2004年3月の日常日記&コラム

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プー太郎満喫の半年からいきなりのてんてこまいまいまいな職場デビューです。覚悟が強大だったせいか、思ったほどは辛くありませんが、身体の不調なども相俟って、ちょっとばっかり気持ちはブルーです。日記における登場人物もご用意しましたので、どうぞご活用ください。

2004年3月の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 3/1(月) 初っ端からダッシュ  3/2(火) 加速する業務  3/3(水) だから残業は残業
 3/4(木) A社勤務に必要なもの  3/5(金) いきなりのエアスポット  3/6(土) 恨み節の婦人病検診
 3/8(月) ピンポイントの閲覧制限  3/9(火) 疲労慢性化  3/10(水) 見え隠れする本性
 3/11(木) 春うらら  3/12(金) 既に賃金交渉姿勢  3/15(月) 久し振りの定時
 3/16(火) 給料格差に愕然  3/17(水) A社的日常茶飯事  −




2004年3月1日(月)/初っ端からダッシュ  曇時々雨/残業 1:00
 いきなり週の初めから残業ですが、ムカツク前任者がいなくなって結構自分のペースで仕事ができ、大変ですがストレスはありませんでした。仕事も慣れていないのであっぷあっぷしていますが、慣れれば楽しいだろうな、と。そんな感じがします。
 人間、向いていることをするのと、向いていないことをするのではこんなに精神的疲労が違うんですね。しみじみと知りました。骨髄から知りました。


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2004年3月2日(火)/加速する業務  晴/残業 2:10
 今度の職場は、派遣として存在しているせいか、それとも会社の雰囲気なのか、人間関係が「サッパリしようと思えばサッパリ出来る」という、私にとっては天国のような会社です。(サッパリしないで色々暗躍しようと思うとそれも出来る会社らしい)
 ああこれが外資系というヤツか、と思っても正しいのか間違っているのか比較検討材料がないのでよく分かりませんが、とにかく気分的に楽に勤められます。正社員の方々もつるむことなく、個人個人がかなりバラバラに行動しており、それでいて周囲とのアッサリとした付き合いを両立させていて、やり易いな〜と感心してしまいます。

 今日も始業から終業まで全速力の約10時間でした。ちゅかれたちゅかれた……。でも分かったことは、暇な時よりも忙しい時の方が時間が短く感じられるのね、ということでしょうか……。きっとこんなことは誰でも既に知っている……。
 もうひとつ皆が既に知っていることとしては、残業はもちろん嫌ですが、向かない仕事で8時間拘束よりは、好きな仕事で10時間拘束の方が短く感じられる、耐えられるってコトでしょうか。残業は本当に嫌ですが。


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2004年3月3日(水)/だから残業は残業  晴/残業 1:55
 ひな祭りだってのに! お雛様をしまわないと嫁に行けなくなるってのに!! 「結構好きな仕事っぽいので、残業もそんなに辛くない」だぁ? だーれの言葉だこの野郎ッ!! 大体契約時の約束では、「残業は多い時で週に5時間くらい」ってことは、既に5時間を越えている今週は明日も明後日も定時帰りできンのかっつーのっ!! アタシが帰らないと家のPCが寂しがるのよっ!

 そりゃね、昨日みたいに納得する理由で残業をしている分には、もしくは余力がある場合にはまだどーにかこういう怒りも遣り過ごせるけど、今日の残業ってのはもー「本来ならばする必要のない残業」でして。前任者は上司Mさんに対して人間的な性質の面で文句を言っていましたが、私は今のところそういう面ではOKなのですが、仕事をする上で「どーなの、それ」という点がチラホラと本日見え隠れしていました……。
 まず、残業をする羽目に陥った経緯ですが、そもそもは昨日配信したメルマガに重要報告を掲載し忘れたという上司Mさんのミスによって生まれたものです。しかしそれはいい。そういうことは人間ですから、時々はあることだし。問題はその後で、では新たに本日訂正のメルマガを急遽配信してください、ということになり、その原稿を即行で作らねばならんというところから始まります。

 基本的に私の上司Mさんは非常に会議が多い方で、私は何をするにもこの上司Mさんの承認を貰わねば先に進めない仕事をしています。するとどういうことになるかと言うと、あとは上司Mさんの最終確認だけで仕事が完了、という場面になってからの無駄な待ち時間が長ぇ長ぇ。「多分OKだろうな」と99%自信があるものに関しても、とにかく上司Mさんの「ハイ、OK」という一言がないと身動きできないのです。
 そして当の上司Mさんは会議漬……。アイドルの出待ちヨロシク会議室の扉が今開くかいつ開くかとヤキモキしながら、長い時では1時間も待たされたりするのです。もちろんこの間も仕事を見つけて前倒ししている訳ですが、こんなことは明日すればイイということをしているものですから、「さっさと出てきてOKくれよ」と思うのは仕方のないこと。
 そんな苛付くワタクシに定時間際になって会議室から出てきた上司Mさんが言うことは、
「ハイ、これはOKだけど、もう1件作って欲しい資料があるんだ。ついでだから今日のメルマガ配信に掲載して」
 ………………今、定時30分過ぎなんですけど……。アナタにとっては「ついで」でも、私にとっては「新たな仕事」なんですけど……。何で会議室に入る前に指示を出しておかないんだ……というチリチリした苛立ちが芽生えます。
 どーにかこの苛立ちに気付かないように自制しながらダッシュで新しい資料を作成し、さぁこれでどーだ!と持って行くと、その間にも修正が入り、再び変更。再び作業。延びる残業。チリチリした苛立ちがジリジリしてきます。
 そして校正の最終段階で「この文章を入れてくれる?」とメール形式の文章をプリントアウトしたを持ってくるので、「すみません、このメールを転送していただけませんか?」と当たり前の注文をすると、
「あー、これ、昔のメールをいじったものだから、オリジナルはないの」
 ………………いや、オリジナルを転送せんでも、その弄ったものを転送していただければ充分なのですが……。プリントアウトが出来たんだから、その文字をそのまま転送していただければ、ワタクシわざわざこの量の文字を打たなくて済むのですが……。
 システム的なことにも余り詳しくない方のようなので(ってか、システムなんてレベルにもいない)、「プリントアウトできるものはメールで送れますよ」なんて突っ込んでも「このくらいの量、打てばいいじゃない!」と言われてしまいそうなので(言いそうだし……)、結局プリントアウトされた紙を見ながら文字を打ったのですが……効率悪いったら……。

 大体、私が作成している資料は毎度プリントアウトしてそれに赤ペンで校正を入れられるのですが、大幅な変更や直しならばともかく、元ファイルは共有サーバに置いてあるのだから、誤字脱字レベルのちょっとした修正は勝手に直してくだされば良いものを……。1文字1文字のレベルで私に直させようとするので結構疲れます。上に立つ人間は Word や Excel のような筆記用具の使い方自体を詳細に知っている必要はないと思いますが、テキストベースでの直しくらいはできた方が宜しいかと……。私が欠勤したら、彼女1人で仕事できるのかと心配です。ってか、これだけ私に押し付けている彼女が一体何の仕事をしているのか不明です。

 前任者が上司Mさんに対して随分ツンケンした態度を取っているのを見た時に、私は前任者側に問題があると思い、そんな酷い態度の前任者に周囲が同情的だったのを不思議に思っていたのですが、今にして徐々に「……問題は目の前の上司Mさんの方にあったのかもなぁ……」と思い始めています……。


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2004年3月4日(木)/A社勤務に必要なもの  晴/残業 0:05
 昨日のお話。
 周囲を見渡すと嘘か誠か会社にどっぷり浸かっている正社員ばかり。そんな中、毎日定時キッカリでキビキビと退社し、「仕事は仕事。プライベートはプライベート」と力強いオーラを発している正社員の方がいます。(部署は違うが同じフロア) 私はそんな彼女に好感を抱いており、お近付きになりたい……と思い、プリンターの近くの席の彼女に、何かプリントアウトする度に用もなく近寄っているのですが……。
 そんなお気に入りの彼女とちょっと話していたのですが、話し方も相俟ってとても面白かったので、彼女の言葉を忘れないようにそのままメモ帳にベタ打ちして、自分の家のメールアドレスに送りました。会社から配布された自分のメールアドレスを家のマシンに入れておきたいという理由もあったので、空メールを出すつもりだったのですが、丁度良い。
 そして「私@会社」から「私@自宅」へ送られた素っ気無いメールが以下です。
----- Original Message -----
From: "To-ko Takase" <tokotakase@********.com>
To: <takase@platz.or.jp>
Sent: Wednesday, March 03, 2004 7:18 PM

逆ピラミッド
smile と say "YES"
あきらめ
魂を売る

 …………分かるような分からんような内容でしょうから、解説をば……。
 1行目の「逆ピラミッド」は、彼女の「ウチはね、上に行くほど能力がないの」という言葉から来ています。
 2行目の「smile と say "YES"」は、「上に昇るのに必要なスキルは……」という言葉に次いで秘めやかに書かれた単語です。
 3行目の「あきらめ」は、「私たちに必要なのは……」という言葉に次いでゆっくりと、しかししっかりと書かれた名詞であり、4行目の「魂を売る」は「そうそう、これも必要だったわ」と言って書き加えられた言葉です……。
「私はね、コレ(smileを○で囲む)とコレ(say "YES"を○で囲む)とコレ(あきらめを○で囲む)の3つまではどうにか出来るんだけど、最後のコレ(魂を売るを◎で囲む)が出来ないから結構辛いのよねぇ」
 ………………重い……重いっス。まだ2週目だってのに、何だか色々見えてきちゃったなぁ……A社。
 でもまぁ会社はともかく、仕事内容は好きなのでそういうことに一切目を瞑って、それこそ「smile」(←現時点で結構頑張っている)と「say "YES"」(←現時点で結構頑張っているが、基本的に辛い)と「あきらめ」(←最近得意)で上司Mさんと付き合い、仕事は楽しもう。私は派遣社員なのよ。会社なんか関係ないわ。正社員じゃないから魂売る必要はないし。ってか、たとえ正社員でも魂売るにはもっと高級貰わないと。時給1700円じゃ魂どころか笑顔だって危ういのに。でもま、仕事よ、仕事内容こそが関係あるのよ。会社なんか……と、そこまで思ってふともう一度自分から自分に送ったメールに視線を投げると、小さいくせに存在感のある文字が。
逆ピラミッド
smile と say "YES"
あきらめ
魂を売る

 ………………こういう会社に勤めているのかヤッパリ。いや〜外からはなかなか分からないものですねぇ。はっは……はぁ……。

 あ、今日は執念で定時に上がりました。やれば出来るじゃなーい! ゼィゼィ。
 能率が良い人ほど給料の下がる派遣――納得行かない……。でもトーコ、1年……いえ、半年……いえ、とりあえず3ヶ月頑張るのよ!! ここでの経験を次に活かすのよっ! 今はスキル買いの時期って自分でも言ってたじゃない! え? 私そんなこと言ったっけ? 言ってたわよ! 今回くらいはせめて最初の3ヶ月は黙ってみなさいよ! 今トーコに必要な経験は「黙ること」よ! アンタ長い人生の経験の中でたまには数ヶ月単位で黙ってみなさいよっ! もう私既にかなり長いコト黙っている用に思うんだけどな……。たった9日じゃない! え? まだ2週間も経ってないんだっけ? 経ってないわよ! 大体アンタいつもいつも……

 ……………………脳内自己説得大爆発しております。


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2004年3月5日(金)/いきなりのエアスポット  晴/残業 0:40
 入社時からずっと全力疾走で毎日を過ごしてきましたが、本日漸く「業務時間中にすることがなくなりぼーっとする」という状況に見舞われました。初めてです、初めて! 今日くらいの密度の仕事だったら時給1700円でも納得なんだけどな。


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2004年3月6日(土)/恨み節の婦人病検診  晴
 色々ありまして、急遽就職から離れた話題で綿々と書き綴ったところ、1日分の日記としては異例の長さになってしまった上に、今後も長く引き摺りそうな話題だったため、番外編ページ【卵巣嚢腫体験記】を作りました。詳細はそちらで。


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2004年3月8日(月)/ピンポイントの閲覧制限  晴/残業 0:30
 残業時間を見ていただければお分かりのように、ぶっちゃけ余裕が出てきたのでしょう。社員の方々がいないときにコッソリと自分のサイトなんぞを覗こうとしてみました。が! 衝撃と言うか案の定と言うか、閲覧制限が敷かれていました……。
 Yahooオークションや窓の杜にも閲覧制限が敷かれていたので、要するに自社サイト以外はすべて駄目なのかと諦めていたのですが、これが驚いたことに基準の分からない閲覧制限だと言うことが本日判明したのです。どういうことかと言いますと、Yahooトップページのカテゴリから
トップ > ビジネスと経済 > 職業と雇用 > 体験記(33)
と下りて行くことができ、自分のサイトが見られないので当然他も見られないのだろうと、ふとトップに表示されたYahoo推薦サイト「会社生活の友」をクリックしてみると、何と表示されるではありませんか!
 ――はぁ? 何で? 何で「会社生活の友」は閲覧可で「脱サラ宣言!」は閲覧不可なの?! 意味分かンね!とばかりに1ページ目に表示された22サイトを片っ端からクリックしてみると、閲覧不能なのはウチを含めて7サイトのみ。アクセス数には関係ないようで、サイトの大小に関わらず見られないサイトは見られない、見られるサイトは見られる、と基準が全く見えません。どちらかと言うと閲覧できないサイトの方が少ないようで、ナニ一体私に何か個人的な恨みでもっ?!と、この閲覧制限をした張本人に詰め寄ってやりたい気分です。

 しかし裏を返せばA社の人たちは会社からこのサイトを見ることは間違ってもない訳で、ある意味これは会社に守られた状況下でのリアルタイム更新が可能なのかもしれません。彼らが家に帰ってまでネットサーフィンするような人種には見えませんし……ってか、会社でもネットサーフィンするような余裕はなさそうですが。


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2004年3月9日(火)/疲労慢性化  晴/残業 1:00
 週初めが30分の残業で帰れたものだからウキウキしていましたが、そんな事態は稀で、所詮1時間程度の残業は当たり前と思わねばならんようです……。
 最近家に帰ってもつまらん……どころかストレスが溜まる状況なので、友人と会ってストレス発散したいと思うのですが、残業が突発的に発生するため、癒しの場がありません。疲れて家に帰ると更に疲れる、みたいな。
 ああ……思い遣りのあるラブなダーリン(←誰?)と暖かい家庭を築きたい……。


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2004年3月10日(水)/見え隠れする本性  晴/残業 2:00
 タイトルの「本性」は私の本性ではなく、私の上司Mさんの本性を指しています。

 何と言うか評判の悪い上司Mさんですが、今日の今日までは何も被害を被っていない状況でした。私も、以前の職場での私を知っている人ならば「本当に鷹瀬か?!」と驚くほど黙ってニコニコ仕事をしていますし(マジで)、ふとした拍子に本性がバレるコトがないくらいA社に溶け込んでいませんし、上司Mさんも私のことをお客さんのように扱っており、お互いイイ感じで距離を作りながら付き合ってきました。
 私は私で、心の底から「この会社は私の会社じゃないワ」と思っているため、非常に心穏やかに勤めることができ、多少理不尽なことがあっても「全然良いと思わないケドあなたがそう望むならば」という仏の精神で仕事をしていますし、上司Mさんは上司Mさんで、私が辞めてしまっては彼女は正しく「部下のいつかない人」となってしまうため、彼女なりに努力して私と接して来たんだと思います。
 前任者&周囲から舞い込む情報は「どんな酷ぇ上司だ」というモノでしたが、直接の被害を受けることがなかったために、「深く考えるのは実際に被害に遭ってからでも遅くない」と我関せずをできうる限り通していました。

 ……微妙な過去形に先を予想してる人も多いでしょう。そうです。今日がデビューです。私のデビューではありません。上司Mさんの本性デビューです。

 私は定期的に発行されるメルマガ作成を担当しています。このメルマガ、それぞれの部署から記事の断片が送られてきて、私がそれを縫合し、わが部署から出る記事を加えて1つのメルマガにしています。基本的にこのメルマガは外部の顧客に流すものですが、当然社内にも流します。すると各部署からチェックが入り、「こうした方が良くないか」「ああした方が良くないか」との意見が上がってくることもありますが、最終的な判断は私の部署、正確には私の上司Mさんがしています。
 本日、「現在はA案ですが、これをB案に直しませんか?」という意見が他部署から上がりました。メールの宛先は私の上司Mさんで、上司Mさんはコレに対し「直すことは直しますが、B案ではなくC案にします」という返信をしました。このメールの遣り取りを「cc」で受け取っていた私は、とりあえず上司Mさんが提案したC案を作成し、他部署の方に「このようになりますが、如何でしょうか?」と送りました。……これがすべての始まりでした。
 当然私が出したこのメールには「cc」に上司Mさんを入れていたのですが、このメールが流れると同時に上司Mさんから部屋に来るよう内線がかかります。仕事の用件だろうと思って出向いた私を待ち受けていたのは、上司Mさんのこんなお言葉でした。
「あのね、鷹瀬さん。私がOKを出したものを、他部署の人にいちいち確認取るのは止めて
 ……まぁ、何と言うか……ワタクシ不注意にも女王様のプライドに触ることをしてしまったようです……。言われている内容自体は納得行くのですが、言い方が……。普通だったら「この部署でOKが出たら、他部署に確認を取る必要はないですよ」と言うのではないかと思うのですが、上司Mさんの主眼はあくまでも「私が」! 強い強ーい自己主張が見え隠れしています……。これも外資系の特色なのでしょうか……?
 今回のことはまだ日も浅いし「申し訳ありませんでした」で済みましたが、別の件でもこのレベルで突っ込みが入るのだろうなと想像できるので、前任者のあのブリブリした態度はなるほどこういうことの積み重ねだったのかも……と今更ながらに思うのでした。

 この上司Mさんとの付き合いも3週目に入り、何となく彼女の性格も見えてきました。そしてその見えてきた性格は、上司にするには厄介なモノだということも分かってきました。
 例えば文字校正などをして貰っても非常に性格がよく分かるのですが、他人の作ったものはとりあえず絶対直します。修正個所が見付からない場合には、「こんなのAでもBでも一緒じゃん」という個所を、AならBに、BならAに直します……。前回AをBに修正されたので、今回気を利かせてあらかじめBとすると、「Aにして」と直され、別の機会に気を利かせてBにしたい気持ちをぐっと我慢してAにすると、今度は「この前言ったと思うけど、Bにしてくれる?」と言われます……。
 どうでもいいようなレベルの修正が何度も入るので、自分で考えるのは止めようとロボットになろうとすると、
「鷹瀬さん、考えてる? 私に任せきりにしないでくれる?」
と、現実世界に引き戻されます……。
 このように、2年前の私ならブチ切れそうな事態に私はどう対応しているかというと、ワタクシ直せと言われれば「はい」、理不尽な言いがかりを付けられれば「申し訳ありませんでした」と応え、なーんと粛々と仕事をしているのです!!! 凄いよ私っ! 成長(?)したよねぇ!!
 物事を改善しようと思えば大抵の場合、戦いが生まれますが、「どーでもいーや」と思うとこんなにも会社生活とはスムーズに行くのですね。30歳にして初めて「事なかれ主義」に徹しております。正直、生まれて初めて! 毛色の変わった体験に、結構面白がっているし。いや、良いと思ってやっているのではなく、コレ今回の私の修行題目ですから。A社に愛情がないからこそ出来る修行ですね。

 実は今回、派遣という形態で働くからには徹底的にお客様になりきろう、文句を言わず淡々と仕事のみと向き合ってみよう。その代わりドライに仕事をこなして、余暇をすべて自分に捧げるんだ!と心に決めていたのですが、A社はそういう意味では最高です。
 業務が私好みでも、業界がどうあっても好きになれないジャンルに位置しているため、間違っても「A社の正社員になりたーい!」という希望は生まれてこないし、そのため「気に入られて正社員になりたーい!」という打算も働かず、だから無駄に一生懸命仕事をする、なんて間違った事態に陥らず、常に他人というポジションを築き易いからです。これ、変に自分の仕事が好きになっちゃったり、会社に惚れ込んじゃったりすると、やはり派遣という立場は辛いですからね。「大好きで思わず『2番目でいいから彼女にして!』なんて言っちゃったけど、やっぱり1番じゃなきゃイヤ!」みたいな泥沼になるのは御免ですし。

 こういう気持ちで仕事をすることが良いのか悪いのかはさて置き、初挑戦であることは確かなので、ま、数ある職場体験の毛色の変わった1ページとして今回の職場を過ごすつもりです。
 いや〜自分で言うのも何だけど、何社も渡り歩いているだけあって判断が早くなってきましたよ〜。これが良いことなのか悪いことなのかもよく分かりませんが……。


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2004年3月11日(木)/春うらら  晴/残業 0:30
 春でしょう、完璧に。てか暑いんですけど。
 休憩時間を遣り繰りして順天堂病院にMRI撮りに行って参りました。そして参りました。やっぱ駄目だ。順天堂、態度悪いわ。詳細は【卵巣嚢腫体験記】の第10章をご覧下さい。


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2004年3月12日(金)/既に賃金交渉姿勢  晴/残業 3:30
 ……はは、残業3時間30分ですって。1週間分の残業時間の間違いでは? 花の金曜日なのにっ!(涙)
 公私共にかなりストレスが溜まっているので友達と会いたいと思い、火曜日、水曜日、そして本日と、業務中何度も「今日会わない?」とメールを送って約束しては、定時間際に「やっぱ駄目だ。残業だゴメン」を繰り返していました……。

 本日もこの残業時間です。当然友人には会えませんでした。
 指示系統の不手際による残業のため、さすがの私も最後は笑顔が引きつり気味でしたが、21時を回ったところでそれでもどうにか「お疲れ様です。もう帰りますが大丈夫ですか?」と上司Mさんに尋ねました。すると上司Mさんのこのお言葉。
上司 「ハイ、お疲れ様。今日はもうOKです。でもまぁ家が近いから良いじゃない
 はぁっ?! 何その言い方?! そりゃ1時間以上掛けて通勤している人が多いこの部署において、私は家が近いかもしれんさ。でもそんなの関係ないでしょ! 家が近けりゃ残業してもいいんかい! アタシャ会社の隣に住んでたって残業なんぞしたくねぇ! 己と同じものさしで人を測るなアホ! 無関係なことを引き合いに出すな馬鹿! 貴様そんなだから部下が長続きしねぇんだよッ!――とまで思ってもキレず(いや本当なんですよ奥さん)、ぐぐっと堪えて笑顔(本人談)で一言捨て台詞。
鷹瀬 「ま、今日の予定は全部キャンセルしましたけどね。お疲れ様です。お先に失礼します」
 パチパチパチパチ! 頑張ったわよトーコ! キレずによく頑張ったわ!! 笑顔の大安売り! 大バーゲン! アナタ本当に今回は頑張ってるっ!!
 ……脳内で独り遊びでもしなきゃやってられませんヨ。ったく。

 昨日よりはちょっと肌寒い風を受けて、私は思ったのであります。ありゃ部下が逃げる筈だと。そう言えば人事部の人も頭を痛めていると聞きました。ならばソレはソレ。ある意味絶好のチャンスなのかもしれません。
よーし決めた。このトライアル期間が終わったら駄目元で賃上げ交渉してみよーっと。
 どんな状況にも突破口があるものさ。前向きに行こうゼ、ガッツだイェーイ!

 …………いやぁ、めげてないトコロを見ると、本当に今の仕事、向いているみたいです。自分でも感心しちゃうワ。職業選択って大事ね。


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2004年3月15日(月)/久し振りの定時  晴/残業 0:05
 先週末の
「今日の予定は全部キャンセルしましたけどね」
が効いているのでしょうか。今日は何だかサクサク帰れました。そして上司Mさんの物言いにも慣れてきました。
 上司Mさん、言い方がマズイだけで、そんなに悪い人ではないような気がします。少なくとも裏表がないような気がするし……。まだ分かりませんが、とりあえず現時点の私にとっては。

 今後の日記には何の説明もなしに数多くの社員たちが登場します。基本知識を詰め込んでからA社の現実に目を向けたい方は日記における登場人物をご一読ください。


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2004年3月16日(火)/給料格差に愕然  晴/残業 0:15
 自らが働くフロアでは必要以上に会話をせず、気配を出来るだけ消して、周囲に馴染まず、本性をひた隠しにしていますが(すべて本人談)、別のフロアに本音を話せる正社員のお友達を見付けました。32歳の彼女はそろそろ入社半年目に突入。既に「A社辞めたい〜」とのたまっています。
 気持ちも分かります。私がこの日記では触れていないA社の詳細こそが社員たちが辞めたいと思う理由の半分を占めているので、読んでいる方には納得の行く回答を提示することは出来ませんが、とにかくA社は正社員として勤めるには厳しい現実が常に付きまとっている会社なのです。

 人が長く居着かないA社――「社員は1年、派遣は2ヶ月」などというキャッチフレーズまであるようですが、そのくらい回転が速く、正社員になると1年未満か4年以上というように、ある種の壁があって、乗り越えられる人とそうでない人がはっきり分かれるようです。そして彼女は今、その壁の厚みに苦しんでいるようです。
 私は派遣という立場でA社に深く関わらずに済んでいるため、純粋に仕事だけしていれば良いという恵まれた立場におり、そのことを単純に喜んでいたのですが本日彼女の年収を聞いて凹みました。
 ――正社員32歳の彼女の年俸は600万円ですと。僕、残業しまくっても6割程度か……。社員並みに働いていても、これが正社員と派遣の違いなのね……とちょっと虚しくなった昼下がり。

 彼女はデジタルに弱いA社にて、頼りにされるインターネット要員として強く望まれて言い値で採用されたのです。日々22時頃まで残業、スキル的(英語+ネット関連の知識)にも時間拘束の面でもこの年俸に相当する仕事をしているのかもしれませんが、純粋にいいなーって。年収600万円いいなーって。外資系で賞与がないため月給は50万円! 月に50万円ってどんな世界? いいなぁーって!!!
 これで私が全く残業が無いなら彼女の6割程度でも全然OKなのですが、下手に残業して疲れるとちょっと今の給料じゃ安い……と不満が生まれてしまうのです。

 しかし別の見方をすれば、年収600万円貰っていても辞めたいと思うほど、A社の正社員でいることは辛いのでしょうか……? 正社員にならないと分からない世界があるのでしょうか……? 想像を絶するなぁ。私だったら600万円貰えたらそれこそ魂売っちゃうかもしれないヨ。
 そう言っていられるのは私が部外者だからかもしれませんが。


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2004年3月17日(水)/A社的日常茶飯事  晴/残業 1:00
 外資系だからなのか、単に社風なのか、A社には物言いがキツイ方が大勢いらっしゃいます。そしてそのキツイ方々の大半は女性です。と言うか、女性が過半数以上のこの会社の平均がキツイならば、割合の問題として、当然キツイ物言いをされる方の過半数以上も女性ということになるのかもしれません。
 単にハッキリ話すのでキツく聞こえる方もいれば、厳しいが故にキツく聞こえる方、本当に口調や言葉の選び方のレベルでキツい方など、キツさの在り方も様々ですが、少なくとも我が営業部には上記に挙げた3種類のタイプが揃っている気がします。

 例えば上司Mさんはハッキリ話すのでキツく聞こえることもありますが、私はこのタイプのキツさは平気と言うか好きなのでOKです。
 前任者によれば「上司Mさんは逆ギレするから最悪」とのことでしたが、今のところ私は上司Mさんに逆ギレされたことはなく、時々「言い方がなぁ……」と思うことはあれどNGレベルではないので、むしろ人間的にムカついていた前任者の言うことは無視しようと再度心に誓っています。
 文句を言うのは実際に被害に遭ってからにして、当面は目に見えるものだけを信じて行く――それがA社で生き残る術な気がするので……。

 貴公子などは厳しいが故にキツく聞こえるタイプかもしれませんが、深く関わったことがないのでよく分かりません。ただ貴公子とその部下・谷アナとの会話を聞いていると「貴公子、きっつ〜」と思うことが多々あるのは事実です。しかし嫌味っぽいキツさではなく、谷アナの仕事上でのミスに対する際の注意を含んだ厳しさなので、一方では仕方ないかなと思います。
 もっと他に言い方もあるんじゃ……とも思いますが、優しくするだけが思い遣りと言う訳でもないのかもしれません。可愛い子には旅させろの精神ですか? まぁそういう感じではなく、素なんだろうなと思いますが……。

 残るタイプは一番手に負えないタイプ、口調や言葉の選び方がキツい東さんです。入社当時は「いつもニコニコしている人だな」というプラスの第一印象があったというのに、いつの間にやら「うわ、嘘臭い笑顔〜。きっと裏で色々企んでるに違いない」という評価に傾倒して行き、今では立派な曲者印の第一人者となっております。
 テンパった時に彼女が見せる(恐らく)本性が嫌味にキツイ。自慢じゃありませんが、キツさでは定評のある私がそう思うのですから、普通の感覚の持ち主が聞いたら引くようなレベルと言っても過言ではありません。

 グループも違い、直接仕事を指示されることも無い東さんの言動が、直属の上司Mさんの言動よりも耳に入って来るのには理由があります。物理的な作業場での位置関係です。個室を持ってらっしゃる営業部No.2の上司Mさんよりも、机自体は雑多な中にありながら心は高貴な位に属すらしい営業部No.3の東さんの方が物理的に身近にいる上に、東さんは非常にアクションの大きな方なので、その言動が視界に入って来ることが多いのです。
 という訳で、A社営業部のNo.3、東さんの言動に釘付けです。私は会社というフィールドでこんなにキツイ物言いをする人を初めて見ました。
 いいですか? 何度も言うようですが、物言いのキツさでは定評のあるこの私から「キツイ」と評されると言うことは、キツさレベル10段階の9〜10段に相当し、気の弱い人ならばストレス性胃炎になってしまうほどの破壊力なんですよ?
 しかも個人的な付き合いの中ではなく、会社の中の、更には上司と部下という絶対的な権力を振りかざせる状況下でキツさが炸裂するので、端で聞いていて嫌な気持ちになります。東さんの何が嫌かと言うと、彼女は明らかにキツい態度を取る人間と取らない人間を線引きしており、その線引きが非常に明確に、「上司にへつらい部下に当たる」という二面性があるものなので辟易するのです。

 そんな訳で本日のヒトコマ。
 先週他部署から営業部に転部してきたばかりの入社2年半を迎える男性社員ガク君に、同じ東グループに属す先輩ロボさんが色々教えていると……
東 「ロボさーん、何も1から100まで教えること無いですから」
ロボ 「すみません、ちょっとこれは聞かないと分からないことだと思うので」
ガク 「あ、すみません。ちょっとどうしても分からないことがあったので……」

東 「資料を読んでも分からないの?」
ガク 「は、はい。ちょっと……すぐには……」
東 「何もすぐに分からなくてもいいですよ」
ガク 「はぁ……」
東 「一体何が分からないんですか?」
 コワ〜。ロボさんもガク君もタジタジ。横で聞いている私もタジタジ。
 文字で書くと普通に(それでもキツイですよね?)思われるかもしれませんが、この口調が……口調がっ!(涙) 何もそんな言い方しなくても……というピリピリしたコワイ声に見下すような声音……。
 入部してきたばかりで右も左も分からない、しかも今月末の大きな催し物に向け部全体がバタバタして忙しく、時間を割いて教えてくれるような人も周囲にいないガク君。そんな中、慣れない環境で日々フル活動で働いているガク君に色々情報を教えているロボさんに対する「1から100まで教えること無い」という言い方もどうかと思います。
 また、余裕がある時なら「何も直ぐに分からなくてもいい」、資料読んで解決しなさいという東さんの言い分も分かりますが、現在は部全体がテンパっている時で、少しでも効率良く仕事をするために新入部員ガク君にちょっと細かく教えるくらいイイじゃん……と私なんぞは思うのですが……。10分割いて教えて、その後手際が良くなって5時間節約できるって、そんな話でしょうに。

 存在を消している派遣社員、鷹瀬の心の内なんぞどーでもイイ。席に戻るロボさんの背中に被さるように再び部全体に響き渡る東さんの尖った声は続きます。
東 「ロボさーん、ところで××にはもう電話掛けて確認したのー?」
ロボ 「上司Mさんに一度確認してから電話を掛けた方が良いかと思いまして……」
東 「あのねぇ、上司Mさんには私が言っておきますから、ロボさんは早く電話を掛けちゃってくれません?」
 ………………東さんを採用したのはロボさんです(涙) そう、ロボさんは自分が採用した、年齢は同じでも後輩に当たる女性社員・東さんに追い抜かされ、今では東さんの部下として働いているのです……。侘しさMAX、人生って厳しいっすね。
 面白いのは、こういうことを言った後、やはりご本人、言い過ぎたと思うのでしょうか……「ねぇねぇガクくぅん」と甘えた声を出してみたり、ニコニコにターボが掛かったり、東的妙な揺り返しが起こります。そしてガク君もロボさんも(心の内は見当も付きませんが)笑顔でそれに応じるのです。
 ひ〜。みんな営業人種……真似できないよ〜……。

 こんな訳で、毎日変にハイテンションで、妙に殺伐としている不思議な環境で働いております。


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2004年3月の勤務表
 出勤日数 23日(うち休出 0日)/勤務時間 200:35  欠勤日数 0  有給休暇 0
 月残業時間 28:05  日平均残業時間 1:13  今月最高残業時間 3:30/12(金)
 【一言】 月に200時間以上働いたのは生まれて初めてです……。


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