2004年1〜2月の日常日記&コラム

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年末約1ヶ月のインド旅行からの帰国と共に新年を迎えましたが、今年の先行きを暗示するようにいきなり水下痢1週間っすよ。インドでは調子良かったんだけどなぁ……。帰ってくるなりコレかぁ……。

2004年1〜2月の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 1/1(木) インドからの帰還  1/5(月) 水下痢との付き合い方   1/7(水) インド旅日記公開中
 1/8(木) 検査結果はシロ  1/13(火) 検査結果はシロ再び  2/2(月) 未来の星の高校生
 2/3(火) 近い未来の赤紙徴兵  2/11(水) 現状ステイタス  2/14(土) 日本人に足りないモノ
 2/16(月) 怒りの矛先と諸悪の根源  2/18(水) 就職活動に終止符  2/23(月) 覚悟勝ちの初日
 2/24(火) イケる業務内容  2/25(水) 早くも眼下の現実  2/26(木) 善人への仕打ち
 2/27(金) ムカツク前任者  −  −




2004年1月1日(木)/インドからの帰還  晴
 去年末12月27日に帰国する予定でしたが、諸事情によりちょーっとだけ押して大晦日にインド発、元旦に日本着というドラマチックな日程に変更になりました。事態を見越しての変更ではなく、単に目先の都合で微妙に延期したに過ぎないのですが、この何気ない日程変更がいかに素晴らしい変更だったのか思い知ったのは、成田に降り立ち、京成線を利用した時でした。

 まず、エア・インディアを利用している時には周囲は皆同志だったために気付きませんでしたが、成田に到着し、他の飛行機から降りてくる乗客と私たちの間に、明らかに一線が引かれていることに気付いたのです。
 ………………インド帰りの連中、なんとなくダサイ、もしくは小汚いんですけど……。
 勿論インド帰りでもいかにもツアー旅行という方たちは比較的身奇麗なのですが、基本的にどこの国でも小汚くなるバックパッカーは、インドで落ちるところまで落ちたのか、本当にボロボロです。ビンディをつけているような人は別の意味で痛いし……。

 日本の透き通った空気のお陰で漸く我が身を客観的に見られるようになり、うわ〜……この格好で東京歩くのはちょっと恥ずかしいかな……と思いつつ京成線に乗り込むと、気のせいか空気がのどかで人が少ない……。
 ――そーかっ!!! 今日って元旦か!!!

 ま、元旦には元旦の乗客の増え方というものがあり、途中成田山への参拝客が増えましたが基本的には空いていました。ありがたいことです。
 地元の駅に辿り着いても、いつもは10時頃ともなれば大勢の人で溢れ返っている場所ですら静まり返り、インドでは通用しても日本では通用しない出で立ちのワタクシ、コレ幸いにと道行く初詣客から身を隠すように家路を急いだのであります。

 帰宅すると早々に瞼の母のお出迎え。こまめに連絡は入れていたつもりなのですが、それでもかなり心配していたようです。母はいつまでも母なのねぇ……。(同様に、父はいつまでも少年ですが……)
 砂漠で1週間連絡できなかった時は、「これから暫く連絡できないから」と言っておいたにも関わらず、遭難しているんじゃないかとそわそわしていたようで、旅の後半、「延期することになった」という報告を入れた暁には「帰ってきなさい」の連呼が始まったものです……。
 その愛しのママンの「お帰り」に次ぐ第一声がこちら。
「あら……何かアナタ、臭いわよ」
 ………………ま、シャワーは浴びてたけど、お風呂には約1ヶ月間入ってないしね……。毎度のシャワーもお湯が充分出ないから短かったし……。服も余り取り替えてないし……。
 それはともかく、母はいつだって子供への愛と現実を抱えて生きているのです。(父は自己愛と現実を抱えて生きているようですが)

 とにかく、元旦と言うこともありますが、東京の空気が澄んでいるなんて思ったのは生まれて初めての経験です。インドよ、ありがとう!!


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2004年1月5日(月)/水下痢との付き合い方  晴
 実はワタクシ、帰国日より本日まで絶え間ない水下痢に悩まされております。日本でも同じような症状のウイルス性胃炎が流行っているようですが、私の水下痢はインド最終日の12月31日から始まっているので、恐らく私を蝕んでいるのはインド製の何かだと思われます。
 ただこの水下痢、腹痛も熱も嘔吐感も何もなく、本人的には至って健康、体調は下痢を除けば万全なのです。ただ何か食べるとそれが1時間以内に速攻で液体となって流れ出てしまうだけで……。

 何度も言うようですが、体調は良好(?)なものですから食欲はあり、日本の食事旨ぇ!などとおせち料理をパクパク食べ、すると速攻トイレに駆け込む……と、ここ数日間思いっきり頭の悪い生き方をしています。
 正露丸を飲んでも効きません。
 暫く放っておけば治るだろうとのんびり構えていたら、症状はまったく改善する気配がない上に、1日軽く10回以上トイレに駆け込む生活……。こんな状態では外出できないということで、仕方ない、本日重い腰を上げて病院へと向かいました。
 また病院のすぐ近くに神社があり、屋台が軒を連ねているものだから、「お好み焼き」「じゃがバター」といった誘惑に打ち勝つのに苦労しました……。
看護婦 「こんにちは。今日は如何なされました?」
鷹瀬 「1ヶ月ほどインドに行って来たんですけど、元旦に帰ってきて以来、水下痢が止まらないんです」
 看護婦さん、一瞬間を置いて半笑いになっていました……。他にも順番待ちの患者さんがいましたが、すぐに診察室ではなくその奥の別室に通され、小さな棒付きのフラスコを渡されます。……当然ですが、検便です。
看護婦 「とりあえず便を調べないことには……。でも、何か心当たりはある?」
鷹瀬 「……毎日屋台で食べてたので、どれと言われてもすべてに対して疑惑が……。ひとつに絞ることはちょっと……」
 看護婦さんたち、再び半笑い……。煮え切らない奇妙な空気が流れます。
 とりあえず目下私の使命は便の採取ですが、外出するため朝から何も食べておらず、出るものも出ません。何か食べれば一発なのですが……。
 そうして長い間格闘し、その間にお医者さんによる診察を受けワタクシの現実を叩き付けられます。
医者 「考えられる原因は2つ。細菌か、寄生虫ですね」
 ………………別にどちらでも痛くも痒くもないから私はイイけど、どっちも(特に後者)家族に迷惑が掛かりそうで嫌だなぁ……。

 診察の後、お医者さんとのこんな遣り取りから、日本は異常に無菌状態だなーと痛感しました。
医者 「今、時間ある? なら応急処置として抗生物質を点滴しておきますね。薬も3日分出して、その頃には検便の結果も出ているだろうから、また来てください。今後の処置はその時考えましょう」
鷹瀬 「それまで私は普通の生活をしても大丈夫ですか? 気を付ける食べ物とかは……」
医者 「油っぽいものと冷たいもの、生ものは避けてください。後は普通に食べて大丈夫ですよ」
鷹瀬 「…………お好み焼きは油っぽいモノに属しますか?」
医者 「…………まさか、そこの屋台のお好み焼きのことを言ってるんじゃ……」
鷹瀬 「まぁ……そうなんですけど」
医者 「君ねぇ、ちょっと考えを改めなさい。日本の屋台なら安全だなんて思っちゃいけないよ。見ててご覧、あの屋台の水、どこで汲んでると思ってるの?」
鷹瀬 「あ、別に安全だと思っている訳ではないです。インドでも安全だと思って食べた訳じゃないですし。ただコレくらいのことでお腹を壊す人間にはなりたくないな、と思っているだけで。1度下痢すれば抵抗力もつくかなーって。その方が自分のためにも良いような気がするんですよね」
医者 「…………いいですか、バリなんかでも、お腹を壊したりコレラに罹るのは日本人だけなんですよ。日本がバリを汚染区域に申請しようとWHOに申し出たら、WHOから『腹壊してるのは日本人だけだ』って断られたくらいなんです。西洋人なんか全然平気でしょ。日本人は弱いんですよ。
 知ってますか? 一番安全な食べ物は回転寿司なんですよ。手袋を使って10分おきにアルコール消毒して作ってる。インドでこんなことは無理ですよ」

鷹瀬 「いや……端からインドにそんなことは求めてませんし、そういう日本の状況が良いとも思えないんですけど……。清潔は勿論良いことだと思いますけど、過ぎた無菌状態は異常だと思いますし、そんなだから今の子供ってすぐに病気になるんだと思いますし……」
医者 「それは確かにそうだね」
鷹瀬 「でしょ? やっぱりバイ菌に対する抵抗力って、普段からちょっとずつバイ菌に触れて行くことで高められるんですよね?」
医者 「そうですよ。だから僕たちなんか、病気になりにくいですよ。常に病原菌に晒されているから」
鷹瀬 「……それはカッコイイなあ……。普段の仕事中に抵抗力を鍛えているのかあ……。お医者さんって良い職業ですねぇ……」
医者 「…………別の意味でそう言われた事は何度もありますけど、アナタみたいな意味で言われたのは初めてですよ……。なんかアナタ心配だなぁ。屋台のお好み焼きなんてよく焼けてないし、中は生なんですよ」
鷹瀬 「あ、でもその理屈で行くと、持ち帰って家のオーブンで焼いて食べればOKってコトですか?」
医者 「……いや、そうですけど……。やっぱりアナタ何か心配だなぁ……。無茶しないようにね。私たちはインド人とは違うんだから。彼らが平気で食べているモノを、同じように食べられると思っちゃダメだよ」
鷹瀬 「私は何もインド人レベルに無敵になりたい、って言ってる訳じゃないんです。ただ世界平均レベルくらいに、普通に病原菌に対しての抵抗力をつけたいって思ってるだけで」
 それで薬飲んでちゃ世話ないのですが。まあ、酷くなれば薬で対処するけれど、出来得る限りは自力解決というのがモットーなのです。
 どこまで私の言い分を分かってくれたのか、呆れたような困ったような顔で笑っちゃってるお医者さんと、やはり後ろで笑っちゃっている看護婦さんたちにお礼を言い、診察室を後にしようとすると、去りかける私の背中にお医者さんからの最後の最後の一言が。
医者 「無茶するなよー」
 日本の屋台のお好み焼き食べるなんて、無茶じゃないがな。
 病原菌との共生なんて、昔は普通のことだっただろうに、もっと普通に菌がある中で生活したいんですけど……。抗菌グッズとか、私的にはかなり薄気味悪いと思うのですが……。

 とにもかくにも腹痛も何もなく、食べたら出ちゃうなんて、食べ時とも言います。こんな機会を逃す手はありません。一応、散々お医者さんに諭されたため、オーブンで焼いてから食べましたが……。久し振りに食べた縁日のお好み焼き……インド帰りと言うこともあって美味しかったです。日本は本当に食べ物天国だなぁ。


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2004年1月7日(水)/インド旅日記公開中
 インドの写真集および旅日記を【息抜き写真館】内「India」に公開中です。本日はデリー(1)と食べ物のみをアップしましたが、それだけで徹夜作業……。道のりは長そうです……。
 お暇な方はこちらからどうぞ。


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2004年1月8日(木)/検査結果はシロ  晴
 大晦日から始まっている水下痢ですが、5日に病院から頂いた薬により快方へ向かい、ほぼ終息したと言っても良いでしょう。しかし細菌性の場合、最後まで叩ききっておかないとぶり返す可能性があるので、とりあえず検便結果も知りたいし、再び病院に足を運びます。
 インド旅日記も書かねばなりません。とっとと結果だけ行きましょう。


寄生虫検査の結果=陰性

 寄生虫はシロでした。分かっていた(?)とは言え、やはり嬉しい。
 「いやー、頂いた抗生物質で良くなって来ていたので、寄生虫じゃないなとは思っていたんですよー。あっはっは」と余裕綽々に喜ぶ私に、お医者さんは脅しの体制を崩しません。
「これは、オスだと卵産まないから分からないってこともあるんですよ。それにまだ大腸菌の検査結果が来てないから、そっちの結果が出揃ってからでないと安心は出来ないね。大腸菌の検査結果は多分今晩来るから、安心するのはそれがハッキリしてからにしなさい」
 私が何を言っても「大丈夫ですよー。死なないし」と言ってばかりなものだから、お医者さんは却って深刻っぽく振舞うのかもしれません。
 とりあえず現在服用している薬をもう2日分追加され、これが終わった時には大腸菌の検査結果が出ているだろう、ということで本日の診察は無事終了。お医者さんからの最後の一言は前回同様、
医者 「無茶するなよー」
でした。単に口癖なのかも。


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2004年1月13日(火)/検査結果はシロ再び  晴
 分かっちゃいたけど嬉しいものです。


大腸菌検査の結果=陰性

 これで晴れて綺麗な身体になりました。さーいよいよ言い訳もなくなったところで職探しだー!


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2004年2月2日(月)/未来の星の高校生  雨
 最近……と言うか、正確には数年前からニュースを読むのが苦痛です。とかく経済状況のみに重きを置きがちな日経新聞だけを読んでいる社会人は「景気が悪い」ということを嘆いているようですが、私はそれよりも日本のみならず世界に蔓延する歪んだ空気に息苦しさを覚えています。
 国内で気が滅入るニュースNo.1は殺人事件でしょうか。政治や社会欄にも気が滅入るニュースは多々ありますが、殺人と言うのはその最も表層にある分かり易い表現形の一種なので、知れば直接的に気が滅入るという訳です。多くの人が感じているように、最近の殺人は異常で異様なものが急増している気がします。「積年の恨み」や「感情のもつれ」などが理由として見付からず、非常に安易で非人間的な経緯が当たり前になってきているようで、本当に気分が暗くなります。
 殺人事件に限らず、とにかく最近ニュースを読んでいてニッコリすることなどほとんどなく、イライラするか激怒するか、どう転んでも負の感情ばかりが募って遣り切れません。

 スポーツ界や芸術界ではチラホラ見られる「世界に誇れる日本人」も、思想や社会的活動という意味では存在していても取り上げられないだけなのか、滅多に話を聞きません。
 人間のタイプで好悪感情をざっくり分けるならば、私は「輝ける老人」が最も好きで「淀んだ若者」が最も嫌いなのですが、最近私の大嫌いな「夢も希望も目的も持っていない諦観に満ちた若者」が急増しており、その事実を確認する度に疲れてしまうほどなのです。
 そんな中、本日「君のような人を待っていた!」という高校生が綺羅星の如く現れたので、知っている方も多いかとは思いますが、とりあえず掲載しておきます。私はこのニュースでかなり幸せになれました。たとえ対する自国首相の応答に絶望したとしてもね。

5300人署名集め首相に”直談判” 宮崎の高3・今村さん 内閣府に提出「軍隊の撤退を」

 平和的手段でのイラク復興支援を小泉純一郎首相に求め、一人で署名活動に取り組んでいた宮崎県三股町の高校三年生、今村歩さん(18)が二日、首相あての請願書と五千三百五十八人分の署名を内閣府の担当者に手渡した。今村さんは「みんなの気持ちを小泉首相に届けたくて、直接持ってきた。ぜひ首相に勇気ある行動を取ってほしい」と話した。内閣府は同日午後にも首相秘書官まで届けるという。
 今村さんは昨年十二月十日から、高校の知人らに呼びかけ、署名活動を始めた。次第に活動が広がり、国内だけでなく米国やオーストラリアからも郵送してきたという。
 請願書では「イラクには雇用、電気、ガソリンなどが必要で、自衛隊派遣では本当の支援はできない」などと指摘、小泉首相に「イラク国民を傷つけないために、各国に軍隊の撤退を呼びかけてほしい」と求めている。また、米国の武力による解決は「非民主的」であり、劣化ウラン弾やクラスター爆弾の非人道性を日米両政府に認めるよう求めている。
 今村さんは、イラク戦争終結後もテロが頻発していることを知り、「暴力の連鎖を断ち切るためには平和的な解決が必要だ」と思い、小泉首相への直談判を決意したという。この日、母親の理絵さん(44)と上京した。

(西日本新聞)[2月2日14時47分更新]

<小泉首相>高校生のイラク復興支援署名で教育に注文

 小泉純一郎首相は2日、宮崎県の高校3年生が武力に頼らないイラク復興支援を求める5358人の署名を提出したことについて「よくイラクの事情を説明して、なかなか国際政治、複雑だなあという点を、先生がもっと生徒に教えるべきですね」と述べ、教育のあり方に注文をつけた。首相官邸で記者団に感想を聞かれ答えた。
 首相は「署名を読みましたか」との記者団の質問に「いや、読んでません」と述べた。さらに「読む考えは」と聞かれ「自衛隊は平和的貢献するんですよ。学校の先生も、よく生徒さんに話さないと。いい勉強になると思いますよ。この世の中、善意の人間だけで成り立っているわけじゃない。なぜ、警察官が必要か、なぜ軍隊が各国で必要か」と語った。
 首相の発言は自衛隊派遣に理解を求めたものとみられるが、教育現場にこうした対応を促す趣旨の発言は今後、論議を呼ぶ可能性がある。

(毎日新聞)[2月2日20時58分更新]

 イラクに対する自衛隊派遣の賛否はともかく、日本の未来を担う若者が考えた末に必死の思いで起こした行動に対して、署名を読みもせずに「国際政治は複雑なんだよ」などと最も安易で曖昧な言葉でその場を逃げ、最後まで明確な回答をせず、挙げ句の果てには教師のせいにしてバッサリ切り捨てる。これが私たちの国のトップのやり方ですか。本当にこの方はパフォーマンスだけには力を入れるようですが、政治家としても人間としても最悪ですね。
 私自身は派遣に反対ですが、「反対だから賛成の小泉は駄目」と言っているのではありません。首相としての言動、国民への対応が駄目と言っているのです。
 青少年の扱いが非常に難しくなり、教育とは何かと盛んに叫ばれる中、首相自ら「若者と向き合わない」「話し合いはしない」「理解しよう or してもらおうと努力しない」という態度をアッサリ取っておいて、言った台詞が「学校の先生も、よく生徒さんに話さないと」。この台詞、「一国の首相も、よく国民に話さないと」とそのまま返してやりたい。教師が生徒に物事の道理を話すよう言う前に、まずは貴様が国民に物事の道理を話せっちゅーの。

 子供には複雑だから分からないよ、と思い込むのは勝手ですが、首相の回答を待っているのは高校生・今村さんだけではありません。そしてこの一連の出来事は署名という形態を取っている以上、首相と高校生との個人的な遣り取りではなく、首相と国民の公的な遣り取りなのです。首相には誠実に対応する義務があります。
 個人的に言わせていただければ、高校生18歳でこのような行動を起こした今村さんと、首相62歳で訳の分からない言動しか出来ない小泉氏とでは、人間の器はどちらが大きいか余りにも明白だと思いますが。

 小泉に対する絶望は今に始まった訳ではないのでヨシとして、こういう高校生が現れたことに気持ちが明るくなりました。この件に関する批判の中には「綺麗事じゃ政治は語れないんだよ」という「オトナ」を振りかざした意見もあるようですが、綺麗事を言える高校生が存在しているというだけでも私はかなり嬉しいです。そしてそれをサポートする環境があったという事実にも和みます。
 私は綺麗事が言えなくなったら世の中オシマイだと思っているし、「世の中ってそんなモンだよ」なんて台詞はくたびれたオトナだけでお腹一杯。世の中に複雑な事情があるのは当たり前ですが、「人を傷付けるのは嫌だ」という純粋な想いを「子供の論理」と切り捨てるような人間が少なくないこの現状は、結構ヤバイと思うのでした。


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2004年2月3日(火)/近い未来の赤紙徴兵
 昨日小泉に「武力に頼らないイラク復興支援を求める署名」を提出した女子高生の話題は、昨日の夕刊に「提出した」というところまで小さく掲載されましたが、その後の小泉の反応「いや、読んでません」に関して、本日の朝刊ではノータッチでしたね……。これだけ完全に記事が見当たらないと何やら作為的な空気を感じてしまいます。
 イラク派遣の陸上自衛隊本隊第1陣の約90人が本日午後2時40分に北海道から発ったというビックニュースに掻き消されたと言うよりは、この関連性の高い話題に一切触れなかったのは、やはり首相の対応のまずさが際立っていたからなのだと推測されます。ツッコミどころ満載の頭の悪い回答でしたからね……。

 さて一方で……と言うかこれがメインですが。いよいよイラク派遣です。
 イラクに向かう派遣隊員を見送り涙ぐんでいる家族たちの光景が、見たこともない第2次世界大戦の赤紙徴兵に重なり、この小さな第一歩が今後大きな流れに沿って明確な目的地に突き進んでいるように思えて非常に恐かったです。
 どうやら世の中を見ると、若者の中に自衛隊派遣に賛成している人がかなり多いようですが、では彼らは自分たちが行かねばならないという状況に置かれたとき、それでも「世界平和のため」と進んで行動できるのでしょうか。とてもそうは思えないのですが……。
 私的には、とてもシンプルに「自分がやりたくないことを他人に強制するのは間違っている」と思っていますし、大原則だと思っています。そしてこの大原則に従って、「だから賛成なら止めないから、まずは賛成している君がイラクに行きなよ」と極々普通に思っています。しかしこういう大原則はシンプル過ぎるせいか無視され、あたかも「俺たちはもっと高尚な話をしているんだ。政治の分からないガキは引っ込んでろ」という反応が返って来るのです。そしてそういう反応を返す人たちが実際にイラクに行くことは絶対にないのです。

 そもそも日本の自衛隊がイラクに行くことが世界平和を促しているとは思えません。大体、開戦根拠である「フセイン政権が大量破壊兵器を保有している」という大義名分は事実無根だったことが明白になった今、それでもイラク攻撃に執着しているのは石油が大好きなアメリカの事情であって、世界の事情ではありません。ましてや日本の事情である筈もありません。
 私にはこのイラク自衛隊派遣が「世界平和のため」ではなく、単に「アメリカのため」に見えて仕方ないのです。

 以前はよく事情も知らずに「自衛隊がこういう状況に立たされるのはある程度予測すべきこと。自ら入隊したんだから自業自得」と浅はかに考えていたのですが、今回の派遣案が出た頃に自衛隊員の兄を持つ男性のホームページを読み、「自衛隊に所属している」ということが必ずしも本人の希望ではないということを思い知り、それどころか彼らが社会的弱者である可能性に気付かされました。
 そのホームページには、苦しい家計を支えるために自衛隊員になった兄がイラクに行くことになった経緯、兄を失うことへの恐怖と怒り、今後の生活への不安などが綴られていました。ちょっとリンク先を探しても見付からないので紹介できませんが、興味がある方は「自衛隊 派遣 兄」のキーワード検索で探してみて下さい。
 何にしても、様々な事情で自衛隊に属している方の、命の危険に晒される理由がアメリカでは堪りません。責任を果たせと言うのなら弱者にそれを押し付けるのではなく、自ら責任を果たして欲しいものです。いや、それ以前に、この責任を果たす方法が本当に正しいかどうかの検討から始めるべきではないでしょうか。

 「派遣反対」に対する反対意見は、「日本も責任を果たすべき」「反対するなら代替案を出せ」「平和協力して何が悪い」というものなのですが、代替案は各方面から出ていますし、その代替案が「経済支援を」という形になると「金だけ出すなんて駄目だ」と切り捨てられてしまいます。700兆に迫る赤字を抱えた国が他国の経済支援するなんてメチャメチャ立派なことだと思うんですけどね。国民がヒィヒィ言いながらサービス残業して稼いでいる金ですよ。
 別に金を出すだけが代替案という訳でもありません。サマワでは「必要なのは軍隊じゃない。雇用だ」という意見もあるようですし、日本はまず「イラクで何が求められているのか」を検証することから始めるべきだと思います。こちらが誠意のつもりで自衛隊を派遣しても、相手が必ずしも感謝しているとは限りませんし。

 「反対反対って、反対の奴等は何も考えていない」という意見を見かけましたが、それを言うなら逆もしかり。「賛成賛成って、賛成の奴等は何も考えていない」とも言える訳で、実際には考えている反対派も、考えている賛成派も勿論いると思います。ただそう言った人たちが冷静に意見を交換する場所は、今の日本には全くないというのが現状だと思うだけで。
 それ以前に、私は賛成派の人が「自衛隊を派遣することが世界平和に繋がる」と考えているのだとしたら、「そうとも言えない」という見方があることも是非考慮して貰いたいのです。

 国際貢献の方法は何も自衛隊を派遣することだけじゃないというのが反対派の基本理念だと思いますが、賛成派の人の「この身体(ってか他人の身体)をもって社会貢献しなきゃ駄目」という理念の前には、代替案を出しても切り捨てるだけで、決して「どうにかより良い代替案を考え出そう」という話にはなりません。そうなるとやっぱり私なんかは思うワケです。「じゃあ派遣に反対しないから、まずは賛成している君が行け」と。
 今のところ「反対だから署名を集めた」という高校生は見掛けましたが、「賛成だから自衛隊じゃないけどイラクに行ってきます」という人は見掛けませんがね。

 当事者になりうる若者に意外に多い派遣賛成を不思議に思っていると、戦争経験者からのこんな意見を聞きました。
「要するに、戦争を知らないのよ」
 想像力って結構広範囲で物事を解決する原動力になると思うのですが、そういや日本人の最も苦手な分野だったなとふと思うのでした。

 とりあえず、下記の現地のレポートを読んで「自衛隊派遣が世界平和のためと思っている人はどう反論するのかな」と思っています。「こんなのは嘘だ」ってコトになるのかな。

イラク派遣の自衛隊 「勇気ある撤退」すべきだ 斎藤義彦(バグダッドで)

 イラク南部サマワで自衛隊を取材した。隊員は確かに懸命に働いている。しかし「今からでも遅くない、撤退すべきだ」というのが率直な感想だ。自衛隊派遣は矛盾に満ち、見当違いが明らかだからだ。
 サマワで自衛隊員は遠くにいても簡単に識別できる。砂煙で真っ白になる世界で、緑の迷彩服は目立つ。周囲から「浮いている」姿は自衛隊の現在を象徴している。
 サマワでは「日本企業はいつ来るのか」と何度も聞かれた。ある電器店員の男性は「軍隊はいらない、欲しいのは雇用だ」と言う。サマワ市民の本音だと思う。
 日本政府は大きな「雇用幻想」を作ってしまった。「600人雇用」という数字を市の担当者が真顔で語る。日本政府の言う数年間の「長期支援」は、日本企業の巨額投資と受け止められている。
 政府がうそをついたのではない。サマワでは「うわさが事実化」するのだ。昔の日本のようにサマワの世間は狭く、うわさはすぐ広がり「真実」となる。また「必要なことはすべて日本がやる」(サマワ総合病院長)という強烈な期待感が、親日感情を支える。
 怖いのは日本が雇用を作らないと分かった時だ。身に覚えのないことで「裏切った」とされ、敵意の対象にされる。サマワのオランダ軍が「雇用は作らない」と断言したのをなぜ見習わなかったのか。傷が浅いうちに手を引く方がサマワ市民のためだ。

 サマワ周辺の治安が「比較的安定」しているという先遣隊報告も信じ難い。1月24日、サマワから北に車で30分のハムザで、トレーラーを略奪する集団を取材しようとして、男数人から銃撃を受けた。負傷しなかったが、サマワ近郊での発砲は衝撃的だった。
 同じ日にサマワで起きた警官射殺事件は、こうした盗賊集団の犯行と警察は見る。警官が白昼堂々射殺される町の治安がどうして「比較的安定」なのか。それが「自衛隊は攻撃されません」という意味なら市民の生命を無視した考えだ。市民が簡単に殺される地域で復興などできるはずもない。

 むしろ心配なのは、無法者と自衛隊が遭遇し、自衛隊がイラク人を傷つけることだ。日本の武力が戦後、初めて海外で人を殺す可能性は十分にある。
 私が略奪現場に近寄った理由は、警官が近くで検問していたからだ。しかし、銃撃から逃げた後、警官は言うのだ。「なんで近づいたんだ。私たちでもどうしようもないのに」。「無法地帯をなくすという外国軍の仕事はできていない」と地元警官は話す。増強すべき警官は、人口15万人のハムザで現在92人。自動小銃の警官に対し、軍隊崩れの盗賊集団はロケット弾で応戦する。「盗賊はおれたちより強い」とある警官は話す。サマワでも警官は「装備は全く不足」した状態だ。警察が反米勢力へと転化するのを恐れ、米英軍が装備を渡さないことが背景にある。

 サマワを出れば自衛隊派遣の矛盾は明確だ。他都市の住民は、自衛隊がサマワ周辺だけを復興することに「なぜこちらも助けないのか」とねたみをあらわにする。また、旧フセイン政権支持者の多いイスラム教スンニ派の町では「自衛隊は石油のために占領軍に協力している」という怒りの声もあがる。ヨルダンでも「仲間だった日本がなぜ米国に協力するのか」という失望の声を聞いた。自衛隊派遣で、中東で作りあげてきた「平和な日本」のイメージは壊れ始めた。
 いま、イラクは多数派のシーア派と占領軍が、戦後統治をめぐり対立している。軍政をどう円満に終了させるか、という時期に、各国に大幅に遅れて軍隊を派遣するのは見当違いでしかない。
 自衛隊はイラク復興に不可欠ではない。対イラク政策を描く日本の政府高官が「自衛隊は南部の一部を復興するだけでイラク全体としては大したことはない」と話すのを聞いた。本音だと思う。自衛隊は日本がブッシュ米政権に追従するメッセージとして送られた。イラクの現実と矛盾が出るのは当然なのだ。
 復興のためには、独仏の主張するように一刻も早く占領と軍政をやめ、イラク人に主権を移譲する必要がある。そうしなければ反米テロを抑え、警察力を強化し、企業の投資を呼び込むことはできない。
 イラク市民のことを考えるなら自衛隊派遣は無用な混乱を招くだけだろう。純粋に努力している隊員のためにも「勇気ある撤退」を求めたい。

(毎日新聞2004年2月3日東京朝刊から)


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2004年2月11日(水・祝)/現状ステイタス
 しばらく間が開いて、ようやく2日連続で更新したぞこれでまたリアルタイム日記再開だぞと喜んでいたのも束の間……1週間空白の日々が挟まっての日記です。もはや日記と言えるのかどうか。今回はさすがに学習したので「再開」とは銘打たないことにします。
 基本的に私の現状ステイタスは「職探し」であり、諸事情により現在の職探しの詳細はリアルタイム日記では書けないので、職探し以外で何か特記すべき事柄のみを書こうと思うと、こうした更新ペースになるのであります。
 そして本日ようやく特記すべきことがあったようですが、それはもちろん現在の私の最重要項目・職探し関連の話題ではなく、その最重要項目の活動に疲れた私が現実逃避も相俟って神奈川県・湯河原へ梅見&温泉に浸りに行ったことを記録しておきます。

 何かとガックリ来てしまうことの多い最近の日本ですが、花見と温泉は世界に誇れる文化です。こういう因子がもっとたくさんあるといいなぁ。


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2004年2月14日(土)/日本人に足りないモノ
 本日は私にとって「バレンタインデー」ではなく「アイリッシュ・トラッド・フェスティバル2004」の開催日でした。アイルランド留学仲間で東京の会場に集まれるメンバーが集まっての同窓会も兼ねて、久し振りにあの頃の幸せな空気に浸ることができました。

 数年前からアイルランドが静かなブームとなっている……と、もっぱらアイルランド関係者の間で囁かれているようですが、私自身はアイルランド留学していなかったらこのフェスに行こうと思わなかっただろうし、実際フェスに参加するとスタッフや参加者の中にちらほらと知った顔を見かけたので、日本で展開されているアイルランドの世界もまだまだ狭いなぁというのが正直なトコロです。
 別に優越感を抱いているとかそういうことではなく、本場の日常生活の中でアイリッシュダンスやパブでの音楽セッションを見てきた私にとって、日本の即席イベント会場(大崎)で行われるダンスやセッションはどうも空回りしているように見え、開場直後はわざわざ足を運んだことを後悔したほどでした。
 (アイルランドの)パブという特殊な空間で気楽に気さくに楽しんでするものが、参加している日本人が妙に生真面目にやっているものだから、大雑把の代名詞「アイリッシュ」を冠にする「ダンス」や「セッション」が既に成立していないのです。ビール腹のおじいちゃんがニコニコしながら陽気に踊るアイリッシュ・セットダンスも、背広からセーターに着替えただけの中年サラリーマン然とした日本人男性が笑顔もなく真剣にステップを踏んでいるので、「……え? アイリッシュダンスってこんなつまらなかったっけ?」と動揺してしまいました。こんなのアイリッシュダンスじゃない。ジャパニーズダンスです。

 半ば痛々しい気持ちで延々繰り広げられる催しものを見ていると、なるほど最初の内は初心者による発表会だったようで、後半に入ると思わず唸ってしまうレベルの方たちによる満面の笑みを乗せてのダンスが繰り広げられ、最終的には大満足でした。
 相当ダンス歴が長いと思わせる女性2人によるアイリッシュダンスも見事でしたが、女性7人+男性1人の8人ユニットによるセットダンスでは観ているこちらまでニッコリしてしまう楽しいダンスを披露し、零れんばかりの笑顔で踊っていた黒一点の男性に惚れそうになりました。遠目に20代半ば〜後半くらいに見えましたが、一体どういう経緯でセットダンスをやろうと思ったんだろうね、とみな同じ疑問を口にしたところを見ると、やはり日本でアイリッシュ・セットダンスを習おうと思う男性は堂々と珍しい部類に入ってしまうのかもしれません。

 初心者と上級者のレベル以外の決定的な違いは「余裕」で、上級者になればなるほど楽しさを表情に表しており、それが見ている者の気持ちを「上手い」「凄い」だけでなく、「楽しそう。私もやってみたい」と思わせるのだと感じました。そして同時にこの点こそがアイルランドと日本の決定的な違いなのです。
 アイルランドでは下手な人もニコニコしながら気軽に輪に入って行くし、受け入れる側も鷹揚に構えています。下手な人を邪魔者扱いする空気はなく、上手い人は上手い人なりに、下手な人は下手な人なりに時間を共有して楽しめて、完成度を競うような雰囲気はなく、あくまでも「楽しもう」ということがメインなのです。
 一方、日本は恐らく何をしても従来の気質である完璧主義が前面に出てしまい、「楽しもう」ということに力点を置くのではなく、つい「揃えよう」「上手くなろう」ということに力点を置いてしまうため、ある程度の実力がある人間は楽しめても、下手な人間は「一生懸命」という事態に振り回され、もちろんそれ相応に楽しんではいるのでしょうが、気楽さや遊び心が全く(感じられ)ないのです。

 このダンス・イベントを通して、改めて日本人に欠けているものに気付きました。自信と愛嬌――それが日本人に決定的に欠けているものだと、私は思います。

 音楽セッションでも同じコトが言えるのですが、アイルランドのエニスでセッションに参加していた友人(日本人女性)2人が、日本に帰ってきてから日本で行われているアイリッシュ音楽セッションに参加しようとしたところ、「楽しくないから止めたわ」と異口同音でそれぞれ言っていたのが印象的でした。
「なんか日本でセッションやってる人たちってそれなりに上手いんだけど、下手な人が入ってくるのを拒絶してるって言うか、言外に『お前下手なクセに入ってくるなよ』っていう空気が見えるんだよね。アイルランドではプロと一緒に演奏できるだけでも環境最高なのに、雰囲気も『音楽を愛しているなら誰でもおいで。皆で楽しもうよ』って感じだったからセッションやってても凄く楽しかったけど……日本ではちょっと続けられる自信ないな」
 別館【愛蘭滞在記】2002年10月24日「International Food Fair」でも、この日本人の妙な生真面目さについて書いていますが、その中の一部を抜粋しておきます。
 日本以外のどこの国にも共通して言えることは、「日本ほどキリキリしていない」という重要かつ決定的な事実です。私は……いえ、私だけでなく、他の日本人留学生も言っていたことですが、私たち日本人は今回の国際フード・フェアを通して「日本人はセコセコ、くるくる、アワアワして、物事を楽しむのではなく深刻に捉え過ぎる」ということを目の当たりにし、そこから派生して「人生を楽しむのが下手」という国民性の欠点を痛感したのであります……。適度な「真面目」は大歓迎なんですがね……過ぎると少々哀しいものがあるのです。
 何と言うか、色んな国の人と付き合えば付き合うほど、様々な場面で「ああ日本人って真面目すぎ……」と痛感します。これは日本を出なければ実感できないほど、想像以上にショッキングな事実なのです。
 この「真面目すぎ」が転じて日本人の優秀である理由にもなりうるので全否定をするつもりは毛頭ありませんが、何でもほどほどが良いと思うのは致し方ないことでしょう。

 さて。
 大崎のゲート・シティで行われたダンス・イベントの後は近隣のパブで音楽セッションですが、大崎にあるアイリッシュ・パブはこのダンス・イベントの煽りを受けて大盛況で入店できず、隣駅の品川にあるアイリッシュ・パブにてセッションを聴きに行って来ました。
 こちらはセッションに参加している人たちが日頃からパブで演奏したりと慣れているせいか、ダンス・イベントの時のような妙な生真面目さはなく、アイルランドから招待されたミュージシャンが帰ってしまった後、日本人だけになってセッションをしても非常に楽しげで、またレベルも高く、久し振りにアイルランドのパブにいるような雰囲気を満喫できて大満足でした。
 正直言うと、アイルランドから招待されていたメイン奏者(フィドル=バイオリン)がいた時よりも、彼が帰ってしまった後から場はより盛り上がり、最後は10人程度日本人だけ(含むアメリカ人1名)になってしまいましたが、彼らを見ずに音楽だけを聞いていたらそこは完全にアイリッシュ・パブでした。
 ま、この方たちは普段からも一緒に演奏しているようですし、自由な空気があったのは気心が知れているからなのかもしれません。この盛り上がった雰囲気の中、初中級者が入って行けるかというと難しいと思うので、やはりその辺りはアイルランドとは違うのですが。


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2004年2月16日(月)/怒りの矛先と諸悪の根源
 明るい話題を探しているのですが、目に付くのは暗い話題ばかり……。好きでこういう話題を取り扱っているのではなく、今もう本当に入ってくる情報のほとんどが気が滅入るようなものばかりなので、何か書こうと思うと自然とそれらに対する考察になってしまうのです。
 ――ということで、本日数回目の溜息は下記のニュースに捧げられました。

<宿泊拒否>熊本のホテル廃業へ アイスター社長が表明 山田宏太郎

 熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者を宿泊拒否した問題で、同県は16日、同ホテルを旅館業法に基づき3月15日から18日まで、4日間の営業停止処分にする方針を固めた。一方、ホテルを経営するアイスターは16日、同ホテルを廃業することを決め、江口忠雄社長がホテル従業員に通知した。同社は「元患者の方々に迷惑をかけた。廃業は最大限の謝罪を示すため」としている。
 県は、アイスターの江口社長らから事情聴取し処分の是非を検討。その結果(1)「県は事前に宿泊者にハンセン病元患者がいることを知らせるべきだった」などと主張し続けており、人権侵害の認識が低い、(2)患者に謝罪しているものの「啓発不足の国、県に責任がある」との態度は崩していない――として、再発防止のため処分が必要と判断した。宿泊拒否による営業停止は全国初。

 同社に対しては宿泊拒否された国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(同県合志町)の入所者やハンセン病国賠訴訟の原告・弁護団が、「入所者を中傷する手紙などで深刻な2次被害が起きた」として、県に厳正な処分を求めていた。

 同社は昨年11月、県が実施する「ふるさと訪問事業」でホテルに宿泊予定だった恵楓園入所者に対し、ハンセン病元患者であることを理由に宿泊を拒否。県と熊本地方法務局は旅館業法違反容疑で熊本地検に告発するとともに、行政処分の検討を進めていた。

(毎日新聞)[2月16日13時50分更新]

 …………気の毒としか言い様がありません……ホテル側が。もちろんハンセン病患者の方が不当な扱いを受け、それに対して彼らが怒りを感じるのは当然のことですが、その怒りの矛先が諸悪の根源=国ではなく、同じく社会的弱者=ホテルというのが何とも言えず遣る瀬無くなります。

 宿泊施設という客商売の場で、ハンセン病患者の方を他の宿泊客と同じように気軽に受け入れるのは今の日本の現実では不可能でしょう。これはホテルの事情ではなく、日本の事情なのです。ホテル側は自分の意見だけではなく、あくまでも客の意見を重視しなくてはならない立場に置かれており、ハンセン病患者への理解がない他の客から文句が来れば、そしてそれが大多数であれば、それを受け入れなければ営業が成り立たないのですから。
 今回の諸悪の根源は、このような「理解のない」状況を作り上げてしまった国であり県である筈なのに、そのことを的確に指摘しているホテルにすべて厄介事を押し付ける勢いで、県の出した回答は「反省してない」というモノ。反省すべきは貴様だろうと、私は言いたい。
 「人権侵害の認識が低い」のは正しく国や県であり、ホテル側は今現在の日本の状況においてごく普通の対応をしたに過ぎません。非常にデリケートな問題であることが明白にも関わらず、事前に何の説明も準備期間も与えずに騙し討ちのような形でハンセン病患者の方を「理解のない場」に送り込もうとしたのは紛れもなく県であり、ホテル側はハンセン病患者同様、被害者なのです。

 今回の問題を根本から解決するためには、まず第一に「ハンセン病患者が同じホテルに泊まっていても全く問題ない」と思える意識を日本全国に広めることから始めなければならないと思います。教育というのは最も遠いようで、実はこれが最も近道の解決策なのです。こういった根本の意識改革はそれに派生するすべてのことを解決するので、結果的に大きな改革に繋がって行くからです。
 しかしこのような「大元を改善する」という行為が苦手なこの国は、見当ハズレに「ホテルの4日間の営業停止処分」なんぞを下す訳です。これは単なる見せしめであり、こんなことで場を治めようものなら、逆に「ハンセン病患者=迷惑」という更に歪んだ意識だけが増長してしまいかねません。

 ハンセン病患者の怒りがホテルのみに向いているのを良いことに、国や県はホテル側からの啓発不足に対する指摘を完全に無視して、自分に都合の良い決着を迎えたようです。こうなってしまっては弱者(ホテル)が強者(国や県)に勝てる筈もありません。
 弱者が強者に勝つためには数の論理で弱者同士が協力し合わねばならないのに、日本では弱者同士が戦って結局強者に都合の良いシステムを変えられないというのがよくあるフローチャートです。今回のことも、「問題ホテルの廃業」という国にとって最も理想的な形に落ち着いてしまい、今後この問題を改善しようと努力するとも思えず、また同じことを別の形で繰り返すんだろうな……と今からブルーです。
 既に散々苦痛を味わってきたハンセン病患者の方々に色々言うのは酷だと承知していますが、弱者が弱者を攻撃している限り、本当の解決は訪れないよ……と肩を落とした昼下がりだったのであります。


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2004年2月18日(水)/就職活動に終止符
 約1ヶ月の就職活動を経て、漸く就職先が決まりました。過去のスキルが余り活かせない未経験の分野での就職を希望していたため、正社員ではなく派遣社員としての採用ですが、これを皮切りに今後新たなスキルが積めれば良いな、と。そんなこんなでいきなり来週月曜日から出勤です。
 自慢じゃありませんが大袈裟に言って約2年ぶりの社会復帰なのです。精神的にも物理的にもだらけきった私にとって最初の数ヶ月はたとえ毎日定時帰りをしてもメチャメチャ辛いだろうなぁ……と思うのですが、定時帰りどころか週5時間程度の残業は普通にあるようなので、No残業をこよなく愛する私としてはちょっとブルーです。
 しかしこの点に関しては多少びびっているものの、業務内容が希望にかなり近いことに加え、私の力量次第で留学が無駄にならないような勉強色の強い内容の仕事も出来るかもしれない、ということで、今までにない前向きな気持ちで就職という事態に向かい合っています。いや本当に、今まで就職前にこんなに平静だったことがあるだろうか、というくらい嫌がっていない自分に少し驚いています。オトナになったよなぁ……我ながら。とか勘違いしてみたり。
 ま、勤め始める前の感想なんぞ、どうでもイイことですがね。不満や愚痴は仕事を始めて現実が見えてから色々出るかもしれませんが……せめて入る前くらい希望に満ち溢れていたいので……。今までは「始まる前から憂鬱」というのが基本スタンスでしたから、「始まる前にちょっと楽しみ」という脳内シチュエーション自体が既に素晴らしいのです。私の場合。

 まだ始まっていないので何とも言えませんが、始まる前から「嫌だな」と思う環境に身を投じるのと、せめて額面だけでも納得して自分のやりたいことをやるのでは、こんなにも精神的に差があるんだなぁ……としみじみ実感しました。思い返せば今まで私は仕事的にやりたいと思ったことをやったことが1度もなかったのかもしれません。向いていないことをするってのは、自分が想像する以上にストレス状態に置かれることなんですね。
 最初からそのストレス状態に置かれ、そこから出たことがなければ「そういうものだ」と思って気付かないかもしれませんが、私の場合はそこから抜け出して、自分のやりたいことに徐々に近付いているこの現状に満足しています。安定という意味なら新卒で勤めた大企業N社が一番良かったのでしょうが、その後転々とし、N社にいたままだったら絶対にしなかったであろう留学をして日本社会との付き合い方が変わり、最初の道とは全然違う道にいる自分に「良かったねぇ、私」と心底思うのでした。


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2004年2月23日(月)/覚悟勝ちの初日  晴/残業 0:20
 うららかな小春日和……本来だったら花見にでも行ってしまいそうな月曜日。ワタクシ、「いや、だから、こっちが本来っしょ!」という世間の突っ込みに押し流されて会社に行って参りました。

 実はこの日記を書いているのは週末28(土)です。以後5日間の残業時間を見ていただければお分かりのように、最初の1週間は「2月一杯で退職する前任者が1人でやってきた仕事を5日以内にすべて私に引き継ぐ」という何とも荒っぽい事情により、約2年のブランクがある私には非常に厳しい幕開けだったのであります。
 また、初めての外資系就職ということに加え、業界が特殊であるため、日々動揺と発見があり、時間単位で会社に対する印象や感想が変わって行き、これはリアルタイムで日記を公開していては昨日の意見が今日覆され……ということが繰り返されるような気がしたため、とりあえず引き継ぎ期間中は黙って状況を見守っていたのでした。
 ――結果、正解でした……。この1週間は心底怒涛の1週間で、会社に対する印象や私の気持ちも2転3転し、今尚ぐらぐらと揺れております。深く考えても事態は好転しないような気配が濃厚なため、現状目標は「我関せずで行こう」という結果に落ち着いています。
 1週間を振り返ってまとめられる感想は比較的落ち着いてしまっていますが、現実には日々極端な感情に左右されており、それをまったく明記しないのも嘘だろう……ってことで、記録ベースで書けることだけは書いておこうと思い直したのでした。

 いつもならかなり具体的な情報を公開して微に入り細に入り報告している就職日記ですが、今回の職場に関してはそうも行きません。公開期間が4年以上にもなるサイトをリアルタイムで更新してきた者として、このサイト、個人を特定する情報が多過ぎるという初歩的なミステイクに最近ようやく気付いたからです。
 アイルランドに留学して世間の狭さを思い知ったワタクシ、この状況下で「少し特殊」なキーワードをチラつかせれば、固体判別に拍車をかける危険性を無視するわけにはイカンのです。今回は会社の詳細を明記することどころか、業界を公開することすらできません、辞めるまで。この隠された部分に非日常的な面白味があるので残念でなりませんが、保身第一! 信じられる人は外界には結構いますが、ここで頼れるのは自分だけ。頑張れ私!って感じなのですッ(涙)
 ――ってコトで、いつもの杜撰な伏字からちょっと離れて没個性の社名を設定しました。A社。コレで行きます。

 まず、A社および私のポジションの概要について軽くご紹介。
 A社はアメリカに本社を持つ外資系、従業員は100人程度。私の業務内容は営業・企画に携わる方たちのサポート。具体的には資料作り、メールマガジンの発行、ホームページの更新、本社から来る資料の和訳などです。
 10人程度のこの部署に派遣社員は私1人です。どうやら組織編成が少なくない上に人の入れ替わりも激しく、余りハッキリした方針の元に仕事を分配していないようなので、与えられる仕事も随時変化して行きそうですが、取り合えず前任者から引き継いだ仕事は前述のものでした。

 ちなみに私の前任者も派遣社員です。派遣から派遣への引き継ぎって……ヤバイ印象を受けるのは私だけでしょうか……。作業ベースで派遣社員が実働していようと、この業務を把握している人が正社員の中にいるならともかく、どうやら私の前任者(派遣社員)しか知らないコトが7割を占めていそうなのですが……。
 そもそもの歴史もヤバさの演出にこそなれ、私を安心させる材料にはなりません。
 今回私が引き継いだ業務ですが、誰にでも直ぐに引き継げる簡単な内容ならともかく、「元は正社員が2人でやっていた仕事」が諸事情により1人が辞め、一時的にこの仕事を手伝っていた派遣社員から他の正社員に仕事が戻されることなく事態は悪化し、徐々に増える仕事や環境要因により遂には残っていたもう1人の正社員も辞め、結局ボリューム的に2人分ほどある仕事を派遣社員が1人で回していた、と。そしてその2人分の仕事が、今回前任者の派遣から新人の派遣(=私)に5日以内に引き渡されるという……。早速ヤバさ120%な気がします……。
 まぁたとえこんな状態の私が何かミスったとしても、この場合責任を取るのは常識的に考えてこの体制を敷いた管理職ですから、ぶっちゃけた話「あたしゃ知らンよ」という気持ちに落ち着いているのです。

 こういった社内体制に対する不安は、正社員ではないのでどこまでも他人事であり、気楽に受け流すことが出来るというのも派遣の数少ないメリットです。肝心の仕事内容は、というと、圧倒的に仕事量が多いため、一気にどっと引き継ぎされて気分的にストレスが掛かりますが、それでも内容が好きなことなので、「最初は大変だろうけど、慣れたらどうってことないな」というのが初日の感想でした。
 物凄い勢いで覚悟を決めて初日に臨んだため、残業があっても、多少の不満があっても、凪のような気持ちで淡々と目の前の出来事を受け止めていました。
 取り合えず当日の明確な不満は「インターネットが使えない(特定のサイト以外は閲覧不可)」、「休むのが難しそう」という点くらいで、社内の雰囲気も一見良く、自由度も一見高く、仕事内容も一見希望に近いという好調な滑り出しを見せたのであります。


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2004年2月24日(火)/イケる業務内容  晴/残業 2:30
 本日2日目。たった2日の間に実体験を経た訳ではなく、単に強制的に周囲から入った会社にまつわる情報を明記しておきます。情報の収入源は、前任者と前任者の後ろの席に座る正社員の両名からです。彼女ら2名とお昼を一緒に食べた際に婉曲に……いや、全然婉曲じゃなかった。直球勝負で以下のような情報を得ました。
・どうやら前任者(30代半ば?女性・派遣)とその直属の上司Mさん(30代半ば?女性・今後の私の上司)の仲は余りヨロシクナイ。……と言うか、少なくとも前任者はこの上司を本格的に嫌っているらしい。(by 前任者)
・どうやらこの上司Mさん、部下が長居しないなど色々問題がある方らしい。(by 前任者&正社員)
・どのくらい部下がいつかないかというと、前任者は2年勤務してきて上司Mさんの下になって5ヶ月で退職を決意。前任者の前任者は正社員だったにも関わらず1ヶ月で退職。それ以前にも上司Mさんの部下になった人が次々に辞めるので、人事部で密かに問題になっているらしい。(by 前任者&正社員)
・どうやらこの上司Mさん、時々逆ギレをなさるらしい。(by 前任者&正社員)
・どうやらこの上司Mさん、余り有能ではなく、部下にすべて仕事を投げてしまうらしい。(by 前任者)
・どうやらこのA社、ちょっと変わっており、社員もそれを充分に自覚しているらしい。(by 正社員)
・どうやらこのA社、人の出入が非常に多い会社のようだ。(by 正社員)
・派遣はおろか、社員だって直ぐ辞めちゃうみたい。(by 正社員)
・でも最近は人の出入も落ち着いてきたし、自由度は高いと思うよ!(by 正社員)

 ………………ま、覚悟って大切ですから。最悪のケースを想定しておくことは、事態に対処するために必要な要素ですよね、とヒキツリ気味に受け流そうとする私を不憫に思ったのか、最後の特徴はしばらく間を置いてから思い出したように付け足された情報であります。

 この時点での素直な感想を思い出しつつ明記するならば、私自身はまだ上司Mさんと密接に付き合っておらず、引継ぎの合間合間に話す上司Mさんは非常にテキパキとした良い上司に見え、加えて前任者の方がむしろ私的には「どーよ、アナタのその態度」と思う面が多々あったので、上記の意見は恐らく前任者の主観によるものだろうと話半分で聞いていたのですが、時々他の善良そうな社員もこの態度のヨロシクナイ前任者に同意するものですから、「アレ? やっぱり問題は上司Mさんにあるの??」というプチ混乱状態にあったのであります。

 一方、このプチ混乱状態の最中、引継ぎをしているわけですが、「こんな仕事もある」「あんな仕事もある」と見せられる仕事がまぁ私好みで……。これはイケる! イケる業務内容だっ!と業務内容的には大満足しておりました。


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2004年2月25日(水)/早くも眼下の現実  晴/残業 2:40
 業務内容はなかりご満悦なのですが、ちょっとこの仕事量は多くありませんか? そして私が余り好きではない前任者が、なぜ上司Mさんに苛立つのか、本日少し垣間見えましたヨ……。早速かい!という突っ込みが私の脳内で発生したほどですから、第三者的立場を保つ己が脳内にいるんだとは思いますが……。
 PG・SEほどではないにしろ、PCを適度に使いこなすこの前任者、自分のPCを好きなようにカスタマイズしております。彼女のマシン(来週からは私のマシン)はその業務ゆえに通常のMS-Officeソフト以外に Photoshop(でも4) や Illustrator や Dreamweaver などのちょっと特殊なソフトもぎしぎしと詰まっており、どうやらPC音痴の上司Mさんは、そう言ったご自分が分からないソフトに対して否定的です。特殊と言ってもあくまでほんのちょっと特殊なだけですし、何よりも仕事上必要なんだから仕方ない。しかしこう言ったソフトに加えてマウスポインタを猫の肉球に変更したり、派手なスクリーンセーバにしている前任者に対して「好き勝手に遊んでるんじゃないの?」と思うようです。前任者のいないところで私に向かって言った台詞に、彼女のPC音痴が伺えました……。
上司 「前任者さんのマシンは何だか彼女が勝手にソフトとかインストールしちゃってるので、鷹瀬さんが使う前に、全部そういうのを抜いていってもらいますから。ウチはマシンにどんなソフトを入れるのも承認が必要なの。鷹瀬さんもソフトとか勝手に入れないでね。そういうのを入れると、フリーズとか起こりやすくなるし、ウチにはITサポート部があるんだけど、勝手にソフトをインストールした結果起こるような問題には対処してくれないことになってるから。今、彼女、スクリーンセーバとかも勝手に入れているみたいだから、それも鷹瀬さんが使い始める前にIT部の人に抜いてもらいますから」
 私自身はポインタやスクリーンセーバを派手なものに変更する趣味はないので、こんなことはどうでもいいのですが、ソフトを入れるのにいちいち承認が必要ってのにちょっと驚きました。丁度、業務上必要な画像処理のソフトを窓の杜から落とそうかと思っていた矢先だったので、その質問をついでにしてみます。
鷹瀬 「あの、すみません。では早速インストールしたいソフトがあるんですけど」
上司 「何?」
鷹瀬 「画像処理のソフトで***というのですが、Webに強いので画像も軽くなりますし、フリーウェアですから」
上司 「そんなの前任者さんはなくてもやっていたんでしょ? 何のために必要なの?」
鷹瀬 「私が Photoshop を使い慣れていないので、いずれ空き時間に勉強して行くつもりですが、目下そんな余裕はないので、使い慣れているソフトで業務が出来たら楽だと思いまして。それに今入っている Photoshop ってバージョン4でかなり古いですし、Web対応の画像処理ソフトが入っていると画像も軽くなるから良いかと思いますが」
上司 「……ウチは Photoshop で統一しているから、Photoshop でやってくれる? 全く分からない訳じゃないんでしょ? 新しいソフトはなるべく入れたくないの。新しいソフトを入れるとね、フリーズし易くなるのよ。だから本当はスクリーンセーバとかも変えて欲しくないの。IT部もそういう事態には対処してくれないから」
 新しいソフトを入れるとフリーズし易くなるって……どこで仕込んだ知識よ……。恐らく上司Mさんの言っている事態って、ソフトの競合のことだと思うのですが、今回私が入れたかったソフトやスクリーンセーバ、ポインタレベルで競合なんぞ起こらないと思うし、起こったら抜けばいいだけのことだと思うのですが……。何だか妙に得々と話しているのですが、いくら話しても「?」という感じが消えません。
 しかも業務レベルで必要性のあるソフトを入れたいと言って、こういう対応が返って来るとは思ってもみなかった私、ちょっとビックリしました。そして上司Mさんの理解のない、しかし断定的な物言いに、「なるほどこういう感じなのか……」と徐々に彼女の本性が垣間見えてきた感じです。
 この件について先に話していた前任者に「画像処理ソフトのインストール却下されました」と報告すると、こんな返事が……。
前任者 「ああ、やっぱりね。あの人何にも分かってないから。自分が知らないソフト使われるの嫌なんだよ。Word、Excel も使いこなせない人だし。あの人通すと物事が面倒になるから、慣れてきたら勝手にインストールしちゃえば? どうせここのITサポートもそんなに使えないし。鷹瀬さん、前職PGなんでしょ? ならPCの調子が悪くなっても自分で直せるんじゃない?」
 ジャンル的にはPGだったけど、なんちゃってPGだったからなぁ……。でもソフトのインストールで生じる不具合なんて、抜けば良いだけのコトじゃないのか……。
 快適に仕事をするために絶対に入れたい細々したアクセサリーに、デスクトップカレンダーと付箋と秀丸があるのですが、折を見てコッソリ入れてしまおうかな。ってか、仕事上必要なものまで訳の分からない理由で拒絶されるとなると、今後が思いやられます……。


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2004年2月26日(木)/善人への仕打ち  晴/残業 3:10
 今日の残業時間を見て下され……。明日で引き継ぎが終了するという現実を前に、来週からの自分を想像して身震いする毎日です……。だいじょうぶかなこわいんですけどもしみすしてもゆるしてもらえるのかなじょうしはわかってるのかなこのげんじつを。

 ヘナチョコ残業嫌いのワタクシ当然疲れておりまして、さっさと布団に潜り込みたいのですが、ただこれだけは……。

2800万円届け出たのに…=拾得業者の告訴検討−資源ごみ持ち去り防止で草加市

 回収した古紙の中から見つかった2800万円について、埼玉県草加市は24日、現金を拾得し警察に届け出た千葉県八街市の古紙回収業の男性(60)を窃盗容疑で告訴する検討を始めた。同市は資源ごみの持ち去りを防止する観点から、現金は市に所有権があると主張する。
 男性は草加署の調べに対し、「古紙はすべて市指定のごみ集積所から回収した」と供述したという。同署は現金拾得時の状況をさらに詳しく調べている。
 草加市は2002年10月以降、缶やビンなどの資源ごみを持ち去ることを禁止する方針を示し、看板や市広報で呼び掛けている。 (時事通信)

[2月24日20時4分更新]

2800万円「要らない」 無許可で回収の男性

 埼玉県草加市で資源ごみ集積場の古紙の中から現金2800万円が見つかった事件で、無許可で古紙を回収した千葉県八街市の男性(60)が「持ち主が現れなくても金は要らない」と26日までに草加署に伝えた。
 調べでは、男性は草加市のごみ収集委託業者ではないのに23日早朝、同市内の集積場30数カ所をワゴン車で回り、古新聞などを回収。仕分け中にポリ袋入りの1万円札2800枚を見つけ同署に届けた。
 男性は25日夜、同署を訪れ「金が欲しくて届けたわけではない。騒がれて疲れた」と話した。
 草加署によると、半年たっても持ち主が特定されず、拾った人が所有権を放棄した現金は遺失物法の規定で県の収入になる。ただ、草加市のごみ集積場にあったことが確認されれば市の収入になる可能性もあるという。(共同通信)

[2月26日16時37分更新]

報労金、交通遺児に寄付して=発見者が所有権放棄−古紙からの2800万円・埼玉

 埼玉県草加市で回収した古紙の中から現金2800万円を見つけた千葉県八街市の古紙回収業の男性(60)は26日までに、半年たっても持ち主が現れなかった場合の所有権を放棄すると、埼玉県警草加署に伝えた。男性は同署に「お礼が欲しくて届け出たわけではない。落とし主が見つかり、報労金が出たら交通遺児に寄付してほしい」などと話したという。 (時事通信)
[2月27日0時1分更新]

 基本的に、資源ゴミの持ち去りを罪とみなす法律に、私は反対です。もちろん資源ゴミを漁って周囲を散らかし近所の住民に迷惑をかけるとか、持ち去った資源ゴミをリサイクルラインの乗せずに処分してしまうとなれば話は別ですが、国が乗り出してきたために職を失った資源ゴミの回収業者がささやかに間に入ろうと、資源が資源として再び生まれ変わるなら良いじゃない、と思うからです。
 地球上の資源を大事にしようという主旨で生まれたリサイクル案はそれ自体が素晴らしいのであり、この概念が定着することによって資源ゴミの回収で生計を立てていた方たちが、今まで何もしなかった国や市に「それは俺たちのモンだからお前は手を出すな」と追い払われるのは酷い話です。最終的に資源がリサイクルされれば目的は果たしているのであり、その中間に雇用が生まれれば、それはそれで尚良いことでしょう。ケチ臭く資源ゴミを盗まれたと騒ぎ立てる元気があるのなら、世の中にある他の大問題をどうにかしろよと鼻息も荒くなります。

 加えて今回の主役は、「落し物の2800万円を警察に届け出た」善良な人物です。古紙回収をしていたようですから金持ちとは考え難く、そういった背景を持つ方が、見付けた大金を正直に警察に届け出る――こんなのは、人間の住む国では「美談」として扱われるべき話題です。それが日本ではこんなに醜い顛末を迎えてしまうのです。ほとほと悲しくなりました。

 本来国や都道府県や市や区は、住民の平安な社会を保つため、善良な市民を守るために存在している筈なのに、現在の日本社会を見る限り、彼らは自らが作ったワケの分からない基準に反した弱者を槍玉に挙げ、本当の意味で取り締まらなければならない強者には追従するという、最低の現実が繰り広げられています。
 どーしてこんな国になっちゃったんだ。憤怒の気持ちは治まらないのでした。


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2004年2月27日(金)/ムカツク前任者  晴/残業 1:00
 本日で前任者は終了。今日は彼女の退職日です。
 半分恨み辛みも相俟って辞めるようですから、自分がいなくなった後に残る者が困ればいいという思いがあるのかもしれません。今日が最後だ、聞いておかなくちゃ!と質問攻めにする私を煩そうに追い払い、ご自分はマシンの整理に明け暮れていらっしゃいました……。うう……ナチュラルにムカつきます……。
 この1週間で彼女のマシンを何度か弄らせてもらいましたが、PCに詳しい人間が1人もいない部で結構好き勝手やっていたことが伺える履歴に、「余裕あるじゃん」と思ったものです。来週から私がこのマシンを使うため色々整理しておきたいのでしょうが、質問する度に「いずれ分かるよ」「それは上司Mさんも知ってるから彼女に聞きなよ」と、いかにも「私はもう無関係」な態度を取るので、正直、非常にムカつきました。前任者がいなくなることに不安はありますが、彼女の存在自体が消えることはありがたいとすら思うほど嫌なタイプで、1週間の付き合いでお腹一杯……と逆に良かったのかもしれません。

 にしても今週だけで残業9時間40分……鷹瀬史上MAXな残業時間ですわ……。ちなみにこの5日間の給料は約8万円也。覚悟していましたが安いなぁ。派遣ってボーナスないからこのペースで行くと、前職より残業が増えて年収100万円くらい落ちるんですけど。正直、もっと欲しい……。


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2004年2月の勤務表
 出勤日数 5日(うち休出 0日)/勤務時間 47:15  欠勤日数 0  有給休暇 0
 月残業時間 9:45  日平均残業時間 1:57  今月最高残業時間 3:10/26(木)
 【一言】 凄い幕開けになっちまいましたが、PGの時より残業が増えても業務内容が好きなのでそんなに辛くありません。


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