2000年12月の日常日記&コラム

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もうすぐ21世紀。やらねばならんことが山積みです。

2000年12月の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 01(金) 魅惑のインド  03(日) 核施設立地反対署名  04(月) excellent com
 05(火) 本当にエクセレント?  06(水) 小休憩  07(木) みんな凄い
 08(金) 署名の意義  11(月) 能力ある者の義務  12(火) お伺い5段活用
 13(水) 豊かさが招く憂鬱  14(木) 昨日の補足  15(金) 会社のイイトコ&ヤナトコ
 18(月) 安かれ悪かれの真実  19(火) 直角さんが来た  20(水) not 直角 but ペルシャ
 21(木) ペルシャにアタック  22(金) 短い年末年始らしい  25(月) クリスマスなのに……
 26(火) 作業場公開  27(水) 天然の破壊力  28(木) やはり飲み会嫌い
 29(金) 20世紀の締め日  −  −




 2000年12月1日(金)/魅惑のインド  曇後晴/残業 -0:30 
 唐突ですが、インド映画が大っ好きです。日本でのメジャーどころと言えば、「ムトゥ踊るマハラジャ」のラジニカーント辺りでしょうが、彼はタミル(南インド)のスーパースター。私が現在最も愛しているのは、北インドのトップ俳優シャー・ルク・カーンとスパイシーな女優カージョル、そして女王マードゥリーの、インドではメジャー中のメジャーな御三方!
 シャー・ルクが眉間に皺を思いっきり寄せて瞳をうるうるさせればトキめき、カジョールが悪戯っぽくニヤリと笑えば共にニヤリとし、マードゥリーが微笑めば顔の前で手を組んでウットリする──好きなんですね、要するに。

 映画で言えば「Kuch Kuch Hota Hai」「DDLJ」「Dil to Pagal Hai」「Karan Arjun」「Pardes」など何度観直しても飽きないし、これらの映画以外の歌と踊りのシーンで言えば、「Ek Pal(Kaho Naa Pyaar Hai)」「Ghongte Main Chanda(Koyla)」「Chaiya Chaiya(Dil Se)」「Ek Do Teen(Tezaab)」「Ankhiyan Milaoon Kabhi(Raja)」「Hawa Hawai(Mr. India)」「Pyar Karte(Judaai)」などはDVDの画質が悪くなるほど繰り返し見ています。
 映画を通してインドの歌(主にサントラですが)も好きになりました。意味が分からない内からヒアリングのみで歌詞を覚え、映画の中の主人公と共に「トゥジェデカトイェジャ〜ナ〜サ〜ナム」と口ずさめば、気分はもうマサラです。下手に世界語である英語で歌えば「発音悪ぅい」などと言う辛いツッコミも入りましょうが、ヒンドゥ語なんて大抵の人には分かりゃしないので、道で口ずさんでいてもザッツオーライってなもんです。我が世の春でしょう。(※注意:様々な場所で言葉の誤用がありますが、気にしないように)

 さて……冷静になりましょうかね……。既にここまでで、コレから先の話への興味を失った人が9割9分9厘を越えたと思うので、この呪文のような話題を唱えるのはこの辺で止めておきます。
 別にこんな趣味の話をしようと思っていたのではないのです。取り敢えず触りとして、「私がインド映画を通じてインドに興味がある」ということだけを言いたかったのです……。

 で、本題です。インドです。
 インド映画は好きですが、「インドが好き」と言っている訳ではありません。インド映画のことを調べる内に、それに付随してインドのことも色々と知る訳ですが、インドは「興味がある」とは言えても、そう簡単に「好き」と言えるほど浅くは無いと言うことだけが、現在までに分かっている事実です。
 本や雑誌など、インド映画関係のものを読み漁っている傍らで、インド自体をテーマに扱った本にもちらほらと目を通すのですが、最近インド旅行体験記を2冊ほぼ同時に購入し、その中身が見事に対照的だったので、これはちょっと面白いかなと思い、セットで紹介しておきます。
 いつかインドに行ってみたいと思っている方にとっては、片やインドの良いところと実生活の魅力を凝縮した本、片やインドの悪い面のみを泣き言塗れで綿々と綴った本で、バランスを取るには丁度良い2冊ではないでしょうか。
「インドな日々」 著者:流水りんこ 発行:朝日ソノラマ
 ──インドに魅せられた漫画家の漫画+エッセイ集。15年間に渡り1人旅でインドに通いつめ、挙げ句の果てにはインド人と結婚までしてしまった作者の、本格的なインド旅行&滞在体験記。
 「好き」というパワーは、こうまで物事を爽やかに映し出すのか! 天晴れ!という清々しい気持ちになれる本。今まで見えてこなかったインドの魅力がビシバシ伝わってきて非常に面白かったし、この作者の生き様がとても自由で気軽で爽快。「こんな生き方もあるんだよなぁ……」と、テーマとは別の視点からも仄かに感動できる。

「インド怪人紀行」 著者:ゲッツ板谷 発行:スターツ出版
 ──自発的にではなく、取材でインドに赴いた4人の男のぐちゃぐちゃな人間関係をメインにした体験記……。インドが主題ではなく、あくまでも作者の個人的な友人関係を、インドという高大な土地を舞台に小さくネチネチとユーモアもなく紹介した本。
 内容の半分以上がドラッグの体験記で、やはり半分以上が取材メンバー4人のクソつまらん人間関係の紹介。私にとっては途中で読むのが苦痛になるほど下品で不愉快な本だったが、「インドが嫌で嫌で堪らない」という感じはよく出ている。作者に知的な理性が感じられない分、これもインドの生々しい一面であることが伺え、参考にはなると思う。本屋で平置きにされているところを見ると、売れ線の人気シリーズらしい。(面白くないと思っているのは私だけかも……)

 この2冊を読んでしみじみ思ったことは、「好き」というパワーは他人を楽しくさせるなぁ……と言うことです。人の情熱は、もうそれ自体に価値があると思うのでした。これがないと、事実が面白くても「嫌だな」と思う気持ちがその面白さを消してしまい、場面場面での臨場感や昂揚感が伝わって来ず、冷めた感じがしてしまうのです。よほど書き方が上手ければ話は別なのでしょうが、少なくとも上の本に関しては……。

 話をインドに戻しますが、上の2冊はある意味、両極端なので、普通に面白く読むなら
「河童が覗いたインド」 著者:妹尾河童 (新潮文庫)
などがオススメかもしれません。インド本で何かオススメありましたら教えて頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。


 2000年12月3日(日)/核施設立地反対署名について 
 トップページにて核施設設立反対の電子署名のお願いをしていますが、この件に関して簡単な説明を……。

【核施設はいらない島民の会・上屋久町〜会報6号より】

 昨年来、屋久島・種子島付近で原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設立地の動きが見られます。プルトニウムを含む高レベル放射性物質が年間500トン、総量5000トンも運び込まれるという中間貯蔵施設です。これは遠い鹿児島の話ではありません。放射能が漏れた時には、黒潮に乗って僅か10日で関東まで達するでしょう。(関東に達するから危機感を持てという訳ではありません。現実問題の影響範囲の話です)

 まず核施設立地に白羽の矢が当たったのは種子島の馬毛島でしたが、この1件は、島外から寄せられた16949名の署名を添えて、9月19日鹿児島県知事と県議会に核施設立地反対派の「島民の会」が提出した陳情書など合計3件の反対陳情が10月3日に採択され、解決しました。
 そして今、再び十島村がターゲットにされています。前回の実績により、署名の効力は充分に期待できます。

【核施設はいらない島民の会・上屋久町】 http://www1.ocn.ne.jp/~yakuisl/


 上記サイトにて、12月5日〆切の緊急電子署名を募っています。詳細もこのサイトに記載されていますので、是非考えてみて下さい。
 〆切は12月7日(木)午前まで延期になりました。


 2000年12月4日(月)/excellent com  晴/残業 2:15 (+0:30) 
 本日、Z社に出向になって以来、恐らく最多の社員の退社姿を見送った気がします。「お先に失礼します」なんて挨拶、「した」ことはあっても「された」ことは無きに等しいこの私が、今日1日で数ヶ月分の「お先に失礼します」を聞いたのではないでしょうか。何てったって、退社したのが最後から5番目! 先に帰る人々から「今日は遅いね。まだ帰らないの?」と何回言われたことか……。
 まぁ私の退社時刻は21時30分だったので、いつものZ社であれば「まだ誰も微動だにしない時間」なのですが、最近どうしたことか、Z社の社員の退社時刻が早まってきているらしいのです。暗くなったから? 寒いから?? 冬だから???

 いつも遅くまで残っている人に「最近Z社はどうしちゃったんですか?」と聞くと、こんな意外なお答えが……。
「ウチもね、エクセレント・カンパニーになるらしいよ」
 マジですか? 一時の思い付きじゃなくて?
 どうして急にそんなことになったのか……今度じっくりと聞いてみたいものです。人がたくさん辞めて行ったからなのかなぁ……。


 2000年12月5日(火)/本当にエクセレント?  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 どういうことなんでしょう。定時になるとZ社の人間が減るようになりました。私が出向したばかりの4月頃は、23時までは(私以外の)ほぼオールメンバーがいる会社だったと言うのに! 一体いつ頃からこんなことに?! 私がR社に出向になっている間に何がっ?!
 ま、良いことです。


 2000年12月6日(水)/小休憩  晴/残業 0:30 (+0:30) 
 書きたい事は山ほどあれど、なかなか時間が……。
 今週末にはエッセイを更新したいです。


 2000年12月7日(木)/みんな凄い  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 Z社にいると、「みんな凄いなー」と思うことがちょくちょくあります。N田パパさんはオンリー独学でTOIEC700点以上だって言うし、ベスは最近自宅でVBの勉強(自習!)を始めたようだし、去年入社したばかりの新人さんは早速ヘッドハントからお声が掛かったって言うし、私が敬愛して止まないYさんは何から何まで凄いし、その他にも凄い人がたくさんいるのです。
 これは別にZ社に限ったことではなく、どこの会社でもこの程度に凄い人ならゴロゴロいるのかもしれません。私の友人にも凄い人はたくさんいるし、冷静になれば「凄くないのって私だけ?」みたいな気持ちになることもあります。私としては自分に無いもの(=努力と根性)を持っている人はみんな「凄い」対象になるので、事ある毎に「凄いなー」と思っている訳です。
 ──と、まぁ以上のようなことを昼休みに切々と訴えていたら、Z社の中でも特に掴み所が無く「凄い」社員から不思議そうにこう言われました。
「なんで? 僕は鷹瀬さんだって充分スゴイと思うよ」
 ……………………なんか違う……。口に出して言えば一見(一聞?)同じ「SUGOI」かもしれないけど、アナタ今の発音ってカタカナだったんじゃない? 漢字の響きじゃなかったぞ。絶対カタカナの響きだった。アタシャそう聞こえたよ。
 その「スゴイ」は違う。僕の望む「凄い」じゃない。僕の望む「凄い」はもっとこう……透明感があって、感動があって、盛り上がりがあって、力強さがあって、誇りがあるんだ。埃じゃなくて、誇りが。カタカナの「スゴイ」には、土壇場の帳尻合わせとか、浮ついたハッタリとか、吹き出す前のくすぐったさとか、妙に一杯一杯な危機感とか、そんなナンチャッテな雰囲気しか伺えないじゃないか。
 ──と、まぁこんなことを更に切々と訴えたら、今度は周りにいたいつもニコニコしていて感じの良い人まで加わって、寄って集って烙印を押されました。
「私も鷹瀬さんってスゴイと思う。そう言うトコロが特に」
 ……………………だから……それは違うんだってば……。いや、本質的にはまさにその「スゴイ」こそが私にはお似合いなのかもしれないけど、言われれば言われるほど傷付くんだってば……。うう……。

 しかし話を戻すけど、みんな凄いよねー……。凄い人って何気にゴロゴロいるなぁ。でも凄い人達には必須項目の共通点があるんだよなぁ。それが、「努力」と「根性」。
 私はなぁ……好きなことしかしてないしなぁ。だからこそ、好きなことが生きて行く道になってしまえばこっちのモンなんだけどね。だって好きなことしている時間は「努力」とは言わないもんな。「道楽」だもん。でも結果は「努力」並み。このお得感が堪らないのです。

 と、言う訳で、私はやはりバーゲンセールを渡り歩くオバちゃんさながらに、タイムサービスな穴場を探して世を彷徨うのでした。


 2000年12月8日(金)/署名の意義  晴/残業 0:30 (+0:30) 
 先日12月3日の日記に載せた屋久島・島民の会主催の十島村・核施設立地反対署名が終了しました。署名に協力して下さった方、本当に有り難うございました。
 いや、本来は私がお礼を言うようなことではないと思うのですが、やはりこのHP上で紹介したことを切っ掛けに、私たちの知らないところで何が起こっているのかに興味を持って下さった方が1人でもいれば、私としては「紹介して良かった」と思うのが自然な流れなのです。

 実は今回の署名に関して、このHPに掲載するのはいかがなものかと少々迷いました。私自身は署名を頼まれることに全く抵抗はありませんし、むしろ(内容によりますが多くの場合)「教えてくれて有り難う」と思うのが常ですが、他人に署名を頼むのはちょっと抵抗があるのです。
 相手が自ら「協力したい」と言ってくれれば別ですが、友人にすら「署名に協力してくれない?」と頼むのは、そんなに簡単な事ではありません。ま、そんなに難しい事でもありませんが。言ってみると、結構気軽に「ああ、いいよ」とOKしてくれますし……。

 前回の馬毛島のときには充分な時間があったので、友人・知人に紙媒体の署名を頼んだのですが、今回は時間が無い上に、電子署名OKということで、思い切ってこのような手段を用いました。……思い切るほどのことでもないと思いますけどね……何となく。
 私がこの署名のことをHPに載せたのは、島民の会の代表者が遠い知人だからというのが一番の理由なのですが、本来はそんなことに関係なく、「自分が核施設の立地に反対しているから、反対の署名をする。そして広める」というように、もっと気負わずにこういうことが出来ればと思います。

 署名元である「屋久島の自然と子供達の未来を放射能で汚すな!」というサイトに設置された掲示板や、署名の際に寄せられたメッセージなどから、何となくの雰囲気で「島民のための署名を、その他の地域の人が手伝う」というスタンスが漂っていますが、本来は、核施設の建設に反対するかしないかは自分自身の問題として捉えねばならないことです。
 世界遺産である屋久島に核施設を立地することに反対しているのではなく、核施設の立地自体に反対しているのだと、どれだけの人が考えているのかな……と少々疑問に思いました。

 現実問題として、原子力発電所が存在する限り、核燃料の貯蔵施設は必要で、そのためにどこかの土地が犠牲にならなければならないのは必須です。「屋久島は自然が多いのだから、核施設など建てるべきではない」というのも、ある意味「反対」の大きな理由ではありますが、そのような姿勢で話を進めれば、「では自然が無い場所には建てて良いのか」というズレた展開がすぐさま控えている訳です。
 すると挙がる意見は、「自分の所は駄目なんて、そんなのエゴだ!」という、ズレた問題意識に対するズレた反対意見です。こんなことを繰り返しても、何の解決にもなりません。

 最初の種子島・馬毛島での核施設立地計画が潰れ、今回の十島村に焦点が当たった訳ですが、これが潰れれば、また次なる第三の候補が上がるだけです。市民と政府の闘いで、どちらが勝つかは今の日本では目に見えています。
 毎度毎度の署名をすることで問題が終わるのではなく、「いたちごっこの末に、どうせ建設されるであろう核施設と、どう付き合って行くか。そして何よりも、今後どうするか?」ということを考える切っ掛けとして、これらの署名は意義を持つのだと思います。
 「原子力発電所を無くすのは不可能だから、どこかが危険と言う名のハズレくじを引く」という理不尽に納得する前に、「どうやったら原子力発電に頼らずに、国民が納得して生活することが出来るか」「どうやったら政府がその実現に力を注ぐようになるか」ということを考える風潮を定着させることこそが、早急に必要とされている姿勢ではないでしょうか。

 どんなに腕の良い職人でも、腐りきった土台の上に、立派な城を建てることは出来ません。
 自然を汚染する危険性のあるものを使ってでも、快適な生活を望むという姿勢がそもそも間違っているのだと、そこから考え直さなくてはならないと思うのに、飛び交う意見は「とにかく自分たちの生活レベルはこのままで」ということが大前提のようです。人間が生きて行くということや、自然との共存──そういう根本的なことを見詰め直す必要があるような気がします。
 現実的な案もさる事ながら、署名は意識改革の第一歩にも成り得るでしょう。

 情報は溢れ返っているくせに、このような活動はごく一部の人だけしか知らず、多くの人は核施設立地計画の存在すら知らないのです。たまたま私は今回の件を知り、たまたまそれを他人に伝える手段を持っていたので利用しましたが、このような機会が当たり前の日常に溶け込めばいいな……と思います。


 2000年12月11日(月)/能力ある者の義務  晴/残業 -0:50 
 どこぞの食品会社から「そばめし」という未だかつてない商品が発売されたそうです。初売りは大阪で、関西地方でのブレイク(したのか?)を切っ掛けに、東京進出を謀ることになったというこの「そばめし」の発案者は、どこぞの食品会社の熱心な若手の社員だと言います。
 どの業界で生まれたものであろうと、大抵の場合、新商品の開発に当たっては「小説より奇なり」な裏話が用意されています。新商品が、ベテラン社員(もしくはヒットメーカー)による企画という安心感が得られない商品であった場合や、商品自体がヒットするかどうかも分らない得体の知れないものであった場合、この裏話は「誕生秘話」と名の付くほどドラマチックになっていきます。
 奇しくも「そばめし」は、裏話がドラマチックになる2つの要素を、どちらも完璧な形で満たしているではありませんか! 産みの苦しみは相当なものであったろうと想像できます。
 そして簡単に言ってしまえば、この「そばめし」は、発案者の並々ならぬ熱意と執念により、商品化が実現されたのであります。

 良い話です。私はこういう血沸き肉踊る実話が大好きです。――が、今回の主題は「ヒット商品が生まれるまで」の話ではなく、「ヒット商品が生まれた後」の話なのです。

 さぁて、エンジンを掛けさせてもらおうか。(←気分的に腕捲りしてます)
 早速だけど、このヒット(してるのか?)商品「そばめし」の発案者の若者に注目したいんだな。
「お給料は上がりましたか?」
いいえ
「では、ボーナスは?」
今まで通りです」
「…………」
「でも、自分の開発した商品が売れて嬉しいからいいです
 良くねぇよッ!!!!(怒髪天)
 どうして人より頑張った社員が、フツーの社員と同じ給料なのか。どうして会社に莫大な利益をもたらした社員が、フツーの社員と同じ給料なのか。
 「そばめし」に限ったことではありません。「たまごっち」「プリクラ」「たれぱんだ」「ピカチュウ」――希代の大ヒット商品の発案者も、似たり寄ったりな扱いです。(本人たちの気持ちはどうだか分りませんが)

 権利を主張すべき先達が「いいです」などと安月給に甘んじていたら、後に続く者だってやり難くてしょうがないっちゅーの! 正当な報酬を主張するのは、権利であると同時に義務なのです。特別な才能(もしくは情熱)に恵まれた人間は、意見を言える力を持っている。そういった人たちが権利を主張することにより、会社を改善することに一役買わなければ、会社が変わる機会などそうそうありません。
 自分が楽しいからそれでOKなどと、小さく収まられては迷惑です。

 会社はいつだって社員を利用します。それも、出来ればタダで利用したいと思っているのです。それは会社(使う)側の永遠の真理だと思うので、一概に非難する訳にはいきません。ただ、そういう会社側の真理に立ち向かえるだけの実力を持つ社員が、先頭に立って会社改善の旗手を挙げることこそが、社員側の真理な筈です。
 会社側の真理と社員側の真理が絶妙のバランスを保った時、初めて「会社側も社員側も皆ハッピー」という理想の状態が生まれるのです。それが、今の日本の企業社会は、大抵の場合が「会社側だけがすこぶるハッピー」という片寄った状態にあります。これはそのまま「社員側は使われるだけ使われて、あとはポイ」というリストラが蔓延する現状の要因でもあります。

 「俺は安月給でも充実しているからハッピー」などという考えは、本人に悪気はなくても、何もしないだけで、他の社員に多大なる迷惑を掛けていることになるのです。そして、大きな意味で言えば、会社にとってもマイナスでしょう。
「あいつ、あんなに頑張って新商品を開発したのに、俺と同じ給料だってよ。なら毎日定時に帰ってる俺の方が断然お得だろう」
 功績を上げた者に正当な報酬が支払われなければ、こんな考えの社員が増えるだけです。少なくとも私は絶対に「こんな考えの社員」になります。

 どうして自ら「都合良く使われる人間」になろうとするのか。これこそがまさに、私が忌み嫌う「サラリーマン精神」というヤツです。「心の満足を得られたから、これでOK」と思うのは勝手ですが、会社に並外れた利益をもたらした時点で、その社員の影響力は莫大なものになっているのです。個人の考えで収まる話ではありません。我儘になれと言うのではなく、正しい報酬基準を設定するために、自らの存在を活かして貢献してくれと思うのです。
 頑張った人間が並みの人間よりも多くの収入を得られる──当たり前のことです。この当たり前が、今の企業社会で本当に当たり前になれば、サラリーマンの少なくない何割かは、仕事に対する姿勢が変わってくる筈です。仕事が楽しくなる筈です。そして、いつしか自分のために仕事をするようになった時、「サラリーマン」という枠から精神が解き放たれていると思うのです。

 基本的に、人は他者から認められることを望んでいます。会社での認知が給与額に比例すれば、こんなにクリアで幸せなことはありません。お金だけがすべてではありませんが、「良くやってくれたね。君のお陰だ」などという言葉だけでは、実際問題として食べて行けません。カツカツの給料でガツガツ働けば、いずれポテンシャルも下がるのは必須です。
 才覚があって努力した人は、高給取であって欲しい。高給取であるべきなのです。「お金は貰ってないけど、周囲に比べて仕事してないし、好きなことやってるからOK」などという私のような無責任な馬鹿と同じ給料ではいけないのです。こんな薄給じゃ納得行かないと地団駄を踏んで、正当な報酬を手にして欲しいと痛切に思います。

 才能ある人・努力の人が尊重されない世の中は、しょせん価値基準がなってないだけなので、平凡な人間だって惨めに虐げられるだけです。正直者が馬鹿を見る世の中なんて真っ平御免です。
 しかし哀しいかな世の中は、下々から変えてゆくのは非常に難しいのです。だからこそ、上に立つ者が、もしくは上に立てるだけの実力を持った者が、自ら権利を主張することで、この曖昧に腐った価値基準を抱え込んだ社会を変えていって欲しいと思うのです。


 2000年12月12日(火)/お伺い5段活用  晴/残業 0:20 (+0:30) 
 さて、今週末の金曜日、私用のため会社を休みたいと思っているのですが……今週はとても忙しく、「休みます」などと言えるような雰囲気ではありません……。金曜日にリリースの案件が1本……う〜ん……木曜日までに全て終われば良いのですが、たとえ終わっても「休みます」と言えるのは全ての片が付いた後……。それでは遅すぎるし、不確実です。
「休みます」
「休ませて下さい」
「休もうかと……」
「休んだら」
「休んだ時」

 ……………………言い難い……。くぅ。(友人Zにこの話をしたら、「お伺い5段活用」というナイスなネーミングでもって、事態を言語化してくれた……。助けにはならんが面白い。センキュ!)
 こうなったら病欠狙いか? 腹痛……? 生理痛……? いっそ陣痛…………???
 うぅ〜ん……この痛み3段論法にも無理がある……。(これは「言い訳3段活用」と言うらしい)

 ええいっ。休めないならば早退したい。100歩譲って、早退!(←誰に何を譲っているのか不明) 何がなんでもこの日は5時には解放されたーい! そこまで思っても、「5時に早退させて頂きたいのですが……」というたった一言が、なかなか言えるような雰囲気ではありません。
「早退いたします」
「早退させて下さい」
「早退しようかと……」
「早退したら」
「早退した時」

 うおおおおぉぉぉぉ! 仕事のし過ぎで(……)思考能力に翳りがっ!

 I田さんの顔色とプロジェクトの進行具合を覗き見ながら、いつ言おう、どう言おうとソワソワしっぱなしです。
 明日言うつもり、今日言うつもり、午後に言うつもり……言うつもり……ゆーつもり……憂鬱積もり……。
 うおおぉぉぉっ!! 言葉遊びなんかしている場合じゃなぁぁーいっ!!!
 追い詰められたので、勢い込んで言ってみました。
鷹瀬 「I田さんっ! 申し訳ありませんが、金曜日、出来れば5時頃に早退したいのですが……」
I田 「ああ、いいですよ」(ムチャムチャあっさり!)
 コンマ5秒で片付いた……。私の苦悶の「お伺い5段活用」は何だったの……?


 2000年12月13日(水)/豊かさが招く憂鬱  晴/残業 0:20 (+0:30) 
 昨日、友人Zからこんなメールを貰いました。
 今日のNHK見た? 戦後間もない頃、日本商品は「安かろう悪かろう」と嫌われてたのに、それを乗り越えてSONYが海外進出を果たす話。
「あの頃は会社のためとか自分のためとかじゃないんです。どうにかして日本を立て直したかったんです」
 これは戦前のつまらない国粋主義とかじゃないんだよね。単純に自分の国をどん底から這い上がらせたいだけなんだ。あの頃の社員は歯車じゃないんだよね。
 うーん。単純に感動した。

 私も、この頃の人たちは「会社員」でも「サラリーマン」でもないと思っています。位置付けや呼び名がどうであろうと、今で言うところの「サラリーマン」ではないと、そういう意味です。
 彼らは自分の国が傾く様を見て、体験して、「このままではいけない」と重みある責任を背負い、国を建て直そうとする、純粋に国を愛した国民なのだと思います。

 なんと言うのでしょうか、最近思うのは、こんなに世の中が歪んできたのは、変に(物質的に)豊かになっちゃったからかもな、というコトです。すべきことが限られていて、明確に定まっている時代は、みんな真っ直ぐなのではないかと。貧しい(ハングリー)というのは、それだけで物凄いエネルギーの源なのかもしれません。
 こう言ってはナンですが、戦争によって国が大打撃を受けたことで、当時の人々には弥(いや)が上にも大きな目標があった訳です。しかも、この「国を建て直す」という目標は、多くの人と共有できる夢でもあり、絶対的な幸せでもあり、その達成に皆が一丸となって心血を注ぐということは、ある種の爽快感が得られるのではないかとさえ思われます。
 ──まぁこれは戦争を知らない人間の、誠に勝手で呑気な発言かもしれませんが……。

 それでもやっぱり思うのです。産まれた時から中途半端に豊かで、自分が何をすべきか分からず、かと言ってボロボロになるほどの困難もなく、ただ茫洋と毎日を過ごすという苦痛は、激痛ではないけれど、しかし四六時中、息苦しくて、本当に厄介なものではないでしょうか。だってこれは、人生を蝕む病ですから。
 今の歪みや憂鬱は、「先が見えない」「夢がない」「希望がない」というないない尽くしな心境から生まれるものではないかと思います。取り敢えず、周りと同じコトをしていれば食うには困らないので、それから後を考える。考えても何かに打ち込める訳でもなく、心血を注げる対象もなく、身の回りの出来事に情熱も沸かない。
 そんなふうに感じている人は、決して少なくないと思います。

 おお! こんな思考の迷宮に嵌り込んだ時にもってこいの話を、以前していました。ご興味おありの方は、3月28日の日記、私の敬愛する「夏目漱石からの喝!」をご覧下さい。


 2000年12月14日(木)/昨日の補足  晴/残業 0:10 (+0:30) 
 タイトル通り、昨日の補足ですが……。

 昔は会社の規模が小さかったから、1人に与えられる役割が「発案→開発→製造→販売」と流れを持ったラインで、それが仕事が楽しかった原因かもしれないなと、しみじみ思いました。
 自分の作ったものが売れる(認められる)ってのは、この上ない幸せでしょう。製品を売り歩く営業活動だって、自分が開発した商品を売り込むのと、会社が作った商品を売り込むよう指示されるのでは、熱の入り様が違うでしょうし、その商品が受け入れられた時の喜びだって、全く違うでしょう。

 今は企業が肥大して、個人に与えられる役割は、線ではなく点ですから。点で仕事を楽しむのは、よほど運が良くない限り、至難の技でしょう。多くの企業は、効率の良い大企業になればなるほど、開発側と営業側は完全に分断されているし、開発側は開発側で「自分の作ったものが売れている」という手応えを感じ難くなり(顧客との距離が遠くなったことによるデメリット)、営業側は営業側で「とにかく売ればいいんでしょ」という、自分の喜びに結び付かない感情で仕事をするケースがほとんどでしょう。
 これはもう企業が成長する際に背負わねばならない宿命で、どうしようもないことなのだと思います。しかし一方で、こんなふうに、「能率が良くなること」が「仕事が楽しくて幸せであること」と必ずしも結び付かないということを、経営者が少しでも考慮してくれると、会社という場がもう少し楽しくなるとも思うんですけどね。

 いや、経営者に責任を押し付けてしまうのも間違ってるな。
 そうではなく、儲け第一主義のこの世情を……ひいては物質文化にべったりと依存した人々の気持ちの改革から始めないと、どんどん無機質でつまらない仕事環境ばかりが増えて行くんじゃないかなぁ、と思うのでした。


 2000年12月15日(金)/会社のイイトコ&ヤナトコ  晴/残業 -0:15 
 【会社のイイトコ】【会社のヤナトコ】という、投票形式のランキングコーナーを設置しました。いや、深い意味はないのですが、ふと、「会社を辞める(辞めたい)理由って、主になんだろう……。反対に、留まる理由は?」と思い立ちまして……。
 私の予想は、辞める理由も辞めない理由も「人間関係」が首位独占なのでは、というものでしたが、現時点(2000.12.17 pm18:00)での辞める理由のトップは「会社もしくは業界の将来性」になっちょります……。将来性……そりゃ切実な問題だよね。うんうん。

 実はこの項目、辞める理由や辞めない理由の選択肢を作っているとき、一番最後に搾り出すようにして思い浮かんだものです。まぁ大体、自分の身に置き換えて項目を挙げて行きますからね。
 辞める理由として思い浮かんだ項目は、順番に「労働時間」「業務内容」「会社の体質」(←これはT社について)「制度」。
 逆に、辞めない理由として思い浮かんだ項目は、「人間関係」「勤務地」「職務内容」「給料」という感じでした。
 大雑把にこの8項目がスラスラと挙げられ、「他に何かあるかな……」と思った時に思い浮かんだのが、友人Zの現状です。

 友人Zの会社(って言うか、「会社じゃないよな……こんなの」ってな職場)はね〜、彼女の望み通りの「業種」に「職種」。仲良しこよしの「人間関係」。「労働時間」は7.5h労働で定時が17時半、残業ほぼ無し。「勤務地」だって家から40分程度。「給料」も高くはないが安くもないし、ボーナスだって年約5ヶ月!(私の2.5倍!) 「会社の体質」はあるようなないような。「制度」なんて「飛び石連休だから間は休みにしちゃえ」というくらいの軽快さ。
 ──こんなムチャムチャ素晴らしい状態だっちゅーのに、辞めたい理由があったんですね……。ま、辞めたいって言うより、正確には「このままじゃヤバイ」って理由ですけどね。だってさ……社員3人いて、会社の経営資金残高が160万円って……。入社数年目の若者の貯金並み。「会社自体がいつまで持つんだ?」「ボーナス出るのか?」ってヒヤヒヤもんだよ……。ボーナスは出ることが決まったらしいけど、さ来年まで会社があるかどうかは確定してないもんなぁ……。
 ってな訳で、何となく「会社もしくは業界の将来性」という項目を加えてみたのでした。そしたら……結構キーポイントになる理由だったようで……。そうかー……なるほどなぁ。

 お暇な時にでも参加して頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。


 2000年12月18日(月)/安かれ悪かれの真実  曇/残業 0:00 (+0:30) 
 確か先月当たりにプロバイダ(NetPlatz)への怨義の一環として、「安かれ悪かれ」というタイトルで日記を付けたと思いますが、この安かれ悪かれというのは誠に重みある真実だな……と痛感する今日この頃……。様々な安物に手を出しては最終的に痛い目を見る日々が続き、今や高級志向に転向しようかと思い詰まっているほどです……。
 そもそも私の安物買いの痛い目劇は、SOTECから始まっているような気がしてなりません。安物買いが始まっているのはもっとずっと以前からですが、痛い目を見始めた輝ける幕開けがSOTEC購入だったということです。

 このSOTECが呼び水となり、プロバイダ(MTCI)の倒産、移転先プロバイダ(NetPlatz)の接続不具合、格安購入した電子辞書の早々なる液晶画面不良……。そして昨日、どうしても一時的にマウスが必要になったので、秋葉原露天にて500円(税込み価格!)のおもちゃマウスを購入してみれば……本当にオモチャだったという……。
 このスーパー玩具なマウス、手に握られたマウスの動きとモニター上のポインタの動きが完全に独立しているというマジカル玩具なんっすよっ! ちょっとスゴーイ?ってカンジ? でも悪いわね。もうそんな動きのマウスにはSOTECで飽きてんのよ。新鮮味ないってば。別にクリスマスに備えて手品したくて購入したんじゃないんだから……。
 結局、本日2000円出して買い直す始末……。こんなことなら最初から2500円の保証書付きのマトモなマウスを購入すれば良かった……。くそう……。

 このように、「安物買いして結局損する」ということを数回繰り返した事実を、2重出向先のR社の人に何の気なしに話したら、本当に数ヶ月……いや、延べ時間数にして数時間の付き合いの人に、こんなことを言われました。
「鷹瀬さん、見る目ないんじゃないの? 対人間でもそうだけど。ヘンな人に寄ってくとか……
 えええぇぇぇぇっっっっ?!?!???!! 何ソレっ?! ヘンな人になんか寄って行ってないってば。そりゃよく観察はしてるけど……別に寄って行ってないもんっ。なんでそんなふうに思われてるのっ?!
 なんかショック……。
 あー……でも、対人間は別にしても、対会社に関しては、確かに見る目ないな〜……って自覚はあるな……。なんかT社ってまさしく「安かれ悪かれ」な会社だもんなぁ。今までも大抵選択肢が2社あると、結果的に悪い(面白いとも言う)方を選んでいる気がするし……。ま、もう片方を選んでもそう思っていたかもしれませんが。
 しかしなぁ……もしかしたら私って、生き様が既に安かれ悪かれなのか? これこそが真実なのかっ?!


【追記】
 【会社のイイトコ】【会社のヤナトコ】のアンケートにご協力下さっている方、本当にありがとうございます。
 一言コメントがそれぞれ面白くて、個人的にムチャムチャ楽しんでいます。選択項目を考えている時に、念のため、予備に「その他」という項目を設置しましたが、その「その他」に「基本的に働くことはキライです」というコメントがあり、 「アレ? 私、書き込んだっけ?」と私的にかなり受けてました。
 たった一言に様々な会社の現状が垣間見えて参考になります。今後とも是非書き込んでやって下さい。


 2000年12月19日(火)/直角さんが来た  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 先月初め頃だったでしょうか……企業説明会から帰ってきたばかりのZ社社長&人事担当ベス【人物紹介】Z社のNo.10参照)が興奮気味に
「今度凄い人が来るよ」
と社員たちに報告していたのは。
 臨場感を出すために、その時のベスの台詞をそのまま引用しましょうかね。
「23……24歳だったかな? とにかく20代前半の女の子なんだけどさ、凄いのナンのって。前の会社で『お前は努力し過ぎる』って言われてたんだって。『もっと努力がしたいんです。もっともっと勉強がしたいんです!』だってさ。ありゃ第2のYさん【人物紹介】Z社のNo.3参照)になるよ〜」
「なんかどっかの雑誌でZ社のこと知ったみたいで、今回の企業説明会にウチが参加してること知らなくて、会場で見付けて『コレだ!』って思ったんだって。ウチのブースの前を横切ってる途中で、いきなりカッとこっち見て、直角に曲がって物凄い勢いで迫って来てさ〜。社長と話す時も終始身ィ乗り出して、『ええっ! はいっ! 私は是非こういう仕事がしたいんですっ!!!』って感じだったよ〜」
「社長も喜びながらもビビってて、『なんか仕事上で変更とかあっても、『だってそう言ったじゃないですかッ!』とか怒られそうで恐いよ〜』とか言ってたよ。確かに『適当にやって』とか言えなさそうな感じかも……」

 もう会ってもいない内から彼女のあだ名は決まりました。「直角さん」──コレで行きます。

 この直角さんが、昨日からZ社に来ているようです。昨日、今日と終日R社にいたので、私はまだこの目で直角さんを見ていませんが、書類を提出しにZ社に戻ったヒロコが直角さん入社報告をしてくれました。
 ヒロコの報告によると、「小柄で可愛い感じの人」だったそうです。んー。なんか話とイメージが違うなー。

 しかし、たとえ事実であれ、「私は他人から『努力し過ぎる』と言われていました」と言える神経っちゅーのがちょっと……馴染みがないっちゅーか、好みじゃないっちゅーか、及び腰になっちゃうっちゅーか……。ま、平たく言えば「凄い」よな。どういう流れでそんなふうにその台詞が出たのか分からないので何とも言えませんが、どう転んでも興味津々です。
 またこんな私の唯一の楽しみ(……人間ウォッチング)を、神様はささやかにサポートしてくれてるみたいでね……直角さん、私の前の席らしーんですわ……。これはもう「存分に観察せよ」との天命が下っているのではないかと……。

 明日、早速Z社に戻るので、今から直角さんとのご対面が楽しみです。


 2000年12月20日(水)/not 直角 but ペルシャ  曇/残業 1:30 (+0:30) 
 昨日からの続きです。
 久々にZ社に顔を出すと、ヒロコから聞いていた通り、私の真ん前の席に見知らぬ女の子が座っていました。ほほぅ、この人が直角さんか……。なるほど可愛い。
 しかしこの直角さん、私が現れてもこちらに一瞥もくれず、黙々と自習をしているではありませんか。フツーの新人さんなら、目の前に見知らぬ社員が座ったら、まぁ一言挨拶くらいするわな。ふーむ、さすが直角。

 でも、彼女のその頑なちっくな態度は「ツンケンしている」という感じではなく、「なんだか訳の分からぬ場所で緊張して、周囲を警戒して他人を寄せ付けないオーラを放っている」という感じなのです。私、こういう世馴れていないような不器用な人って問答無用に好きなんですよねぇ。ほう……。

 お昼になり、Z社の人が「お昼奢ってあげるから、簡単な歓迎会としてランチに行かない?」と誘っても、直角さんは「いえ、お弁当を買って来るので」の一言で誘いを一蹴します。うーん。いいなー、やっぱ好きだなー。
 Z社は人間関係に煩くないし、皆付き合いやすくて好きですが、こういう積極的に人馴れない人こそが、まさに私の本来の好きなタイプなのです。こういう人の方が、後々深い味わいが出てくることが多いんだな。
 しかし、「私が好きなタイプ」が「世の中の好かれるタイプ」とイコールな訳ではないことくらい百も承知です。ベスなんか「なんかあの人、変」と、余り好感を抱いていない様子。
 でもさー、私は好きなんだわー。たとえ私が彼女の眼中に入っていなくても全然OK。むしろ「他者を眼中に入れない」その態度にウキウキするのよね。

 しかし直角さんを見てしみじみ思ったね。直角さんは可愛いんですわ。こんなに可愛い子でさえ、自分からバリアを張ったような態度を取ると取っ付き難くなるのか……という、外からの目で「人の輪に入らない人」を観察することで、私は自分が周囲からどんな目で見られているかを、少し理解した気がします。だって私なんて、この直角さんの態度から「可愛い」要素を抜き去った、選りすぐりの「人を寄せ付けないオーラ」を放っている訳ですから……。周囲を拒絶して孤立するの割と平気だし、飲み会とか1人だけ不参加とかしょっちゅうあるし……。いや、今は人当たり良くやってますよ。(と思いますけど……。ま、飲み会は出てませんが) でも、私も会社によってはあんな態度を取っている気がする……。

 もう私はなんだか仲間が出来たようで嬉しくて嬉しくてルンルンでしたが、やはりこういう場に馴染まない異分子に対して悪感情を抱く人もいる訳でして……それが、今やZ社の中心的人物であるベスだったのです。
 ベスは皆とワイワイやるのが好きなタイプなんですね。お酒とかもガンガンに行けるクチだし、基本的に飲み会とか宴会とか好きという、言わば私たち(ちょっと直角さんと同じ枠内に入ってみた)とは正反対なタイプでして、タイミングがズレていれば、私もベスからこんな風に思われるのかもなー……という出来事が起こったのです……。
 ──それは、ベスが私にくれたメールから始まりました。問題のメールの一部をご紹介しましょう。
(略)
最初はおとなしいだけの人だと思っていました。
やる気・根性はあるのでもっとなんかはじけてもいいのに・・と
こちらが気を使っていたのも「あら〜ぁらぁ」
が、度々!
お昼は誘っても、一度目からはっきり断れるし、
今日のMAILでまたびっくり。

> 忘年会に出席するほど働いていないので、今回は、欠席でお願いいたします。

と、言われたしまった。
そこで、ねえさん、ご機嫌斜めもあったので、こんな返信いたしました。以下

> > 忘年会に出席するほど働いていないので、今回は、欠席でお願いいたします。
> ↑
> ?(*・_・*)
> ううぅん。
> これは、困った。
> ××さん。忘年会というのはただの仲良しコンパではないので、
> 社員として、お互いに労い、交流を持つというのも主な目的なんです。
>  ◆ヽ( ̄ー ̄)ノ◇
>
> 社長以下、取締役、先輩方が仕事をぬってでも出席します。
> 技術や知識はあるに越したことはないですが、早くPCに特化するためには、
> スムーズに吸収できる環境を作っていく事も必要だと思います。
> (。・_・。)ノ はい
> 学生のときは、付き合いたくない人や、煩わしいことは簡単に無視してOK
> なんですけどね。
> (*⌒∇)ρ
>
> 「何と出会うか」より「誰と出会うか」で人生の可能性が開けるんですよ。
> (*⌒・⌒)oo( ̄∀ ̄= ̄∀ ̄)oo(≧▽≦*) 
>
> プライベートなご事情がないのなら、もう一度良く考えて再度
> 返信Mailくださいな。
> なんか、余計なこと言ってごめんね。
> もう、Z社の同志ですから!!!
> ♪(*⌒▽)ヾ(^▽^*)
>
> じゃ、御返事まってます。
> ☆゜・:*:・。,★゜・:*:・ヽ(*゜▽゜*)ノ。・:*:・゜★,。・:*:・゜☆
>
> ベス

 ──すまん、ベス……あたしゃこのメールの遣り取りを読んで、ますます直角さんにホの字だよ……。
> 忘年会に出席するほど働いていないので、今回は、欠席でお願いいたします。
って……カッコ良すぎっ!! 「もう用事を入れてしまいました」とか「ちょっと都合が悪くて……」とか、当面の断り文句はいくらでもあるっちゅーに、寄りにもよって選んだ台詞が
> 忘年会に出席するほど働いていないので、今回は、欠席でお願いいたします。
ってのは……。この直球勝負さ加減に痺れるッ!!

 お酒呑める人とか飲み会好きな人は、自分が好きで参加しているから、本当にこういう会への参加が嫌で嫌で堪らない人の気持ちは分からないんだよね……。
 それに、ベスの返事の顔文字の乱舞……正直恐ぇよ……。例えばワタシが入社して間もない会社で、総務の人に飲み会不参加を申し出て、こんな返事が返って来たら、次の日から会社に行くのが嫌になっちゃうこと請け合いだな……。下手したら辞める原因になりそうだ……。
 とまぁ、そんな気持ちは押し殺して、台所で鉢合わせになったベスとお話タイムです。
ベス 「なんかあの人、変わってるわ。喋りました?」
鷹瀬 「いや、全然。挨拶もしてないですよ」
ベス 「でしょ〜。月曜日から全っ然喋らないの。お昼とか誘っても全部断ってるし。さっき鷹瀬さんに送ったメール、読みました? あのメールとかも、ちょっとな……」
鷹瀬 「あ、でも、私も飲み会とか嫌いなタイプだから××さんの気持ち、分かりますよ〜。お酒呑めないと、本当につまんないんですわ、飲み会って。ま、××さんがお酒呑めないかどうかは知らないですけど、私はああいうハッキリした人って、結構好きなんですけどね」
ベス 「え〜。でもさー、断るにしても『都合が悪いので』で良いじゃん。あの断り方は社会人としてどうかと思うな」
鷹瀬 「う……気を付けます。私も油断するとやりそうだわ、ああいう断り方……。でもさー彼女の採用の時って、ベスさん面接の場にいたんですよね?」
ベス 「ううん」
鷹瀬 「あれ? ほら、『Yさん2号になりそうな凄い子が来る』って。『Z社のブースに直角に曲がって向かって来た』って言ってませんでした?」
ベス 「ああ、あのYさん2号は内定出した途端に逃げられた。彼女は別のクチで入社した人」
 あれ? 直角さんじゃないの?
 っちゅーコトで、私はどうやら勘違いをしていたようです。
 そうかー、そうなんだ。言われてみると納得。最初に抱いていた直角さんのイメージと彼女って、やっぱ合わないもん。彼女はもっとこう……単に人馴れない要素が強いというか……集団から1歩身を引いて周囲を警戒しているというか……そんな感じ。それでいてちょっと高貴な感じ。(←よく分からないが恐らく贔屓目。自覚アリ)

 ──と、言う訳で、彼女のあだ名は「直角」ではなく、「ペルシャ猫」こと愛称「ペルシャ」ってコトで決定しましたので。いや、イニシャルトークしようと思ったら、既に登場している人物とバッティングしちゃったので……。半ばムリヤリ愛称を付けてみた。
 いや〜でもいいよ〜ペルシャ〜〜〜っ!!! 今後楽しみ〜〜〜。


 2000年12月21日(木)/ペルシャにアタック  晴/残業 1:45 (+0:30) 
 朝から一心不乱に自習をするペルシャを前の席に迎えて2日目。ペルシャがZ社に来てから4日目。
 本日昼、当然のように断られるだろうと思いつつ、ペルシャに「一緒にご飯でも食べません?」と声を掛けたところ、「あ、ハイ」とのOKが! なんだよ、普通にOKしてくれるじゃん。彼女も慣れてきたのかな。

 昼休みに食事を採りながら話していると、ペルシャは本と映画が好きなようで、マニアな話が出来るんだな。今まで本と映画の話で突っ込んだ話が出来る人が余りいなかったので、私としては非常に嬉しいことになっちょります。
 趣味の合う面白い本を教えてくれる人ってのは貴重なんだわ。面白い本に出会うのって、結構面倒だから。
 いや〜やっぱ楽しみ。


 2000年12月22日(金)/短い年末年始らしい  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 ちょっと今週忙しかったもので、真面目に日記を更新しませんでした……。
 そろそろ世間は年末休みに突入なんですよね……。はぁぁ。私なんて休みは30日〜3日の5日間、土日祝日抜いたら実質の休みは1月2日、3日の2日間ですよ……。大手企業の人達は今日が年末最終出勤日の人もいるって言うのに……。
 でもまぁ日々の労働時間を考えたら、数日多く休んでも結局は……みたいなことになるのかもしれませんが、でもさー……年末年始くらい最低でも10日は休ませろよ……。「年に2回、2週間の大型休暇を取れるようにする」とか国会で言ってなかったっけ? さっさと法律にしてくれ。

 ペルシャに借りた今話題の本、「ハリー・ポッターと賢者の石」……ムチャムチャ面白かった。1日で読んじゃいました。ベストセラーだけある、物語ちっくな話が好きな人には堪らない本でしょう。今更ですが、オススメです。


 2000年12月25日(月)/クリスマスなのに……  晴/残業 -0:50 
 ったくもう、初っ端からぼやきますが、クリスマスだっちゅーのに仕事をしていました。恐らくバレンタイン・デーでもホワイト・デーでもメーデーでも入梅でも夏至でも七夕でも立秋でもハロウィンでも立冬でも冬至でも、そして来年のクリスマスでも、私は仕事をしているのでしょう。
 また馬鹿の戯言が……と思われてもいい。この際言っておきます。こういうの、間違ってるから

 なんで人生70年だか80年だかの内、20代半ば〜60代半ばまでの約40年間、毎日毎日毎日毎日朝早くから夜遅くまで会社に行かなくちゃならんのよ。しかもこんな毎日を送った挙げ句、休みは土日を除いて指で数える程度。更には連続した長期休暇なんて夏の1〜2週間がイイトコ。
 何コレ。オカシイでしょ。オカシクないと思う奴だけ働いとけ。オカシイんだよ、こんなのは。全く。働くために生きてるみたいじゃん。暴動起こそうよ、暴動。「赤信号、皆で渡れば恐くない」人種でしょ、日本人って。ならさ、「有給休暇、皆で求めりゃ恐くない」ってば。

 会社によって休みの長さは大分違うようで、私の会社は最悪の部類に入るほど休みが短いので、こんな風にイライラしているんですね……。だってなぁ……実質2日じゃなぁ……。
 本日R社に行ったら、そこに来ている別会社からの出向社員が「明日から休みなんです。年始は5日から……」だって。私より5日も休みが多いんだよね……。良いなぁ……。
 大体なんだよ、23日の天皇誕生日が土曜日ってのは。「12月第4金曜日」に生まれろや。天皇もさ……もっと時期考えて生まれて欲しいよね。祝日のない6月とか。天皇なんて誕生日と命日くらいしか国民に貢献しないんだから。


 2000年12月26日(火)/作業場公開  晴/残業 0:00 
 本日はヒロコと離れ、終日1人でR社でした。最近ずーっとヒロコと行動を共にしていたので、久し振りに伸び伸びとした空気を満喫して、ちょっと幸せです。
 さて、R社です。以前にも少し書いたことがありますが、R社での私の作業場は「倉庫」とも言います。R社にも長いので、仲良くなったR社社員に冗談めかして言ったこともありました。
「ぶっちゃけた話、これって遠回しな嫌がらせですよね。『小公女気分を味わえ』ってのが狙いですか?」
 私は冗談で言ったつもりだったのに、一緒にいたI田さんがぎょっとしていたのが印象的でした……。I田さんにぎょっとされたって、私だってR社に行く度に自分の作業場見てぎょっとしてるもん。負けないからっ!(←?)

 この倉庫の詳細を記しますと、2m×1.8mくらいの空間(本当に元倉庫)に直径1m弱の円卓が1つ、その円卓の上に(15インチモニター+マシン)×2セット。マシン置くのに円卓ってのも斬新だよね。流行の最先端行ってる気がスル。私的には、オシャレなデザイン会社じゃないんだから勘弁してくれって感じだけど。
 2台のマシンの内、1台ずつ使う時はキーボードをモニターの上に乗せちゃうからスペースが出来るんだけど、2台同時に使う時は、本当にもう惨めさ倍増です。キーボードは2つ並べて置けないし、マウスなんか腿の上に固いダンボール置いて、その上で操作することもあるんだぞー。わははー。羨ましいかー。

 メインの円卓は良いとして、その周辺に話題を移しましょうか。
 円卓の前、正確にはそれぞれのマシンの前に折り畳めない上に回転もしない厳つい椅子が2脚。円卓の横には1辺40cmほどの正方形の机が1つ、その机の上に電話とノート型PCが各1台。残りのスペースにやはり折りたためない椅子が1脚。……机が置かれているスペース以外は椅子で埋まっている状況ですね。
 この倉庫で私1人が作業している場合はまだ良い。しかし、ヒロコと一緒だったり、I田さんまで加わってしまうと、本当に「身動き取れない」状況に陥ります。観念の世界でも身動き取れてないのに、現実世界でも物理的に身動き取れないなんてあんまりだ。椅子は3脚ありますが、3人が同時に椅子に座るのは不可能なスペース配分です。

 R社の人達でさえ、私の棲息する倉庫を見て、私が何も言わない内から「…………鷹瀬さん、怒ってる?」と顔色を伺うほど、私の仕事場は怒りに相当するモノのようですが、私はどんな空間であろうと、完全に1人になれる空間を与えられれば、そこそこ狭くてもまぁ良いやと考えております。だって、仄かに遣りたい放題だし……。ネットに繋がっていないので限度がありますが、それでも社内のど真ん中では出来ないことが、色々出来ます。

 それは良しとして、それでもこの労働環境は記録に値するのでは……と思った矢先、今度はこの狭いスペースの僅かに空いている部分を更に抉じ開け、ムリヤリ作った空間にプリンタを置こうと言うのです。
R社 「本当にごめんねー。でも鷹瀬さん1人だったらまだ結構余裕あるよね?」
鷹瀬 「ココを利用しているのは3人なんですケド……」
R社 「はは。でも、ホラ、ほとんど1人じゃん!」
鷹瀬 「…………××さん……労働安全衛生規則によると、『労働者に与えられる面積は1人につき10立方メートル以上としなければならない』とされているんですよ
R社 「うわっ、鷹瀬さん、調べてきたのっ?!」
鷹瀬 「訴えちゃおっかな……」
R社 「その場合、鷹瀬さんは自分の雇い主を起訴することになるから、敵はT社の社長になるんだよ。R社は関係ないからね
鷹瀬 「そー来るか。……ならデジカメ買おうかな……」
R社 「それでHPで公表するんだ」
鷹瀬 「ええええええええ?!?! なななななななななななに言い出すんですかっっ!?!
R社 「なに、その動揺の仕方はっ?! マジでHPとかで『私の仕事場』とか公開してんじゃないだろうなっ?!?
 ──ええ、してるんです。
 デジカメがあったら、このHPに掲載されている日記は、より深み(と言うより単に現実味)のあるものになるのではないかと思うのですが、デジカメは持っていないので、手作りの見取り図で「私の作業場」のご紹介。


 なんだか図にするとシンプルですが、実際はもうちょっとキュウキュウした感じでーす。


 2000年12月27日(水)/天然の破壊力  晴/残業 0:40 (+0:30) 
 ちょっと〜も〜ヒーローコー……。ただの天然だと思ってたら、とんでもないダークホースだった……。長い話になりそうなので、もう詳しいことは明日書く。明日で取り敢えずZ社は終わりだし。
 ──と言うことで、仕切り直し。本日、年の瀬31日であります。今年の汚れ……もとい、日記は今年の内に終わらせておきたいので、27〜29日の3日分をまとめて書きます。

 さて、11月の日記上で2日9日15日21日と話題を独占したヒロコ【人物紹介】Z社のNo.11参照)ですが……。エライことになっちょるのは既に登場初日からでしたが、遂に手が付けられないトコロまで到達したようです。
 「あはは、彼女面白いよ」などと言っていられるのは被害を受けていなかった先日まで。今ではもう、行動を共にすることすら苦痛です。だって、恐いんだもん

 ヒロコのボケぶりを「天然の威力」11月2日参照)と評していたのは、私がまだ被害を被っていなかったからで、今では彼女の振り撒く「他人をノックアウトさせるパワー」は、威力ではなく破壊力なのだと痛感しています……。(あ、今気付いた。「墓(に葬る)威力」で「ハカイリョク」か……。日本語って素晴らしいゼ!)
 このような結論に至るまでの間に一体何があったのか──怒涛のヒロコ公害報告、行かせてもらおうじゃないのさっ!

 ヒロコはポワワンとしているように見えて、結構お金に拘っていると、最初にそのことを指摘したのはベスでした。
「面接の時もさ……まだ採用って決まっていない内から『時給っていくらなんですか?』とか、真っ先に聞いてきて……。別にお金のコト聞くのはいいんだけど、なんか職務内容とかもロクに聞いていない内から、お金のコトばっかり聞いてくるってのも、ちょっとね……」

「この前、ヒロコさんが平日にお休みした時、翌日会社出てきて『今週の土曜日は出勤します』って言うんだ。『今は仕事持ってる訳じゃないし、休日出勤はしなくてもいいんじゃないの?』って言ったら、彼女、『でも休んだ分だけお給料が減っちゃうから……』だって。熱心だから休日出勤するのかと思ってたら、違うの。時給だから、いればいただけお金が支給されるからいるって、そういう考えなんだよ、彼女。今って自習期間でしょ? 仕事で残るならともかく、お金貰って勉強してる立場で、休日出勤までして来るって、ちょっと常識疑うよ」

 ふーん……そうなんだ。でも一人暮ししてて、今までの半年間失業してて、しかもZ社も正社員ではなくバイトだとしたら、まぁ給与関係のことには敏感になっちゃうのかもね。仕方ないんじゃないかな……。
 ──これが、ベスからこれらの話を聞いた当時の私の感想です。

 こんなこともありつつ、ヒロコが私の下に配置され、1日中行動を共にする日々が始まったのです。

 2人で肩寄せ合ってあんな密室(作業場詳細は12月26日参照)に長時間いるとね……つい色んなコトを話しちゃうのよ……。今思えば余計なことまでもね……。
 しかし、いくら私がお喋りでも、言って良いことと悪いことの区別くらいつくつもりです。一応その程度の常識はあると思うので……。今回の悲劇の原因は、私が、自分が話している相手が普通の常識を持ち合わせているかどうかを考えなかったところにあるのです。
 先ずはコトの起こり、今月初めに、ヒロコに給与関係のことを聞かれた時の会話から紹介しましょう……。

ヒロコ 「大体この業界の人って、お給料はどのくらいなんですか?」
鷹瀬 「ピンキリだから一概に平均で言っても意味ないと思うけど……。稼ぐ人は月100万円とか軽く行くだろうし。初心者って枠で言えば、例えば私なんかはZ社に来た当初は基本給17万円だったよ。Yさん【人物紹介】Z社のNo.3参照)に散々『そりゃ低いよ』って笑われてさー(笑) 『派遣だったら月30万円くらい行きますよね?』って言ったら、Yさん、『それだって多くないよね』って言ってたから、稼ぐ人なんかはそれくらい軽く稼いでいるのかもね」
ヒロコ 「30万円……そんなにですか。じゃあYさんのお給料って、30万以上なんでしょうか……?」
鷹瀬 「それは知らないけど。Yさんクラスだったらその位貰ってても全然おかしくないでしょ」
ヒロコ 「30万で多くないなんて……。生活費、どのくらいなんでしょうね……」
鷹瀬 「どうする? 家に帰ったら豹柄のガウンとか着てて、物凄いゴージャスな暮らししてたら(笑)」
 ……………………一応、字面ベースでこの会話を掲載すると、微妙な話になりかねないので、冗談色の強いところには「(笑)」などという情けない自己申告記号を挿入してみたのですが……。しなくても分かるよね、フツー……。口調や声音を聞かなくても、この字面ベースの情報だけで、私が言ってることが冗談だって……。
 「……」が多くなって来たところで、私が仄かに疲れている気配を感じ取って下さった方、そして、今後の話の展開を予想された方、多いと思いますが……。そうです、冗談を冗談に受け止められないのが、我らがヒロコなのであります。

 今週の月曜日、火曜日とR社に出向していた私が、水曜日、久し振りにZ社に戻り、メールを確認していると、Yさんから先週末の夜にこんなメールが届いているではありませんか。
Sent: Friday, December 22, 2000 9:23 PM

こんばんわ Yです。
えっと、突然ごめんなさいね。
ちょっとお願いしておきたいことがあってメールしました。

先ほどヒロコさんから
「鷹瀬さんから聞いたのですが
Yさんは月30万あっても生活できないって本当ですか?」
と聞かれたのですが。
私はそう表現した覚えはないのですが
何か誤解されていますか?

そういったことをむやみに話されると大変困ります。
私の給与の額を私の口から直接話したことがあるのは
××さんと鷹瀬さんだけですし
給与に関しては、とてもprivateな問題です。
鷹瀬さんに話したことによって
誰にでも話していると思われてしまったのかもしれませんが
あまり他人に話して欲しい問題ではありません。
以後、謹んでいただけますか?
突然のメールですいません。

 もー……心臓がギュッとなるほど驚いたというか愕然としたというか……。今年1番の「そ、そんな……っ!」という台詞が相応しい出来事だったのは確かです。

 とにかく速攻で誤解を解きたくても、その日Yさんは外出しており、いつ会社に戻るかも分かりません。私はまた午後にR社に行かなくてはならず、しかし、このYさんのメールを受信してから既に5日も経っている状態では、1分でも1秒でも早く誤解を解かねばと焦るばかりです。
 とにかく謝罪のメールを書き、あとはYさん本人と直接話をしなければ……。Yさんなら話せばきっと解かってくれる。そう信じていても、Yさんを掴まえるまでの時間の長かったこと……。

 メールを書き終えて、後はYさんが会社に戻ってくるのを待つばかりになると、今度はのうのうとPCに向かっているヒロコに対して、「(怒+呆+憤+怨)÷疲×激」というような感情が沸々と沸き上がってきます。
 この野郎……。
 周囲に人がいないことを確認して、早速、諸悪の根源にアタックです。
鷹瀬 「ヒロコさん、お仕事中申し訳ありませんが、ちょっといいですか?」
ヒロコ 「(つぶらな瞳で) はい? なんでしょうか?」
鷹瀬 「あの……ヒロコさん、Yさんに『月30じゃ足りないって本当ですか?』とか言ったんですか?」
ヒロコ 「(全く意に介した様子もなく) はい、それが?」
鷹瀬 「……(一気に戦意喪失した)……それを、『鷹瀬さんが言ってた』って言ったそうですね。あのですね……私の言っていることって冗談なので……。特に給料の話なんかは、その、デリケートな問題なので……。いや、言った私が悪かったんですけど……。あまり本気にされて、しかも当人に『〜なんですか?』というのはちょっと……どうかと思うんですけど……」
ヒロコ 「あ、そうなんですか? 私も冗談で言ったんですけど……。解かりました。お給料の話はこれからしませんね
 うんうん、貴様の冗談が冗談になってないことも、貴様が何も解かってないことも、よーく判ったよ。

 結局、午後になって会社に戻ってきたYさんと話す機会を持つことができ、私が送ったメールを読んだだけで大体の事情を察してくれていたYさんは、話し終わる頃には完全に誤解を解いてくれたので、取り敢えずこの1件は落着しました。
Y 「でもさー、今回のことは、私と鷹瀬さんが近かったからこうやって誤解を解くことも出来たけど、これ、もうちょっと遠い人だったら、私も今回みたいに直接鷹瀬さんに真偽を確かめようとしなかったし、心の中で『鷹瀬さんって陰で私のコトをそんなふうに言ってたんだ……』ってモヤモヤ思って、廊下で会っても無視したりしちゃうかもしれないじゃないですか……。そしたら鷹瀬さんだって訳が判らないし、恐いことになっていたかも……。ヒロコさんって、ちょっと気を付けないと危険だよね」
鷹瀬 「Yさんがああいう形で私に言ってくれて本当に良かったですよ……。いやでも、本当にびびった……。今までヒロコさんの前で言った数々の冗談が、走馬灯のように駆け抜けましたよ……
Y 「私も驚いたよ〜。金曜日にヒロコさんがいきなり私のところに来て、『Yさん、ちょっとお給料のことで聞きたいんですけど……』って言うから、彼女の時給のことかなーとか思って、『何ですか?』って聞いたら、何の前置きもなく『Yさんって月30万円じゃ生活できないって本当ですか?』って言ったんだよね……」
鷹瀬 「……何ソレ……信じられない……。例え百万が一にも私がそう言うことをヒロコさんに言ったとしても、それを本人に聞きに行くっていう神経が既に常識疑うな……。ヤダなぁ……他にも色んなトコロで色んなコト言ってそうで……」
Y 「ま、やってるだろうね。……ついでにこれも聞いておきたいんだけど……I田さん【人物紹介】Z社のNo.6参照)の年収の話とか、出たことある? 何かヒロコさんに、『I田さんの年収って1千万以上なんですか?』って聞かれてさ……。ビックリしたんだけど……」
鷹瀬 「ああ、そのキーワードの出所は分かります。R社の社員の人に『鷹瀬さんってZ社の人じゃないんだって?』って聞かれて、『そうですよ』みたいな話をしていた時に、R社の人が『I田さんは?』って聞くから、『I田さんはZ社のエース、稼ぎ頭ですよ』って私が答えて、その時にR社の人が、『じゃあ年収1千万くらい貰ってるのかなー』とか言ったことがあるんですよ。勿論R社の人も答えを聞きたくて言ったことじゃないし、私も何もコメントしてないですけど。多分、それじゃないですかね……」
Y 「それが『年収が1千万円って本当ですか?』になるんだ……。なんかさー……確かにパーツ、パーツでは合ってるんだけどね……
鷹瀬 「フツーの冗談とかが一切通じてなくて、しかもそれを本人のトコロにノコノコ行って、『〜なんですか?』なんてやられたら……Z社内でも充分恐いけど、コレ、客先でやられたら堪んないな……
Y 「でも、やりそう……。そう言えば、『出荷』と『出向』の冗談が通じなかった人だもんね。またヒロコさんって、パッと見、真面目そうだし、まぁ、実際真面目は真面目なんだろうけど……。なんにしても、彼女があの調子で、外でも『鷹瀬さんが言ってたんですけど、〜なんですか?』なんてやったら、悪者になるのは鷹瀬さんだもん。気を付けた方がいいよ」
鷹瀬 「嫌だなぁ……。勿論これからは気を付けるけど、今日、さっき、『私の話って冗談なので……。しかも給料の話はデリケートだから、本人に質問しに行くようなことは……』とか魂抜けるような注意したら、『お給料の話はこれからしません』って返事が返ってきて……。悪気がないのは分かるんですケドね」
Y 「既にもう何か違うし。しかも、悪気がないからこそタチ悪いよね……。きっと彼女、『お給料の話は駄目。お給料の話は駄目』って思って、また何かの拍子に『鷹瀬さんにお給料の話はしちゃイケナイって言われたので……』とか、変な風に話が拗れるだけだよ。もう今まで言っちゃったことは諦めて、今後、ヒロコさんには余計なことは言わないように気を付けるしかないよ」
 ……………………あの馬鹿、引っ叩いてやりたい……。

 目下の心配事は、私がR社のプロジェクトを抜けた後、彼女が私の今までのお客さんの担当に当たる訳ですが、その時に普通の常識がある人なら決して言わないようなことを、サラリと言ってしまうのではないか……ということです……。今後ヒロコと一緒に行動を共にするのも嫌だけど、アイツを野放しにするのも恐いな……。

 取り敢えず、年内に誤解が解けて良かった……。


 2000年12月28日(木)/やはり飲み会嫌い  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 私にしては物凄く珍しいことですが、初めて、強制ではなく納会というものに参加しました。しかも、本社T社ではなく、出向先のZ社の納会に……。
 ──結果、やっぱどんな面子であろうと、私は飲み会は嫌いだし、微塵にも楽しさを感じないわ。お酒呑んで馬鹿騒ぎしている人見ると、好きだった人に対してさえ「……あーあ」という感情が沸いちゃうし……。
 ま、時々こうした再確認は必要かもね。


 2000年12月29日(金)/20世紀の締め日  晴/ 16:00〜17:00 
 T社の締め日。
 酒が入らなくても、私はこの会社ではH井君【人物紹介】T社のNo.4参照)くらいしか話せる人はいないんだと再確認しました。納会1時間の内、50分以上H井君と話して、残り10分は黙っていた、という内訳ですね。M平さんとかとも少しは話しましたが……。
 自分の態度が余りにも露骨なので、頭の片隅で自分自身を笑っちゃう始末……。社長に給料関係のことで交渉したいことがあったのに、隣にY下がベッタリいたので、チャンスがなかった……。年明けを狙うしかなさそうだ。
 年明けと言えば……T社のメイン行事、初詣が控えているんだっけ2000年1月4日参照)。来年早々、この人たちと初詣に行くのかぁ……。本当に行くのかな?

 ま、何にせよ、サヨウナラ20世紀。




2000年12月の勤務表
 出勤日数 20日(うち休出 0日)/勤務時間 158:05  欠勤日数 0  有給休暇 0
 月残業時間 7:05  日平均残業時間 0:21  今月最高残業時間 2:45/4(月)
 【一言】 皆勤手当3000円のために有給を使わない今日この頃……。休む時はまとめて。


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