありますか?」
鷹瀬 「どれもないです。熱も36度5分で平熱でした」
様々な質問に答え、診察を交えながら順調に進む問診。
では腹の具合を診てみましょう、となった時、心の中でガッツポーズを取るワタクシ。こんな場合に備えて(?)、吐きそうに具合が悪いというのにわざわざオシャレ下着(……)に着替えておいたのです! ィェスッ!
さすが先見の明があるゼあたい!と喜ぶのも束の間、では診察台に……と言われてザザーっと青ざめます。シマッタ履物脱ぐのか! 中敷ボロボロのサンダル履いてきちゃったヨ!(だって履き易いんだもん……) いや〜ん、どうしよう……と恥らいながら(色々手遅れ)、もぞもぞ脱いだサンダルを診察台の下に足で押し込むようにして隠すアタイの乙女心を嘲笑うかのように、要らぬ気を利かせた看護婦さんがアタイのお気に入りの中敷ボロボロのサンダルを、わざわざ診察台の下から引きずり出してそっと揃えて下さりやがりマシタよ……。事情ガアルンデスヨ放ッテオイテクダサイ……。
見たかな……見たよね……。もう……もう……穴があったら埋めてしまいたいほど恥ずかしかったデス……。あああああああ私の馬鹿私の馬鹿私の馬鹿私の馬鹿……。
そんな内心悶絶の診察を経て、気持ち的にぐったりしつつも再び問診。
医者 「身体の節々に痛みなどはありますか?」
鷹瀬 「昨日ジムで筋トレしたので、節々が痛んでいるのか、トレーニングによる筋肉痛なのか、よく分かりません」
医者 「……………………。ええと、食あたりかな? 昨日何か心当たりのありそうなものは食べた? ナマモノとか刺身とか」
鷹瀬 「昨日……昨日はナマモノは食べてないですねぇ」
医者 「調子が悪いのは今日からですか?」
鷹瀬 「そう言われるとここずーっと何となく調子が悪かったのかもしれません。ああ、そうだ、丁度先週、賞味期限の激しく切れたデミグラスソースを食べました。でも缶詰だし。加熱したし」(←言い訳のつもり)
医者 「……またアナタは……。前にも言ったと思うけど〜(ここに長い説教が入る)〜。とにかくどのくらい過ぎてたの?」
鷹瀬 「……(指3本を立ててみる)」
医者 「……3ヶ月?」
鷹瀬 「まさか! 缶詰でその程度は誤差じゃないですか。3年です。ははは」
医者 「……………………。ええと、最近ストレスを感じることなどは?」
鷹瀬 「ストレスには常に晒されているので、ここ最近の目新しいストレスはナイと思います」
医者 「……………………」
何だかオチのない不条理コントみたいに続く問答に、後ろで看護婦さんが打ち震えています……。このクリニックに来る度にこんなだなぁ……と、己の笑いは取れるが幸せには程遠い性質に若干黄昏る午後4時半。
結局、風邪の症状は一切ないので風邪ではない、腹も柔らかいし熱もないので食中毒でもなさそう、単なる体調不良ということで片付きました。
暗示にかかりやすいもので、医者から「何でもない」と言われて何でもない気に充分なり、来た時はグッタリしていたと言うのに、帰りはシャッキリ。しかしまた夜になると胃がウネウネしているような気配を感じ、そのついでに中敷ボロボロのサンダルを目撃されてしまったことを思い出して恥ずかしさに転げ回り……デミグラスソースの祟りはしばらく続くのでありました。
※注:8月11日に番組録画を発見し、会話をより正確に再現しました。台詞の出現順や構成は、放送順に修正せず、日記を書いた時のままにしておきます。若干前後していましたが、場面場面はほぼ正しく記憶していた自分をちょっと見直しました。
この日記を書いているのは、タイトルにもある「情熱大陸・五嶋龍(ヴァイオリニスト)」を実際に観た7月27日(日)の1週間後なのですが、とりあえず放送日に合わせた日の日記ということでアップしてみました。
「神童」やら「天才」やらともてはやされている世界的なヴァイオリニストの五嶋龍(20)が、私の好きな番組「情熱大陸」に出ましてね。ヴァイオリンは触ったことのある楽器で(「やった」とは言えないレベル……)、五嶋龍に関しても姉・みどり(龍より17歳上)を追っていたら自然と視野に入ってきた以前から知っているヴァイオリニスト。1996年から10年間、年1回放送されていた「オデッセイ」という企画番組で、五嶋龍8〜17歳までの成長過程をドキュメントで追っていたのですが、その何回かを観たことがあり、10歳くらいで「医者かヴァイオリニストになりたい。どっちも人を癒す仕事だから」と言っていた五嶋龍に、なるほど確かに神童の匂い……と好印象を抱いていました。
そんな経緯がありつつ、久し振りのテレビで20歳になる五嶋龍が登場するとなれば、あの賢い10歳の少年がどんな青年に成長したのかと興味を持つのはごく普通の展開。そりゃもうウキウキしながら観て……果てしなくガッカリしたのであります。
番組構成や演出の問題もあるのかも、とは思いますが、ある意味素に近い状態の五嶋龍を撮っているのでしょうから……というか、この人は幼少の頃からカメラが自分を撮り続けているという状態に慣れているでしょうから、あの番組でもかなり素の状態に近い姿を晒していると思われ、その晒された姿が何とも「普通のワカモノ」で、それも微笑ましい系ではなく、さすがに周囲が持ち上げるだけあって自信満々系のワカモノという観ていてハラハラしてしまう痛々しい内容だったのです……。
もしかしたら「神童と言われる五嶋龍も普通の20歳の青年です」と親近感アップを狙った番組構成なのかもしれませんが、ヒネクレ者の解釈としては、「普通の20歳よりもはるかに多くの経験をしていながらこのレベルの人間性? ってことは、人としてのポテンシャルは相当低くないか?」と逆換算してしまったのであります。
番組は、演奏の舞台前に携帯が見付からずに苛つくシーンから始まります。まぁ日本にいる普通の20歳ならこんな感じかなーくらいの一場面なのですが、10歳になる前から世界を飛び回っている割に、携帯が手元にないことに心を乱されるんだ、この人……って感じで幕開けから軽くガッカリポイント1。
続いて、ボストンの街を颯爽と歩きながら、インタビュアーの質問に答える五嶋龍。
「こんな僕に付き合ってくれる人ってよっぽど根気が必要だと思いますよ。アテンションを欲しがりますから。絶対に見てもらってないと嫌だという人ですから、僕は。人の注目を浴びて嬉しがる人ですから。ただの寂しがりやなんですよ」
ほえ〜……こりゃ確かに根気が必要だろうよ。「絶対に見てもらってないと嫌だ」と心の中で思う人は少なくないと思いますが(芸能人であれば大多数が当てはまるのでしょうが)、それを公共の電波に乗せて、恥ずかしげもなく……どころか、若干誇らしげに上目線で言っちゃう人間を友達にしたいと思う人は少なそうだもん。
お勉強も出来る龍クン、ちょっと前に入学して現在は休学しているハーバード大について、構内を歩きながら得々とご感想を披露します。
「ひとつだけ恵まれてないのはねぇ、ハーバードってね〜女が皆ブサイクなんですよ。頭は良いんですけどもね〜。本当に可哀そ……本当に情けない現実ですよ」
………………は? 何コイツ??
って普通思いますよね?! 別にヒネクレ者の私じゃなくても。当然ここでもガッカリポイントが跳ね上がります。
よくマスコミ・マジックで、発言の一部をくり抜いて悪意ある編集にすることはありますが、「情熱大陸」は五嶋龍を嫌な奴に仕立て上げようとしているハズもなく……ってか「神童クン」のイメージを推そうとしている事実からもむしろ逆だろうし。私にとってはこの発言、話の前後がどういう経緯であれ、人間性を疑うには充分だと思うのですが……。
誤解のないように言っておきますが、ハーバードの女性をブスだと思っている彼にガッカリしているのではありません。まぁそれも少しはありますが、基本的に頭の中で何を思おうと自由だし、世の大多数の男性の本音はこんなもんでしょうヨ。問題は、たとえ思っていたとしても、明らかに言わんでいいことを日本で全国放送される番組を作っているカメラの前で言ってしまうその判断能力の低さに本質的な頭の悪さを見出してガッカリしているのです。お勉強が出来ても頭悪そうだなコイツ……と。
しかも本人、色々付加価値があるから持てはやされてはいるけれど、ビジュアルだけに着目して考えれば人の美醜をどうこう言えるほどハンサムって訳でもないクセに……。岡田准一が「ブスばっか」とか言うなら(人格的にはガッカリするけれど)まだ納得いきますが、五嶋龍が人様の面に関してどうこう言うのはちょっと……。「僕はヴァイオリン上手いもんね!」と言うのなら、多分、ハーバードの女子は相当頭良いンでしょうし……。
ここで小休憩。五嶋龍を知らない人のために。
五嶋龍が神童と騒がれる要因のキーワードを端的に言うと3点、「ヴァイオリン」「ハーバード」「空手」。主軸であるヴァイオリンでは、姉・みどりが既に天才ヴァイオリニストとして名を馳せており、本人は姉に続いて7歳でコンサートデビューを果たしています。これだけでは「姉弟揃ってスゲー」で終わりですが、五嶋龍は話題性に富んでいるのです。
世界的なヴァイオリニストでありながら、学業だっておろそかにしないよ!ってなもんでハーバード大に入学(でも現在休学中)。文武両道だよ!ってなもんで空手・黒帯(でも2段)。要するに付加価値の多い「話題性のある(=オイシイ)」青年なのです。
さて、話を戻して。「情熱大陸」は続きます。
五嶋龍とご学友2名でハーバード大談義。ハーバードはそりゃ世界一と言われるだけあって大変だよ、と。そんな話を挟みつつ、インタビュアーが学友に聞きます。五嶋龍ってどんな人?と。
「何が起こっても、ああヤッパリこんな自分がカッコイイと思ってるんですよ。こんな情けない自分がカッコイイって。悲劇のヒーロー。可哀相な自分が大好きだから」
友達(?)にこう評されるこの人って……と、ココまで来るとちょっと面白かったです。ご本人も抵抗することなく爽やかに肯定しておりました。
「あはは、ドラマチックだからね」
他のシーンでは、制作側に頼まれたのかもしれませんが、家で筋トレ(腕立てや懸垂や腹筋)をしたり、脈絡なく鏡の前で服を脱いで上半身裸になり微マッチョなボディを披露したり……。
「親から授かった顔とかも身体とかも僕は大好きですし」
……色んな意味でオイシ過ぎるぞ、この素材! でもそれでいいのか? 計画通りに番組作れてるか? 本当に最初からこの路線を意図してたの?!
ま、過剰に自己否定に走る人よりは過剰に自己肯定に走る人の方が断然好感持てますし、五嶋龍はそれだけの努力もしている人だし、「親から授かった」という親に対する感謝の念が根底にありそうなこの発言には少々微笑ましさを感じましたが。ただ、まぁ、ステレオタイプのナルシスト、THEナルシスト、という印象がどんどん深まってしまうのは自然の流れですよね……。
そして、特記すべきは全編に渡って窺えた母との「一心同体」レベルでの密な関係性。20歳で男の子でありながら、未だに反抗期は訪れていない様子。母親である五嶋節の育て方が上手いのか、下手なのか、紙一重で微妙な感じでした。(いえ、「ヴァイオリンが上手くて、広範囲の分野に渡って努力をする人間」には育っていると思いますが、人格面では……正直ビミョウ)
母と曲の解釈について言い争う場面でも、一丁前な物言いをする割には最終的には母の言う通りにしてみたり、スネたり甘えたり駄々をこねたり、母がいないとレトルトご飯&カレーで食事を済ませたり……なんかこう……下手したら普通の20歳より結構幼い?みたいな。
理想のタイプは?と聞かれれば
「黒木瞳さんはスゴイ綺麗! 今でもチャーミング。もっと古い人だったら、大竹しのぶ好きだったんですよ、子供の頃。キレイなお母さんって感じですよね。あぁ! 何でこれを忘れるかな。小雪さん、すっごい綺麗!! あんな綺麗な人いない! あんな人が普段着で街を歩いてたら……困っちゃうな、俺」
ああ、なんか複雑に考えちゃったけど、要するにマザコン?という乱暴な結論を出した視聴者も多いと思うんですよね……。いいのかなぁ、この構成……って心配しちゃいます。まぁ五嶋龍がマザコンと思われようとカッコイイと思われようと、全然影響はないんですけど。
私的注目ポイントは、母・五嶋節(59)の存在です。
父親の違う姉みどりも天才ヴァイオリニストである以上、この天才姉弟を育て上げた五嶋節こそが最も注目されるべき人なのでは、と思います。正直、私は五嶋龍のことは「天才」と言うよりも「母親の信念と執念の賜物」だと思っています。みどりは2歳から、龍は3歳からヴァイオリンの英才教育を開始。大人も怯む、下手したら虐待とも取られかねない過酷な練習。普通に育てている訳ではありません。
自身もヴァイオリニストであった母・節は、子供達を勿論愛しているのでしょうが、それ以前に自分の夢を子供を通して(悪い言い方をすれば「使って」)実現しているんじゃないかなぁと感じました。勝手な解釈ですが、みどりは17歳という多感な年頃に弟ができて、母親の注意(束縛)がイイ具合に緩んだのを切っ掛けに、このパワフルな母親から離れることができ、その後も非常に大人な転身を遂げているように見える分、20歳で未だ母とベッタリな龍……と言うよりも、息子を手放さない母親に、子供への愛よりも己のエゴが強そう……と思えてしまうのです。
ちなみに、五嶋龍の母への想いは、
「最高のお母さんだと思います。最高の師であるとも思いますし……ヴァイオリンの師。省こうとしても省けないようなもんですよね、親の影響っていうのはね」
と、(当人同士にとって)非常に理想的な親子関係。母と息子の当事者双方が幸せなら、第三者が「親のエゴじゃね?」なんてとやかく言うコトじゃありませんよね。ハイ。ただ私は相当ヒネクレ者なので、「五嶋龍が子供っぽいからこそ成立している関係なんじゃ……」とか薄汚く勘繰っている訳ですが。
17歳年の離れている姉弟の成熟度を比較するのは難しいですが、みどりは
早くから社会事業に関心を持ち、21歳で教育環境が行き届かない都市部の公立校に通う生徒を対象に、音楽の楽しさを伝える非営利団体を設立。傑出した音楽家のみに贈られるエイヴリー・フィッシャー賞を30歳で受賞し、その賞金をもとに「パートナーズ・イン・パフォーマンス」基金を設立。その後もより地域コミュニティーに根ざした「ユニバーシティー・レジデンシー・プログラム」と「オーケストラ・レジデンシー・プログラム」を次々に立ち上げる。33歳で南カリフォルニア大学(USC)ソーントン音楽学校の教授職に就任。35歳には学内にコミュニティー・エンゲージメント・センターを開設し、通常のコンサートホールの外で人々に音楽を届けたいと考える音楽家たちのリサーチ/トレーニングを後押ししている。36歳で国連平和大使に就任。
と、20歳までで比較する限り、龍よりはるかに人格的に成熟していると思われます。
この偉大すぎる姉から影響やプレッシャーを受けない訳がないでしょう。
家で筋トレをしながら今の日本についての心境を語りだす五嶋龍。
「フラストレーション溜まりますよ、日本の今の現状を見てると。自分の国を守れない国がどうすんだよ、本っ当に情けない。フヌケだよ、ホント。ホントそうよ。マジで、まさしくそれはフヌケってもんですよね。家族守れないんですよ、自分が。絶対守ってやる!っつって、経済的にも守れないし、フィジカルにも守れないし、かっこわるー。どんどん中国には追いつめられてくるし……。綺麗な国なんですけどねー。あんなに素晴らしい国はないですよね。日本みたいに。美しいです。ほんと美しい国なのに……」
……はぁ。あくまでも私が個人的に感じたことなのですが、何と言うか、この発言が五嶋龍の内側を通って出てきた言葉に感じられないと言うか、発言に筋も根もなく人物から浮いていると言うか……子供が背伸びして聞きかじりで大人っぽいこと言っちゃった、みたいな感じを受けました。私は。
何でだろう……発言がすべて抽象的な言語で構成されているからなのかなぁ。説得力のある人の言葉って具体的なワードが多いんですよね。「守れない」「守れない」って何回も言うなら、「〜をしたら守れるのに」くらいの言葉を挟んでもいいのに。具体的な意見はないのか、と。これじゃあ皆が知ってる現状をイライラしながら言っただけじゃん、みたいな。「美しい国」って……君は安倍か。せめて何が美しいのか、細微な手工芸文化、武士道精神、四季折々の自然、くらいの粗いレベルでいいから軽く含ませる程度でも具体例を提示しないと、どこに視点があるのか分からない、本当にキャッチフレーズの寄せ集めみたいな言葉に聞こえてしまうよ。
それでも、何も考えない20歳よりははるかに「よく考えている」ということになるのかもしれないけれど、この程度以上に考えている若者はゴロゴロとは行かないまでも、普通に存在する気がします。むしろ、日本とアメリカの2つの国籍を持ち、ハーバード大に入ってもこのレベルの発言かぁ……とガッカリポイント10。
家族(母・姉・父・本人)で演奏会を楽しんだ後のレストランでの会話。
「あれじゃ曲が台無しだよ。僕はあの曲を弾いたことがある。知らないと思ったら大間違いだ」
英語で自信満々にまくし立てる五嶋龍の横で、五嶋みどりが無表情で黙々と食事をしていたのが印象的でした。私の興味はもっぱらお姉ちゃん。今お姉ちゃんの心の中はどんなんだろう〜な〜と、もう興味津々ですわ。
色々才能ありすぎて迷える20歳、「勉学に対するモチベーションが下がった。自分がやりたくてボストンにいたらできなかったことをやり遂げてから戻る」という理由でハーバードを1年休学。「自分がやりたくてボストンにいたらできなかったこと」に当たるのか、ラオス北部の村の小学校でクラシックを聞いたことがない子供たちを前に演奏を聴かせるという、日本企業とユニセフの合同企画の一環に参加。(この手のことは絶対に姉の影響に違いない) 演奏後、村を見渡して、
「この国に武道を持ってこなきゃいけないな。(空手の)先生と何人か連れてきて。今朝思いついたんですけど。絶対に流行るよ、ここで空手やったら。確信? 感じる。ポテンシャルを感じるんだよね」
――は?? 君、ヴァイオリン弾きとしてこの国に来たんでしょ??
自分の得意分野をむやみに披露したいその若者らしい気持ちは分かるが、冷静になろう。「空手が黒帯」とあたかも凄い凄いという雰囲気で何かにつけて文武両道のシンボルのようにこのプロフィールが取り上げられているけれど、黒帯って10段階あるんですよ? 一体、五嶋龍は何段なんだよ、と思ったら現在3段に挑戦中? ってことは今弐段?? それ、黒帯は黒帯でも下から2番目、上から8番目の黒帯じゃん。
そりゃ普通の人よりは全然凄いと思うけど、黒帯って結構いるし、「世界的ヴァイオリニスト」ほどには凄くない。彼の黒帯が「凄い」とされるのは、主軸である世界的ヴァイオリニストの肩書きがまずあるからで、つまりはオマケ、あくまでも付加価値。そしてアナタは「世界的なヴァイオリニスト」だからこの社会奉仕プログラムに参加した(できた?)のであって、たかだか黒帯弐段で人様の国に空手を持ってくるとか言ってしまう分をわきまえていないその態度にちょっとビックリ。思うのは自由、プライベートで言うのも自由、でも取材に応える形で言うなと。お勉強は出来るのかもしれませんが、この人の言動って本質的な賢さが感じられない……。
10年前には「神童の匂いがする」と思っていたのに、残念な感じに成長しちゃったなぁ……。ガッカリポイントが着実にかさみます。
しかし……上手くついて行けませんでしたが、この番組は何? 五嶋龍をどうしたいの? 神童と言えども等身大の若者、自信家でナルシストでマザコンで子供っぽい面も持ち合わせていますが、さすが神童、分野違いの夢と希望にも満ち溢れていますよ、って? 番組の意図がよく分からない……。
ってな訳で、「情熱大陸」を観終っての感想としては、五嶋龍を神童とするキーワードが「ヴァイオリン」「ハーバード」「空手」ならば、ただの悩める20歳の青年としての彼のキーワードは「ナルシスト」「マザコン」「子供」ってところか、と。
今まで人の成熟に年齢は関係ないと思っていましたが、この番組を見て、いやいやそういうタイプの人もいるだろうが、神童と呼ばれた人でさえ年齢を重ねることでしか成長できない面もあるのかもなと考え直しました。きっと五嶋龍も、あと10年くらい経ったら余裕が出てきて「ME
ME ME!」な部分が鳴りをひそめ、親離れも完了し、人格的にも成熟し、本当の意味でカッコイイ男性になるのでしょう。(ってか、なってくれ頼む) そしてこの番組を振り返って若気の至りを心底恥じるのでしょう。
――と、「情熱大陸・五嶋龍」を観てのビックリ・ガッカリを1週間の間を開けてお伝えしたのですが、一番のビックリは、この1週間の間にこの件に関する一般的な反応を知りたくてネットサーフをしたところ、大多数が好意的もしくは「さすが天才!」的な受け止め方をしていた、という点です。「何だコイツ」という印象を持ったブログは3つくらいしか探せませんでした。となると、あの番組を観て「それでいいのか?」と思った人は2割もいないのかも……。世間の判断基準がよく分からん。
さて。久し振りにこれだけ長々と書いて、最後に今までの文章を抹消したくなるような究極のご意見をご紹介して本日の日記の幕を閉じますネ。
この日記に書いたような感想を延々聞かされた友人が放った究極の意見とは――!
「ってかさ〜、五嶋龍がどんな人でも、どーでもいいじゃん。友達じゃないし。政治家とか教師とか弁護士とか、社会的に影響がある人なら人格は気になるけど、ヴァイオリニストでしょ? 本当にどうでも良くない?」
ハイッ! まったくもってその通りですっ!!!
【追記】
一体「情熱大陸」はどうしちゃったんだろ〜〜と思って本日8月3日放送の「石垣幸二(海水魚卸販売業者)」を観たら、いつも通りのとても爽やかな内容でした! 良かった。
【関連リンク】
情熱大陸 番組録画(約25分)
情熱大陸 公式サイト
五嶋龍(20)……公式サイト/Wikipedia
五嶋みどり(37)……公式サイト/Wikipedia
五嶋節(59)……公式サイト/Wikipedia
関連書籍 「『天才』の育て方」 五嶋節著 講談社
関連書籍 「母と神童 五嶋節物語」 奥田昭則著 小学館
電車に乗る度に気になっていた吊革広告がありまして。水木しげるのイラストが印象的(これよりも現在掲載中の青を基調としたイラストの方が印象は強いです)な平和祈念展示資料館〜戦争体験の労苦を語り継ぐ広場@新宿――こう言われればピンと来る方も多いのではないでしょうか。この資料館は土日も開館、入場無料とのことでいつかいつか行かねば!とタイミングを狙っていたのですが、ようやく本日行って参りました。
戦時中よりも主に戦後にスポットライトを当てている展示内容で、悲惨な戦争の後、日本国民がさらにどのような悲惨な目に遭ったのかを「恩給欠格者」「戦後強制抑留」「海外からの引揚げ」と大きく3つに分け、リアルなジオラマを用いて展示していたり、体験者の生の声を聴ける証言コーナーやビデオシアターなどデジタル資料も多用されていたりと、本気ですべてを見聞きしようと思えば丸1日でも時間は足りないほど充実した資料館でした。オススメです。
ただ、スペースが限られているから仕方ないのかもしれませんが、展示内容は被害者視点に偏っていたり、物事の全体像を見せずに一部の詳細だけを紹介することで歪みの根本原因を不明確にしてしまっていたり、穏やか気質の日本人に合わせて何もかもを非常にまろやか仕立てにしてしまっている感がありました。戦争体験の労苦を語り継ぐ目的が「同じ過ちを繰り返さないため」だとするならば、この展示内容では甘過ぎると言わざるを得ません。
例えば、ベトナム・ホーチミンの戦争証跡博物館を訪れた時、ベトナムのアメリカに対する怨念と戦時中の狂気、戦後の爪痕、戦争の泥まみれの壮絶な悲惨さに打ちのめされて、数日間ブルーになったものですが、平和祈念展示資料館にはそういった迫力がなく、綺麗に口当たり良くまとめてしまっている感じがするのです。意図的なのか、国民性なのか、国土がモロ戦場になった国とそうでない国の違いなのか、その辺りはよく分かりませんが。
そういう意味では、沖縄のひめゆり平和記念資料館にはベトナム戦争証跡博物館に匹敵する生々しさと迫力があると、どちらも見た友人が言っていました。いつか絶対に行きたい資料館です。
迫力のなさも気になりましたが、展示内容が被害者視点に偏っていることもかなり気に掛かりました。
そもそも戦争に至った日本の国としての背景や、さらなる悲劇を招いた国の対応のまずさ、天皇は神様だと洗脳されていたことや、では日本国が他国(沖縄も含む)で何をしたのかという事実などはほとんど展示されておらず、原因を見せずに部分的な結果だけを陳列している「見せ方」に大きな疑問は残ります。
――と、まぁ色々ケチは付きますが、それでも何もしないよりは数百倍マシです。そして、見ないよりは見た方がイイ。
入場無料だけあって、私が滞在していた約2時間半の間にも人は途絶えることなく入場していたようですが、こういう資料館が無料で公開されているのだから、もっとたくさんの人が訪れてもイイハズと思いました。せっかく税金をまともなことに使ってるんだから、児童向けの展開もされていることだし、小中高校で積極的に紹介するなり社会科見学で連れてくるなりすればいいのに。宣伝の仕方も、特定の電車の吊革広告だけでは大人しすぎます。
てな訳で、ご興味ある方は是非!
先月、嬉し恥ずかしの35歳(いや、嬉しくも恥ずかしくもない)になりマスタ。35歳になった8割くらいの人が「四捨五入で40歳か……」とか呟いちゃったりするのでしょうが、私も漏れなく呟いてみたり。
そして! なんともう9月ですよ! 2008年も3分の2が過ぎちまったみたいですよ?! 信じられますか? 時が経つのが早すぎて恐れ戦く今日この頃。この気持ちは20代よりも30代、30代よりも40代の皆様により深く共感いただけるのだと思いますが……。
20代の頃、30代の友人からコトある毎に「30過ぎると時の流れがマジ桁違いで早くなるんだよっ! やりたいことは今の内にやっておきな!」と脅される勢いで懇々と言われたものですが、30代半ばを迎えた私もやはり20代の皆様に同じコトを言いますわ。
何をするのも、特に新しいことを始めるならば「早い方がイイ」というのは真実だと思います。年取ると物理的にも精神的にも腰が重くなるので。何かをし続けている人にとっては「20代でしていたことを30代でも続けてやる」のはさほど大変なことではありませんが、「30代から新しいことを始める」というのは相当エネルギーを使いますからね……。
最近、ライフワークにも力が入らず、何をするにも億劫で怠けモードに走る癖が出てきたような気がするので、自分に鞭打ってでも新しいこと始めないとな〜とか思うのですが、冷静になると30代なんてぇのは本来は人生における大仕事、子育てで忙しいハズなんだよな……と思うと、この無駄な時間を貯金することは出来ないかしらと真剣に考えてしまいます。
意外がられますが、私はわりと古風(?)な考えの持ち主なので、やはり人間20代半ば〜30代には結婚して家庭作って子供でも育てていないと人として成長しないだろう、と当たり前のように思っています。就職の物差しで測るならば、既婚と未婚では正社員とアルバイトくらいの差が、子供がいるといないとでは社会人と学生ぐらいの差があるのではないかと。
……ってことは私、35歳にもなってアルバイトの学生かぁ……アイタタタ。
生き方が多様化する現代において「結婚」の重みは薄れており、「非婚のススメ」とか「独身主義」とか「生き生きシングルライフ」なんてキーワードが巷に満ち溢れておりますが、今のご時世を見ると理屈的には理解できないこともないのですが、やはり個人的には「責任も負わずに自分のためばっかりに生きるのってどーよ」と思うのです。独身のお前が言うなというカンジですが、私の場合は「結婚しない」のではなく「できない」だけですから、自分の考えと行動が反しているわけではありません。(何故かより虚しい……)
よく既婚者から、「結婚なんてイイコト全然ないよ。大変なばっかりだし。独身でいなよ」と言われるのですが、私は別に楽をするために結婚しようと思っていないので、そもそもの結婚の定義が違うのでしょう。他人と一緒に人生を歩むことや、人を育てることに苦労が伴わない方が稀だと思うし、その「大変さ」こそが楽しいのではないかと。
自分の力でゼロから家族を作るというのは、人の成長過程において必要なことだと思うし、それを楽しめないどころか意図的に避けている人が意外と多いのに驚きます。親から愛情を受けて育ったのですから、成人したら今度はもらった愛情を子供に返すというのが人として、生物として自然な流れだと思うのですが、結婚して子供を作れる状態にありながら「面倒だからいらない」という人を見ると、「おいおい、愛情もらいっぱなしかよ」と寒くなります。
もちろん、今のこの殺伐とした日本社会では、物理的、経済的、環境的に不可能というケースも多いので、結婚しないこと、子供を作らないことを一括りにはしていませんが、
「俺、結婚に重きを置いてないんだよね。どうせ会社で過ごす時間の方が圧倒的に多いんだし、関わりないじゃん? 子供? 出来たら出来たで別に……。育てるの俺じゃないし」
とか言ってる男(実在の人物)を見ると、軽く「死ねばいいのに」とか思っちゃうんですよね。あはは。ま、この人がするのは私の定義でいう「結婚」ではないし、こういう男性を選んでいる時点で相手の女性も自己責任。私とは別世界のお二人で末永くお幸せにってなモンですが。
一方で、理想と現実の壁は厚く、我がままや自分本位とは全く別次元で「結婚はしない」「子供は作らない」と思わざるを得ない現実はそこここにあるんだろうなとも思います。
余りにも十人十色な話なので、自分の考えはありますが、「〜すべきだ」とは思いません。ただ、もっとハッピーな感じで結婚する人が増えると、きっと世の中も明るくなるんだろうなーとは思っています。
それにしても、自分が20歳の頃、結婚して子供産んで家庭作って……という一見普通の人生がこんなにも難易度の高いものだとは思いもしませんでしたよ。よくよく考えてみたら、人生大体のことは自分独りの努力や決断でどうにかなりますが、そうか結婚だけは自分以外の人間が必要だった!ってトコロに私的難易度の原因が見え隠れしています……。
私が現在所属している会社にも身の危険を感じるほど負け犬がうじゃうじゃいるのですが(いや、変に安心しちゃわないかと……)、経済的に自立できる程度に稼いでいる女性に嫁き遅れが多い理由は痛いほどよく分かります……。この辺りのことを簡単に書くと色々角が立ちそうなので、いずれ時間のあるときに詳細にまとめられればいいな。
さて。
話は35歳というポイントのみを引き継いでガラリと変わりますが、先月、初の人間ドックを体験しました。
人生初の検査は、胃のレントゲンでバリウムを飲んだのと呼吸器(肺活量?)の検査くらいで、あとは時々やったことのあるものだったので、ちょろいモンでしたが、噂に違わずバリウムは……アレを飲むことで病気になる人がいるんじゃないか?と思うくらい何やら内臓に重低音のダメージを与える代物でした……。
嬉し恥ずかしの結果(だから、嬉しくも恥ずかしくもない)は、オールA except
血圧。血圧は残念ながら89/46でB判定。色々高血圧に向かうように頑張ってはいるものの、年々低血圧度合いが激しくなっとります。6年前は105/62、4年前は121/60と超正常だったのに3年前には100/60、2年前には96/66と徐々に心臓もサボり始め……ついに今年は上が90にも届かないとは……。
でも一体、低血圧だと何が危険なのかしら??
低血圧の危険性よりも、高血圧の危険性の方が圧倒的に叫ばれており、己が高血圧タイプではないため余り明確に意識していませんでしたが、逆の視点で捉えようと改めて健康診断の結果と共に送られてきた「健康診断の見方」というリーフレットを確認すると、血圧の欄にはこう書かれています。
【血圧】 収縮期130mmHg未満/拡張期85mmHg未満 ※高血圧の検査です。
心臓は収縮と拡張の活動により全身に血液を送り出しています。血圧が高いということは、それだけ心臓が強い力を必要とするような状況が体に起きていることを意味します。高血圧が悪化すると血管がいたみ、脳梗塞、脳出血などを起こします。
――と、言うことは、89/46というド低血圧の私の体で起きていることを説明すると「心臓が血液を送り出すにあたって、まったく力を必要としていない」ということになるのでしょうか? ナニ、私って心臓までもが怠け者ってコト? ……なんかここまで徹底してると天晴れだなぁ……。いや、もしかして逆かも。低血圧だからナマケモノ体質になってしまったのかも。
おっと、こんなサイトを見付けましたよ!
■ツラさを理解されにくい「低血圧」
一般的に、「高血圧」はさまざまな病気を招く原因として危険視され、治療や予防に積極的に取り組まれている。一方、「低血圧」はというと、むしろ健康体として扱われている。もちろん、「低血圧」であることは何ら悪いことでも、重篤な病気を招くわけでもない。
しかし、低血圧によって、体がだるく、倦怠感が取れない、気力がわかない、食が細く十分な栄養が摂取できないなど、日常生活をおくる上では、それなりの悪影響があるのも事実だ。ところが、「私、低血圧なので、どうしても疲れが取れなくて…」と言うのに対し、「怠け者」扱いされてしまうこともしばしば。なかなかそのツラさが理解されないのも低血圧ならではのことだろう。
私の場合、自覚として怠け者である己にガッカリしていますが、他人から怠け者扱いされることは今のトコロないので、誤解される辛さはありませんが……。キャラ的に、私が楽しようとするその姿勢は「合理的」と映るようですし……。
あ。方向性は真逆ですが「うう〜だるい〜」とか呻いていても、「充分元気じゃん」と相手にされないという「理解されない辛さ」はよくあるか。
低血圧を克服し、120/70くらいなりたい今日この頃。脱低血圧の良い方法ないかなぁ……。
「9」にこだわっている訳ではないのですが、意図せず開設日は1999年9月9日。当時「どんだけ九るし紛れなんだ……」とチラリと考えたような気もしますが、余り好きな数字ではないにせよ、ゾロ目には意味もなく興奮するものです。同じ数字や規則性のある数字が並ぶとハァハァしちゃいませんか?
いきなり話が変態めいてきたので戻しますが……いや、戻すどころか始まってすらいなかったわ。ええと、そうそう、9並びの開設日から9周年を迎えたのでメモリアル日記でも。長く書くにはもう時間も遅いので、今日の私の立ち位置が垣間見えた会話の記録だけでも。
NOと言えない気の優しい(弱い)性格のため、苦労を背負い込み、いつも上司の尻拭いばかりをさせられている同僚が、最近立て続けに自動販売機で当たりをゲット。今日も腕に2本の水を抱えて席に戻ってきて……
同僚 「鷹瀬さん、見て! また当たったの〜!」
鷹瀬 「またですか?! 先月後半から立て続けに……確か4回目?」
同僚 「そうなの! なんか……神様は見てくれてるんだなって嬉しくなっちゃった」
鷹瀬 「いや、4回は確かに凄いですけど、ダメですよ、そんな小さな幸運で目の前の大きな不幸を帳消しにしちゃ! そういや、いつも水2本ですけど、当たりって毎回同じものが2本なんですか?」
同僚 「え? 水買ったら、あのデジタルの数字の部分がピピピピって点滅して、『777』になったらピロピロ鳴り続けてるから、また水押したらもう1本出てきて……ああ、これが当たりなんだ!って……」
鷹瀬 「ってことは、2本目は自由に選ぶ権利があったんですね?」
同僚 「うん、言われてみればそうだね。水しか買わないから、水押しちゃったけど」
鷹瀬 「ああっ!! 水なんて一番安い(90円)飲み物なのにーっ!」
同僚 「あ! そうか……当たりが出たら、一番高い飲み物選べば良かったんだ……」
鷹瀬 「そうですよ! 『神様は見てくれてる』なんて喜んでる場合じゃないですよ。ささやかな幸運は最大限に活用しなきゃ!!」
同僚 「そこまで思い付かなかったや……。鷹瀬さんって神様相手でも交渉しそうだよね」
……………………私のイメージって……。
私の所属している部署は人の出入りが激しいようです……。4月に部長と私を苛めていたお局が追い出され異動し、代わりに新ボス(通称「女王」、43歳・女性)・そのボスの仲良し(通称「女帝」、43歳・女性)・S君(33歳・男性)の3人が入ってきましたが、まだ半年も経っていない9月に今度はS君が元いた部署に戻ることになり、代わりに新人が入ることになりました。
S君と入れ替わりになるこの新人、新人と言っても新入社員ではなく、40代半ば、社歴10年以上の管理職の男性……。S君の仕事をそのまま引き継いでもらうとの前置きでしたが、私の仕事の一部を補佐してもらっていたS君は職位なしの総合職で、そのS君の仕事を管理職40代の男性がやるって……ありえるんですかと、素朴な疑問は後を絶たず……。
私はS君の教育係だったので、色々自分の時間を割いてS君がようやく成長して独り立ちし、さぁこれから私の仕事をどんどん振ろうと思っていた矢先のこの人事異動は当然嬉しくありません。内情を加味するならば、S君は4月の異動当初からアマゾネス政権の我が部署が嫌で嫌で、この状態が続くようなら転職すると言い続けていたので、S君の本気がようやく上部に伝わってこのような措置をと取ったのだと思いますが、だったら変に5ヶ月も滞留させるなと。その間の教育に時間を割いていた私の労力を考えると心底げんなりします。
8月中旬にボスから個別に呼び出され、この急な異動を知らされた時は荒れました……。完全無欠に私だけが貧乏クジのこの事態、さすがにボスも終始低姿勢。
女王 「鷹瀬さんには申し訳ないんだけど……9月1日付けでS君が元いた部署に戻ることになって、代わりに新しく人が入ってくることになりました。まだ名前は言えないんだけど、社歴の長いベテラン社員で、現在営業で××(管理職)をやってる40代半ばの男性なのね」
鷹瀬 「……今S君がやっている仕事はどうなるんですか? 全部私に逆流ですか? また雑用は私独りでやれと?」
女王 「ううん。基本的に鷹瀬さんには一切迷惑がかからないようにするから。新しく来る人には、今S君がやっている仕事は全部やってもらうので」
鷹瀬 「……ベテラン社員で管理職の40代男性ですよね? S君のやってる仕事って、電話取りとか在庫管理も含まれてるんですよ? そんなの本当にやってくれるんですか? 大体ご本人はこの異動を了承してるんですか?」
女王 「うん。異動は本人の希望だし、どんなことをやってもらうかは充分に言ってある。『電話も取ってもらうし、雑用もしてもらうから』って」
……それでOKする40代男性管理職って……現在どんだけピンチに立たされてるんですか。まともな状態、もしくはまともな人間なら承知しないと思うのですが……もしかしてコレって左遷人事なんじゃ……? 何なのウチの部署って……姥捨て山??
気を取り直して、やり場のない虚脱感と毒を交えながら私にとって一番重要なことだけに焦点を絞って確認します。
鷹瀬 「……ぶっちゃけ、仕事は普通程度には出来るんですか?」
女王 「うん。だって、社歴の長いベテランだよ?」
鷹瀬 「それ、答えになってませんよ。会社によってはベテランの方がタチ悪いケースが圧倒的に多いってコトもありますし。まぁウチの会社がどうとはあえて言いませんけど。……とにかく、S君の仕事をそのまま引き継ぐなら、私の仕事にめちゃめちゃ関わるんですけど、その管理職の方には私が教えるんですか?」
女王 「一応9月付けの異動だけど、来週(8月18日)にはウチの部に来てもらって、8月一杯の2週間でS君に直接引継ぎしてもらうから。鷹瀬さんには迷惑かからないからさ。そんなに怒らないで」
鷹瀬 「怒ってません、ウンザリしてるだけです。いくら言ってあるったって、40代管理職の男性社員が電話取ってくれますか? S君や私が『電話取って下さい』とか言うんですか?」
女王 「遠慮しないで言っちゃっていいから」
鷹瀬 「遠慮とかそういう問題ではなくて、そんなことS君や私にさせんな、という話をしているんですよ」
女王 「教育だと思ってさ。ビシバシ鍛えていいから」
鷹瀬 「なんで私が自分より職位が上の人を教育しなきゃならないんですか。そんなのは女王がして下さいよ。どう考えても迷惑かかって来るじゃないですか」
女王 「もちろん私も言うよ。それに、もう決まっちゃったことだし……本当に鷹瀬さんには申し訳ないと思ってるけど、会社の意向だから我慢して。鷹瀬さんの仕事が増えるようなことには絶対にしないから」
鷹瀬 「申し訳ないですけど、今までの傾向からもその言葉を信じるのは難しいですね。ま、私がどうこう言おうと現実は変わらないみたいですから仕方ないですけど。……ちょっと心構えがあるので、これだけは聞きたいんですけど、データ処理……Excelは普通に使えるレベルですか?」
女王 「あ、それは大丈夫。表とか作ってたって言ってたし」
「表とか作ってた」?? うわぁ……何でしょうこの既にヤバめな馬鹿っぽい表現……。
――と怯むワタクシの予想通り、結論から言うと何もかもがウソでした……。ああ、何もかもは大袈裟か……「40代管理職の男性社員がS君の代わりに来る」「8月一杯の2週間はS君が面倒を見る」というのは正しい情報でしたっけね。嘘の部分は「鷹瀬さんには一切迷惑がかからない」、「仕事は普通程度に出来る」、「Excelは普通に使える」という点ですか。ま、私的に相当重要な3点が嘘だったんですがね。
こんな経緯で我が部署に入部することになった新人。職位は私より上なのに、私の下に配属される時点で既にパラドキシカルな展開でしたが、パラドキシカルをビジュアル的にも表してみました!とでも言うように、なんとお名前は太いのに細井さん……(同系統の仮名です)。
名前が分かった時点で他部署の人に細井さん評を聞いて回ると……出るわ出るわの伝説レベルの武勇伝。余りの能力の無さに色んな部署をたらい回しにされ、前の部署では「余りに何も出来ないので、最後は電話も取らせなかった」という結論を導き出したツワモノだったようで。おおっとコレは私の「Excelは普通に使えるレベルですか?」なんて質問がいかに的外れだったかを……厳しい現実を突きつけてくれます!
噂で先入観を持つほど偏狭な人間ではないつもりですが、噂を判断材料として考慮した場合、細井さんとの接点は出来るだけ少なくした方がお互いのためというのが経験則から得られた当面の回答でした。従って、8月一杯の2週間は、旅立つS君が置き土産にこの細井さんの教育をしてくれるので、細井さんの世話はすべてS君に委ね、私は9月からの地獄に備えて細井さんには一切近寄りませんでした。
比較的穏やか系のS君が、徐々に声を荒げて「細井さん、だからソレさっきも言ったじゃないですかっ!」と苛立つ様を横目で盗み見つつ、2週間の引継ぎでは絶対に終わらないんだろうなと。S君が同じ注意を何度も繰り返す様を見ながら、これは相当覚悟して掛からないと憤死してしまうかもなと。日に日にやつれていくS君も、元の部署に一度戻れば、もう二度とウチの部署に関わりを持とうとはしないだろうなと。9月からは私が細井さんの面倒を一手に引き受けることになり、そしてきっと今のS君のように、誰も手伝ってくれないんだろうなと。
――様々なことが予想され……そして、その予想はほぼ当たっていたのであります。
今年の夏まで、仕事上で関わってきた人々の中で最も仕事が出来なかったのは、前職・外資系A社の的場さんでした。(参考日記:2006年11月21日) 「仕事が出来ない」という点に関して他の追随を許さぬ首位独走状態。この人を超える逸材には今後そうそうお目に掛かれないだろうと思っていましたが、超えたとは行かないまでもイイ線行くんじゃ……と目下、期待感が高まっているのが9月付けで入部してきた「太いのに細井さん」です。
ウチの部署に新人が入ってくる度に「とりあえず」覚えてもらう、最も基本的かつ最も簡単な作業があります。普段は派遣の方に対応してもらっているのですが、一応誰でも出来た方が良い作業なので、細井さんにも2〜3回の予定でやってもらうことに。
通常初回は教える人が説明付きで一緒に作業をして大きな流れを把握してもらい、2回目からは独りでやってもらう程度の難易度なのですが、細井さんは1ヶ月半経った今でもミスを繰り返しています……。当初2〜3回の予定で始めてもらった作業ですが、「ミスがなくなるまでやって下さい」と私が言ったために、いつまでも卒業することが出来ず、今ではもう細井さんの立派な主担当業務になってしまいました……。この作業をしてもらうのにかつてこんなに手間取った人は1人もいないので、もうどうしていいのか分からない……という最終段階にまで来ています。
「簡単な作業」と言っても曖昧でピンと来ないと思うので、業界の特徴が分からないように喩えとして具体的に説明しますと、
全国の顧客から届く注文票(100〜200枚/日)を、商品番号を見ながら各担当部署に振り分ける。商品Aなら部署Aに。商品Bなら部署Bに。商品番号の頭文字は部署名の略語である。(東京本店ならT、千葉支店ならC、大阪支店ならO、とかその程度の略語) 振り分け部署は10ヶ所程度。
という作業なのですが、細井さんのミスはと言うと、東京の商品T103の注文票を千葉支店にFAXしちゃったり、千葉支店の商品C989の注文票を東京本社の担当者に渡しちゃったり……。1日に100〜200枚を捌くので、誰がやっても当然たまにはミスがあります。しかし、ほとんどないのが通常で、細井さんが来るまでは振り分けミスなどは2週間に1度あるかないかでした。なのに……9月からこの業務の主担当が細井さんになって以来、振り分けミスが1日必ず4〜10件ほど発生しています……。細井さんには既に1ヶ月以上この作業をしてもらっていますが、ミスが1件もなかった日がまだ1日もありません……。
「そんなにミスする人を主担当にする方がオカシイ」――こんな真っ当なご意見もあるかもしれませんが、このレベルの仕事……いえ、作業が出来ない人が他の仕事など出来る訳もなく、何も任せられないので無理やり最も簡単なこの振り分け業務の主担当に据えた、という経緯があることを是非ご理解いただきたい。(←他部署の人に本当に言った台詞)
ミスの原因が分からないので対処のしようもない現状が続いておりますが、私だって教育係として「あー出来ない人だね」と何もしなかったわけではありません。何が原因なのか、どういう傾向のミスをするのか、各部署には「振り分けでミスがあったら鷹瀬までご一報を」と周知徹底し、担当者たちの「また振り分けが間違ってたんですけど」との苦情を一手に引き受け、侘び倒し、どんな間違いが発生したのかを綿密に記録して分析した結果…………特に法則はないという結論に至りました。まー見事にまんべんなくミスしとりますよ……。
途中本気でアルファベットを知らないのかと思って、
鷹瀬 「細井さん、東京ってローマ字で書けます? T・O・K・Y・Oですよ? 千葉は? そう、C・H・I・B・A……書けますよね……。念のため、大阪は? 九州は?」
とまで確認したほど追い詰められていましたが、なぜか追い詰められているのは私ばかりで、当の細井さんはのんびりしたもの。「またミスがありましたよ」とフィードバックしても、「そうですか」と謝りもしません。謝れば良いという訳でもないので、謝罪の言葉がないことに対してどうこう言うつもりはありませんが、これだけ下らないミスを連日連発しておきながら飄々としているその態度にイラっとします。
それにしても、「ローマ字で書けるか」などというふざけた質問をされて平気な細井さんの神経も大したものです。まぁこの図太い神経だからこそ、こんなに仕事が出来なくても自己嫌悪に陥らずにのびのびと生きてこれたのでしょうが……。
しかし、神経も太いのに細井さん。返す返すもイラっと来るなぁ……。
何かさせれば必ずミスをする細井さんの尻拭い対応で、9月に突入してから1日も気の休まる瞬間がなく、イライラも着々と募って行き……。
アルファベットが分かるなら、東京はT、千葉はC、大阪はOと分かるだろう……。ならば何故、そこまで明記されている商品番号を見て、正しく振り分けることが出来んのだ! このレベルまで掘り下げてミスの所以を探っているっつーのに、どうして答えが出ないのだ……っ!
――そりゃ元から若干短気な私がキレないハズはありません。逆に、我ながらよく頑張ったと思うほど。
毎日毎日私の元に各部署から内線でミス報告が舞い込み、当初怒り気味だった各部署の担当者が完全に事情を把握し、「鷹瀬さんも大変だね……頑張って」と同情一色に染まる頃、ついに私の堪忍袋の緒も正式に切れました。
鷹瀬 「細井さん……正直に言ってください。そもそも振り分けの手順は理解してるんですか?」
細井 「……してます」
鷹瀬 「理解しているのに出来ないと言うのは、理解してなくて出来ないよりも罪が重いんですよ」
細井 「こういう細かい仕事は向かなくて……」
鷹瀬 「この仕事、細かいとかダイナミックとか、そんな分け方するレベルのモンじゃないでしょ。ってか、正直コレって『仕事』と言うより『作業』じゃないですか。ちょっと気の利く小学生だって出来ますよ。まぁいいや。ところで、こういう細かい作業が向いていないなら、じゃあ一体どんな仕事が細井さんに向いているんですか? 細井さんに向いている仕事が私の受け持つ仕事の中にあるならば、是非細井さんにやって頂きたいので優先的に回しますよ。そして細井さんにやってもらっている細かい作業は私がやりますよ。その方が確実だし。で? どんな仕事が向いているんですか?」
――後日、隣の部署の人から「横で聞いてて恐くて震えた」と言われるファースト・インパクトは、9月第2週に起こったのであります……。
Aを見てそれがAだと判別できない人に「どうしてAって分からないの?」と怒っても仕方ないと重々理解しています。でもね、アタイももうクタクタなんだよ……。
「出来ない」の限界に挑戦しようと、私なりに頼み方や指示の仕方を工夫しましたよ。……それでも導き出される回答は常に一定。怒っても煽てても細井さんのミスの量は大きく変化しないので、徐々に私の言い方も穏やかになり、諦めムードも漂った頃、他部署の人が明るく言うのです。
他部署 「成長したねー!」
鷹瀬 「え? 全然してないよ……相変わらず毎日ミスばっか。言っても変わらないから怒らなくなっただけ」
他部署 「違う違う。細井さんのことじゃなくて、成長してるのは鷹瀬さん。我慢してるの分かるし、毎回毎回同じことを丁寧に教えてあげてて凄い偉いなーって。良いお母さんになるよ!」
…………。ナニもしかして教育係は私じゃなくて細井さんの方だった??
ま、成長していると言ってもそこまで急に聖人君子にはなれず、日々菩薩と般若を阿弥陀如来してるってカンジです。
さて、これだけ明確に、かつ豪快に迷惑を掛けられている細井さんですが、不思議なことに嫌いかと言うとそうでもありません。
本日の日記の冒頭で紹介している前職・外資系A社の的場さん、自分でリンクを張ったついでに過去の日記を読み直して当時のことを思い出しましたが、細井さんは人間性において的場さんより随分マシですわ。的場さんは、仕事が出来ないから嫌と言うより、仕事が出来ない上に人としてズルかったのが嫌な理由でした。飲み会の後に会社に戻って打刻して残業代を稼いだり、相手を見て威張ろうとしたり、すぐに泣いたり、会社の経費を非常識に使おうとしたり。
細井さんは(少なくとも私の前では)そういうズルさはないように見えるし、人間的に悪い人とも思いません。むしろここまで来ると可哀相……と言うのが細井さんに対する正直な感想なのです。
私の怒りは、細井さんではなく、細井さんに管理職の職位と高給(少なくとも私より多いのは確か)を与えている会社に向けるのが正しいと思い、そのように行動しておりますが、人情と正当性を求める心の板挟みになっております。
息をするより容易くミスを繰り返す「太いのに細井さん」ですが、そんな彼が部署を転々としている一方で管理職に昇進し、それ相当の給料を貰っているというのは、一体どんなマジックが働いているのか――。一説には「ゴマすりが上手かった」「ズルをする」などあるようですが、人好きする性格とまでは行かないまでも、とりあえず人格的に大きな敵を作らずに済んでいたのは間違いないかもしれません。
私自身、細井さんに掛けられている迷惑を鑑みると、その膨大な量の割には憎しみは湧いて来ずに、むしろ仄かに哀れみに偏っているわけで、これは明確には言えませんがモンヤリと彼のプラス方面の人間性によるところなのかもしれません。
しかし細井さんが良い人なのかどうか、本当のトコロは正直微妙です。なぜなら、気を抜いた瞬間、自分のミスの後始末を派遣にさせようとしたり、それ相当にズルイ面も垣間見えるので、ピュアホワイトとは思えません。しかしそういう現場を目撃する度に現行犯で逮捕……もとい、その場で「細井さん、自分のミスは自分で尻拭いして下さい」と教育的指導を行っていたところ、少なくとも私のいる前ではミスのなすりつけはしなくなりました。
私のいない時にコッソリ派遣に仕事を振っていたことがあったようですが、派遣さんからの密告により、細井さんと派遣さん両者の前で
「細井さん、基本的に自分のミスは自分で処理してください。本来は起こらないミスだと自覚しないと。どうしても対応できない時には私に言ってください」
と釘を刺し、以後は一応自力で頑張っているようです。
ま、ミスが発覚するのは大抵私が細井さんの仕事の確認を行うからで、半分くらいは私が尻拭いしているようなものですが、100%自己解決させようとするとエライ時間がかかるので、この人の面倒を見るのも私の仕事……と半ば諦めております。
………………なんか……どう見ても私、細井さんの上司じゃないかと思うのですが、職位も給料も細井さんの方が上……。くそぅ、何なんだこの妙な関係は……。
さて、気を取り直して。
1ヶ月以上の単純作業およびその他もろもろを通して本当に成長が見られず、心底うんざりはしているのですが、女王や他部署の人から
「細井さん、土曜日とかも出てきて振り分け作業してるんだよ」
「今朝私、用があって8時に出社したんだけど(※始業は9時)、細井さんもう出社してて、振り分け作業してたよ……」
などと聞いてしまうと、正直ホロリとしてしまいます。管理職の細井さんは、休日出勤手当や残業代などの時間外手当は一切出ません……。
本来なら別に休日出勤や早出など一切必要ない業務で、本人の著しい能力不足ゆえに起こっている事態に過ぎないのですが、一生懸命なのはよく分かる。一方で、「評価基準は成果物」というのが私の考え方なので、この一生懸命さは彼への感情を和らげる一因にはなっても、「一生懸命だから良い」という評価にはならないし、してはいけないと思う。極端に言えば、振り分け作業のような仕事は、手を抜いていようと心ココにあらずであろうと、素早く正確に処理できればそれが評価のすべてなのです。そして、速度と正確性を基準に細井さんを評価するならば、細井さんの評価は「最悪」となり、「使えないから要りません」ということになります。
……ですが、さすがに私も人の子なので、人情と正当性を求める心の板挟みになっているのであります。
普段の仕事中からも充分に伺えると思いますが、週1回行われる上司(女王)への報告会で、私や同僚から得られる詳細情報により、女王も細井さんの厳しい状況は把握しています。
当初、「一生懸命なんだよ」「優しくしてあげて」と部の長とは思えぬアホな合いの手ばかりを入れて細井さん問題を私だけに押し付け気味だった女王ですが、私が関わらない業務で細井さんが他部署や顧客に迷惑をかける派手なミスをしたことで、女王も深刻に管理責任を問われており、ようやく真剣に「今後、細井さんをどうしようか……」と思うに至ったようです。
私が女王に上げる結論としては「使えないから要りません」なのですが、この私の結論が原因で細井さんの人生に支障が出るのは寝覚めが悪い……。しかしだからと言って、彼の生活保障のために私だけが泣きを見るのは割に合わない。私より明らかに仕事をしていない人が、職位はどうでもいいですが、私より高い給料を貰っているというのはどうにもこうにも許せない。
――私の気持ちも複雑です……。
恐らく今までも、細井さんに直接関わった人々は、自らの手を汚すのは嫌で、「放置する」とか「とりあえず自分のテリトリーから追い出す」という手段に逃げ、根本的な解決、つまり「細井さんの処遇を仕事に見合った職位と給料に是正する」ということをせずに来たのだと思います。
でもそれでいいのか、と。「働いてないのに分不相応な給料を貰っている人がいる」ということは、「働いているのに相応な給料を貰っていない人がいる」ということに通じます。要するに、会社として「評価と成果と報酬に正しい関係性が成り立っていない」という大問題があるのです。
こうなってくると、細井さんがどうこうという問題ではなく、会社がどうこうという問題です。女王への週1回の報告会も、細井さんの惨状報告から、会社の体制への提訴に変わりつつあるのでした。
またしても日付越え……眠いので明日に続く。
さすがに三度の飯よりこよなく愛する睡眠時間を削ってまで毎晩「太いのに細井さん」について延々書き連ねるのはどうなのかと。一歩間違えたら愛情レベルの執念じゃ……。
――そんな自己ツッコミが週中に炸裂いたしまして、昨日は細井さん連載(いつから連載に?)をお休みしマスタ。正直、今日だって眠い。制作費100億円、構想18年の「レッド
クリフ」の試写会なんかに行っちゃったものだから、ジョン・ウーの鼻息に吹き飛ばされそう。ニュージーランド・ドルも61円で打撃MAX。緒方拳が亡くなってションボリ。もうこのまま寝床に直行したい。
しかし、記録はお休みしても現実は日々更新されており、昨日は細井さんの身にちょっとばっかりドラマチックなことが起こったので、軽く記録しておかないと。
まどろみと死闘を繰り広げる(あ、いえ、私が個人的に繰り広げていただけですが……)昼下がりの勤務中、細井さんの席に、彼の元いた部署から元同僚の女性が「怒!」という雰囲気を身にまとってドスドスとやって来ました。改めて、怒りって目に見えるモンなんだなーと感心する私の目の前で、戦い……ではない何かの火蓋は切って落とされたのであります。
元同僚 「細井さんっ! ちょっとッ! 細井さんの担当していたクライアントAの担当者から今連絡があって、『××を提出するようにお宅の営業担当から言われたんだけど』って苦情が入ったんですけどっ! ××をクライアントに提出させるなんて、何考えてるんですかっ?! 常識としてありえないでしょ! 前にもこういうことあって、その時『クライアントに変なこと言うな』って言いましたよねっ! なのになんでまた勝手なこと言うんですかっ?」
細井さん 「え……俺じゃないよ」
元同僚 「細井さんですよっ! このクライアントの担当、細井さんじゃないですかっ! 他に誰がそんなこと言うんですか! お陰で今○○さんが対応してて、皆すっごい迷惑してるんですよっ! いつ、どういうタイミングで言ったんですかっ?!」
細井さん 「知らないって」
元同僚 「もういいですっ!」
…………前の部署での細井さんの仕事ぶりが……いや、仕事ぶり「も」伺えるなぁ……。
この場面だけ見ていたら、細井さんの元同僚に対して「そんな言い方しなくてもいいのに、感じ悪い人だな」と思いますが、目下リアルタイムで細井さんの駄目に振り回されている私としては、彼女がこんな鬼のような形相になる過程が偲ばれてなりません……。
彼女が解決のために細井さんを訪れたのでないことは、捨て台詞をもって早々に会話を切り上げ、来た時同様「怒!」という雰囲気を身にまとってドスドスと帰って行くその後姿で分かります……。ああ、とにかくもう面と向かって怒りをぶつけたかったんだなー……と。
注目すべきは最初から最後まで主役の細井さんです。周囲には細井さんの今の同僚が揃っているというのに、そのど真ん中でかなり大きな声で怒り大爆発させていた彼女とは対照的に、当の細井さんときたら、少なくとも表面上は飄々としたモンです。彼女が立ち去ってしまった後に、気まずさを微塵にも感じさせずに「俺じゃないのになー」ですって。
いや、経緯も詳細も分からないし前の部署での仕事ぶりも知らないが、1ヶ月以上この目で見てきた現実を踏まえると、まず間違いなく貴様が原因だと思うぞ……と、書類の隙間からじっとりと細井さんを覗き見るワタクシ。顎と喉と首が渾然一体となっているトドのようなのんびりとした横顔を見て、何やら奇妙な敗北感に打ちひしがれましたよ。半月ほど前に私が起こした、隣の部署の人を震撼させたファースト・インパクトなんて、このトド……もとい、細井さんにはまさに蛙の面にションベン状態だったんだろうなぁ……。
自分が渦中で怒ったり教育的指導をしていた時には気付きませんでしたが、こうして第三者の立場で細井さんとその被害者の遣り取りを冷静に見ると、被害者周辺には大きな意味での敗北が蔓延していることが明らかです。
こらアカン。こらツワモノ過ぎる。こんな鋼のココロを持った、しかし能力を持たない人に、教育とか不可能でしょう。別に悪い人とは思いませんが、良い人とも言えないし。
こんなこともあり、細井さんの仕事が若干関わる他部署の人につい愚痴を……。
鷹瀬 「いや〜さすがに疲れたよ。細井さんに何をどうしても無駄な気がする。焼け石に水とかぬかに釘とか暖簾に腕押しとか豆腐にかすがいとか、そんな類語を何個思い付けるかな〜とか、そっち方向に頭が回転しちゃって……」
他部署 「いや、でもね、細井さん、鷹瀬さんにはめちゃめちゃ緊張してると思うよ。この前鷹瀬さんが5連休した時、細井さんのミスが増えてさ。『あーまたミスばっかだよ、鷹瀬さんが戻ってきたら報告しなきゃ』って思ってたんだけど、鷹瀬さんが戻ってきたらミスが減ったの」
……「怒っても煽てても細井さんのミスの量は大きく変化しない」と思っていましたが、恐怖政治&戸塚式教育的指導にはそれなりの効果があったのでしょうか……。子供はのびのび育てたいタイプなんですが……。
そう言えば、細井さんが我が部署に来てもう1.5ヶ月になりますが、気付けば部で最年長の細井さんが敬語を使うのは私に対してだけ。女王を筆頭に、私以外の正社員3人とは古くからの仲間ということもありタメ口。派遣社員2人にも当然タメ口。時々細井さんの元を訪れる前の部署の人々にもタメ口。しかし、部内最年少の私には何故か敬語……。
ま、教育係ですからね。ははは。立場オカンだし。ははは。……はぁ……。敬語なんか使う必要ないから、ミスしないでくれないかなー……。
は! 今日もまた日付越え! 本来「細井さん伝説(4)」で書きたかったことまで辿り着きませんでした。明日アップします。伝説も長くなりそうなので、サブタイトルつけることにしました。
「細井さん伝説(5)」はちょっと置いておいて。
本日、楽しみにしていた「ブロードウェイ♪ブロードウェイ〜コーラスラインにかける夢」の試写会だというのに、朝から喉が痛くて風邪の予感。会社で昼頃から軽い吐き気を伴う頭痛がし始め、「何かもう熱も出てきた気がする、それも38度くらいの」と久々の体調不良に気分が盛り上がりました。雨も降っているし、熱が高ければ試写会は諦めて家で大人しく寝てようと、総務まで体温計を借りに行って測ってみると……高いどころか36.5度でド平熱……。なんだこの頭痛、もしかして細井さんが若干原因に含まれる週明け特有の会社嫌々病か??
定時を過ぎても頭痛は治まりませんでしたが、物理的な病というよりはむしろ精神的な衰弱と思われたため、当初の予定通り試写会に行ってきました。……帰宅した今でも頭痛は治っていませんが、行って良かったです。
――そんなこんなで今月25(土)から新宿・渋谷で公開の「ブロードウェイ♪ブロードウェイ〜コーラスラインにかける夢」、ダンスやミュージカルが好きな人は必見です!
昨日の頭痛は、一晩ぐっすり寝ることで解消したようです。
正直に言えば、五体満足ぴちぴち健康でも会社に行くのはデフォルトで嫌。――そうは言ってもウッカリ五体満足なものでとりあえず出社しましたが、物理的な頭痛は治まったものの、精神的な頭痛は目の前の現実として繰り広げられているわけで……会社に着いたそばからビョーキになりそうな気配。朝礼を終えて仕事を開始するなりだるさを伴う肩こりに見舞われて……。
肩こりからくる緊張型頭痛なんじゃ?
偏頭痛持ちの友人から知識の差し入れが。
なるほどキンチョーか……。充分に考えられますが、目下キンチョーすべきなのは私ではなく細井さんのハズなのに……。
先週に引き続き、本日も細井さんの前の部署の同僚、今度は男性が、細井さんのいないときにウチの部に遊びに来て、女帝(ボスの仲良し)にニコニコしながら話しかけておりました。
元同僚 「どうですか、細井さんは。大変でしょう」
女帝 「んー。私は仕事上で関わらないからあんまり……」
元同僚 「じゃあ今はどなたが被害を受けてるんですか?」
女帝 「完璧に鷹瀬さんだよねー」
元同僚 「(私の方を向いて、しみじみと)そうですか……。大変でしょう。あの人と仕事上関わる大変さは、関わった人でないと分からないんですよね。ウチの部の連中は今でも彼の遺産に苦しめられてますよ」
……細井さんのミスが、細井さん無き今でも多くの方達に多大なる迷惑をかけているとは……どんだけ破壊力があるミスを仕出かしていたんだと恐くなるワタクシ。
元同僚 「それにねぇ、あの人の凄いところは、どこをどう間違えてか、自分が出来る人間だと本気で勘違いしちゃうんですよ」
鷹瀬 「いや、さすがにここではその勘違いは無いと思いますよ」
女帝 「無いでしょう。鷹瀬さん、超ハッキリ言ってるし」
席にいた同僚 「無いでしょう〜。毎日のようにミスを自覚させてるし」
鷹瀬 「私があれだけ言ってて、それでも『自分は仕事ができる』って誤解できるなら、それはそれで逆に尊敬しちゃいますよ」
元同僚 「(分かってないなぁ、というように頭を軽く振って)……甘いな」
鷹瀬 「……え? 『甘い』って、私がですか?」
無言で深々と頷く細井さんの元同僚……。1年ほど細井さんと共に仕事をした方の意味深な台詞に、細井さんの勘違いがどんだけ根深いのかと失禁しそうになるワタクシ。
元同僚 「先週、こっちに××さんが来ませんでしたか? 『細井さんに言ってやったわ!』って息巻いてましたけど」
女帝 「来てた来てた〜。あんなの別室でやってくれればいいのに、って思ったよ」
鷹瀬 「容赦なく怒ってましたね。アレは怒りをぶつけに来た、って感じでしたね」
元同僚 「まぁ、こっちは皆それだけの被害を受けてるんでね。鷹瀬さんも大変でしょう。キレませんか?」
女帝 「鷹瀬さんは最近は優しいよー。ね?」
鷹瀬 「初めは怒ったりもしてましたけど、今ではもう怒っても仕方ないし、それよりも一体どうしたらミスがなくなるんだろうって、そればかり考えてしまって……」
元同僚 「人間できてますね〜。細井さんも過ごしやすいだろうなぁ〜」
うわぁ……含みあるなぁ……。でもじゃあ本当に、一体私にどうしろと……(涙目) ミスばかりしている細井さんは怒っても厳しいことを言ってもトドのようにのんびりしてミスを繰り返すし、私ばかりが緊張型の偏頭痛に悩まされるし……。女王や女帝は横から口出すばかりで、「可哀相」とか「優しくしてあげて」とかアホなことばっかり抜かしやがるし……お前ら充分可哀相な私に厳しいコトしてるんじゃボケ。うう……めそめそ……。
黄昏つつ、早く昼休みにならんかな……と猛ダッシュで仕事を黙々とこなしていると、大阪の仲良し同期からピロリンとメールが届きました。――ん? またホームページへの記事掲載依頼かな……?と思ってメールを開くと……
あのさぁ〜
知ってたらでいいんだけどさ退職するときって
何ヶ月前までに言ったらいいの?
ちょっ……ちょっとぉ?! 遠い空の下、同じような境遇のヤツからのヘヴィな短文メールに撃ち抜かれそうになるワタクシ。動揺しつつも素早く返信。
一応、どんなに遅くても1ヶ月前ってのが常識じゃないかなぁ。
2ヶ月前なら余裕あるし、3ヶ月前なら文句ナシって感じじゃないか?
自分だけがしている仕事があれば、引継ぎとか後任を考える必要があるけど。
……何があったんだい?
半年前には言え、って言われた。
また色々と話があるので携帯にメールする。
ごふ……っ! もう言っちゃったのかい!?
9月の連休の時に大阪に遊びに行った際には退職の話など一切していなかったので、1ヶ月経たない間に辞めるほどの何かがあったのかもしれませんが、イヤヨ置イテイカナイデ。
それにしても、半年前宣言はちょっと早すぎないか? 改めて当社の就業規則を調べてみようと共有フォルダから就業規則を探し出し、「退職」の項目を画面一杯にデカデカと広げて読んでいると、女王に画面を覗かれ「え?! 何見てるの、鷹瀬さんっ?!」と力一杯ビビられました……。うわもう何だこの最悪のタイミング……。しかし「大阪の同期が辞めたいらしいんですよ」とも言えず……。
女王 「鷹瀬さん……あの……色々考えることがあるのかもしれないけど、事前に言ってね……」
鷹瀬 「あ、いや、ちょっと確認したいことがあっただけで……あはは。それに、大丈夫です。辞めるときはきちんと1ヶ月以上前には宣言しますから」
女王 「ええええええ?!?!」
――深まる誤解。でももういいのだ。ある意味気持ちはこの通りなのだから……。
「細井さん伝説(6)」は週末に取っておいて、と。(温めるほどのモノなのか……)
昨日、私が退職を考えていると女王(ボス)に誤解(……理解?)させた大阪の仲良し同期から、昼過ぎにまたしても不穏なメールが……。
昨日携帯にメール入力してたら長くなりだして途中でやめた。
また、電話するわ。
さっき上司に「いつ回答もらえるんですか?」って聞いたら
「分かりません」って。「12末は無理だから」って言われたからさ
「就業規則に1ヶ月前、ネットで見たら2ヶ月前が常識って書いてあったし
今までの人たちもそのぐらいで言って退職なんじゃないんですか?」
って言ったら、突然きれて強烈な形相で
「常識考えなさい。自分勝手な事を言ってるのが分からないの?
どうしてもって言うならドクターストップで就業できない
っていう診断書持ってきなさい」だって。
人としての常識って通常何ヶ月前なん?
……多分、社会人としての常識は2ヶ月もありゃ充分だし、職場によって引継ぎがそれ以上掛かるとしても、10月中旬に12月末退職の承認を得るために診断書の提出を求める方がよほど非常識なのはまず間違いないかと。
いやぁ〜ウチの会社、東京本社にも揃いも揃ってアホがたくさんいますが、なんだちゃんと大阪支社にも同程度のアホがいるんだー、しかも上の方にたくさん!と妙に納得。
細井さん伝説も時系列が前後していますが、話は9月……細井さんが我が部署に入部して1ヶ月ほど経った頃の出来事に遡ります。
――あ、いえ、何を改まってるんだって感じですが、何かこう、細井さんの出来なさの具体例が受注票の振り分けミスしか記録していないので、こんなモンじゃないんだったら!という現実を記録しておかなくちゃと思いまして。
先日、約6年前の日記「愛蘭滞在記」のLimerick編(2002年9月)を読み直して、「うわ〜こんな大変だったんだ!」と当時のテンヤワンヤの毎日をスッカリ忘れていることに気付き、記録の大切さを再認識したっつ〜か。同時に、己の詳細に渡る記録に感心したっつ〜か。
話を戻して。
10月中旬に差し掛かっている今、私の細井さんに対する感情は悟りの境地に達しており、怒ることもなくなりましたが、1ヶ月ほど前は「このままでは私が病む……」と真剣に弱っていました。当時リアルタイムで会社から友人に宛てたメールがあったので、そのまま転載しておきます。
-----Original Message-----
From: 鷹瀬@会社
Sent: Tuesday, September 30, 2008 3:32 PM
To: 友人
Subject: RE: 連絡
明後日話せばいいのだけど、もうスマンが愚痴聞いてクレロ。
話したよね? 45歳のダメ男の話。でも土曜日とかにも出勤しちゃう
真面目な馬鹿男。太いのに「細井さん」。
その細井さんのお守り&尻拭いで限界だよ、アタシャ。
受注票の見落としで、9/9〜22の間に27件の未処理が残っててさ……。
さっき発覚したんだけど。(こんなの今までの1年半の間でもありえないミス)
担当は細井さんなんだが。目下、私と細井さんで各支店に平謝りの連絡中。
奴のミスなのに、詫び対応、27件中20件は私が処理してるよ。
同時に処理始めたんだけど、何をするにも奴の方が遅いから……。
このまま処理し続けると私が25件くらい処理することになりそうなので
今は意図的に処理の手を止めてる。
扱いの難しい支店は全部私が対応したんだが、ある支店からはめちゃ
低いテンションで「ってか、何が原因ですか?」って聞かれたよ……。
「担当者のミスです」って答えたけど、「細井さんのミスです」と言いたかったさ。
先週末も……×××した顧客にお礼でQUOカード3000円を送るのだが、
1000円カードを間違えて送りやがって、しかもそれが当の顧客からの
連絡で発覚。結局、間違えて送った可能性のある顧客を調べ出し、
ウチの部の人たちで詫びの電話掛け捲り。でも、これは別の人の指示の
下にやった仕事だから、スマンが私は原因追求などについては知らん顔。
しかし、私だったらそもそも細井さんに1000円カードは渡さないな……。
その前は顧客に郵送している会社の情報誌(季刊誌)があるんだけど、
その宛名ラベルのミス。ラベルに住所・氏名・顧客番号を印字するんだけど、
顧客番号が違ってる人がたくさん出てきて……。
EXCELファイルからの自動印字なのに一体どうしてそんなことに?!
と思って色々調べてったら、結局は細井さんが印字データの大本の
ある顧客の顧客番号を全セルにコピーしちゃったみたいで、その番号が
今回の郵送対象者の大部分の宛名ラベルに印字されてしまったと……。
部支店への直接の申し込みがあったとき、「宛名ラベルにある顧客番号を
教えて下さい」って聞くじゃん? それで多くの顧客が全然違う番号を
言ってくるので何かオカシイと発覚したの……。
いちいち想定の範囲外のミスをされるので、面倒見切れない……。
もうさ……無駄な仕事増えたよ、9月から……。限界近い……。
モラハラにあたるかもしれないけど、さすがに久々レベルの説教した。
女王(ボス)も、今まで細井さんがミスしても自分には何の被害も無かったものだから優雅に構えていましたが、宛名ラベルの印字ミスの1件で他部署から支店長経由で上から非難が集まり、ようやく自分が突かれるようになったものだからコトの深刻さに気付いたようで。このトラブルがあった後、臨界点ギリギリ「寄らば斬る」状態の私を呼び出して細井さんの近況報告面談ですわ。
女王 「……えーと……細井さんの調子はどうかな?」
鷹瀬 「最初から言い続けていますが、ミスは多いし、別にサボろうとしている訳ではないのが分かるので、逆に救いようがないと言うか……。ああいう人を押し付けられて、教育してだの面倒見ろだの言われても……。細井さんに仕事を振ると何かしらのミスがあるので結局全部確認している状況ですし、その確認にも限度がありますし、仕事は減るどころか増えてます。正直、私が全部独りでやった方が早いし確実だし楽なんですよ。でも、それじゃあ細井さんに何もしてもらうことがなくなってしまうから、もう今や意地でも何かさせようとして仕事を振ってるんですね。その方がよほど大変なのに。細井さんが来る前に『鷹瀬さんには迷惑かけない』とかおっしゃってましたけど、一体何の冗談だったのかと」
女王 「それは……こんなだとは思わなかったんだよ。それに、細井さんのことは鷹瀬さんに押し付けてるわけじゃないよ。鷹瀬さんの苦労はよく分かってるつもりだし。私も女帝(ボスの仲良し)も、鷹瀬さんがいない時には細井さんに『ちゃんとやったの?』とか声掛けてるんだよ」
鷹瀬 「横から気が向いたときにちょっと口出したくらいで細井さんの面倒を見ている気になられちゃ困るんですよ。私は細井さんに教えて、見守って、彼が何か作業する度に確認して、ミスが出れば対応もしなければならないし、女王や女帝とは根本から違うスタンスで細井さんと向き合っているんです」
女王 「そんなことないよ。QUOカードの件では土曜日に出てきて対応したし、宛名ラベルの件では支店にお詫びの連絡したし。私だってこのままじゃ管理責任問われちゃうからどうしようって真剣に考えてるのね」
鷹瀬 「いや、管理責任は既に私が問うてますよ。2週間ほど前から」
女王 「…………鷹瀬さんの言ってることはよく分かるんだけど……。でもさ、一体どうしてこんなミスが起こるのかな?」
鷹瀬 「ケアレスミスに理由はないでしょう。複雑なミスじゃないですし、単なる不注意レベルですから。まぁ被害はデカイですけど。私に言わせりゃ『一体どうして?』とか不思議に思っているのが不思議ですよ。前にも言いましたけど、もうこれは細井さんの責任じゃないと思います。ああいう人を管理職にして、管理職としての給料を払っているこの会社がオカシイんですよ。通常なら降格とか、仕事に見合った職位と給料に是正するべきですよね。細井さんがいくら貰ってるのか知りませんけど、報酬が仕事への対価なら、細井さんの年収の内100万円くらい私に寄越せと真剣に思いますよ。そうでないと真面目に仕事するのが馬鹿馬鹿しくなるでしょう? ってか、普通の神経の持ち主なら、こういう状況に置かれればモチベーションは下がりますよね。成果と評価と報酬が一致しないんですから」
女王 「…………」
私の荒みっぷりが伝わりますか。上司相手に終始上目線。女王が何か一言でも言おうものなら10倍返し。
普段から言いたいことは言う傾向が強いのですが、なかなかここまで言えることもありません。その意味では、ココまで言っても相手が黙らざるを得ない状況を作り出してくれた細井さんには感謝しなくちゃならない…………ンな訳ないか。イロイロ麻痺しているな……。
とにかく、「で? 今後細井さんをどうするつもりなんですか?」とまとめ上げた私に、女王の出した答えとは……。
女王 「細井さんに他の部に行ってもらうとしても、人事部に訴える材料として具体的な数字が必要なのね。だから、鷹瀬さん、申し訳ないけど、今後細井さんのミスを記録しておいて」
鷹瀬 「……は?」
女王 「簡単なメモ書き程度でいいから。どんなことで、どんなミスをして、どれだけの被害が出たのか。それを元に人事部に掛け合わなくちゃならないから」
…………そういう引導を渡す原因になりそうな寝覚めの悪いことを、私にさせるんですか……。汚いなぁ……。
趣味でこういう記録をつけるのは嫌いじゃありませんが(……え?)、細井さんの進退の直接的原因になりそうなネタ作りをするのは弱い子イジメみたいでヤな感じです……。こういうことは個人がすべきことではなく、会社として基準値に則ってすべきことなのに……。
いや、上司が部下の能力を評価するのは普通のことですが、私、細井さんの上司じゃないし。何度も言いますが、細井さんの方が職位は上ですし。管理職の上の方の人たちは、部下を管理し評価するという心的負担が大きな職務を背負っているからこそ、それなりの給料を貰っている訳ですから。給料安いまま、職位も給料も上の人の評価をさせられたんじゃ割に合わないっしょ。
9月〜10月上旬にかけて、このようにモヤモヤした状態が続いていたのであります。
9月〜10月上旬にかけてのモヤモヤ後の報告に移る前に、今度はいきなりリアルタイム、本日の記録をしてしまいます。鉄は熱いうちに打て。細井は太いうちに討て。女帝はアホなうちに撃て。………………駄目だ、乗り切れん……。
先週丸々1週間、ほぼ毎日のように血管が切れるんじゃないかと不安になるほどの強い頭痛に見舞われて、ヤダこれってもしかして脳梗塞の予兆なんじゃ?!と怯えていましたが、週末にスッキリクッキリハッキリ治ったので、なんだ単なる疲れか?と安心して本日出社すると再び頭痛が……。
……………なんだ、疲れじゃなくて、単なるストレスか……。明らか過ぎるゼ……。
煮ても焼いても太っていても細井さん(豪華になる枕詞……)の面倒を見ているせいで、私ってば段々怒りの沸点が高くなっちゃいまして、ちょっとやそっとのコトじゃ怒らなくなったもんデス。230度くらいにならないと沸騰しませんよ今。100度なんてヌルイってなモンですゼ。
さすが30代半ばにもなると人間丸くなると言うか、最近仏になったな〜と我ながら悦に入ったりもするのですが(※注:すべて自分で言ってるコト)、やっぱ身体は正直っつーか体質に合ってないっつーか、その拒絶反応の表現系がこの連日続いている頭痛なのではと……。ショージキ器ちっちゃいので溢れ出て大変ッスよ。――何がって? そりゃイロイロ。
このように私が明確に弱っていると言うのに、受注票の振り分けミスで散々被害を被っている隣の部署の仲良しさんが含みのある顔をして話しかけて来るのです。
「ねぇねぇ、聞いて〜。もーこれだけは君に報告しなくちゃと思ってたんだ」
こんな始まり方をする報告は大体ロクでもないコトが多いのですが……。
「先週末、君が帰っちゃった後、女王と女帝と××さんが残ってて、細井さんの振り分けミスが無くならないことに関して話し合ってたのね。『何でミスするんだろうねー』みたいな呑気なトーンで、私はもうそこからキレそうだったんだけど。そしたら女帝が『あ! いいこと思い付いたぁ!』とかキャピキャピしながら言い始めて、何だと思って聞いてたら、『本社ならHだから“ハム”、千葉ならCだから“チーズ”とか覚えればいいんじゃない?』だって」
…………ココはお花畑デスカ?? 耳からキノコが生えるっちゅーねん。 同じ部署に所属しているハズなのに、アフリカとアラスカくらいの温度差があるんですけど……。
ってか、女帝や女王って細井サンのこと可哀想だとか優しくしてあげてだとか抜かしているけれど、結局のところ彼のことを一番真面目に考えて一番真っ当に扱っているのって私じゃないっスかね……。ハムとかチーズとか、どこまで細井さんを馬鹿にしてんのかと。
うがぁぁぁぁあああああぁぁぁぁマジで血管切れちゃうぅぅぅ。
【追記】
昨晩、高校の同級生で脳外科医になった友人から電話が掛かってきて高校卒業ぶりに話をしましたが、医者やら弁護士やら海外勤務やら分かり易く華々しい世界の第一線で活躍中の同窓生らの現状を報告し終えた彼女が何気なく「――で? 鷹瀬は今何やってんの?」ですって。……モヤンとしました。
頭が少し残念な子の世話してる、とも言えず、「月〜金勤務、土日休みのフツーのサラリーマン」と答えましたが、本当に一体私は何をしているんだと我に返り……たくても、帰る先の「我」が見付からない……。ココハドコ? 私ハダレ? 人生迷ってばかり。
唐突ですが、先日の3連休中、正確には13(月・祝)に靴を買いました。勿論こんな書き方をするくらいですから、普通の靴ではありません。右の方にこれ見よがしに紹介されている特徴的な靴底のスニーカーこそがその靴なのですが……。
MBT(Masai
Barefoot Technology)――それは、「自然の不安定さ」によるトレーニング効果で健康的な生活をサポートする生理学的(フィジオロジカル)フットウェア。要するにトレーニング靴です。コレを履いて歩くと姿勢維持筋群を活性化させ、強化してゆきますよー、という健康オタクが飛び付きそうなシロモノ。
リンク先のサイトを見ていただけると詳細が分かるのですが、簡単に言いますと、靴底を柔らかく不安定にしたMBTを履くことで、身体の筋肉がバランスを取ろうとして活動が増加し、活性化すると。
MBTの背景たるや、健康オタクの心をくすぐる要素満載です。
まず開発したのがスイス。外人が日本製電化製品に過剰な信頼を寄せ、「SONY」と聞いただけでメロメロになってしまうように、私も人間工学系の製品はドイツ製やスイス製であるというだけで過剰な期待を寄せ、腰砕けになります。スイスが開発したモンだもの。良いに違いない、みたいな。根拠は特にありません。イメージです、イメージ。
続いて、完全対面販売でネット通販などは一切行っていないという点もマニアックで痺れます。販売員(トレーナー)が正しい歩き方を直接教えた人にしか売らないという職人気質で頑固な姿勢は、術にハマった者には好意的にしか映りません。「それだけこだわりがあるのね! むふーっ!」みたいな。鼻息も荒くなるってなモンです。
そして販売価格はディスカウント一切なしの定価販売のみ。しかも高い! 最新モデルは37,800円!――しかし、これまた術にハマった者には好意に拍車をかけるだけです。「値崩れさせないほど製品に自信があるのねっ!」みたいな。
この靴に飛びつき、夜な夜なリサーチしまくって買おうか買うまいかぐるぐる悩んでいたのは、実は私ではなく友人でした。その友人に付き合って販売員(トレーナー)の元を訪れ、友人が説明を受け、試着する間に横にいた私の健康オタク心に火が点き、「私もー」と試着し、一通りレクチャーを受けた後、悩んでいる友人を尻目に即行で購入を決意。
翌日からこのMBTを履いての通勤が始まりました。
履いた人にしか分からないこの不安定さ……堪りません。最初の数日間は上手く歩けないし、速くも歩けない。MBTで25分歩くだけでクタクタです。普通に立とうとするだけで踵に重心がかかり、そっくり返るような力が働くため、なるほど確かに全身に緊張感が漂います。この靴を履いて電車に乗ると、何かに掴まっていないと転んでしまいそうなほどグラグラ揺れ、これまたバランスを取ろうと全身がフル活動しているのが分かります。
――これでいいのか? これがトレーニング効果なのか?? イマイチ正解が分からないため、日々格闘中です。
さて。MBT購入記録がなぜ「細井さん伝説」なのか。話の終結にいきなり細井さんが登場するからです。
MBT購入数日後、友人からメールが……。
MBTと細井さんの調子はどう?
MBTと細井さんの調子を並列で聞くとは……なんて横着な問いかけなんだ!と思いつつも、ふと気付いた意外な共通点。
共通して言えるのは、どっちも【不安定】ってことかな……。
そしてその1週間後、友人から再び同じ質問が。
その後、MBTと細井さんの調子はどう?
……どちらも【不安定】→【微安定】というカンジか。
MBTの成長が細井さんの成長に比例している気がする。
………………こんな訳で、最近購入したトレーニング靴の報告に併せて、細井さんの成長記録をお届けしました。
スポーツの秋です。……と呟いて自分の立ち位置を確認して、と。
前回の日記でご紹介したトレーニング靴・MBTを履き始めて早2週間が経ちました。どんなに靴紐をキツく結んでも歩き始めるとすぐに解ける、という若干の苛立ち以外は問題なく履きこなせる……ようになってきた……ような気がしているのですが、正解がハッキリしていないため、「ふんふん。よし。? ふん。よし。?? よぅし。よし??」のように?まみれで歩いています。
こっ恥ずかしくってなかなか書けませんでしたが、実はMBTを初めて履いた最初の数日間は連日遅刻しておりました……。MBTは私の本来の歩行法である大股早足を全面的に禁じているので、徒歩10分の距離に15分もかかるのです。……ああコレ、分類で言うと「言い訳」なんですけどね。ま、それは置いておいて。
通勤における徒歩の割合が高いので、8時50分の朝礼にギリギリ間に合うように歩く速度を調節し、会社には8時48〜50分に無駄なく華麗に到着していたもので、MBTで歩行法が変わると言うのは意外ながらも相当ピンチな生活リズムの大変革だったのでありますっ。
遅刻と言っても本来の始業9時には間に合っているので、本人的には「まぁいいだろう」とか勝手に許可を下していましたが、対外的には8時50分の朝礼に間に合わない者は遅刻扱いです。14(火)〜16(木)は連日8時51〜53分くらいに出社、朝礼が行われている真っ只中、履きこなせていないMBTと悪戦苦闘中につきヒョッコヒョッコと間抜けなリズムで自席まで向かわねばならず、どんなにコソコソしてもそら目立ちますわ。木曜日には朝礼で叱られました……。
最近、細井さんのことがあって強気でしたが、こればっかりは一点の曇りも無く私の落ち度っつ〜か、駄目さっつ〜か……ま、私が悪いと自覚満々。さすがに4日目には不必要に家を早く出て、無駄に早く会社に到着してどうにか連日の遅刻記録更新をストップしましたが、会社での滞在時間は短ければ短いほど良いと思っているので、再びギリギリ出社狙いで家を出る時間をズラしてゆき、今ではMBTを考慮に入れてベストな出社時間に調整できるようになりました。ふー。
しかし、ここまでしてMBTを履いて出勤する己の最終目的地がやはりよく分からない今日この頃……細井さんの人生を「なんで?」とか不思議がってる場合じゃないッス。
世の中には確実に「奢られ上手」という人種がいますが、私はまぁ確実にそうではない部類に属す……どころか、むしろ積極的に「奢られ下手」という枠にド・ストライクで入ってしまうのだと思います。そもそもそんなに奢ってもらうような機会がない上に、時折あったとしても奢られる事態にそれ相当の必然性がないと「あ、自分で払います」と断ってしまうから……。
別にプライドが高いとか独立心が強いとかそういう問題ではなく、付き合いの浅い人に「奢るよ」と言われても、嬉しいと思うより先に「なんで?」と違和感を覚え、そんな違和感に苛まれるくらいなら別に貧乏じゃないんだし自分で払うよ、となってしまうのです。(お茶くらいなら奢られても嬉しいだけですけど)
かと言って奢って欲しくない訳ではありませんし、「いえいえ」「なんのなんの」の押し問答の末、結果として奢られると嬉しいことは嬉しいのですが、やはり何処となくモヤンとした気持ちが残るのも事実です。
――無駄に複雑に生きてるんですよスミマセン。
自分では正しい姿勢だと思っているのですが、見る人から見ればかなり可愛くない態度なようで、素直に奢られた方が自分も得だし相手も気分が良いのだとそろそろ分かってきましたが、未だに親しくない人から奢られそうになると何となく落ち着かず、つい「払います」などと言ってしまって、帰り道で「くそぅ滅多にないんだし奢ってもらえば良かった!」とか悔しがってます。
――自己矛盾を抱えながら生きているので結構疲れます。
ちなみに、親しい人や自分より明らかに豊かな人から奢られるのは好きです。親しい人には私もそれ相当のことをしているし、豊かな人は貧しい人に分け与えてこそ世の中循環するのだと思っているから。
話を戻しますが、「奢られ上手」な人はこの辺りの葛藤などまったくないようで、物凄く自然に奢られる態勢が整っていて、どんな状況下であっても他人が自分のために奉仕する事態に躊躇しないと言うか、何なら感謝の色もさほどなくアッサリと他人が身銭を切ることを受け入れます。
「奢られ上手」は奢られた後の態度は皆「あっさりしている」と一緒ですが、奢られるまでの行動は2通りに分けられる気がします。相手に奢らせるべく意識的に行動するタイプと、相手に奢ってあげたいと自然に思われてしまう無自覚なタイプ。
究極の奢られ上手は後者ですが、私が見るに世の中前者の方が圧倒的に多いようです。先に「××さんの奢りですよね♪」「ご馳走様です」と言ってしまうとか、食事が終わると何気なくトイレに立つとか、会計の段になると先に店を出てしまうとか。一般の交友場面では「奢られ上手」は女性が大多数ですが、ビジネスの場面では男性でも営業マンなどにはこの手のタイプはいます。
奢られ上手は甘え上手に通じる面が多分にあり、自分が上手く出来ないという理由も相俟って、そういう人種に生理的なイケ好かなさを感じるのですが、甘えられて嬉しい人は世の中少なくないようで、需要と供給が成り立っている以上、横からブーブー言うのも大人気ない。ここは私の本音を吐き出す場なのでこんなことを書いていますが、通常は知人がかなり露骨に周囲に奢ってオーラを発していても、強いて何も言わずに「やってんなー」と受け流しています。当然私は奢ってオーラを出すような人には意識的に何もしてやりませんが。
類は友を呼ぶものなのか、少し前に友人が、共通の知人Sさんについて全く同じようなことを言っていました。
「この前××のライブがあった時に一緒に行く人がいなかったからSさんを誘ったのね。そしたら丁度夕食のメニューを見ている時にいきなりSさんが『今日、私の誕生日なんです』とか言ってきて……。ああこの人、私に奢らせようとしてるな、って感じたから絶対に奢るもんかと思って『へー、おめでとう!』って軽くスルーしたのね。そしたら、ライブにたまたまAさんも来てて。Aさんって、鷹瀬さんは知らないか。ちょっとお金持ってるっぽいオジサンなんだけどさ。そしたらSさん、ご飯食べてる途中で『私、Aさんと仲良いんですよ。今日誕生日だし奢ってもらっちゃおー』とか言ってAさんの席まで行っちゃってさ! 前から『あれ?』って思うことが多かったけど、それ見てドン引きしたよ。
でも笑っちゃうの。AさんはBさんと一緒に来てて、仲良さそうにずっと喋ってて。Sさん、その話が終わるのをAさんの斜め後ろでずーっと待ってるの! 奢ってもらうために。で、ようやくSさんの存在に気付いたAさん、Sさんが後ろを通りたいのかと勘違いして椅子引いて、またBさんと話しててさ。全然Sさんに見向きもしなくて、Sさん手ぶらですごすご帰ってきてたの。性格悪いかもしれないけど、ザマァミロって思っちゃった」
「奢られ上手」の中でも私が嫌っているのは、自分でそれを公言してしまう人です。公言するということは自覚があるということで、自覚がある「奢られ上手」は、正確には「奢らせ上手」である可能性が高いからです。
もうひとつの観点もあります。正直、男性が「俺よく奢られるんだ」と言えば「お前どんだけ甲斐性ナシと思われてンだよ」と突っ込みたくもなりますが、女性が「私よく奢られるの」と言えばその言葉に隠された意味は「私ってモテるの」の婉曲表現なのだと思います。ジャンルで言えば自慢ですか。
そこで女帝の話になるのですが、女帝はよく自分で「あたしってよく奢られるんだ〜。モノとかもよく貰ったりするし」と自慢ばりに言っています。漫画のようですが本当です。
私だったら自分がよく奢られると完全に自覚している人間には絶対に奢りませんが、上手い具合に女帝の垂らした釣り針にガップリ食らい付く人も多いんだろうな〜と。同性からは不人気の女帝ですが、あの妙に甘ったれてクネクネした言動はヒットする人にはヒットするのかもしれません。私が「無能だな」と切り捨てている面も、甘え上手で可愛く(映る人には)映るのかと。
そんな基本情報を踏まえつつ。
本日昼下がり、女帝と細井さんが何やら話していて、細井さんが「スタバに行って来ます」と席を立ちました。ああ、女帝のパシリか……と横目で見ていると、同僚と女帝がお喋りを始めました。
女帝 「一番高いマンゴー・フラペチーノ奢ってもらっちゃった♪ 私アレ大好きなの!」
同僚 「え〜? 細井さんが奢ってくれるって? 本当によく奢ってもらってますよねー」
女帝 「そうなのー、ふふふ」
へ〜、細井さんも気前いいねぇ。でも言わせてもらえばアナタが迷惑かけてるのは女帝じゃなくて私でしょ。
――なんてコトをしっとりじめじめと思いながら、ま、関係ないしと会話にも加わらずに黙々と仕事を続けていると、女帝ご希望のマンゴー・フラペチーノと自分用の何かを買って、細井さんが戻ってきました。巨体を揺らしながらのっしのっしと自席に近付く細井さん、座る前にマンゴー・フラペチーノを女帝に手渡して、
細井さん 「はい、コレ。460円です」
――ん? 奢りじゃなかったの?
同僚にも同じタイミングで同じ疑問が過ぎったようです。顔を上げて何となく細井さんと女帝の遣り取りを見守る私たち。
女帝 「え〜奢りじゃないの〜? 細井さんの奢りだと思ったから一番高いマンゴー・フラペチーノにしたんだよー。(甘えた声で)奢って。ありがと♪」
そう言って、細井さんの返答を待たずに未払いのマンゴー・フラペチーノに口を付ける女帝!
ええええぇぇぇ? いい年した大人が正面切って踏み倒し?! びっくらこいた! 久々にびっくらこいたっスよ!
私が社内で白昼堂々繰り広げられた居直り強盗に心底ビックリしていると言うのに、同僚はこのワン・シーンにそれほどの違和感はなかったようで……女帝と笑い合いながら(何故か)細井さんにツッコミなんか入れちゃってます。
同僚 「細井さーん。女帝にだけ奢るなんてズルくないですか〜? お世話になってる鷹瀬さんや私にはないんですかー? ねぇ、鷹瀬さん?」
……気を遣って下さったのかもしれませんが、そんなフリを頂いても、さすがに私は乗れませんヨ。
鷹瀬 「えーと、ちょっと冷静になりましょう。細井さんは別に女帝に奢ってないですよね? あれはオゴリじゃなくてタカリです」
同僚は爆笑、細井さんは困ったように笑うだけ、女帝は若干居心地悪そうにしていましたが結局代金は踏み倒し。私が見ていた限り、最後まで細井さんに460円払わなかったナリよ! いいのか。ありえるのか。細井さんがイイなら私が口出すコトでもないけれど……。女帝と細井さんはとりあえずは仲良しに見えますし。
――ただ、自称「奢られ上手」な人の何割かは確実にタカリ上手(?)なんだろうな、と思ったのであります。
【追記】
奢りにまつわる美しい思い出は、前職の外資系A社在籍時にあります。
私より一足先に辞めることになった仲良しの派遣仲間と、最終日に一緒にフレンチを食べに行き、奢ることは内緒で「一番高いコースを頼んじゃおう!」とそそのかして会計時に華麗に一括払い!(←こういうサプライズが好きなんです) そらもう劇的に喜んでくれました。っつ〜か、涙ぐまれて怯むほど。
その半年後に私も辞めることになり「退職祝賀会しよ〜ぜ〜」と誘われ、いつもの食事会と同じだと思っていたら、半年前に私がしたことをされて感動しました。
「私が辞めたときに送別会してくれたでしょ。長くいた部署の人さえ何もしてくれなかったのに……いや、派遣だし、それはいいんだけどさ。鷹瀬ちゃんがサプライズ送別会してくれたじゃない? あれ、私すごく嬉しくて、感動して、鷹瀬ちゃんが辞めるときには絶対にお返ししようと思ってたんだ」
私もウッカリ涙ぐみそうに……。
奢ったり奢られたりっつーのは、いかに自分の金を使わないか、ではなく、いかに自分の金を効果的に使うか、に重きを置くととても素敵な出来事になるんですけどね。
自分のための記録日記ですので、エンタメ性は皆無です。
貴志祐介――最も好きな作家の1人であり、書くもの書くものどれも当たり、すべて傑作、という私にとって非常に貴重な作家さんです。
最初に巡り会った作品は彼の2作目にあたる「黒い家」(第4回日本ホラー小説大賞・大賞受賞作、映画化もされており恐らく貴志作品の中で一般的に有名)で、それ以後は「こんなに華麗なデビューで、次回作はコレを超えられるのかしら……」という一ファンの変な心配をモノともせず、「クリムゾンの迷宮」で唸らせ、「天使の囀り」で度肝を抜き、「青の炎」で号泣させてくれた激愛の作家。
この作家のこの作品は好きだけど、他は別に……ということは多々あれど、書く作品すべてが愛しい!絶対読みます!ついていきます何処までも!という現役作家は貴志祐介、奥田英朗、浅田次郎、金城一紀くらいです。
貴志祐介は有名な寡作作家なので、追うのが楽な分、待つ間に無駄に期待も高まる訳で、私のような過剰に期待する読者を毎回新鮮に満足させるその力量たるや恐れ入ります。
そんな貴志祐介が、「硝子のハンマー」、「狐火の家」の同シリーズで2作品続けてガッカリさせてくれたので、もう貴志祐介を追うのは止めようかなぁ……とグラ付いていたのですが、発行から数ヶ月経てようやく図書館の順番が回ってきた2008年1月の新刊「新世界より」をこの連休に読んで、貴志祐介の力量を少しでも疑った自分を恥じました……。
この作家は天才ですわ。想像力&創造力の天才。実在しない世界(具体的には千年後の日本)をあれほどリアリティ溢るる筋の通った世界観で、思想や宗教、政治だけでなく、生物学をも含めて緻密に表現・描写できる貴志祐介の筆力はもはや神レベルとしか言えません……。
もっとゆっくり読む予定でしたが、上巻を読み始めてかなり早い段階で止められなくなり、深夜から下巻に突入し、そのまま午前4時近くまでノンストップでした。読後、興奮してなかなか寝付けないほど。貴志祐介の創造力に圧倒されて動悸が治まらないのには自分でもビックリしました。
Amazonや楽天の評価を見ると評価は割れているようですが、それでも圧倒的にプラス評価が多いようですから、万人向けのエンターテイメントと紹介しても良さそうです。
内容については事前情報一切ナシのまっさらなまま読んでいただきたいので、あえて何も書きません。読み手を選びそうな作品ではありますが、それでもとりあえず活字に抵抗がないレベルの方には是非読んでいただきたい! 小説嫌いの漫画好きでも、「AKIRA」「20世紀少年」辺りが好きな方なら充分にのめりこめると思います。
貴志さん……一生ついて行きます。どこまでもついて行きます。毒を食らわば皿まで……ってな訳でもありませんが、もうこうなったら女弁護士と防犯探偵の密室シリーズでも尻込みせずに頑張って読みます! ああ〜〜幸せ〜〜〜。
奥多摩での紅葉狩りの帰り道、中央線でのほのぼの会話記録。
部活帰りの高校生男女複数人のグループ、男子学生がふざけていると女子学生がキレ気味に。
女子学生 「止めなよ。……止めなってば! もうっ! 止めろって言ってんでしょ! 止めないと友達止めるよっ!」
男子学生 「あれあれ〜? 友達以上になっちゃう?」
………………すんごい和んだ。青春イイナー。
設立当初から不安定だった我が部署ですが、5人の正社員が全員管理職、職位が下の者が上の者に指示を出し、スケジュールを決め、プロジェクトを進めてゆく……と不安定さに日々磨きをかけておりましたとさ。――しかーし! そんな状態が長く続くハズはナイのですっ!
私は元から「闘う相手は常に上、理不尽と思えば相手が専務であろうと即反論、猪突猛進、玉砕覚悟の正面攻撃」を生業にしているため(生業にしていたんだ……と自分で再確認)、上司との衝突もイマサラ〜な感覚で慣れ親しんだものでしたが、そんな私から悪影響を受け、今まで上司の理不尽な要求に唯々諾々と従っていた気の優しい同僚が、徐々に己の余りにも理不尽な扱いに疑問を持ち始め、明確に不満を表すようになりました。
女王 「だからさ、××さん、これも今日中にやって」
同僚 「……」
女王 「××さーん、泣きそうな顔してるよー。大丈夫?」(ふざけた調子で)
同僚 「泣きそうな顔なんてしてません。どれだけ理解してないんですか。angryですよ」(静かではあるが吐き捨てるように)
あえて英単語を使うことでアングリー(怒り)とあんぐり(呆れ)を同時に表現するとは……やるな!――と私が隣で大喜びしていた事実は置いておいて。(「そんなこと考えてもいなかったよ」と後に言われるコトに……あれ?)
これはこの同僚の元来の優しい性格を考えたら、物凄いレベルの対立意思表明なのです。幸か不幸か女王はこの台詞に篭められた深い怒りを全く理解していませんでしたが。
――というわけで、不安定だった我が部署に 女王&女帝
vs 同僚&鷹瀬 with 細井 という方程式が浮かび上がりつつあります。ポイントは何と言っても末尾の「with
細井」です! どの辺りにwithって来るのか、今日はもう眠いので後日。
【追記】
近い内にまとめたいと思っていますが、会社ってのは、社会ってのは、人の集合体ってのは、よほど幸運なレアケースを除いて、基本的には子供っぽくて稚拙で下らない場合が過半数を占めているんだろうな、と思うに至っとります。それが会社や社会や国によっては、大人っぽく振舞える環境もあると言うだけの話なのではないかと。良い国になればその確率が高まるだけなのだと。
今まで所属してきた大企業から弱小企業、外資系のいずれを見ても、更には今の日本の政治を見ても、目下繰り広げられている現実を冷静に観察すると、どう見ても特記すべきレベルの幼稚な事態がそこここで展開されているではないですか。
年内に国民全員に1.2万円ばらまいて、数年後に税金で回収?? 国家レベルの贈賄劇、はたまた朝三暮四をリアルで再現ですか……。日本国民、猿並みに扱われとるなぁ……。
つい先日まで「太いのに細井さん」ネタのお陰でハイペースで日記をつけていましたが、企画モノ【楽天市場でお買い物♪】を開設したら向こう10日分くらいのエネルギーを消耗してしまいまして……。あんな素っ気無い作りの1枚ページでも、ある程度量のまとまった新部屋を作るとかなりエネルギーを費やすようです。20代の頃はこんなページ、週末土日でエイヤァ!で仕上げていたのに……若くない自分を実感中。
今更ながらにこのサイトも今風(?)にスッキリさせたいとは思うものの、単純構成ではあるけれどリンクを含むページが多く、内容が増えるわけでもないのにレイアウト変更に注ぐ力が勿体無い、ってな訳で、9年前と変わらぬ構成で膨張し続けています……。この変化の激しいネット界において9年同じレイアウトって……我ながら役所のホームページかよ、と。
さて、眠いのでさくさくまとめ上げなきゃだわ。今日は別に細井さんの近況ではなく(私の日記なのに細井さんの近況かよ)、ネット記事で「!」と思うものがあったので記録しておこうかと。
「朝、時計が鳴る前に目が覚める」 働き盛りに多い「過緊張」 ほっておくと危ない
11月27日11時15分配信 J-CASTニュース
毎朝、目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。結構なことのようだが、本当は危ない症状なのだ。「過緊張」といい、それが疲れの原因になっているというのだ。働き盛りに見られる不眠、肩こり、体のだるさ、ほてり、女性に多い冷え症もそうだ。病気とまではいえないが、ほっておくとよくない。
■几帳面、まじめ、頑張りすぎが「過緊張」を引き起こす
「過緊張」とは、心や体の緊張が進んでしまい、ゆるめたくても自分ではゆるめられない状態をいう。病気というほどではないが健康でもない、いわゆる「未病」を引き起こす「元凶」ともいえる。
たとえば、毎朝、目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。体内時計が朝起きる時間を覚えているなどと自慢げに話す人がいるが、そんなことを言っている場合ではない。仕事へ出かけなければならないという緊張状態からくる一種の症状で、ストレスが溜まっていく前ぶれなのだ。
眠りが浅く夜中に何度も目が覚める、トイレに起きる。暑くもないのに汗をかいたり、あまり気づかないが喉や胸につかえを感じて呼吸が浅くなったりする。寝起きなのに肩が凝り固まっている。こうした症状も、過緊張が原因とされる。
何事にも一生懸命で几帳面、まじめ、頑張りすぎる人に多い。たとえば、緊張をほぐすために「運動をしなさい」というと、それがかえってプレッシャーになってしまう人は、自分の知らないうちに「未病」に陥るタイプだ。
≫以下続く…
うわ〜……ま・さ・に! 目覚ましが鳴る数分前に起きることが多く、「私ってば規則正しい生活を送っているから体内時計がしっかり働いているのね!(キラキラ)」とか勘違いしていましたヨ……。
自分では無自覚でしたが、私ってば緊張してるんだ……。几帳面で真面目で頑張り過ぎから引き起こされた現象なんだ……? …………そうかなぁ……。自己分析で、己の価値基準に沿う事柄には真面目である面では几帳面だとは思いますが、全体的に一生懸命では全然ないし、全体的に頑張り過ぎることも滅多にないと言い切れるんですけど……。運動もしてる方だと思うのになぁ……筋トレを一生懸命……はっ! これがイケナイのかっ?! そういうことなのかっ?!
何にしてもアタイが過緊張により目覚ましが鳴る前に起きちゃう一方で、細井さんはどーなのさ、と気になる午前零時。明日聞いてみようっと。
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