2001年01月の日常日記&コラム
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もう21世紀。やはり、やらねばならんことが山積みなのです。
本当は昨日が初出社日で、T社の連中と初詣に行く予定だったのですが、余りにも馬鹿馬鹿しいので、有給を使って休んでしまいました……。
しかし、去年とは打って変わって、今年は祝日が土曜日に吸収されずにイキイキと週初めに輝くことが多く、3連休がたくさんあります。嬉しいことは嬉しいけど、月曜日+祝日が定休のお店などはどうするんでしょう。いや、私が心痛めることでもないのですが、先日2日から早々に開店しているデパートや飲食店を見て、何かこう……便利な反面、店員さんは休む暇もないんじゃないかと思うと……。
デパートなど、上位にある店が営業を開始してしまうと、そこに内包される下位の店はつられて営業を開始せねばならず、その店の仕入れを担当する裏舞台も以下同文となり、騒然と動き出す世の中につられて抜け駆けされては堪らんとばかりに、結局はあちこちが営業を開始せざるを得ない──そんな流れにあるようです。
まぁ要するに顧客からのニーズがあり、儲かるから営業を開始するのでしょうが、「正月の三箇日くらい、お互いゆっくりしようや」と皆が思える日が来ると良いなぁ……。そういう思考回路になる日が来るといいな。
さて、話は変わりますが。
年末の賞与額を見て余りの少なさに愕然とし、これは年に1度、5月の昇給を待たずして再び昇給交渉をせねばならんと思い立ち、手順と計画を練っている最中であります。長くいる会社ではないと思えば思うほど、1回1回の給料は多いに越したことはないし、正直な話、貰えるだけ貰いたい……。
──と言っても、私の要求は(取り敢えずは)昇給ではなく、月給の内訳をどうにかしてくれ、というものなのです。だって、私の月給の内訳ってヒドイんだもん……。(詳細は2000年6月9日参照)
「怪我してないんで。訳の分からん手当はいーから、その分を基本給に換算してくれや」
この一言が言えたらどんなにスッキリするか……。月額が同じでも、基本給が低くて手当が高い場合と、その逆では、賞与や残業代単価が変わることによって、私の場合は年間にして約50万円の差が出ます。そらもう細かく計算しちゃったよ……。
ただ、「基本給上げてください」って言葉はね……難しいんだわ、単純に。よく考えなくても「給料上げろ」と同義語だし。タイミングとか言い方とか、少し間違えば「なら貴様なんか要らねぇよ」って話になる訳ですから……。
会社との信頼関係がある中で、お互いに歩み寄るのがベストなのでしょうが、T社とワタシの間には信頼関係など皆無です。恐らくあちらも私のことを「扱いづらい社員……」と思っているでしょうし、私は当然T社のことを「このクソ会社」と思っている訳で、そんな寒々とした空気が流れる中で、「給料上げて(はぁと)」という私側の要求のみをいきなり展開させるのは、ちょっと至難の技なのです。
去年の給料交渉劇(2000年3月6日〜5月16日参照)は、T社の社員が大勢いる出向先で勤務をしており、他の社員との働きの比較などを切っ掛けに詰め寄ることが出来たのですが(それでも何度も失敗したし……)、私が現在出向しているのはT社社員が私しかいないZ社……。しかも、本社T社に立ち寄るのは月に1度……更には5分間……。
もうこうなったら切っ掛けらしい切っ掛けを自分で作るしかありません。
──で、思い至った先が、資格です。
このクソ会社にいながらにして得ることができ、辞めた後にも自分の財産として残り、しかも当面の昇給にも繋がるもの……それが、資格。素晴らしい!(←努力を考慮に入れずに話を進めている模様)
丁度出向先のZ社が去年末から新人研修に力を入れており、「あらゆる資格を取らせるぞ〜!」と社長が意気込んでいるので、その教育キットを拝借して勉強すれば、独学よりはスムースに資格を取得することが出来るのでは……と、まぁそんな裏事情もありまして。ま、IT業界でこのままやって行くかどうかは別にして、どうせ関わっているならダラダラやるよりも達成感があるし、行く行くは一番難しいレベル(3段階あるので)まで取得できればどこに行っても給料は問答無用に上がるし……。
何よりも、今回の資格取得は昇給交渉の切っ掛けに過ぎません。第1ステップの資格を取った暁こそがメインである昇給劇の始まりなのです。
「資格手当をお願いします。ついでに、現在の資格手当を基本給に回してください」(※注:妄想中)
うう……こんなに上手く行くとは思わないけど、今回の交渉も実際の5月の昇給までの間に何度も闘うことになりそうだしな……。動き出すのは早い方が良いだろうし……。早く言いたい……。
しかしここで新たな問題が……。この資格試験、受験料約30,000円……高いんだよねぇ。Z社ではさ、研修費+1回分の受験料を会社が全負担してくれるの。この資格に準じた研修費なんか240,000円だよ……。ニアリー月給ってのが衝撃的でいいよね。(っちゅーか、この資格試験の主催もボロ儲けだよな……)
ま、私はT社社員なのでZ社を見ていても話が始まらない訳ですが、参考にするくらいイイヨネ……ってことで、給料交渉の前に別の交渉をしなくてはならないようです。
「資格試験を受けるので、合格した場合のみで構いませんから、受験料を負担して頂けませんか?」
まともな制度が何もない会社なので、何をするのも基本的な交渉から始めなければなりません……。疲れるったらないなぁ……。
取り敢えず、合格して受験料を払ってもらうまでが1月の目標ですな。資格試験とかペーパーテスト関係はムチャムチャ苦手なんですが、どうなることやら。
新世紀になり、晴れて新しいプロジェクトに放り込まれることになりました。多少の引継ぎはあるものの、これでヒロコとの縁も切れます。良かった……マジで良かった……。
次のプロジェクトもまぁ……最初は火の車っぽいけどね……。前任者が4ヶ月掛かって前々任者から引き継いだ仕事を、今月一杯で引き継ぐんだってさ。しかも、今月は私もヒロコへの引継ぎがあるので、延べ日数にすると10日間の猶予しかないという……。もう「誰が引き継ぐって?」って問い返しちゃう始末だよ。
しかし、私も勿論大変だけど、私にバトンを渡す前任者の方がもっと大変な気がするなぁ……。ま、来月になれば、その大変さはすべて私一人の肩に掛かってくるのだけど。
話は変わりますが。
昨日NHKで成人の日を記念して……なのかどうかは分かりませんが、様々なトピックに対しての賛成反対を討論する番組が放送されており、ちょっとだけ見たのですが、何と言うか、「核心を突く意見」のあまりの少なさに愕然としました。まぁこの場合の「核心」とは、あくまでも私のフィルターを通した核心に過ぎないのかもしれませんが……。
遺伝子組換え食品に、賛成か反対か──というトピックについて。
賛成派の意見が「安くて美味しければ、消費者は満足する」で、対する反対派の意見は「それじゃあ有り難味がなくなる。高価なものは高いお金を出して食べるから感動があるんだ」だって。ちょっとこの論点のズレ方に驚いたわ。
遺伝子組換え食品の恐さは、既にある生態系のバランスを崩すことで、人知では予想もつかない事態が引き起こる可能性にある訳で、「高価な食べ物は……その感動が……」なんて意見はちょっと話にならないと思うのだけど……。
このトンチンカンな意見の後に、農業に携わっている青年から、「昔から在るバランスを崩すのは良くないと思う。確かに食糧危機の問題など考えれば話は難しくなるが、僕はプライドを持って遺伝子組替え食品には反対する」という意見が上がり、少々ほっとしましたが。
他にも「赤ちゃんホーム」なるものの是非を問うトピックがありまして……。
「赤ちゃんホーム」とは、子育てが難しくなる世の中で、3歳まで赤ちゃんを専門の躾機関に預けて、出来上がってから親元に引き戻すというシステムだそうで……。賛成が約3割だってさ……。まぁ辛うじて反対派が多数でほっとしましたが。
反対派には10代の女子高生のようなお母さんもいて、その女の子が、「ってゆーかー、あんなに可愛い子供を他人に預けちゃうなんて、絶対無理! 出来ないよ!」と、拙い言葉で母性を語っていて、何となくほのぼのともしましたが、対する賛成派の意見はこうです。
「私はもっと働きたかったけれど、子育てのために職に就くことが出来なかった。職安に行っても、子持ちの主婦というだけで職が紹介されない」
分かるんですけどね。ただ、思うのは、「どうして現行のシステムの悪い点を改善しようとせず、その悪い点を肯定した上で、もっと歪んだ解決策に縋るのか」ということなのです。
「女性は子供を産んだら(一度家庭に入ったら)社会復帰が困難。子供がいると女性の自己実現が出来ない。だから赤ちゃんホームを作ろう」
こういう発想は、もう歪んだ土台に歪んだ城を築くようなものでしょう。根本を解決しなければ、問題はまた別の形で深刻になって行くばかりです。
大体、「親に一生分の恩を返す」と言われる大事な3年間を他人に預けて、それで躾の行き届いた子供が返ってきて、それって自分の子供と言えるのかね。ペットじゃないんだから。ただでさえ「学級崩壊」だの「深刻化する少年犯罪」だので、子供への関わり合いが注目されているってのに、結局は根本的なことに目を向けていないような気がしてなりません。
「女性は子供を産んだら社会復帰が困難。こんなのおかしい。企業は受け入れに力を入れるべきだ。子供を持つ女性社員への待遇を見直すべきだ。子供を持つ女性がもっと自然に職場復帰できる世の中にしよう」
こういう考えにはならないのでしょうか。どうして社会のシステムの歪みを正そうとする方向に目が向かないのか不思議です。
実際問題として、社会システムを変えるより、赤ちゃんホームを作る方が簡単だと思っているのかもしれませんが、その後起こり得ることを考えれば、どちらに力を注ぐべきかは明白でしょう。
今のこの世の中の荒みようは、既にある歪みを肯定した上で話を進めても仕方ないところまで来ていると思います。何かある度に当座凌ぎの解決策でお茶を濁すのではなく、根本から変えてゆかない限り、問題は形を変えて次々と襲い掛かってくるでしょう。
何か問題が起こった時に、多くの人がその問題の根本を見極められるようになったらいいなぁ、と切実に思うのでした。
……………………タイトル通りのコトになっちょります。新春から始まっているどんなTVドラマよりも、今の私を取り巻く現実がどうなるかの方が私にとっては余程興味深く、更には予想もつきません……。
思わせぶりに始まっていますが、「フリ」では済まないこの現実、ったらこの現実。こんなイベントをリアルタイムで報告できるこの喜び、ったらこの喜び。──報告者としてはこの上ない至福であります。あ、言っておきますけどヤケですから。
そんな訳で、想像を超えた展開は、先日の日記にも書いた今年の昇給交渉準備として、まずは資格試験の受験費を会社で負担してもらえるかどうかの打診という、極々フツーの幕開けから始まったのであります……。
さて、ここでその怒涛の展開を繰り広げる前に、登場人物を紹介しておきましょうか。
まず基本として、打診する相手はT社のNo.2、Y口取締役(【人物紹介】T社のNo.2参照)です。なぜ交渉相手が社長ではなく、No.2なのか。理由は簡単、「アホの社長では話にならないから」──コレだけです。
かつて私が昇給交渉をした相手も、Y口取締役でした。交渉の際、こちら側の要求を躱す名人に化けますが、それはそれだけ話の内容を的確に察しているからであり、まともな話をしようと思うならば、社長相手に何を言っても無駄なので、自然とY口取締役に交渉するのが常となります。これは私だけがそう思っている訳ではなく、T社に勤める者たちの間で秘めやかに囁かれる鉄則のようなものです。
Y口取締役が相手だと、要求が理になかったものであれば、その後は比較的スムースに話を進めてくれることもしばしば。良い人と手放しで誉めることは出来ませんが、やり手だな、とはしみじみ思います。色んな面で。
そして話題に上るもう1人──それが、T中先輩(【人物紹介】T社のNo.11参照)です。資格試験の受験費用の話題から、なぜ先輩とは言え一介の社員が登場するのか。それは後々説明するとして、取り敢えずコレだけは。T中先輩は、経営陣を除いて、T社の一番の古株なのであります。そして、古株と言っても今年で入社4年目、会社設立は昭和56年ということを頭の片隅に記憶して頂くと、より深みがある現実を堪能できるコトでしょう。(……つまり、社長以外の創設メンバーは何故か1人も残っていないのです)
さぁ、本題です。もうここからは四の五の言わずに、スーパーハイスピードで繰り広げられた私とY口取締役のメールの遣り取りを、全文一挙公開と行きましょうかね。とにもかくにも送受信日時にご注目。25時間で4往復ですぜ。チャットか。
アツアツの恋人達も真っ青な濃密度75%の遣り取り、始まり始まり〜!
※省スペースのため、改行などのフォーマットは変更しています。
----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: Y口取締役
Sent: Tuesday, January 09, 2001 10:34 PM
Subject: 資格について
お疲れ様です、鷹瀬です。
資格取得について少々お伺いしたいのですが……。
実は現在、**資格の取得準備中です。そこで質問とご相談なのですが、まず、**資格を取得した場合、資格手当は適用されるのでしょうか? 適用されるとすれば、どのような待遇になるのか、その詳細を教えて下さい。
また、ご相談としては、勿論合格した場合のみの話ですが、受験費用を会社で負担して頂きたいと思うのですが、可能でしょうか?
唐突で申し訳ありませんが、ご検討下さい。
----- Original Message -----
From: Y口取締役
To: 鷹瀬
Sent: Tuesday, January 09, 2001 10:46 PM
Subject: RE: 資格について
Y口です。お元気で何よりです。
資格手当ての件ですが、××資格については資格手当給付の実績があり、受験費用の会社負担も実績があります。**資格については実績がありませんが、資格手当て付与については問題無いと思います。また、合格時の受験費用の会社負担も問題無いと思います。
本来であれば、当方が確約したいところですが、これは、あくまでも内緒ですが、実はT社に様々な問題があり、経理のI井さんが退職され、当方及びT中君についても、T社に在社する事がそう長くはありません。
実は、I井、T中、Y口、社長がT社の4本の柱だったのですが……。
話せば長くなりますので、とりあえず終わりますが、活躍されている鷹瀬さんについては、伝えておきたいことがあります。
また、連絡下さい。
----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: Y口取締役
Sent: Tuesday, January 09, 2001 11:36 PM
Subject: 面談について
鷹瀬です。素早いお返事、ありがとうございました。
資格の件については良かったのですが……
> 当方及びT中君についても、T社に在社する事がそう長くはありません。
動揺が……。
> 活躍されている鷹瀬さんについては、伝えておきたいことがあります。
> また、連絡下さい。
正直な話、私としても、何かあったらY口さんに相談することで計画を立てるという心構えでいるので、Y口さんがT社を退職されるのであれば、早急に今後のことを考えなくてはなりません。
現在大体10時〜20時勤務ですので、朝、T社に寄るなりして一度お話を伺いたいのですが、可能でしょうか? Z社の上司には、前日までに報告すれば多少の遅刻は可能だと思います。
宜しくお願いいたします。
----- Original Message -----
From: Y口取締役
To: 鷹瀬
Sent: Wednesday, January 10, 2001 9:03 PM
Subject: RE: 面談について
Y口です。
いきなり動揺させて申し訳ありませんでした。
昨年の10月より、当方とT中君はA地区のKS開発という会社で大規模な開発作業を行っています。従って、会社にはほとんど行っていないのです。客先作業はam8:45からpm7:00位ですので、もし宜しければ、pm8:00頃であれば鷹瀬さんの作業場所の近くか本社辺りに、T中君と一緒に行って、何がT社に起きているのかは、短時間で説明できます。
都合の良い日があれば、日時と場所を連絡下さい。
では、また。
----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: Y口取締役
Sent: Wednesday, January 10, 2001 11:05 PM
Subject: Re: 面談について
お疲れ様です、鷹瀬です。
> 昨年の10月より、当方とT中君はA地区のKS開発という会社で……
私の作業場がB地区で、A地区ととても近いので私がA地区に行ってもいいですし、B地区に寄って頂いてもありがたいです。もしもB地区なら、駅の改札を出てすぐに駅ビルがあり、お店もたくさんありますので、便利かもしれません。
今週は金曜日に用事があるので、明日か、来週以降でお願いしたいのですが、明日では急過ぎます……よね? もしも、明日11(木)がOKであれば、以下のアドレスにメールを頂ければ、作業場でも確認できます。
一応PHSを持っているのですが、室内だと繋がらないことが多いので……。A地区かB地区で待ち合わせするのであれば、PHSも活躍するかもしれないので、念のため、番号を記しておきます。
では、お返事お待ちしています。
----- Original Message -----
From: Y口取締役
To: 鷹瀬
Sent: Wednesday, January 10, 2001 11:03 PM
Subject: RE: 面談について
Y口です。
B地区は近いです。
明日、T中君と行きます。
何時が良いですか?
----- Original Message -----
From: 鷹瀬
To: Y口取締役
Sent: Wednesday, January 10, 2001 11:30 PM
Subject: Re: 面談について
素早いお返事ありがとうございます。
19時40分にB地区の改札で如何でしょうか?
日中、連絡のつくメールアドレスなどありますか? 急な予定変更の場合の連絡はどうすれば良いでしょうか? 私の方は取り敢えず、PHSにお願いします。
----- Original Message -----
From: Y口取締役
To: 鷹瀬
Sent: Wednesday, January 10, 2001 11:36 PM
Subject: RE: 面談について
Y口です。下記の件了解です。
日中、連絡のつくメールアドレスは無いので、取りあえず、当方の携帯は、090********です。急用の時は、いつでも連絡下さい。
では、明日。
ふぅ……以上です。
では、明日、「何がT社に起きているのか」をとくと聞いて参ります。
昨日の続きです。
「何がT社に起きているのか」──思わせ振りなY口取締役の台詞で幕を閉じた1日が終わり、いよいよ種明かしの面談日です。駅で待ち合わせをして、どこか落ち着ける場所をと彷徨うY口取締役、T中先輩、そして私の妙な3人組。店を探す道中、物問いたげな私の視線を微妙に躱すT中先輩。
どの喫茶店も混み合っている中、ガラガラに空いているルノアールに入り、腰を落ち着けます。3人がそれぞれに注文を済ますと、いよいよ「何がT社に起きているのか」の暴露大会です。
で、Y口取締役から聞かされた衝撃……いや、笑撃の事実とは……。
もーねー、こうなったら論文見習って、いきなり結論からドーンと行こうかね。
T社の社長ってば犯罪者でした。ハイ。
あ、すみません、突っ走り過ぎましたか? じゃあまぁちょっと、Y口取締役の話を時系列順にまとめてご紹介して行きましょうかね……。
昭和56年に創立したT社は、4年前、大きな転換期を迎えました。30人ほどいた社員たちと社長1人の間に対立が起こり、「社長が出て行くか、俺たち全員が出て行くか!」の大喧嘩が繰り広げられたのです。理由は「社員が稼いだ金を、社長が個人的な理由で使いまくり、挙げ句の果てに1億円を越す借金を作った」とのこと。
ワーオ!(※アメリカ人風に) いきなりの展開!! 内訳は4000万円のゴルフクラブ会員権、4000万円のマンション、2000万円の……という具合だそーです。
社員がどんなに怒ろうと、社長は当然とばかりに「俺の会社だ。俺が残る」と言い張り、呆れ果てた30名前後の社員が一気に辞めて行きました。その社員が辞める数ヶ月前にノコノコと途中入社してきたのがT中先輩です。
T中先輩は、当時の状況をこう振り返っていました。
「いや〜、あの頃の会社の雰囲気って殺伐としてて凄かったよ〜。業務時間中、誰も一言も話さないんだもん。──え? なんで気付かなかったって? だってさー、昔はフロアが2階に分かれてて、しかも出向してて会社に余り顔出してなかったから、裏でこんな凄いことになってるって知らなかったんだよねー。まさか全員いなくなるなんて思わないじゃん。そうこうしてる内に1ヶ月足らずで30人以上辞めてっちゃって、結局社長しか残ってないしさー。ある意味、面白かったよ〜。あはははははー」
社員が次々と辞め、多大なる借金が残った社長は、同時期に犯罪に手を染め、逮捕されます。
ウープス!(※アメリカ人風に) 加速度的展開〜! T社の内情から目が離せませんっ!
両手をひとまとめにしたお縄頂戴のジェスチャーをコミカルに披露しながら、Y口取締役は明るく言います。
「関税法違反でね、コレもん(←ジェスチャー中)だよ。ま、新聞にも載ったことだから、僕が隠してもね」
リアリー?!(※アメリカ人風に) 余りの展開に笑い出す私。受けたことに調子付いて意気揚々と話を続けるY口取締役。そんなシュールな光景を、遥か彼方雲の上から仏の如く見守るT中先輩。
派手な暴露話が、うらびれたルノアールで静かに繰り広げられます。
とにかく借金を返済しないことには話が始まらない社長は、古くからの知人であるY口氏とI井氏(去年の秋に辞めた経理)に助けを求めます。「会社再建に力を貸してくれないか」──そう言いながら、社長はお得意の土下座を披露したと言います。
社長は土下座が得意なのです。今でも都合が悪くなるとすぐ土下座するそうです。土下座ってそんな簡単に使って良いモノなの? 土下座だって安直に使われて、いい迷惑です。大体、「お得意の」なんて枕詞をセットにして良い名詞じゃないでしょ、「土下座」って。
とにかく、土下座は効果があったようです。どういう関係か知りませんが、Y口氏とI井氏は、それぞれ取締役と経理として、もぬけの殻になる直前のT社に入社することになります。(恐らく、Y口さんやI井さんにも、経営陣に混じることの旨みがあったのだと思う。実際2人ともかなり好き放題やっていたように見えるし……)
反社長派の社員が全員辞めた後、社長、Y口取締役、I井経理、T中先輩が残った訳ですが、この4人だけでは会社にならないので、社長は嫌がる息子をムリヤリ入社させ、5人からの再スタートです。
長い道程だったと言います。社長が横道に逸れそうになる度に、Y口取締役と経理のI井さんが駄目出しを繰り返し、更には経費をケチケチと切り詰めることにより、会社経営は徐々に安定し、4年目には社員も増え(丁度私が入社した頃)、黒字が出るほどにさえなりました。
一方で、経営が好転し、借金も減ってくると、社長の態度が変わって行きました。苦しかった時には「I井くぅん、頼りにしてるよ〜」と媚を売っていた社長ですが、会社経営が順調になると、自分が何かしようとする度に駄目出しをする経理のI井さんが目障りになってきたようです。細かいことにケチを付け、何かと嫌味を言うようになって行きます。当然、I井さんは腹立たしい思いを抱えるようになります。
徐々に本性を現す社長。呆れるI井さん。
結果、T社に在籍することに馬鹿馬鹿しさを感じるようになったI井さんは、2000年秋をもってT社を去ったのでした。
口煩い人間がひとり減り、社長は勢い付きます。社員が増え、利益が増えたことにより、社長は逆にどんどんケチになって行きます。「貴様のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ」という本性が再び目覚め始めました。
新世紀になり、社長は息子の嫁を入社させると言い始めました。要するに、給料を振り込むための幽霊社員です。
「息子の嫁さんばかりか、自分の78歳の父親まで社員名簿に載せようとしてね。そうなったらもう会社じゃないでしょ。当然止めましたよ」
アーハァ。(※アメリカ人風に) Y口取締役は当時を思い出してか、投げやりな口調で言いました。その何かを放棄したような口調は、話の展開を予測させるには充分でした。
Y口取締役は当然止めた。しかし、社長は止まらなかったのです。
「そんなことがあった後にね、社長が僕に言ったの。『Y口君、もう俺ひとりでやってくから、君はいいよ』って。今まで色々抑え付けてたことに対して怨みを持ってたみたいでね。あ、来月から社員名簿に社長の父親と、息子の嫁さんが加わることが決定しましたから」
オーノォォーゥ!!(※アメリカ人風に) もう最低っ! 救いようがないド最低人間じゃないっすか!!
話の展開にくらくらする私に構わず、Y口取締役は続けます。
「別にこの会社にしがみ付く気もないんでね。取り敢えず3月末で僕は辞めますので。辞めると言うより、クビですけど。T中君は今、今後のことを検討中なんだよね。ま、鷹瀬さんに辞めろってけしかけてる訳じゃなくてね、丁度資格の受験料の話とかでメール貰ったから、とにかく会社の実情を話しておいた方がいいかと思って」
「I井さんが辞めちゃって、もう銀行への借り入れも随分やっちゃったから、どうシミュレーションしても今年の冬のボーナスは出ないんだよね。だから今すぐどうこうとは言わないけど、この現状は把握しておいた方が良いと思って」
「黒字が出たとは言え、借金はまだまだあるし。あの人も馬鹿ですよ。去年ちょっと儲けが出た時に、社員に賞与として配らないで税金なんか払っちゃって。儲けを社員に還元すれば、皆だって満足して一生懸命仕事をすることで後々大きな利益が返って来るのに、国に税金なんか払ったらそこで終わりだからね。どうせ経費なんだから、社員に返すべきだったのに、あの人は人を雇うってことがまるで分かっていないんですよ。いつもいつも目先のコトしか考えられないから」
社員に儲けを返すのが会社にとっても良いこと──やはりY口取締役の考え方は、最低線健全なのです。この人が辞めた後のT社って……どうなるのでしょう。そもそも今回の面談をするに至った大元の動機、昇給の交渉は、一体誰にしたら良いのやら。
鷹瀬 「あの〜……、現在、社長にとって社員は大事なんでしょうか……。と、言うのはですね、その、そろそろ昇給して頂きたかったんですけど、そういう話を今社長にして、どうなるでしょうか……」
Y口 「うーん……難しいねぇ……。社長も普通の精神状態じゃないから、強気の時に少しでもお金の話をしたら、相手も見ずに『貴様はクビだ』になるし、弱気の時なら『なんでも聞くよ』になるし……。どう転んでも、鷹瀬さんがいつも言うような『働きで評価してくれ』なんていうまともな交渉は出来ないだろうけど、上手いタイミングで交渉すれば5万くらいは上げられるんじゃないかな? そもそも鷹瀬さんの給料なんて物凄く低いんだから」
T中 「でも5万は無理じゃないっすか? 昔、社長が凄く大事にしてた社員がいて、その人が給料交渉した時、社長が『破格の待遇』とまで言って、昇給額が1万5千円だったからね……。その人、『俺の価値って1万5千円なんだ』って笑ってたよ」
鷹瀬 「………………で、その人、どうしました?」
T中 「当然直ぐ辞めたよ」
鷹瀬 「………………T中先輩は給料交渉とかしないんですか?」
Y口 「T中君だったら結構ワガママ言っても上げてもらえるんじゃないかな」
鷹瀬 「そうですよ。どうせ辞めるなら『10万上げてくれたら残る』とか強気で行けばいいじゃないですか」
T中 「って言うかね、もう俺、あの人とそんな交渉するのも嫌なんだよ。鷹瀬さんもさ、給料交渉するなら社長がキレた時に即座に『じゃあ辞めます』って言えるだけの環境を整えてからにした方が良いよ」
Y口 「そうだね。あの人も強気の時だと、直ぐ『じゃあ辞めていいよ』って言うからね。会社にとって誰が大事とか、そんなこと考えてないから、いくら鷹瀬さんが真面目に仕事してても、社長には関係ないからね」
T中 「言う時は駄目モトでね。ま、頑張って」
オーマイガーッ!(※アメリカ人風に) ……………………新世紀早々、いきなりヘヴィな展開になっちゃいましたねぇ……。ただちょっと給料を上げて欲しかっただけなんですけど……。
取り敢えず、参考書代と資格受験費用は払ってくれるようなので、T社に在籍中に購入できるだけの参考書と、取得できるだけの資格をむしり取っておこうと思います。この会社にはその位しか利点ないし。
でもね、思いました。この年になると、現状を打破しようと色々動き始める人と、現状に不満を持ちつつも場に落ち着いちゃう人とに分かれる訳ですが、通常は、動き始める人はそれ相当の強い意思と行動力をもって自分の現状を変えて行っているし、そうでない人は自らが動かないので現状も変わらないという、非常にクリアな因果関係を築き上げています。なのに、私ときたら……自分の意思とは無関係なところで現状に揺さぶりが掛かるという、とても有り難い環境にいるようです。これはもう、私がそういう環境に無意識に引き寄せられているのか、そういう環境が私を引き寄せているのか……引力……っちゅーか、重力の力学が働いているとしか思えません。
そんな中、ふと思い出したフレーズがあります。かつて友人H江が零した珠玉の名台詞です。
「神様は言葉を持たないからね。現状をもって人を導くんだよ。それを福音って言うんだね」
ってことで、私にも福音が訪れたようです。だって、神様の声が聞こえます。
「鷹瀬よ……もうその会社、辞めろや。自分から辞められないなら、ワシが辞めさせたるさかい。な? 覚悟はエエか?」
ちょっとガラの悪い神様みたいだけど、なんかそんな風に言ってるのが聞こえる……。
実際、会社の存続が危ういという話を聞かされても、全然ショックじゃなかったんですね。「面倒だな」とは思いましたが、心のどこかで「丁度良い切っ掛けが出来たな」と思ったほどで。
以上のような経緯から、私の今後はちょっと忙しくなりそうです。オーイェ!(※アメリカ人風に)
昨日からの続きです。
やっぱさ、会社を疑う社員としては、社長が何の罪で逮捕されたのか知りたいんですわ。でね、調べたんだ、インターネットで。社長のフルネームを検索キーワードに設定して。
そしたらさ……結構簡単に見付かっちゃってね。便利になっちゃったね、世の中。それが良いコトなのかそうでないのか、もう僕分かンないや……。
さて。社長の犯罪歴……ここでズバっとご紹介しておきましょう。
「米国から航空郵便でワイセツな内容のCD−ROMを密輸入して国内で販売し、関税法違反で逮捕」
──ウン、逝ってよし。
ったくもー、よりにもよってサイテーだっちゅーのー。数ある犯罪の中でも、品位を疑う最低の部類に堂々と入る犯罪じゃないかー。まぁ、「じゃあどんな犯罪歴ならお気に召すんだ」と問われても返答に窮しちゃうんだけどさー、「ワイセツなCD−ROMの密輸入」は選りすぐり過ぎるってば。
トコトンだなぁ……。でも、どうせならトコトンの方が報告のし甲斐もあるし、面白いか。
寒いわ眠いわ。朝、刻一刻と迫る起床時間と闘うために、布団の中でまんじりともせずに秒針にガン飛ばしちゃったわよ。いや、時が止まらないかと思って。ホラ、最近、神掛かってるから。(←いつの間にやらそういうことにしたらしい)
でも、もー頭に来ちゃう。止まらないのよ、秒針がっ! ぷんぷん! お陰で今日も会社に出社よっ!
私は8度以下の世の中では働かないって誓ってるのよっ! 私の信仰する神様にっ! 雨の日だって働きたくないのにっ! まったく! 日本人はカメハメハ大王を何だと思ってるのよっ!! 失礼しちゃうわっ!
──うーん……ニュータイプで攻めてみたんだけど、ちょっと歯切れ悪いなぁ。少しマジなのが敗因か?
まー色々あって疲れたので(今ってこの言葉が人生の中で一番似合う時期な気がする)、今日はもう寝ます。書きたいコトはたくさんあったのですが、それはまた明日にでも……。
本社がどんなにメチャクチャなことになっていようと、それは4年前からの話で、しかも我が出向先Z社には何の関係もない訳で、現在、自分の勤める会社が崩壊寸前ということとは全く別に、非常に忙しい日々になっちょります。
こんなんでもそんなんでもあんなんでもどんなんでも、日常は続くようです。
先日頂いたメールの中に、心にすとんと落ち着く心地よいフレーズがありました。
「私の経験から言うと、会社にうんざりすると、自分を磨こうという自己防衛本能が働くものです」
ああ、そうか。そうね。そうなんだよな。そういうことなんだ。──と、妙に納得してしまったこの一節。微妙な気持ちが明快な言葉で表現されていると、それだけでもう嬉しくなります。
別に良い会社に勤めていて現状に満足していても、常に自分を磨いている人は大勢いるでしょうが、ボロクソな会社に置かれたときの精神状態というのは、一種向上心に似た昂揚感も相俟って、追い立てられる様に行動的になります。少なくとも、私は。それが楽しくてなりません。正直に言えば、余裕がある内は、楽しくて仕方ないのです。
ハングリー精神というほど高尚なものではなく、もっとインチキ臭くて安っぽい精神状態なのですが、それでもこういう精神状態でいることは、疲れるし不安ですが、好きなのです。これも正直に言えば、余裕がある内は、ですが。
自分の置かれている環境に不満を持っていたら、周囲の環境を変えるか、自分が動くことでそこから脱出するか、とにかく行動を起こそうとする気概は、どんなに小さくても持っていて損のないものだと思います。逆に言うと、現状に不満を抱きつつも、現状を変えることも現状から逃げ出すことも出来なくなってしまった時こそが、本当の意味でマズイんじゃないかと思うのです。そして更にマズイのが、不満すら抱かなくなった時ではないかと思います。
こういう状況は自分の時間がなくなればなくなるほど陥りやすくなります。過度な労働などで考える時間を奪われると、意識が麻痺してくる。要するに「充実感もなく疲れちゃってる」状態です。
自分を取り巻く現状なんて考えてもブルーになるだけ。だから、考えること自体を放棄する。そういう流れで現状を受け流している人も多いでしょう。
時と場合によっては、思考を麻痺させるという方法は最善の策なのかもしれません。考えてもどうにもならないなら、考えない方が心的負担は少ないでしょうし、当面はそれで困らない……どころか、その内状況が変わるかもしれません。こればっかりは、性格や状況や様々な要因が絡み合って、結果は1種類ではないので明確な答えなどありませんが、私的に言えることは、悩むのも悪くないんじゃないかと。辛いったって死ぬ訳じゃないし。悩むことで死ぬほど辛くなる性格の人は絶対に止めた方が良いと思いますが、余裕がある人は、悩むのも悪くないんじゃないかと。
悩んで悩んで悩み抜くと、答えが出ればそれで良いし、出なければ出ないで、いつまで悩んでいても結果が出ない不毛さに嫌気が差して、ムリヤリ結果を出そうとする自然行動能力が発揮されると思うのです。この乱暴な結果こそが懊悩の醍醐味ではないかと、私はまた無駄に思考を空回りさせるのでした。
ま、要するに私も基本的に幸せなんだよね。
追記として言うなら、別に精神的疲労に関係なく、悩まない人もいますよね。気持ちの赴くままに行動して、颯爽と生きている人もいるし、どうしようもないことでウジウジ悩んでいる人もいるし。性格……性格って難儀なものだなぁ……としみじみ思いますねぇ。
睡眠時間は6時間以上ないと……。
10日から俄かに繰り広げられている、我が本社T社崩壊劇のその後です。
進展があるようなないような日々ですが、T社は本格的に傾きつつあると言うことが本日判明しました。いや、ある意味4年前から立派に傾いていたんですけどね……Y口取締役のマジックで、一見ピサの斜塔程度の傾き加減で一応は建っているように見えていたもので……。「今年中に目処を……」なんて、私ってばとんだ呑気モノだったみたいです。
本日何が判明したのかに話を戻しますが、本日、「Y口取締役が去った後、T社の半数の社員がY口取締役に付いて行き、残りの半数の社員の内、やはり半数が近い内に辞めるらしい」ということが分かりました。そうかー、皆付いて行くんだー。ふーむ。
Y口取締役が3月末で辞めるにしても、私はその後半年くらいはT社に残って資格を取得したり給料交渉などをし、今年の9月で入社2年目になるのを契機に退職しようかと漠然と計画を立てていたのですが、社員の4分の3が辞めてしまう場合、会社として成り立たないような気がするので、この計画は脆くも崩れそうです。
ま、そうなりゃそうなったで全然OK、全く支障はないけどね。
しかし、せっかく資格取得の階段を半歩上った時点で、再びT社に揺さぶりが掛かっているというのがなんとも……。受験料が約3万円もするもんでね、これを回収するまでは会社に存続していてもらわないと困るんですけど……。せめてY口取締役が在籍する残り2ヶ月くらいは落ち着いててくれるかと思いきや、甘かったようです。
Y口取締役は、社長から「退職のことは他の社員には言うな」と口止めされていたらしいのですが、たまたまタイミング良くY口取締役にメールを送った私を皮切りに、今、どうやら内密に社員たちに個別に連絡を取って、私が11日に聞いたような話を繰り広げているらしく、この動揺は少々の時差を孕んでT社社員たちに静かに広がっているようなのです。
と、言うことで「社長にとって社員が大事ならば、給料交渉を……」なんて呑気に構えている場合じゃなくなってきました。大事とかそういう駆け引きは、ある程度比較できる社員がいてこそ、会社があってこそ。社員が4分の3いなくなった状態で、残りの4分の1に混じっている私が「昇給を……」なんて言おうものなら、焼け石に水と言うか、火に油と言うか……まー、正反対の事態が渾然一体となって襲いかかってきちゃいそうで恐いんですわ。
でもねー、改めて感心しちゃうな。今、心底、会社ヤバイんだーって。アハハ。本当にリアルタイムで会社が傾いてるんだーって。ワハハ。結構貴重な体験だよねーなんて。ガハハ! マジだマジだと思いつつ、つい(気持ち的に)遠く離れた本社で起こっている危機って現実感に乏しいんだけどねー、それでも曖昧に刺激的。
これもそうそう遭遇できるものではない一種独特の体験なので、見届けられるところまで見届けたいものです。
なんかきっとどこかで使われていそうなメジャーなタイトルですが、敢えてベタで行ってみます。
本日、ちょっと書類を揃えるために役所に立ち寄ったのですが……これがまた絵に描いたような旧態依然の、一般人が悪意をもって思い浮かべる「お役所」をそのまま忠実に再現したような役所で、逆に「今時こんなんでもやって行けるつもりなんだ……。すげぇな、公務員」と感心してしまいました。良いか悪いかは別にして、「どんなんでもクビにならない」という安心感は、人をダメにする確率が高い気がします……。
「公務員」=「仕事してない」「給料泥棒」「9−17時勤務」「残業なし」というイメージを抱いている人間は私を含めて少なくないと思うのですが、国家公務員など死ぬほど働いていると言うのは常識だし、部署や管轄によって「定時帰りなど夢のまた夢」というケースも半分くらいはあるようです。──が、恐らく市役所、区役所などは、その名の通り「お役所」のイメージに近いケースが多いのではないでしょうか。
ボロボロのビルの1階の小さな部屋に、ニアリー・ジャージ姿の30〜50代の男性6名、20〜30代の女性2名。勿論そこはアットホームな役所。冷たい近代的な思想など取り入れている訳もなく、鉛筆とノートと書類が素朴に散在する机の上には、感情のないPCなど置かれていないし(オフコン端末は1台あった)、職員同士のコミュニケーションを邪魔するパーテーションなどもありません。職場を遮るものは何もない、非常に風通しの良さそうな事務室です。
それなのに、あの「お役所」独特の淀んだ空気はどこから湧き出るものなのか、不思議でなりません。
職場の人間全員を一望できるロケーションに受付が用意されているにもかかわらず、そこに一般人の私が立っていても「何かご用ですか?」の一言もない。こちらからあちらが見えるということは、あちらからもこちらが見えていると思うのですが……。一番遠い人でも5m、一番近い人に至っては1mの場所に客が立っているというのに、席を立って用件を聞くような普通の神経を持ち合わせた職員は1人もいないようです。
オー、そんなに職務に熱中しとるのか。天晴れ見事!
「すみません」
この一言で、漸く数人がこちらに視線を向けます。
今気付いたような顔しちゃって。貴様の視野はそんなに狭いのか。眼の病気かナンかか?
心の中で一通り悪態を吐き終っても、死んだ魚のような目をした職員は、それから先のアクションを起こしません。
──ったく。どこまでもどこまでも。
「すみません、住民票を発行して頂きたいのですが」
ここまで言うと、漸く一番若そうな男性職員が席を立ち、受付近くまでノロノロと近付きながら、投げ遣りな口調で言います。
「そこのピンクの用紙に必要事項を書いて出して」
語尾の「下さい」が欠落してるみたいヨ。しかもナニ貴様そのダルイ態度は。まだ朝9時だぞ。それとも何か、これから数時間後には劇的にエンジン掛かって爽やか青年に変身するのか?
私の心の内の文句など当然聞こえる筈もなく、ダルイ職員は役目は終えたとばかりにさっさと自分の席に座ります。
すぐ書き終わるからそこで待ってなよ。そんなに忙しいのか。まぁ別に席に戻るのは良いんだケドさ、次に私が受付に立ったら、今度は何か言う前に寄って来てよね。もう私の用件は伝えてあるんだから。
なんてね……心でいくら思ってもダメね。KDDIのCMじゃないけど、「伝わってる?」ってなもんよ。
案の定というか何と言うか、用紙に必要事項を記入して受付に立つと、また「スタートに戻る」で、手順踏み直し。再び呼び付けて書類を提出し、証書発行の処理してもらって、そこから先ももたもたもたもた……。どうやったらあんなに手際悪く事務処理が出来るのか、いっそ不思議。
そんなこんなして私が住民票が発行されるのを待っていると、途中で街の顔役みたいなオジサンが現れて、すると今までダラダラしていたニアリー・ジャージ姿の中年の社員たちが露骨に愛想振り撒いてその人の元に寄って来て……。何か話し始めたと思ったら、ゴルフの話! うわ〜うわ〜。型通り! ドラマみたい!!
やっぱスゲェな、役所って。ナニかイキイキとしたエネルギーを吸い取るうねりが見えるようだよ。
昨日は散々お役所の悪口を書きましたが、あれはあくまでも私の家の近くにある役所についての話であって、一般的な話にするつもりはありません。当たり前のことですが、能率の良い役所だって(きっと恐らくどこかには)あるでしょう。ただ、割合問題として、「お役所」=「能率悪い」という図式はかなりの高確率で当てはまるという事実もあると思っています。
どんなに有能な人でも、どんなにやる気に満ち溢れた人でも、ああいう環境(22日参照)に1週間いたら絶対に淀んで行く気がする……。逆に言えば、あのような役所に勤めながらにしてイキイキ、ハツラツとしていられる人がいたとすれば、それは物凄い精神力の持ち主だと思います。
樽一杯の清水に汚水を垂らせば、それは樽一杯の汚水になるし、樽一杯の汚水に清水を垂らしたところで、それはやはり樽一杯の汚水ですもん。
淀みを清浄化しようと思ったら、通常以上の意識改革が必要だと思うけど、それこそ正義感溢るる新人が数人入ったところで、長年に渡って染み付いた組織全体の淀みを拭うのは不可能でしょう。染まらないように意識を保つだけでも至難の技だと思うし。
9〜17時勤務をキッカリ守っているとして、それを「仕事していない」とは思いません。むしろ、ダラダラ残業などせず、短時間で能率良く働くことは私の理想とするところです。お役所の連中に思わず眉をひそめてしまうのは、業務時間中にダラダラして、それでリストラの心配もなく、普通に給料を貰っているからです。
死ぬほど働いた挙げ句にリストラされる人間がいる一方で、あんな世界があるなんて、納得行きません。どうしてこう、偏っているのか。皆が短い時間で効率良く働くことこそが理想なのに、現実は極端から極端へ飛んでしまいます。
公務員の受験資格には年齢の上限がありますが、私はあれには大反対です。逆にすべきだと思っています。つまり、年齢制限を付けるなら下限を付けるべきだと。
公務員の資格に「最低×年以上の社会人経験があること」という項目を付け加えたら、お役所の雰囲気も絶対に良くなると思うんですけどね。
なんにしても、遣り甲斐がある仕事には残業が付き物だし、定時で帰れるような仕事で遣り甲斐がある仕事というのはなかなかありません。仕事というのは、難しいものです。
Z社のモーレツ社員、我が尊敬の的、Yさん26歳(【人物紹介】Z社のNo.3参照)──彼女はペルシャ22歳(【人物紹介】Z社のNo.12参照)を初めとする新人たちの教育係です。そのYさんが、こんなことを言っていました。
Y 「いや〜……22歳って言うと、もう『世代が違うな』って思うわ。ジェネレーションギャップを感じるよ……。だってさ、聞いてよ……。この前、ペルシャさん、いきなり私のトコに来て、『今日はニキビが出来たので、早く帰ります』だって。もうビックリしちゃって、『え、あ、ハ、ハイ』とか言って、頷くことしか出来なかったよ。私も今度ボスに言ってみようかな。『ニキビが出来たから帰ります』って」
……………………よく若者が平然としていて、年上の人間がオタオタしている、というシーンが風刺的にCMなどで使われていますが、結構日常にゴロゴロある話なのかもしれませんねぇ……。
有給を1日でも使うと、その月の皆勤手当3000円が無効になってしまうので、有給を使う時は一気に消化した方がお得だと思うのですが、プロジェクトが走り始めてしまうと、まとめて何日も休める訳もなく、結局休める時に休んでおかないと上手く有給が消化できないという事態に陥りかねません。
こんな心配をせずとも有給はばっちり使い切るタイプですが、では何か目的を持たずにふと休もうと思うと、何となく「水曜日に休みたいな……」と思います。月曜や金曜に休暇を取って連休にするのも一興ですが、それよりも「明日は休みだ」というウキウキ感を味わいたいからです。
私の場合、1週間の内で一番気持ち的に解放されるは、土日ではなく金曜日です。「明日、明後日が休み」という精神状態が幸せを呼び、解放感をもたらします。土曜日は「明日休んだら会社か……」と思うし、日曜日に至っては「はぁ……明日からまた会社か……」と思うので、実質働いている金曜日よりも解放感が少ないのです。
土曜日も日曜日も勿論好きですが、木曜日だってなかなかイケてます。「明日会社に行って、そしたら休みだ」という昂揚感が徐々に漲り始め、多少の疲れは気になりません。
水曜日も「もうちょっとで……」という気持ちになれるのでまだまだ良しとして、辛いのはやはり月曜日、火曜日なのです。
休日とは、日数が多ければ多いに越したことはありませんが、日数だけでなく、その配置に非常に大きなポイントがあると思います。
そんな中、思わず眉根を寄せてしまうのが「ハッピーマンデー」というヤツです。
ハッピーマンデー法は、良いような悪いような……。3連休になると旅行がしやすくなるし、まとまった時間を必要とする作業には持って来いなのですが、私の場合は2連休が3連休になったところで本当にやりたいことはやれず、10連休くらい与えられなければ余り変わりはありません。3連休の有り難味をさほど感じない私にとって、1年の間に無作為にバラバラと散在していた祝日が、月曜日に集中するというのはちょっと迷惑なのです。
「休み」も勿論欲しいのですが、「休んだ感覚」が欲しい場合、金曜日や月曜日に休むよりも、水曜日や木曜日に休んだ方が休んでいる気になります。例えば水曜日が休みの場合、月曜日と火曜日は木曜日と金曜日のような感覚をもたらしてくれます。水曜日が祝日の週は、「明日会社に行けば休み」「明日休み」「休み」「明日会社に行けば休み」「明日休み」「休み」「休み」という気持ちで過ごすことが出来るのです。
祝日が土曜日に重なることを防ぐのは非常に有り難いのですが、どうせなら、祝日が土曜日に重なった場合に振り替え休日を設定してくれればいいのに。
って言うか、それ以前に休みが少なすぎるのです。
普通の社会人になると年間働きっぱなしで、長くて1〜2週間の休みが年に1回あるかないか。そんな日々が定年まで延々と続くこと自体がオカシイのです。年に1ヶ月以上の連続した休みがある人生と、ない人生では、人生観も人間の質も生き方も、何もかもが変わってくるでしょう。
この件に関しては、以前の日記2000年7月11日「休暇の意義」にて書いているので、ご興味ある方は覗いてみてください。
現在、ニコニコ上司のI田さん(【人物紹介】Z社のNo.6参照)率いるプロジェクトRをヒロコ(【人物紹介】Z社のNo.11参照)に引き継ぎ、私は新たなプロジェクトSに移行しつつありますが、それでもR社絡みのプロジェクトから完全に抜けた訳ではなく、現在でも週に2〜3回はR社に赴き、狭い作業場(2000年12月26日参照)で黙々と作業しています。
去年の6月頃からR社に出向していることもあって、作業場は完全に孤立していても、R社の社員ともそれなりに親しくなってきており、適度に楽しい人付き合いあり、自由度の高い作業環境ありのR社出向は、実は密かな私の楽しみです。加えて、R社はZ社よりも定時が1時間半早いため、終日R社で作業の日は、遅くに出社し、早くに退社するという夢のプランも実現可能になります。更には、R社は化粧品会社なので、時々新商品のサンプルとして口紅やマニキュアやアイシャドーなど頂き、贈り物に弱い私は「良い会社だ……」などとノックアウトめろめろ状態です。
さて、こんなR社で本日作業をしていたところ、私がお邪魔している情報システム部に商品開発部(?)の女性社員が大きな袋を持って現れました。
「すみません、アンケートに協力して頂きたいのですが……」
彼女はそう言いながら手提げ袋から大きな封筒を取り出し、情報システム部の女性社員に配って行きます。
「中に2種類の口紅が入っているんですけど、2日間ずつ朝から晩まで使って頂いて、このアンケートに答えて頂きたいんですよ。来週回収しに来ますので、宜しくお願いします」
ほほー。化粧品会社らしいねぇ。なんか華やかでいいなぁ……。IT業界で配られるサンプルっつったら新しいOS? ソフト? 新言語? 「使ってみて」っちゅーより、「勉強しろ」ってなもんだよなぁ……。システムの使いやすさのアンケートなんかしたら、その改良するのは自分たちだし……。
そんなことを思いつつも、私は完全に孤立した作業場で仕事をしているので、衝立の陰で淡々と仕事をしていたら、その商品開発部の女性社員が衝立を覗き込み、私を見付けました。
開発部 「あのー、お仕事中スミマセン。化粧品のアンケートにご協力して頂けませんか? モノは口紅なんですけど、来週末に社長にプレゼンしなくちゃいけないんですよ」
鷹瀬 「あの、すみません。私、R社の社員じゃないんですよ。出向社員なので……」
開発部 「ああ、そんなの全然構いません。もう、女性であれば誰でもいいので」
…………………………そーすか。
いや、他意はないと思うんだケド(っちゅーか、思いたい)、ちょっとした言葉の選び方で心象って随分変わるもんだね……。
このHPを読んで下さっている方は、一体どうやってこのHPを見付けたんだろうかと、知りたく思うことがたまにあります。「Read
Me」や「日記才人」に登録しているし、Yahooの就職体験記のカテゴリーにも載っているので、まぁ主にはその辺りなんだろうとは思うのですが、「ひょんなことから」見付かるとなると、どんなケースがあるのだろうと、ちょっと疑問に思っていたのです。
今まで教えて頂いた中では、「『メガトレ』を検索したらエッセイがヒットした」というケースや「『漫画喫茶』で引っ掛かった」というケースなど、日常エッセイに含まれるキーワードから、トップページを芋づる式に覗いて見た、というのが「ひょんなことから」の主流なようです。
──が、検索エンジンを甘く見てはいけませんね……。最近立て続けに頂いたメールで、検索エンジンの可能性に驚かされました。
「鈴木光司の『らせん』を調べている途中で見付けました」
「胃潰瘍について調べていた時、『ピロリン菌』のキーワードで偶然知りました」(※注:「ピロリン菌」詳細は2000年11月17日参照のこと)
………………「だつさらせんげん」と「ピロリ菌」(胃潰瘍の原因と考えられている菌)の間違い検索……。検索エンジンでこのHPが見付かる場合のキーワードなんて、「脱サラ」くらいかと思っていたのに、偶発性はかなり低いものの、何やら運命的なものを感じてしまう見付かり方な気がします……。
まぁでも「らせん」を調べていて【脱サラ宣言!】というタイトルのサイトが見付かったとして、それをクリックするかどうかというのは大きな壁ですし、胃潰瘍について調べていて以下同文。
それだけ「脱サラ」という単語は結構高い率で、人々が気に掛けているキーワードなのかもしれませんね。
あっちゅー間の1月。時が経つのは誠に早い。
崩壊5秒前のT社(10日参照)のT中先輩(【人物紹介】T社のNo.11参照)が、今月をもって退職しました。「いつ辞めようかな……」とは言っていたものの、Y口取締役(【人物紹介】T社のNo.2参照)より早く退職するとは……。どこまでも侮れません。
今後に続くであろう退職ラッシュレースはどのような展開になるのか、ちょっと想像が付きません。
| 2001年01月の勤務表 |
| 出勤日数 18日(うち休出 0日)/勤務時間
150:50/ |
欠勤日数 0日/ |
有給休暇 1日/ |
| 月残業時間 15:50/ |
日平均残業時間 0:53/ |
今月最高残業時間 2:00/24(水) |
| 【一言】 ええっ?! なんでこんなに働いてるの?! 疲れてるのは残業のせいなの?! |
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