2000年6月の就職日記&コラム

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なんだかんだと言いながら続いているZ社──私も根性があるんだかないんだか。まぁ、無いよな。調子に乗って、あるみたいな言い方をしてスミマセンでした。要するに今体験していることは、「人間関係が良ければ、少々業務がキツくても我慢できるカモ?」ということですな。しょせん疑問形だけどね。――さて、2000年も中盤を迎えてしまいました。なんだか惰性が生まれていることに不安を覚えます。この先私はどうなるのか、自分でも見当も付きません。青い鳥を探す旅はまだまだ続きそうです……。

2000年6月の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 01(木) ほとほと呆れるT社  02(金) サポセンのサポート  05(月) 間違った営業戦略
 06(火) 楽々Document  07(水) goo!  08(木) ほのぼの事件
 09(金) いっそ見事なT社  12(月) ニコニコ笑顔の威力  13(火) 意外な搦め手
 14(水) 不穏な動き  15(木) 有給? 代休?  16(金) 怒りのドラフト会議
 17(土) 流されて休日出勤  19(月) ヘボツールの魅力  20(火) ヘボツール追記
 21(水) くたくたVer.6  22(木) ででででデモ  23(金) 自己実現と二者択一
 26(月) 追い詰められて……  27(火) 仕事場は冷蔵庫  28(水) I田マジックの威力
 29(木) 情シスへの提案  30(金) 明るい勤務計画  −




 2000年6月1日(木) ほとほと呆れるT社  晴後曇後雨/残業 0:00 
 本日は恒例の帰社日でした。
 毎月約170時間ほど働いて、その内のほんの数時間しか関わらずに済んでいる私の本社である筈の(←未だに迷いがあるらしい)T社……割合にして1%以下の関わりでここまで私をクタクタにさせてくれるT社ってのも、ある意味凄いんじゃないでしょうか……。

 さて、帰社日は基本的にいつ本社に立ち寄っても構わないのですが(←勤務表を提出するだけだから)、普段は一番効率の良い「帰り際に立ち寄って、そのまま直帰」というコースを選びます。なぜならその方が絶対に残業をしなくて済むし、尚且つ必要以上に早く帰れるから。
 T社の定時は17時半なので、Z社を16時半頃に出て本社に数分顔出してそのまま帰れば、10時出社16時半退社というムチャムチャ幸せな勤務計画が待っているのです! 月に1回くらい羽伸ばさせてくれ、ってなもんです。

 しかし、この直帰コースには問題があります。おそらく他の皆も同じようなことを考えているのでしょう。定時間際には半数以上のT社のメンバーが集結してしまうのです……。
 正直な話、T社の人達のあの淀んだ空気を浴びると私のモチベーションが下がるし悲しい気持ちになるので、私は常になるべく人がいない時間に立ち寄りたいと考えています。更には、人が多く集まる定時間際に立ち寄れば、あのY下【登場人物】T社No.15参照)と鉢合う可能性もあります。余談ですが、現在Y下はZ社から別会社に2次出向しているので、まったく顔を合わせずに済んでいるのです。

 ……せっかくの月に1度のハッピーな日を不愉快に過ごしたくはありません。──っちゅーことで私は、Z社の10時出社に間に合うように朝一番9時に本社に立ち寄って用を済ませ、Z社には帰りに本社に寄る振りをしてそのまま自由時間にGO!という姑息な計画を立てたのであります。ぐへへ。
 ま、こんな画策を練ったにも関わらず、Y下も珍しく朝一番に立ち寄るコースを選択しており、結局は本社で顔を合わせることになっちゃったんだけどね……。お互い話もしない、目を合わさないの完全無視の世界だったけど。

 はい。このような私の辿ったコースの解説はどうでもいいとして、本題です。
 久し振りに馬鹿会社の空気を浴びて、カリカリきましたねぇ……。たった数分の出来事だったにも関わらず頭に来た来た……。何があったのか、月初めのメインイベントの報告と行きましょうか。

 いや実は先月、私、皆勤手当(3000円)がついていなかったんですね。欠勤も遅刻もしてないのに。Z社ってフレックスタイムなので、経理がそれを遅刻と勘違いしていたようなのです。大体、勤務表の右欄にちゃんと遅刻かどうかの○付ける場所があって、私はそこに○なんか付けてないのに、何見てるんだよっ!て感じですね……。
 ──まぁそれは良いとしましょう。

 で、ここで先日T社から届いた馬鹿メールを紹介しましょうか。(※注:太字は私が勝手に加工したものです)

----- Original Message -----
From: Y口取締役
Sent: Tuesday, May 30, 2000 5:18 PM
Subject: 会社からの、重要なお知らせ!

会社からの連絡です。

1.7月10日からの給与振込みの口座はA銀行から、B銀行に変更する事になりました。
 6月1日の帰社日には、印鑑と身分証明書(免許証又は健康保険証)を必ず持参して下さい。
 当日、B銀行(X支店)に口座開設をしていただきます。但し、5月分の給振り(6月10日支払)は、従来の口座となります。

2.勤務表の記入について。
 休み・遅刻・早退の○印での記入は、必ず行って下さい。
 皆勤手当支給該当者(無遅刻、無早退・無欠勤)は、勤務表の下に「皆勤手当支給希望」と記入して下さい。
 1日の基準勤務時間は7.5hです。残業時間記入は7.5hを超えた分から行って下さい。(遅刻して、残業した時には注意して下さい。。。残業から遅刻分を必ず引く事)

3.メールの受け取れない人には、上記の件連絡して下さい。

以上、宜しくお願い致します。


 ………………「重要なお知らせ!」だと言っておきながら、「3.メールの受け取れない人には、上記の件連絡して下さい。」ってのも充分に馬鹿だと思うけど、 「『皆勤手当支給希望』と記入して下さい。」ってのも気持ち良いホドの馬鹿っぷりだよね……。これって多分私の件があったから付け加えられた注意事項なんだろうけど……それにしたって……会社か、ここは。
 第一、連絡がつかない社員もいるってのに、6月1日のことを5月30日に連絡するなんて……。今時サークル活動だってここまで杜撰な連絡はしないだろう……。

 この日常的なT社の馬鹿ぶりは良いとして、許せないのは帰社した時に経理のI井サン(男40代)が私に向かって吐いた台詞です。
I井 「先月は皆勤手当付けなくて御免ね」
鷹瀬 「今月からは支給希望って書いてありますから、間違えないですよね」(←もちろん嫌味)
I井 「あ、……ってことは、今月は鷹瀬さんに皆勤手当をダブルで払わなきゃいけないのかな?
 はぁ?! ナニこの台詞は……? 「払わなきゃいけないのかな?」って……貴様がミスしなければ別にダブルで払う必要なんかないけど、私、先月皆勤手当貰ってないんだよっ?! どういうコト?!? 払うのが嫌なのか?! あの皆勤手当は貴様のポケットマネーなのかっ?! いい加減にしろ!!

 経理のI井クンがこんななら、取締役のY口クンだって負けていません。
 私は、来月からの給与振込変更先にあたるB銀行のY支店に既に口座を持っているのですが、今回のことでX支店に移設しなきゃいけないのか、それとも銀行さえ同じならOKなのか、事前にメールで確認してたんですね。
 具体的にはこんな遣り取りを……。

----- Original Message -----
From: 鷹瀬
Sent: Tuesday, May 30, 2000 10:34 PM
Subject: B銀行の件

お疲れ様です、鷹瀬です。

> 6月1日の帰社日には、印鑑と身分証明書(免許証又は健康保険証)を必ず持参して下さい。
> 当日、B銀行(X支店)に口座開設をしていただきます。

上記の件ですが、B銀行のY支店に既に口座を持っているのですが、支店を移す必要はありますか?
お返事お待ちしております。



----- Original Message -----
From: Y口取締役
Sent: Wednesday, May 31, 2000 9:15 PM
Subject: RE: B銀行の件

Y口です。
返事送れてすみません。
支店を移す必要は無いと思います。


 返事が来ただけマシだからね、「『遅れて』が違うぞ〜」とかいう揚げ足取りみたいなツッコミは許してやったさ。それは良い。そんなことはもうどうでもいい。良くないのは事の顛末なのだよ。
 今日の経理のI井サンの台詞。
「あー、X支店じゃないと駄目だから。書類とかも支店を移す用のは用意してないから、自分で手続きしてきなよ
 ……………………一体、お前の仕事はなんなんだよ……駄々こねることなのか……?
 Y口氏も……何のために私が事前に確認したと思ってるんだ……。まぁ、よくよくY口取締役の返事を読み直すと、ちゃんと「〜と思います。」って書いてあるんだよね。会社の事務的な手続きに関して、想像で返事を書かんでくれ。それとも、断定しなかっただけ立派だと誉めなきゃ駄目か? お願いだから、そろそろ本格的にいい加減にしてくれっ! 

 ………………いや、もう良いんだけどね……。いや、良くないんだけど、きっとこれがT社の「良い加減」(※発音注意:「良い」は語尾下がります)なんだろうけどさ。ふぅ……。
 なんかもう本当に駄目駄目だ。分かってたけど毎回新鮮……。鮮度良すぎて疲れるぞ。

 この一連のイベントを友人Zに「くたばれT社!って感じ」という件名のメールで報告したら、返信がなかなか洒落てたので紹介する。
> 件名 : くたばれT社!って感じ
「って感じ」を付けてワンクッション置いてはみたものの、大きな大きな怒りと本心は隠せない「って感じ」?
ホント、毎度毎度誰かしら何かしらやらかしてくれるねえ。
ネタには困らないけど仕事上やっぱり困るんだよね……。



 2000年6月2日(金) サポセンのサポート  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 先月中旬から始まっているプロジェクトR──既に今年の初めから走っているプロジェクトらしいのですが、途中参加かつ新参者の私の役割は当初の話と少々変わりました。
 私の当初の任務はVBを使ってのメンテナンス画面の新規作成だったのですが、〆切が6月末と時間的に少々タイトな上に、オサラバした筈の前プロジェクトAが病気(バグ)を再発して出戻ってくる度に私がその看病ため拘束されるので、プロジェクトRのリーダーが心配して、私に与えられる筈だった仕事をVBのスペシャリストに投げてしまったのです。

 では、仕事を奪われた私に与えられた新たなる仕事は……と言うと、これが結構泣ける展開に……。
 私の新しい任務は、「クライアントが使う分析ツールと、そのツールで使用するデータを作成する開発ツールを完全にマスターすること」です。具体的には「Oracle OLAP Server」の「Express Analyzer」と「Express Administrator」というツールなのですが……。
 Oracleと言えばこの業界の花形です(よね?)。Oracleマスターになれば給料が月10万アップすると言われるほど、Oracleに関する知識はどこに行っても重宝される武器です。従って、今回の仕事でOracleに関われるというのは非常に良いことです。そう、良いことの筈だったんです……。
 ──が、私が「1ヶ月以内にマスターになってね」と仰せつかったツールは、Oracle製品の中でも異端児と認められるほどのヘボヘボツールだったのです……っ!(※Oracleマスターでさえ存在自体を知らないほどのマイナーツールらしい)

 こんな詳細を話しても分からない人にはつまらないと思うので、もっと身近な例で行きますと……。
 私は、「今度の仕事で外国語を使うから、君の任務はその外国語の勉強ね」と言われた訳です。この外国語が英語だったらもうムチャムチャ自分のためになったことでしょう。勉強が仕事、仕事が勉強! 素晴らしいことです。──が、この外国語はタミル語(※注:南インドの一部で使用されている言語)だったのです……っ! タミル語っつったらインド人でさえ10人中9人が話せないってのに……。こんな汎用性のない言葉を覚えたって、今後どこでこのスキルを披露できるんじゃい!

 抽象的な話でもよく分からないという人のために、このツールにまつわる事実を列挙型で淡々と紹介してみましょうか。
 まず、このツールが売れた時、売り付けた営業が一番驚いていたという逸話を持つほどのマイナーツールです……。なぜこんなツールを使うことになったかと言うと、客先からこのツールを使用して欲しいという指定があったからだそうで、このツールの使用が決定した時には開発者も間に入っている営業も「……マジかよ」と真っ青になったんだそうです……。
 開発側が真っ青になるのは分かるとして、なんで売り付けた当の営業が一緒になって青くなんのさ……。そもそも買われて青くなるようなツールを客に紹介するな。

 プロジェクトRのメンバーたちに「売れたこと自体が不思議」と評されているこのツール、勿論世の中的に見ても普及率は限りなく0%に近いらしく、マニュアルは不完全なものしかない、ヘルプは英語、当然一般の解説書など出ている訳がない……etc.と開発環境は最悪です。また、今回のプロジェクトRに関わっているメンバーで、私以外に誰も操作方法を知らないという恐ろしい展開も気になるところです。
 開発に当たっても、これだけ手掛かりが何もない状態では不可能と言うもの……。前回のプロジェクトAの時には本当に独力でやるように追い込まれもしましたが、さすがに今回はこんな状態なので、「自分で調べてね」とは言われませんでした。マニュアルも解説書も何もない中で、この製品を売りつけた会社がサポートセンターを用意してくれていたのであります。

 取り敢えずは基本的な操作を覚えるべくマニュアルと睨めっこの数日間が過ぎ、そこから先はサポートセンター様々です。サポートセンターの使用法は、まず電話をして質問対象となる製品名と契約番号と自分の氏名を告げ、その場で簡単な質問をし、後は折り返し担当者からの回答を待つ──というごくノーマルなものです。
 チームリーダーからも「こんなツール、考えたって使用法が分かる訳じゃないんだから、遠慮せずにサポセンをどんどん利用していいよ」との許可が出ています。元々遠慮する気質ではないことに加え、リーダーから公然のGOサインを貰ってしまった私は、誰はばかることなく質問して質問して質問しまくることに決めました。
 勿論、質問して回答が返って来る間にも色々調べなければならないことは山のようにあるので、サポセンを使ったからと言って決して楽をしている訳ではありません。むしろ1ヶ月で誰も使ったことのないツールのマスターにならなければならないというのは、思いの外厳しいものです。

 Word や Excel レベルなら、分からないことがあってもヘルプでどうにか解決しますし、それでも分からなければ隣席の人に聞く程度で解決し、一度使用法が分かってしまえば後は大方の予想がつく……ということもありますが、今回私がマスターにならなければならない Administrator と Analyzer は、なかなかどうして……ひとつの機能を理解しても、その理解が他の操作の予想に結び付かないという気難しさを兼ね備えたツールのようなのです……。

 初っ端から嫌な幕開けでした。しかし当初の私は、このツールのマスターになることがそんなに大変だとは思っていませんでした。
 気難しいツールであるということは、逆に言えば、普通のツールなら恥ずかしくて聞けないようなレベルの質問でも、何の躊躇いもなく聞けるということです。聞く先は勿論サポセンです。
 多少の不安はありますが、下手に参考書が出回っていて「自分で調べてね」と言われるよりも、質問すれば人間が回答を出してくれるサポセンを用意してもらった方が、どう考えたって楽に決まっています。たった独りで取り組まねばならなかった前回のプロジェクトAに比べれば、全然楽。断然楽。絶対楽。
 ──このように、私は事態を甘く見ていたのです……。

 環境を整え、最初の自習段階を経て、ある程度の質問も溜まり、いよいよサポセンにお世話になる時が来ました。自力で出来る限りのことは既に終えていたこともあり、5月30日(火)から現在までの延べ4日間で、サポセンに上げた質問の数は12件にもなりました。
 しかし12件の内、本日までに返事が返ってきたのはたったの3件。しかもその内の2件の回答内容は「出来ません」。しかもその内の1件は、私の方で調べたら出来たという……。気のせいかな……嫌な感じがするんですけど。

 この1件というのが、「レポート上に現れる変数名を日本語に出来ないか」というもので、まぁどこをどう弄っても英数表記しか出来なくて、これがサポセンに上げた最初の質問だったのですが……。
 質問をしたのが30(火)で、返事が返ってきたのが翌日。でもこの間に色々テストしたら出来ちゃいましてね。でも電話で回答が返ってきたから、「もう出来ました」って言うのも申し訳ないと思って黙って聞いておこうと思ったんです。
サポセン 「先日鷹瀬様の方から『変数名を日本語に出来ないか』との質問を承っておりましたが……」
鷹瀬 「ああ、はい。あの件ですね(……もう出来ちゃったけど)」
サポセン 「実はですね、これはツールの制約で変数名は日本語には出来ないんですよ」
鷹瀬 「ええっ?! 出来ないんですか?!」
サポセン 「ええ(←キッパリ)」
鷹瀬 「……いや、出来るんですよ」
サポセン 「ええっ?! 出来るんですか?!」
鷹瀬 「………………今後のこともありますし、ついでだから方法聞いておきますか?」
サポセン 「はい! お願いします」
鷹瀬 「えーっとじゃあ、今 Administrator のデータベース・ブラウザの画面になってますか? この変数名を右クリックすると……」
 サポートセンターをサポートしてどうする、私! サポセンも堂々と嘘吐くなよ〜!
 ちょっと待ってよ〜! 今回のこの「変数名を日本語にする」なんて質問は、言わば難易度1の質問だよ?! まだ回答の返って来ていない質問は平均難易度5、最高で難易度10くらいの質問なんだよ? 今後、大丈夫か?! 不安だよ〜。

 サポセンの人間ですら使い方がよく分かっていないらしいこのツール……。この仕事終わる頃には、「このツールに関してなら、日本で10番目に詳しいです!」とかいう、使えないスペシャリストになりそうで恐いな……。
 大体、このツール使ったことある人間って、日本で50人以上いるのか? 少なくとも今現在、こんなにこのツールの使用法を勉強してるのは日本で私ただ1人に違いない……。

 最近ではサポセンに電話して名前を告げただけで、「はい、本日は Administrator と Analyzer のどちらに関するご質問でしょうか?」って言われちゃうんだよね……。担当のH田さんもきっと電話の向こう側で「うお〜またアイツかよ〜。もう勘弁してくれよ〜。こんなツール買うなよ〜」とかのた打ち回っているんだろうな……気の毒に……。

 こんなマイナーツールを一度使えるようになっちゃうと、次回からもこのツールを使う仕事が来て、メジャーツールに触れない人間になっちゃうと困る……みたいな弱音を吐いていたら、リーダーI田さんがニッコリ笑って一言。
I田 「大丈夫ですよ。こんなツール、もう2度と使わせませんから
 …………それはそれで虚しいよぅ……。


 2000年6月5日(月) 間違った営業戦略  晴/残業 1:00 (+0:30) 
 今朝(9時半頃)、駅の改札付近で飲食店のビラを配る女の子がいた。別に珍しくもなんともない風景だと思う……思うがしかし、印象に残りまくった。
「しゃぶしゃぶ〜。しゃぶしゃぶは如何ですか〜」
 ──朝からしゃぶしゃぶ、初夏なのにしゃぶしゃぶ、トドメは「如何ですか〜」……って、即売会じゃないんだから……。素人考えで申し訳ないけど、せめて「ご来店下さい」くらいにしておいた方が良いような気がするんですけど……。
 ……………………時間帯、季節、ビラを配る際の口上文句、すべてが間違っているような気がするこの営業戦略……いっそ印象に残っている訳だけど、これこそが狙い通りの成功なのか……?


 2000年6月6日(火) 楽々Document  晴/残業 0:25 (+0:30) 
 プロジェクトRのメンバーである隣席のN田パパさん5月29日参照)、超過酷労働が当たり前のZ社の古株だけあって、プロジェクトR以外にも軽く3〜4本のプロジェクトを掛け持って担当しています。そんなN田さんが最近頻繁に「ああっ!」とか「くそっ!」とか「またかよ〜っ!」などと叫び声を挙げるようになりました。そしてその叫び声には必ず、捨て台詞の勢いで「何が『らくらく』だっ!」という意味不明な締め言葉が添えられているのです。

 ──はて? らくらく?
 N田さんの捨て台詞が1度や2度なら聞き逃してしまったかもしれませんが、毎度毎度の勢いで罵られているらしいこの「らくらく」、耳を澄ませばN田さんだけでなく、そこここで「また『らくらく』がバグ出した〜」などという間抜けな呻き声が聞こえるではありませんか。
 こりゃもう聞くしかない。
鷹瀬 「N田さん、なんですか? 『らくらく』って?」
N田 「あー、今度のプロジェクトで使うシステムなんだけどさ〜……『楽々Document(らくらく・どきゅめんと)』って言うんですよ……」
鷹瀬 「……随分ふざけたネーミングですね……」
N田 「ふざけてるのはネーミングだけじゃないんだな〜。これがまた不具合続出で……。もう嫌だ……関わりたくない……」
鷹瀬 「なんでそんなの使ってるんですか? メジャー製品なんですか?」
N田 「今までに『楽々Document』なんてシステム、聞いたことある?」
鷹瀬 「いや、今日初めて聞きました」
N田 「だよね。そういう製品なんだよ」
鷹瀬 「………………私の Analyzer とか Administrator みたいなモン6月2日参照)ですか?」
N田 「そうかも……」
 社長が気に入ってしまったので使うことになったこの「楽々Document」──詳しくは、Webブラウザから利用できる文書管理システムなのですが、これがまた不具合を起しまくっているらしいのです。
 本日発覚した事実によると、今までの不具合はOSのバージョンがNT3.51だったことに起因している様子。(推奨は4以上ということらしい) この点に関しても先方とZ社の間で「確認した」「してない」の言い合いが未だに続いているようです。

 ──で、本日の主旨はこんなことではないのです。この微笑ましくダサい「楽々Document」のネーミングがいかに奥深いか……日本語って素晴らしい! これこそが今日の日記の主旨なのです。っちゅーことで、オチと共にお別れします。
N田 「いやもう、このシステム……あんまり酷いんで、一部では『くらくら Document』って呼ばれてるくらいだから。僕は『ガクガク Document』って呼んでるけどね」


 2000年6月7日(水) goo!  晴/残業 0:45 (+0:30) 
 プロジェクトRの〆切が今月末、プロト版(試作品のようなもの)のデモが来週末……ってことで、そろそろ残業が当たり前のシーズンに突入しております。短い納期のプロジェクトって、常に常に走ってなきゃいけないから休む暇がないんだよね……ヤダヤダ。少なくとも今週来週は定時で帰れそうにない……どころか、さ来週になったらますます定時どころじゃないでしょう。6月最後の週なんかどんなことになるのか……考えたくもありません。正直言ってグレそうです。

 友達から「なんでZ社からのお誘いに乗らないの?」5月31日参照)とチラホラ言われていますが、やっぱZ社は正社員になったらオシマイって気がするのです。つい最近知ったことだけど、Z社の正社員で完全に土日休んでる人って1人もいないんですと。……そんなのイヤイヤ、ダメだもんっ!(←子供か)
 土日を潰して働くほど、私は暇な訳でもつまらん人生を送っている訳でもないのです。会社なんぞより今年度の目標を達成せんと。そのためには時間が……。くそう……。

 以上のような理由で疲れ気味なので、今週の日記は小ネタ系で攻めてみようかと思ってます。(←「攻める」って……仮想敵は何なんだか……)

 先日、開発絡みで判らない英単語が出てきて、何気なく周囲の人に聞いてみたんですね。そしたら皆判らなくてね、それぞれがそれぞれの隣席の人に聞いたりするもんだから、変に注目の状態になっちゃったんだな。
 これが難しいことだったりすると、皆もこんなに積極的に関わろうとはしなかったと思うんですね。基本的に皆忙しい人達だから、そんな面倒なことには構っちゃられないってことで。でも逆に簡単に解決できそうなことって、つい事態の成り行きを見守っちゃったりするじゃないですか。気分転換も相俟ってたんでしょうね。たったひとつの単語が判らないってことだけで、5〜6人の人が私のPCの周りに集まってきちゃったんです……。

 私としては、隣の席の人に聞いて分からなかったら別に分からないままで構わなかったのですが……。そこまで真剣に知りたかった訳じゃないし。なのに変に投げ出せない状況に陥ってしまい……。
「goo(※サーチエンジン)で調べてみたら? あそこ、英和と和英の辞書あるよ」
 こんなアドバイスを皮切りに、わざわざ面倒だったけどまぁもう仕方ないってんで、IEを立ち上げて早速gooに飛ぶことにしました。gooのURLなんて知らないけど、適当に想像はつくのでアドレス・バーにチョチョイと打ち込んで──……

http://www.goo.co.jp

 私が上記URLを打ち込んでEnterキーを押そうとする瞬間、画面を覗いていた男性社員が慌てたように何か言いかけました。
「あっ! そこじゃ……っ!」
 ん? 何? と思いながらも、私は躊躇いもなくEnterキーを押したのであります。そして……。
鷹瀬 「……? ──はぅあっ?! ア〜〜レ〜〜ッッ!!!
社員 「ああ……っ。だから違うって言ったのに……」
 皆の見守る中、白昼堂々派手に繰り広げられた饗宴……パックリじゃねーよっ!(※大体想像はつくかもしれませんが、私の動揺を正確にお知りになりたい方は是非 goo.co.jp へ行って実体験してみて下さい……。リンク張ってなくて不親切で申し訳ありませんが、あのページとウチのページが結ばれるのはちょっと嫌なので……)
 1日にどれだけの間違いアクセスがあるのか知りませんが、こういう汚い手もあるんですね……。私もメジャーなドメインをゲット出来れば、1日に数万アクセスとかも夢じゃないのかも……。まぁ未だに未登録のメジャードメインなんて皆無だろうし、こんなんでアクセス増えても虚しいだけだろうけどね……。

 とにもかくにも本当のgooは goo.ne.jp でして、goo.co.jp はトンデモナイ間違いだったのです。
 またこのトンデモナイ間違いサイト……無駄にWeb技術を駆使しててねぇ……ウィンドウを閉じても閉じても自動的に新しいウィンドウが立ち上がってしまうのです……。モニタ画面一杯に広がる衝撃映像に動揺しているせいもあって、マウスが思うように動かなくてね……右上にある「×」印になかなかポインタが命中しなくて……。
 皆が見守る中、開ききってしまったトンデモナイウィンドウを片っ端から閉じて行く自分が酷く滑稽に思えた昼下がりでした……。

 私も充分からかわれたけど、途中で止めに入った社員もそれ以上に突っ込まれていました……。
「××さん……なんで知ってたの?」
と。


 2000年6月8日(木) ほのぼの事件  晴後小雨/残業 0:35 (+0:30) 
 本当はこの日記内容は9(金)のものなのですが、金曜日は金曜日でビッグイベントが起こってしまったもので、話題過疎日の1日前に繰り上げます。

 世の中が荒んできたってのはもう充分過ぎるほど分かったから……。そんな私の嘆きを神様が聞き入れてくれた訳ではないと思うけれど、こんなほのぼの事件が目に止まりました。
■「ハーイ、ジャック」 朝のあいさつで空港厳戒 (2000.6.9 朝日新聞より)

 米デトロイト郊外の空港で、乗客のひとりが飛行機に搭乗した際、顔見知りの操縦士を見つけて「ハーイ、ジャック」とあいさつしたところ、操縦室と無線交信中だった航空管制官がこれを聞いてハイジャック(乗っ取り)と勘違い、通報を受けた警官隊が機体を取り囲む騒ぎがあった。米航空当局が7日発表した。

 またこの話、新聞記事にならなかったオチが良い。現場に駆け付けた警察隊は、勘違いだと分かると爽やかに笑って一言。(※注:すみません、調子に乗りました。「爽やかに笑って」は私の脚色です)
「いやぁ、良い練習になったよ!」
 ブラボー人間! これが人間の住む社会ってモンです。17歳が本当にバスジャックしてる社会とはエラい違いです。
 ……まぁアメリカの犯罪ってのも破格で凄そうですどね。人の命を一瞬で奪う飛び道具の所持が合法だもん……。実際問題、穀物食って生きてる日本人が頑張って頑張って包丁で1人殺す間に、肉食って生きてきた毛唐は16分間で12人射殺!とかやってるし。10数年ほど前から金曜日のニュースの締め言葉が「良い週末を」から「安全な週末を」に変わった米の国は、一朝一夕で荒み始めた神の国とはレベルが違うってなもんでしょう。

 でも何故なんでしょう、アメリカってのは確実に荒んでいるであろう現実と並行して、こういう爽やかな事件もありって……そんな希望的な感じがするんですよね。どす黒くどうしようもない病巣を抱え持つ傍らで、暖かくてヒューマンでアメリカン・ドリーム的な活力が満ちていると言うか……。洒落っ気とユーモアがあるんですよね。
 決定的な場面で、日本には希望がないというか、暗く淀んでいて、しかも活力がないような気がしてしまうのです。自国だからなのかなぁ……そう思ってしまうのは。それだけじゃないような気配が濃厚だけど……。

 1億総中流と言われるだけあって、日本ってのは気質的に一般ラインから外れて夢や希望を追うことに酷く狭量なんだと思うんですよね。だからベンチャーもアメリカのようには流行らないし、既に精神的に小さく無難にそこそこレベルでまとまっちゃうタイプの人間が多いのだと思います。
 これは勿論長所にも根付くもので、木目細やかで繊細で生真面目で几帳面という優れた気質にも繋がる文化だとは思うけど、最近ではそういった面から派生する良さはとんと伺えないですからねぇ……。
 ──ま、この話題に関してはこんな風にあっさりと一言で語れる内容ではないので、この辺で止めておきます。

 さて、外国のほのぼの事件を取り上げるなら、負けじと自国のほのぼの事件も紹介しましょうか。ほのぼのと言うよりは「脱力……」という感想の方が正確なのですが、最近あまりにも荒んだ事件ばかりが耳に入るものですから、この記事を見つけた時には不覚にも和んでしまったのであります。またこの記者の突き放した冷めた物言いが可笑しくて……。
 少し前の記事ですが、ご賞味あれ。
■橋の柱に落書き、40本のうち38本書いて逮捕 (2000.5.21 朝日新聞より)

 20日午前3時半ごろ、栃木県足利市の渡良瀬川にかかる橋の上で、柱に油性ペンで落書きしていた市内の男性2人が、偶然通りかかった警官に見つかり、器物損壊の疑いで現行犯逮捕された。
 内容は、三角関係の男女の会話。約1時間書き続け、40本の柱のうち38本まで書いたところで見つかり、結末まで書けなかった。内容は自分たちのことではないという。
 通行人を驚かせるつもりだったが、警官から「塗り替えに大変な金額を請求されるだろう」と言われて事態の大きさにしょげかえった。落書きは字が小さく、注目されていないという。



 2000年6月9日(金) いっそ見事なT社  小雨後曇/残業 0:30 (+0:30) 
 本日は「事が正常に処理されていれば25万円が振り込まれている筈の運命の給料日」です。ここに辿りつくまで長かった……。過去を整理しつつ、大まかな流れを追ってみましょうか。

 T社の給料に不満を持った私が、取締役を相手に繰り広げた第1回給与up作戦……この失敗3月6日参照)に始まり、私がT社に嫌気が挿している時に起こった出向先Z社からのお誘い問題4月19日参照)で揺れに揺れ、しかしその数日後にはアッサリと甘くない現実4月21日参照)を見せ付けられ、追い詰められた怒りが怒涛の昇給劇5月11日参照)を引き鉄に爆発し、第2回給与up作戦を遂行することにより賃金交渉は幕を閉じた5月16日参照)のであります。
 口約束ではありましたが、取り敢えず「月給は25万円」に落ち着いた先月。今月の給料日のポイントは、 とにかく「本当に25万円払ってくれるんだろーな」ということなのですが、もう一歩踏み出して「この25万円の内訳は?」ってのも注目すべき項目だったのです。
 残業代や賞与は基本給を元に算出されますからね……。汚いT社のやることですから、基本給を低く設定し、その他を手当で誤魔化すというヤリ口は見え見えです。

 ある程度の覚悟は出来ていました。……いや、出来ていたつもりです。T社のことは勿論信用していませんし。
 基本給23万円+諸手当2万円……いやいや、こんなに上手い話になる訳がない。なら基本給21万円+諸手当4万円……? いや、もっと用心して基本給20万円+諸手当5万円……いや、落胆するのは嫌だから最悪のケースも想定しておこうか。基本給19万円+諸手当6万円……。
 こんな皮算用をしていた自分が滑稽に思えます。T社は凄いっす。25万円内訳報告、行きましょうか。

基本給18万円+諸手当7万円(=皆勤3000+資格10000+出向8000+調整7000+技術42000)

ですと。
 凄いね……手当の嵐。そんなに手当が必要なほど怪我しちゃいないんですけどね。しかも相手のヤケクソ加減がよーく伝わる内訳で……。資格手当が1万円って……資格なんか普通免許くらいしか持ってないっちゅーねん。なんなんだ、このデタラメな内訳は……。
 まぁもう「意地でも基本給は最低金額で!」ということなのでしょうが……正直、ここまでとは思いませんでした……。いっそ見事ですね、ここまで来ると。良いんじゃないでしょうかねぇ、徹底してて。このくらいの徹底振りで、事務処理もしてくれると有り難いんだけどね。はっは!


 2000年6月12日(月) ニコニコ笑顔の威力  小雨/残業 0:20 (+0:30) 
 私もね……月曜日の日記を火曜日に書くのが習慣になりつつあるなぁ。早目早目が私の良いトコロだったのに、それさえも失われつつあるなんて……。最低線サイトの更新くらいは頑張らないと……。
 さて、形ばかりの反省はとっとと切り上げて。

 かれこれ1ヶ月ほど前からZ社の面々の詳細を記そうかと思っているのに、なかなか忙しくて滞りがちです。まだN田パパさんしか紹介してないなぁ。
 とりあえず人物紹介コーナーに枠組みだけでもアップして、無理矢理にでも勢いを付けようかと思います。んでもって今週からちょっとずつ積極的に日記中で詳細紹介を交えていこうかね。
 さて、そうと決まったところで、N田パパさんに続く第2弾として早速I田さんのことをまとめておこうかな。2人とも現プロジェクトRの愛すべき犠牲者……もとい、メンバーだし。

 私が現在関わっているプロジェクトRの中心人物であるI田さん(男性、40代前半くらいかな?)、いつもニコニコしていてとても優しそうな良い人……に見えます。こう書くと、「じゃあ実は恐くて悪い人なのか」という流れに通じてしまいますが、そんなことはなくて、やはり優しくて良い人なのです。しかし素直にそう言い切ってしまえるほど、現実は単純ではないという事実も控えている訳でして……。
 前回のプロジェクトAが終わり、次のプロジェクトが決まったとき、ボスやYさんが含みのある口調でこう言ったんですね。
「鷹瀬さんの次のボスはI田さんかぁ……。………………ま、頑張って」
 今から思えば、変な間の空き方が既にすべてを物語っていました。
 ボスやYさんだけに限らず、I田さんの名前が出る度にZ社の社員たちの間に微かな緊張が走るんだもん……。この事実に気付くのに、大した時間は要さなかったよ……。
 揃いも揃っての妙な沈黙、一体なんなのさ。いずれは分かることかもしれないけど、これから密に関わる人のことだし、早く知りたい──ってな経緯で、ある時アタシャ思い切って聞いたんです。
鷹瀬 「I田さんって……仕事がしづらい人なんですか?」
社員 「そんなことはないよ」
鷹瀬 「じゃあなんで『I田さんがリーダー』って言うと皆妙に黙るんですか?」
社員 「……厳しいんだよね」
鷹瀬 「え?」
社員 「無茶無茶厳しいんだよ。求めるレベルが高いし、妥協を許さない人だから……」
 この時点で私は既にI田さんとの面識があったんですね。だから、いつもニコニコしているI田さんと、皆の口から語られる「厳しいI田さん」の人物像がなかなか一致しないんだわ。I田さんってZ社のエースなのに腰が低くてねぇ……。物腰は柔らかく、口調も穏やか、いつもニコニコ。私が知るI田さんからは、皆の言うI田さんは想像すら出来なくてさ……。
 漠然と「厳しい」と言われても、具体的な話が挙がらなかったので、私はこの話をまともに受け止めちゃあいなかったんですね。

 「I田さんは厳しい」──この囁きに隠された本当の重みを知るのは、プロジェクトRが走り出してから暫く経った頃でした。2日の日記にも書きましたが、当初の私の仕事内容はVB6を使ってのメンテナンス画面の開発だったんです。急遽私からその仕事を取り上げ、訳の分からん仕事を振ったのがこのI田さんです……。
 勿論I田さんは意地悪でやっている訳でも、「出向社員に押し付けちまえ」と思っている訳でもないことは明白です。現在の状況から見ても、私がメンテナンス画面の開発を抱えながら片手間に今与えられている仕事をこなすのは不可能だったと思います。
 I田さんの采配は全くもって正しかったと言えます。しかし、この仕事内容が変わることを告げられた会議で、私のI田さんに対する印象が変わったのも事実だったのです。
 衝撃の会議を忠実に再現してみましょうか……。
I田 「……と、言うことで鷹瀬さんには Express Analyzer と Administrator のマスターになっていただこうと思ってるんですよ(ニコニコ笑顔で)」
鷹瀬 「VBのメンテ画面の開発は……」
I田 「別の人にやってもらおうと思ってます(ニコニコ笑顔で)」
鷹瀬 「そうですか……(露骨にガッカリして肩を落とす)」
I田 「あれ? 嫌ですか?」
鷹瀬 「嫌と言うか、一度VBで新規で1から開発してみたかったので……」
I田 「そうですか……(親身になっているように深く頷いて)……でもVBなんてあと数年で消えますよ。(口調はあくまで爽やか軽やかに) 今回鷹瀬さんにマスターになっていただこうと思っているツール自体は、正直ちょっとマイナーなんですけどね、DBの概念の勉強にはなりますから。SQLなんかも絡んでくるし。いかがですか?(私の意見を伺うように優しげな笑みを湛えて……)」
鷹瀬 「あれ? 希望を言ってもよろしいんですか?」
I田 「あ、言い方が悪かったですね。これは命令です(満面の笑み)」
鷹瀬 「……………」

 あの〜……吹き出しと表情が合っていないんですけど……。あまりのことに一瞬何言われてるのか分からなかったほどです……。かなりぎょっとした……。

 その後も色々なことがありました。
 今週末に客先でデモがあることは結構前から分かっていましたが、そのためのデータはなかなか揃いませんでした。私の仕事はそのデータが揃わないと進みません。押せ押せのしわ寄せは当然末端に位置した仕事に携わる者に降りかかってきます。
 間に合わないんじゃ……そんなふうに弱気になってしまうのも、無理はないことだと思います……。そんな弱々の私にカンフル剤を打つのはやっぱりニコニコ笑顔のI田さんです。
鷹瀬 「I田さん……間に合いますかねぇ……」
I田 「間に合わせるんですよ(ニコニコ笑顔で)」
鷹瀬 「そ……そうですよね……」
 い……言えない……。いつものように「充分な時間も与えないでよく言いますね」なんて皮肉は、とてもじゃないけど言えない……。

 そして今週末のデモ……。今週末という言葉を聞いて、金曜日だと思っていたのがそもそもの間違いだったんですな。土日が出勤日のZ社において、「今週末」とは金曜日ではなく土日を指すんですと……。(ためにならんが)勉強になったさ。
 ──ってな訳で、本日「今週末のデモ」の正確な日程が17(土)であると判明したのです。そう、私の忌み嫌う休日出勤ってヤツです。
I田 「鷹瀬さん。デモのことなんですけど、17(土)の午後に決まりましたのでよろしくお願いしますね。2時間くらいで済みますから(ニコニコ笑顔で)」
鷹瀬 「あ……………はい(弱々しい笑顔で)」
 い……言えない……。休日出勤の筈なのに、平日のことのように淡々と語られて……いつものように「はぁ? 嫌ですよ」とか「休日は休みますから」なんて言えない……。そんな言葉を挟む余地は塵ほどにもなかっただよ……。恐るべし、I田マジック!
 こんなふうに、現在もなおI田さんの優しく厳しい采配が振るわれ続けているのであります。
 ……私みたいな人間はI田さんタイプの上司が良いのかな……。いや、悪いのかな……。

 ただ上から高圧的にガタガタ言うだけが人を動かす方法ではないのです。場合によっては穏やかな物言いこそが、人を思わず(しかも無抵抗に)動かしてしまうのではないでしょうか。部下のタイプにもよると思いますけど。

 なんにしてもちょっと前の私からは考えられないよ……文句も言わずに休日出勤なんて。まぁこれは私が変わったと言うよりもI田マジックだと思うけどね……。
 ただ穏やかな人ってだけなら、私ももうちょっとぶーぶー言えるのですが……このI田さん、朝は8時から夜は23時頃まで会社にいる人だからさ……。それもダラダラいるだけいるんじゃなくて、やるべきことをやっている人だから……。今なんか18時までは別会社に常駐してて、19時からZ社に戻ってきて仕事してるし……。要するに2社に勤めてるんだな。ま、Z社では2〜3社に勤めてるのは別に普通らしいけど。

 とにかく、こういう会社にいるとこの私ですら残業することに文句を言い難くなってきますね……。Z社の人達は好きだけど、やっぱりこういう環境ってオカシイと思うな。絶対に。そんでもって、こういう労働形態をオカシイと思わないZ社の人達も、やっぱオカシイと思うよ。


 2000年6月13日(火) 意外な搦め手  雨/残業 0:00 (+0:30) 
 今日朝会社に着くと早々に、N田パパさんが事務のT橋さんに「大至急、鷹瀬さんの名刺を作って」と頼んでいる現場に遭遇しました……。
 名刺……名刺かぁ……。T社の名刺さえ持っていない私が、Z社の名刺を持つことになるとは……。嬉しいと言うより、正直恐いっス……。名刺なんか作られちゃったら……。

 現行のプロジェクトR、今週末のデモが終わると、来週から今月末の納期まで10日間ほど客先に常駐して、本番環境で開発を行います。ですからこの名刺は、その客先での配布用ってことなのでしょう。
 それは分かった。でもさ、たかだか10日いるかいないかの客先に配る名刺なんて、社内のプリンタで作るなんちゃって名刺で充分じゃん……。わざわざ外に注文したら最低単位でさえ100枚なのに……。アタシャしがない出向社員だし、100枚もの名刺なんて要らんよ。

 そんな思いも相俟って、冗談半分でT橋さんに言ったんですね。
鷹瀬 「名刺なんか作ったらZ社にドップリはまって大変なことになりそうだから、要らないよ〜」
T橋 「鷹瀬さん……甘いですよ。もうなってますって。N田さんで3人目ですもん」
鷹瀬 「? 何が3人目?」
T橋 「『鷹瀬さんの名刺作って』って頼まれたのが」

 ──なんか搦め手だぞ、こりゃ……。辞める辞める言ってた4月が懐かしい……。


 2000年6月14日(水) 不穏な動き  雨後曇/残業 0:00 (+0:30) 
 明々後日のデモの準備でトラブルが続出しております……。スケジュールが押しに押して……。余りにシュールな進行具合で私的には非常に良い体験をしていると思うのですが、こんな経験は1度で結構。っちゅーことで、詳細は週末にでもまとめます。

 さて、話は繋がっているようで変わりますが、上記の「トラブルが続出」する原因は(目下注目の)私の担当ツールである Express Analyzer と Express Administrator です。6月2日参照) このマイナーツールがどのようなトラブルを引き起こしているのか──平たく言うと、「メジャーなツールを使っていれば2時間で済む処理に、18時間以上掛かってしまう」という事態を招いているのです。
 マイナーな上にパフォーマンスも悪いこのツール、一体使用する利点はなんなんだ?と思うのが普通ですが、こんなあんちくしょうにも良いトコロがあってね。これも平たく言うと、私たち開発側には厄介なツールでも、客側にとってはなかなか便利な機能を備えてるんだな、コレが……。要するに裏表のある嫌なヤツなんですね。キカイ語で構成されているクセに陰日向があるなんて……サイテーだ。

 もうお分かりでしょうが、私は今後2度とこのツールには関わりたくないと思っております。変にマイナーなツールをマスターすると、後々集中して同系統の仕事が来ちゃうんじゃないか……という不安は、ニコニコ上司のI田さんが爽やかな笑みで一蹴してくれていますし、一安心です。「大丈夫ですよ。こんなツール、もう2度と使わせませんから」と笑顔で言い切ったI田さんの言葉が、今になって護符のように輝いております。
 こんなクソツール、じめじめした梅雨と共にサヨウナラってなモンさ!
 ──とまぁ油断していたワタクシに、不穏な陰が差し迫りつつあるようなのです……。

 本日午前に、I田さんと社長とその他Z社の主要メンバー数人が何やら立ち話をしていました。簡易会議のこの光景、Z社においては別に珍しいものではありません。──が、いつもと違う雰囲気を察したのは、そのメンバー達が何やらチラチラとこちらを見ているような気がしたからです。
 ……な、なに??
 多少気にはなったものの、気付けば会議は終わっているし、私もトラブルでパニくっていたので、この一件はすぐに忘れてしまいました。

 そして午後。
 終わる気配すら見せない処理に悶々としていると、I田さんが心配して私の隣の席に来てくれました。
I田 「まだ1個目も終わらないか……。デモまでにどうにか間に合わせないとなぁ……」
鷹瀬 「今日って水曜日ですよね? 木、金……こんな調子で間に合うんですかねぇ……。処理は走りっぱなしだし、それでもまだ10分の1も終わってないですよ」
I田 「今度のデモってデータ量は1万件なんだよね……。本番は10万件のデータを処理しなきゃならないのに、こんなんで大丈夫なのかな……」
鷹瀬 「単純計算で10倍ですか……。でも処理時間は10倍以上かかりますね」
I田 「そうだね。単純な加算じゃないな、きっと。でも本番マシンはこのマシンより100倍くらい性能良いから希望はあるんだけどね……。それにしても今後1ヶ月毎に3万件ずつデータが増えて行く予定なのに、こんなんで対応できるのかな……」
鷹瀬 「I田さんはデータの処理にこんな何10時間も掛かるって見当付けてたんですか?」
I田 「いや、せいぜい数時間と思ってたんだよ。以前100万件のデータをSQL(←メジャー言語)で処理した時には5時間くらいだったから、今回は1万件だし……どんなに掛かっても1昼夜ってところだと踏んでたんだけどね……」
鷹瀬 「…………もう2度とこんなツール使うのは止めましょうね」
I田 「あ、それがね……そうそう、これは鷹瀬さんに報告しなきゃと思ってたんだ
鷹瀬 「な、何ですか?」
I田 「今度の7月から始まるプロジェクトで、このツールを使おうって話が出てるんだよ」
鷹瀬 「……え?」
I田 「でね、このツール使えるの、鷹瀬さんしかいないでしょ。僕も関わったことがあるってだけで引っ張られそうなんだけど、もしもコレを使うことが決定したら、少なくとも鷹瀬さんは確実にメンバーにされると思うんだよね」
鷹瀬 「そっ、そんな〜〜〜!! 嫌ですよ〜〜〜っ!!」(←涙目)
I田 「だよねぇ……。僕も嫌なんだよね」
鷹瀬 「個人的な感情だけじゃなくて、実際こんなにパフォーマンス悪くちゃ、マジで自分の首締めることになりますよっ?!」
I田 「うん、だから今朝そのことを報告してたんだけどね。どうしても、って推す意見があってさ……。実際に開発側で使ったことがあるのは僕と鷹瀬さんだけだから、こんな裏事情を分かってないんだよね……。報告はしてるんだけど、なかなかこの惨状がピンと来ないみたいで」
鷹瀬 「開発側の事情も知らずにこんなアホアホツールを推す薄らトンチキはどこのどいつですかっ!!」
I田 「いや、社長なんだけどね」
鷹瀬 「すみませんっ! 口が過ぎましたっ!!」
 周りで聞いていた人たちは(完全に他人事だと思って)笑っちゃってるし……。I田さんは慈愛に満ちた微笑を湛えて、「いいんですよ。そう言いたくなる気持ちも分かります」とおっしゃって下さいましたが……。
 そんなことよりも嫌ですっ! 6月一杯で逃げ切るつもりのこのツールと、7月からも付き合わなくちゃならないなんて……っ。勘弁してくれ……マジで。


 2000年6月15日(木) 有給? 代休?  晴/残業 1:05 (+0:30) 
 Y下が昨日と今日、2日続けて欠勤……この不公平はなんなんだ……。

 土日出勤が当たり前……どうやら週休平均1日らしいZ社の古株である男性社員、気のせいか今週ずっと見掛けていないな……と思って何気なく事務のT橋さんに聞いてみたら、こんなお返事が。
T橋 「ああ、××さんは今週1週間お休みなんですよ」
鷹瀬 「え? 1週間も? そりゃ凄いね。この会社では珍しいんじゃない? そんな長期休暇は」
T橋 「そうですね。土日出勤当たり前の集団ですからね」
鷹瀬 「なんかさ……余計なお世話だとは思うけど、『それで生きてて楽しいか?』とか思っちゃうよね……」
T橋 「あー、それ本当にそう思いますよ……。私(急に声のトーンを落として)……ここだけの話ですけど、今派遣先に次の出向先探して貰ってるんですよ。そりゃここ、人間関係とか良い会社だとは思いますよ? でも、私ここに勤め始めてから全然遊んでないんですよ……。まぁ私の時間の使い方が下手なだけかもしれないですけど」
鷹瀬 「T橋さん、いつも22時過ぎまで残ってるんでしょ? 今週なんかずっと終電って言ってたし。開発系のほとんどの女性社員より遅くまで残ってるんだもん、時間の使い方が下手とか、そんなレベルの話じゃないよ」
T橋 「でも××さんとかダーッと密に働いて、1週間休んで……とか、メリハリある人見てると、時間の使い方上手いなーって思うんですよね」
鷹瀬 「だって××さんって毎日朝から晩までいるじゃん……。今回のお休みって、そもそも有給なの? 代休じゃなくて?
T橋 「ああ、もちろん代休ですよ。××さん、5月は1日しか休んでないんですって」
 5月って土日祝日合わせて11日あるんだよっ?! 思わず手帳で調べちゃったよ。1週間の休み貰ったって代休にも追いついてねぇだろっ!! なんなんだ、この会社の人たちはっ!
 いや、好きで働いている人に言いがかりをつけるつもりはない。でも、愛社精神なんかこれっぽっちもない一介の出向社員を巻き込むな。19時ピッタリに解放してくれ……。


 2000年6月16日(金) 怒りのドラフト会議  晴/残業 0:05 
 明日はいよいよ休日出勤……。嫌だよぅ……。あ、Y下は今日も休み。不治の病か、あーん? だったら見舞いに行くぞ。サボテンかなんか植木鉢持って。

 現行のプロジェクトRも、有無を言わさず休日出勤させられるくらい切羽詰ってきました。要するに、もうすぐ納期なのです。6月末がリリースで、なおかつ予備として2週間与えられているので、このプロジェクトRとオサラバ出来るのは7月中旬。そうなると私はI田さんの配下から抜け出して晴れてフリーになります。
 今回のプロジェクトR……一番初めに押し付けられたプロジェクトAよりは確かに楽だったけど、やっぱり大変なことは大変だったし、いつも最初は「鷹瀬さんは残業しないで19時までね」とか物分り良いフリして言うくせに結局最後はなし崩しに20時以降まで残る羽目に陥るので、今度こそ、今度こそ絶対に19時以降は仕事をしない!ということを前面に打ち立てて仕事が出来るようにしようと画策中です……。

 今度のプロジェクトが終わったら絶対に1週間は休ませてもらおう……とか当然のように計画していたら、本日恐ろしいことを聞かされました……。
社員 「鷹瀬さん、7月中旬頃に今のプロジェクト終わるんですよね?」
鷹瀬 「まぁ順調に行けば……多分」
社員 「それでかぁ」
鷹瀬 「? 何がですか?」
社員 「いやね、昨日遅くにリーダーたちが集まって、自分たちの次のプロジェクトに協力会社の誰を引っ張るかのドラフト会議してたんですよ」
鷹瀬 「嫌なモンやってますね……。要するに厄介事を押し付ける人間の物色ってヤツですか。引っ張られる人にしたらイイ迷惑ですよね……可哀想に」(←明日の休日出勤のコトでかなり荒んでいる模様)
社員 「ナニ他人事みたいな言い方してんですか。ドラフト会議の1位指名は鷹瀬さんだったんですよ」
鷹瀬 「なっ……なんですとっ?!
社員 「I田さんが鷹瀬さんのこと気に入っちゃったらしくて『放さない!』って頑張ってて、他のリーダーたちがそれ聞いて益々『ウチも鷹瀬さん使ってみたい』ってなっちゃって。『I田君は今のプロジェクトで鷹瀬さん使ってるんだから次はダメ』とかって、面白かったですよ」
鷹瀬 「『はないちもんめ』じゃないんですからっ! 人をモノみたいにっ! 嫌ですよっ! I田さんは良い人だけど、またI田さんの下はヤダヤダっ! I田さんの抱えてるプロジェクトってどれも大変なヤツばっかりじゃないですかっ! 次は楽なプロジェクトがイイ! 何がドラフトですかっ! いい様に人を弄んでっ! 逆指名が通らなかったら1年間ハワイに雲隠れしてやるっ!!
社員 「まぁまぁ、落ち着いて。逆指名って誰を指名するんですか。ウチにはね、楽なプロジェクトなんてないんですよ。ウチにあるのは『大変なプロジェクト』『かなり大変なプロジェクト』『死ぬほど大変なプロジェクト』だけです。鷹瀬さんはまだ『死ぬほど大変なプロジェクト』には当たってないんですから良い方ですって」
鷹瀬 「……………………メール書いてやる……」
社員 「? 誰に?」
鷹瀬 「本社に。『7月中旬からの出向先、大至急探して下さい』って」
社員 「た、鷹瀬さんっ! 落ち着いてっ!」
 落ち着いてられっか! ジタバタ! 何が「まだ良い方」だ。なんで正社員のソルジャーたちと肩を並べて比較されなきゃならんのじゃ! アタシャ、アンタたちとは給料の額が違うんだよっ! 働きの量を当然のように比較すんな。土日出勤が当たり前で仕事が趣味のZ社の社員たちと一緒の物差しで測らんでくれ。
 ったく冗談じゃありません。何が1位指名だクソッタレ。こんなんで喜ぶほど単純じゃねぇぞッ! コレって要するに「アイツは使い勝手が良い」って思われてるだけじゃん。物凄い侮辱だぞ、こんな1位指名はっ!

 大体、育てるつもりのない人間を取り合うってのは、使うだけ使ってポイ捨てするのが簡単だからだろうしね。正社員なら今後のこともあるからゾンザイには扱えないし、変なことで潰すよりも大事に育てた方が自社のためにも得策だし。その点、出向社員は当面の面倒な問題を押し付けるには打って付けって訳かいっ!
 そりゃね、100%そんな汚い思惑で引っ張ろうとしてるんじゃないとは思うよ……。でもさ……なんか私、Z社に出向してから自分の時間がメッキリ減ったんだよ、確実に。これで後々のスキルになりそうなことをやらせてもらってるなら良いケドさ……訳の分からんマイナーツール押し付けられて、いつもいつも納期まで1ヶ月しかないような火の車のプロジェクトに放り込まれて……挙げ句の果ては有無を言わさず休日出勤でしょ……。

 なんか違う。これは違う。「私、認められてる……」とか頬染めて悦に入るようなパステルカラーの雰囲気じゃない。今の状況は「苦労は買ってでもしろ」ってな類のものじゃないような気がする。忙しいだけ忙しくて、振り返ったら何も残らない類の状況じゃないのか、これは。
 サイアクだ。今度のプロジェクトが始まる前に交渉しよう。


 2000年6月17日(土) 流されて休日出勤  曇後雨/残業 5:00 
 本日はお約束通り、客先でデモのため休日出勤……。

 私が休日出勤の話を初めて聞いた時、I田さんもN田パパさんも「デモは長くても2時間くらいで終わるから」って言ってたんだよねー。
 一昨日、場所と時間を改めて聞いた時には「14時に客先でやるから」って答えが返ってきたんだよねー。だから午前中と16時以降は遊べるなー……って考えてたんだー。
 昨日の帰り、普段は立ち読みで済ませる「ぴあ」まで買って観たい映画を片っ端からチェックしてさー。最近は仕事のせいで会社帰りに映画なんかとんと観てないからねー。観たい映画の選択と、効率の良いハシゴの仕方なんか妄想しちゃってさー、幸せな一時だったよー。
 んで昨日、今日の詳細スケジュールを立てるためにもう一度確認したんだなー。つまり、集合場所と時間をー。そしたらぁー、「セッティングや下準備があるから11時45分に会社に集合」だってさー。あははははー。もうこの時点で午前中の予定は丸潰れってヤツぅー? 観たかった映画が1本消えたよー。

 いざ客先に行ってデモ始めたら、相手の担当が手厳しくてねー。1時間かからない筈、長くて2時間……と予想されていたデモが終わったのは17時だったのよー。正味3時間。これでまた16時50分から観る予定だった映画が流れちゃってねー。
 もー誰に怒りぶつけて良いのか分からんよー。だってさー、今日の休出は私だけ特別に早く帰らせてもらったんだもんなー……。I田さんとN田さんは17時からお客さんと会議してたよ……。

 目に煩い拗ね方はそろそろ止めて、普通の文章に戻りますね……。

 ちょっと早めに到着して下準備も終わっちゃったのが12時半頃でさ……I田さんが情報システム部に挨拶に行っている間に、残されたN田パパさんと私で色々話してね。N田さんも残業とか休日出勤とかおかしいと思ってるタイプの人なので、しみじみと語っちゃったよ……。子供との触れ合いを大切にしてますか?とか……。N田さん曰く、なるべく努力して週に1回は一緒にお風呂入ったりするようにしてるらしいけど……1回じゃね……。
 そんな話をしていたら、N田さんが浮かない顔して言うんだ……。
N田 「僕の前の会社の上司がやっぱり休日出勤当たり前の人で……。一生懸命努力してなんとか土曜日に丸々1日休みを取って、子供と一緒にキャッチボールしようとして誘ったら、子供に『いいよ、ママと遊ぶから。パパは会社に帰りなよって言われたらしくてね……。物凄く落ち込んで、その週ずっとブルーだったな……」
 ……………………「家庭が1番ですよね」と言う私に、力なく頷いたN田パパさん……。本人的には家庭に思いを馳せる良きパパなのに、会社はN田さんがパパすることを許してくれません。
 Z社に限らず、N田パパさんに限らず、こういうケースは多いのでしょう。男性にも育児休暇があればいいのに……なんてレベルにもいないので、そもそも話になりませんけどね。女性すらがまともに産休を取れない社会制度ですもん。


 2000年6月19日(月) ヘボツールの魅力  晴/残業 1:05 (+0:30) 
 休んだ気がしませんねぇ。ま、そうでしょうとも。実際休んでないしね。はっは! ──舐めンなよ……。(←煮詰まっているらしい……可哀想に……)

 以上のようにグレグレていた私ですが、出社して早々にヘコみました。だってI田さんとN田パパさん……日曜日も出社してたんだって。
N田 「I田さんが土曜日の帰りに『明日は鷹瀬さんにも来てもらわないと終わらないなぁ』って言うから、『彼女は日曜日にどうしても外せない用事があるって言ってましたよ』って言っておいたよ」
鷹瀬 「…………ありがとうございますぅ……(涙)」
 本当は、「ありがとう」とか礼を言うような事態ではない……と思う。何度も言うけどアタシャ出向社員なんだし……。大体私以外の出向社員で、休日出勤してる人なんか1人もいないぞ……。なのにごく自然に言ってしまったお礼の言葉……。なんか違う。めそめそ。
 思い余ったワタクシ……。
「あの〜……私、昨日に限らず、土日は本当に家にいませんから」
 めそめそしながらもコレだけは言っておいた……。両親には「Z社から電話が掛かってきたら、『娘は日曜日の夜分遅くに帰ると言っていました』って言ってね」と頼んでおいて、抜かりなし!

 さて、6月14日の日記でも書いたことですが、詳細を先週末に書こうと思っていて流れたので、改めまして。
 私が抱えている愛すべきヘボツール、Express Analyzer と Express Administrator ですがね……今日はこのヘボツールの具体的な生態を記録しておこうかと……。
上記の「トラブルが続出」する原因は(目下注目の)私の担当ツールである Express Analyzer と Express Administrator です。このマイナーツールがどのようなトラブルを引き起こしているのか──平たく言うと、「メジャーなツールを使っていれば2時間で済む処理に、18時間以上掛かってしまう」という事態を招いているのです。(6月14日の日記より抜粋)
 以上のような概要はもう報告済みなんですけどね、ちょっとコレを視覚的に記録に残しておこうかと……。

 私たちが家庭で使っているマシンのOSは、おそらく8割方が Windows98 だと思うのですが、中規模以上の会社やシステム系の会社ではおそらく8割方が WindowsNT というOSを使用しています。
 細かい話はどうでも良いので、今回関わってくる点に絞ってお話しますと、このNTの方はマシンの性能を管理するシステムが装備されていましてね。その中の機能の一つで、CPU(マシンの脳みそ)の使用率を折れ線グラフで表してくれる「タスクマネージャ/パフォーマンス」というものがあります。
 この管理システムを使えば、苛立ちしか運んでこなかったヘボヘボツールが愛しいものに変化するではありませんか!

 今回のツールの役目ですが、簡単に言いますと、通常の販売データを演算処理して、一般ユーザーに見やすい形に加工する──というものです。
 具体的に言いますと……。5月1日に商品Aが10個X商店で売れた、2日には商品Bが20個Y商店で売れた……という日次データをあらゆる角度から計算し、5月には商品A、Bがそれぞれ合計何個売れたのか、見方を代えてX商店では何個売れたのか、前月に比較してどれだけ売れているのか……など、ただの販売データを顧客ニーズに合わせた表現形に(もしくは、様々な形で表現できるように)作り上げるのですね。
 この作業の中身こそが演算処理で、今回のツールを使ってこの処理をマシンにさせている訳です。

 単純に件数が増えればそれだけ値の積み上げ処理には時間が掛かりますし、積み上げ方の種類が増えれば更に倍々計算で処理時間は莫大なものになってゆきます。普段はのんびりしているマシンがフル稼働しても、数時間では処理が終わりません。
 それでも、いくらなんでもこのツールは売り物で、数少ないとはいえ導入実績があるのだから、ある程度の時間をかければいつかは処理は終わる……そう思っていたのです。

 そして……こんなことになったのでした。


 2000年6月20日(火) ヘボツール追記  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 昨日の日記に載せたNTタスクマネージャを見て、「おいおい」と思われた方がいらっしゃったようなので、ちょっと詳細を追加しました。いや、私自身が素人なもんで、そんな専門的な詳細書いても面白くないかと思い、昨日の日記は素人感覚でのかなり端折った報告だったのです。中途半端な真似してスミマセンでした。

 しかしアレ見ただけでマシンの状態が分かるっていいよなぁ……(っていうか、アレ見てマシンの状態が分からなければ、あのタスクマネージャの意味がなくなるんだけどさ……) でも、詳しい人っていいなぁ……って改めて思ったよ。(私信:N野さん! 詳しい解説ありがとうございます。勉強になりました)
 ま、私も「いいなぁ」じゃなくて勉強しろよ、って感じなんですが、それにはやっぱ興味を持たないとね……。
 「わはは! 仕事量多くて脈が乱れちゃってるよ、コイツ!」とか「頑張れ! 人間様より先に逝くな!」とか「動かねぇよ。ついに旅に出ちゃったよ〜」とかマシンの擬人化遊びして楽しんでる場合じゃないんだろうなぁ……。でもこんなコメントはポンポン浮かんでも、「今どういう状態なのか調べないと……」ってな感想は露ほどにも思い浮かばなかったという……。
 駄目だ……私は駄目だ……この仕事に向いてないよ……。アタシャやっぱ機械方面ではなく、言葉方面に興味があるんだよねぇ……。


 2000年6月21日(水) くたくたVer.6  晴/残業 1:00 (+0:30) 
 前回のプロジェクトA以来ですね……こんなに疲れたのは……。で、今回疲れている原因は、現プロジェクトRが大詰めを迎えているからと言うことも勿論ありますが、あのプロジェクトAが戻ってきやがったことが第一のようです……。プロジェクトAに関わるだけで気が滅入るよ……。
 ってな訳で、なんだかくたくた……。


 2000年6月22日(木) ででででデモ  晴/残業 1:00 (+0:30) 
 忙しさに流されて書くタイミングを逸し続けていたけれど、この記録をし忘れる訳には行かないので、時ズレを起していることを承知で火曜日の話をしましょうかね。
 17(土)に休日出勤までして客先=R社でデモを行ったことは書きましたが、実はあのデモ、20(火)の本番デモに備えての予行演習だったんですね。
 では、17日のデモと20日のデモでは一体何が違うか──ズバリ、見せる相手の階級が違います

 前回のデモを見せたのは、R社のオペレーションマネージャ……つまり、今回のシステムを実際に使うエンドユーザーです。そして20日に見せる相手こそが大本命、R社本社の幹部……フランス人です。ガイジンですよ、ガイジン! 17日のデモは、言わばこの大本命にどのように見せるべきかの打ち合わせだったのです。
 既にエンドユーザーであるオペレーションマネージャのS木女史(女性30代半ば?)からは支持を得ている今回の分析システムですが、フランス人幹部のD氏が「No!」の一言を発すれば、今回のシステム導入の話はすべておじゃんになります。ですから20日のデモはかなり重要なものだと言えます。
 ──しかし、この事実を我々Z社のプロジェクトメンバーが知ったのは、なんと17日の予行演習デモのときでした……。S木女史……もっと前から一言くらい言っておいてくれよ……。

 今回のシステムの概要を簡単に話しますと、R社は化粧品関係の大企業なのですが、今回のシステムを使って、(簡単に言えば)どの商品がいつ・どこで・どの程度売れているのか、というような販売に関する分析をする訳ですね。つまり今回のシステムは販売戦略のための分析を手伝うものなのです。
 このR社、以前にやはり同様の分析システムを導入し、コケてしまった苦い経験があります。コケたというのはどういうことかと言いますと、何千万円も投資したシステムであったにも関わらず、現在では誰も使っていないのだそうです。当然フランス人のD氏は良い気がしません。勿論日本人だって良い気はしていないんですけどね。

 以上のような理由から、D氏は再び1千万以上投資するこの分析システムに、非常に警戒しています。しかし実際にこのシステムを使うS木女史は、もう既に内定を出している状態ですので、今更D氏に「No!」なんて言われたら……大変なのはS木女史も同様なのです。S木女史は、Z社と共にこのシステムを作り上げてきたと言っても過言ではないほど、今回のシステムの構築に意見を挟んできた方なのですから。
 本来はR社の情報システム部の人間と我々Z社の人間で開発が進むところ、R社の情報システム部の人間が先月12日に入院しましてね……。我々はやむなくエンドユーザーであるS木女史と打ち合わせを重ねて行くことになったのが、彼女がこのシステム開発に深く関わることになった馴れ初めです。

 普通、円滑にシステム開発を行う際には、エンドユーザーと開発側は直接には関わらないことになっています。エンドユーザーの希望と、実際に実現できることには少々のギャップが生じるため、通常はシステム開発には客先の情報システム部などが緩衝材として間に立ってくれるのですが……。まぁ今回のプロジェクトはその緩衝材が途中で入院したと……。そういうかなり末期的な展開の中、佳境を迎えた訳ですね……。
 またこの我々開発側の人間が直接関わることになったエンドユーザーのS木女史、外資系の大手企業の第一線でバリバリ働いているだけあって、物言いがキツイキツイ! 私が言うんだから、相当のレベルだと思います。しかしS木女史という方は、言っていることに筋が通っているし、キツイと言ってもそれは口調だけの話であり、裏表がある人ではないことがよく分かるので、私などは彼女のキツさを好ましく思っているのですが、実際に直接関わっているI田さんやN田パパさんはそうは思わないようです……。
「N田さーん。R社のS木さんからお電話でーす」
 社内にそんな声が響く度に、隣席のN田パパさんに緊張が走ります。そして、「はい……はい。ええ、すみません。はい……はい。その件に関しましては今しばらく……いえ、大丈夫です。はい……はい」と、何やら一方的に攻撃されているような返答が続き、受話器を置くと同時に「はあぁぁぁぁぁぁぁ」という深い溜め息を吐くのがお決まりのコースでした。

 以上のような人間関係の元、17日に予行演習をしたのであります。
 S木女史はデモを見ながら「ここはこうして、ああして。D氏はきっとこんなリクエストをしてくると思うから、それに対する答えも用意しておいて」と的確に指示を我々に与えてゆきます。そして19(月)には23時半過ぎまでI田さんとS木女史で打ち合わせをしていたそうです……。私はその日、20時頃には先に帰らせてもらいました……。

 20(火)当日。S木女史を含むR社の面子が5人+本社幹部のD氏、そして我々Z社からはI田さん、N田さん、私の3人で、計9人が会議室に揃ったところでデモが始まりました。
 始まったらもう会議室は英語の嵐……。何言ってるのか薄っすらとしか分からん……。ガイジンの幹部がいることで、R社の人達ったら日本人同志でも英語で会話するんだもん……。なんか圧倒されたよ……。
 Z社の3人は私とI田さんが英語が全く駄目で、N田さんはヒアリング程度ならどうにか……というレベル。S木女史が通訳をしてくれて、D氏の要望をこちらに伝えてくれたりしてね。S木女史、カッコ良かったよ……。

 でもねぇ彼女の口調がキツクなる理由……分かる気がしたなぁ。だってフランス人、人のペース全く考えないで、自分の聞きたいことだけをどんどん聞いて来たりしてさ。こっちにだってシナリオあるんだから、取り敢えず黙って見とけ!って感じだよ。我らがS木女史が、そんなお転婆なフランス人を上手く宥めたり暴走しないように遮ったりしてさ。こりゃキツくもなるわな。っちゅーか、おっとりしてらんねーよ。

 それにしても英語で会議!ってのは初めての経験でして。なんか多分、日本語で話していたら私でも言えるような普通の内容なんだろうけどさ、もう英語操ってるってだけで、物凄く仕事が出来るように見えるのは気のせいなのかな……。
 日本語喋ってる時は何とも思わなかったオジサン社員が、ペラペラと英語で意見を言い始めた時には思わず土下座しそうになった。いやぁ……R社の人達が問答無用に輝いて見えたね。

 R社の中にもさ、最初ずっと黙って頷いている人がいて、「なーんだ、R社にも英語わかんない奴いるんじゃん!」みたいに(勝手に)連帯感を抱いていたら、いざD氏が専門的な質問をしたら流暢な英語で解説し始めてね……。
 ああ……アンタは私みたいにその場の雰囲気に合わせて適当に相槌を打ってたんじゃなくて、本当に理解して頷いてたんだね……。ご免よ……勘ぐったりして……って、そりゃもう反省した……。アタシャ自分が恥ずかしいよ……。

 このデモではI田さんが説明をして、私が実際の表現形のシステムのオペレーションをしてたんだけど……。私なんかさ……S木女史が「鷹瀬さん、じゃあ、次は縦軸が都道府県の表をD氏に見せてあげて下さい」って指示してくれないと、D氏の要望が分からないんだもんね。アタシャ言われた通りにマウスをクリックするだけかい。情けないったらないね。
 英語が出来ないって、それだけでなんか惨めだな……ってちょっとブルーが入り始めた時、D氏がこっちを指差してS木女史にこう言ったんだな。
「No English ?」
 ガーン……「英語出来ないの?」って? なんか前後はよく聞き取れなかったけど、アンタ今確かに「ノー・イングリッシュ?」って言ったよねっ?! 何もしかして私を馬鹿にしてるの? 大ショック……。
 ──ええ、ええ、そうですよ。アタシャ英語が出来ませんよ。悪かったわね。でもね、「ノー・イングリッシュ」くらいのヒアリングは出来ちゃうのよ。そこまでクルクルパーじゃないのよ、残念ながら。いくら遠慮のない外人だからって、こっちはシャイな日本人なのよ。
 ここは日本よ? 「郷に入りては郷に従え」って諺、おフランスにはないんかい。英語にはあるでしょ。「ローマではローマ人みたいにしとけよ、悪いこと言わないからさぁ」ってな同じ意味の諺がさ。言わせて貰うけど、日本は「郷」ってことで汎用性があるのに、欧米は「ローマ」って限定しちゃうことで汎用性が低いのよね。センス疑っちゃうわ。そういうトコ、日本は勝ってるなって思っちゃうわよ。たとえ私が英語が出来なくてもね。ふん。

 そうよ、アタシャ英語が出来ないのよ。「HUMAN」を「フマン」とか読んじゃうほどの出来の悪さよ。(【日常エッセイ】No.18「花園大学」参照) 英語に関しちゃ「大学出てんのか?」って疑われたって不思議じゃないほどのレベルよ。でもね、私は外人がオカシな日本語遣ってても「凄いなぁ……」とか尊敬する心を持ってるわよ。アンタも「英語出来ないの?」なんてジャップの小娘捉まえて優越感に浸ってないで、ちょっとは気を遣いなさいよ。アンタの心ない一言のお陰で、私のハートはブレイクしちゃってるわよ。どう責任取ってくれんのさ。
 大体アンタだって日本語できないじゃないのさ。私が「あの人日本語出来ないのぉ?」って言ったとして、アンタ私が何言ってるか分かる訳? 試しに言ったろか。アンタが日本語出来ないより、私が英語出来ないレベルの方がちょっとばっかり高いって気ィするわよ、正味の話。どうなのさ、え? アンタこの会議室入ってきた時に「コニチワ」って言ったきり、とんと日本語喋ってないじゃない。「Hello」くらいアタシだって言えるわよ。しかもアンタの「コニチワ」って、随分ぎこちなかったわよ。私の「Hello」よりもぎこちなかったわよ、きっと。いや、絶対。
 大体この会議室にいるのは8人が日本人で、外人はアンタだけなのよ。本来なら日本語で会議するのが普通でしょ? それをちょっと偉いからって大勢の人に外国語を強いちゃって、アンタそれでもフランス人? 欧米って日本に比べて遥かにジェントルマン思想が根付いてるって思ってたけど、間違いだったようね。買い被ってたよ。後悔した。ああ、後悔したね。

 ──たかだか数秒の間に、アタシャここまで思い詰めたんですね……。きっと英語が出来ないというコンプレックスが、いつもの妄想癖にマッハの拍車を掛けたんでしょう……。
 悶々と無駄な思想を空回りさせ続ける私に向かって、D氏の「No English ?」というフレーズを含む発言を一通り聞き終わったS木女史が一言。
S木 「鷹瀬さん。D氏が『この縦軸と横軸のラベルは英語には出来ないんですか?って言ってるんだけど、確か出来ましたよね?」
 申し訳ございませんでした、D氏っ! アタシャ自分が恥ずかしい……。
 ヘドモドと「出来ます」と答えた私に、ニッコリと微笑んで下さったフランス人D氏……貴方はやっぱりジェントルマンです。薄汚い考えの捻くれたジャップの小娘のことは忘れてください……。

 よく電車の中で「ビジネス英会話」とかいう本を読んでるサラリーマンがいて、「今更遅いんじゃないの〜?」なんて意地悪く思うこと、ままあったけど、ご免なさい。遅かろうとなんだろうと、努力している人に向かってこの態度はないよね……。英語が必要だ!って切実に感じるその気持ち、今なら深く共感できるさ。だって言葉が分からないと何も出来ないもん……。

 24日から公開の中国映画(というかドキュメンタリー)「クレイジー・イングリッシュ」、絶対に観に行こう……。英語が出来ない人は必見みたいよ。

 あ、大事な追記を忘れていた。
 デモは大成功。D氏は「Fantastic!」「Great!」「Amazing!」と大喜びでした。このくらいの単語なら分かるんだ……。一生喜んでてくれ……。

【追記2】
 私もね……上の三大感嘆詞の真ん中、「Great」を「Grate」って書いてたよ……。しかも友人に指摘されるまで気付かなかったヨ……。半端じゃない英語力だね……我ながらトホホ……。


 2000年6月23日(金) 自己実現と二者択一  晴/残業 0:00 (+0:30) 
 昨日の日記に書いたデモの話の余談です。今度は真面目な話。

 いやさ、昨日も書いたけど、私はこの本番デモの前日に夜遅くまで残らずにさっさと帰ったんだな。そしたらその私がいなかった時間に決まったことを、デモの会議の際に皆が話し始めてね。つまり私の知らない話ね。もともと途中からこのプロジェクトに加わってるから、既によく分からない点が結構あるんだけどさ……それに加えてのホットに知らない話だよ。
 なんかねぇ……虚しいんだ……。会議に参加していて自分が何も分かっていないと。でもじゃあ全て把握するためには、毎日のように夜の23時半過ぎまで会社に残って、更には休日出勤も重ねて頑張らなくちゃいけない訳でしょ。
 それは嫌。それは無理。でも仕事をする上でいつまでのお客様状態では虚しい……。ここでジレンマだよ……。

 私なんかは他にやりたいことがあるし、その仕事以外のことで自己実現しようとしているから、この程度の虚しさで済むけどね……特別な趣味がなかったら、つい残業してでも一生懸命に自分の存在意義を探し求めちゃう気持ち……なんとなく分かるなぁ……。
 だってさ……実際虚しいもん。仕事しててお客様なのは。
 これが毎日ピッタリ定時で帰れれば、「まぁ仕方ないよね。やってないし」って割り切れるけど、中途半端に関わって、中途半端に大変な思いをしている割に、お客様状態……ってのはかなり虚しいよ。
 だからと言って変に仕事を頑張って、自分の時間がなくなってやりたいことを放棄するのは本末転倒なんだよね、私の場合。今一度ハッキリと自分がどっちを選んでいるのか、自覚する必要があるねぇ。
 ──ま、気持ちは既に最初のN社を辞めた時点で決まっているんだけどね。つい毎日に流されて、自分自身のことよりも当面の仕事を頑張っちゃうそうになるもので……。二者択一をしないと。どちらかを捨てる覚悟で臨まないと。何事も中途半端はいけないよな。

 本当は、仕事は勤務時間内に充実させて、それ以外で自分のやりたいことを充実させる──これが一番の理想形なんだと思うけど、現実問題として、今の会社(多分、日本の多くの会社)では、もう物理的に残業をしなくちゃ終わらないような仕事量を平気で振ってくるからね。
 そもそものシステムが悪いと思うんだな。どうしてもっと仕事以外の自己実現を果たせるだけの余裕を、社会人に与えないんだろう……。っちゅーか、皆もよく平気だよな。
 平気じゃないのかもしれないけど、結局「お客様なのはつまらない」から、「じゃあ残業・休日出勤してでも頑張っちゃおう!」って方向に向かっちゃうのが悲しいよね……。なんかこう……上手く利用されている気がする。そして多くの人が、自分が利用されている自覚がない気がする。
 6月18日の掲示板の書き込みに「サービス残業をする背景の問題点について思うこと。」ってタイトルで共感することが書いてありました。遣り甲斐と自己実現と、認めてもらいたいと思う気持ち……このバランスが難しいんですよね……。


 2000年6月26日(月) 追い詰められて……  曇/残業 1:20 (+0:30) 
 何が「残業しないことを考慮します」だよな〜。Z社さんよ〜。約束違うじゃねぇかよぅよぅよぅ〜。
 辛いっちゅ〜の〜。遺書に書くぞ、「過労死のため、自殺します」って。文章的にオカシイけど、それが益々「過労による鬱病状態」って診断に繋がらないかえ? ウチの父親に任せておけば、社会的にも物凄い大事(おおごと)にしてくれそうでドキドキだ。
 あ〜でもそうなったら図らずも父さん、娘の分まで寿命加算して長生きするかもネ……。あの人、そういう社会問題揉め事系、大得意だし……。そりゃもうイキイキしそうだなぁ……。なんで74歳の父さんが26歳の娘よりイキイキしてるんだよ……ったく。

 そういやこの前、友人H江が父さんについて上手いこと言ってたな。
 いやさ、ウチの父さん、丁度去年の今頃「肺に影がある。癌の可能性があるので……」ってことで3週間ほど検査入院したことあってね。彼、1日120本ほど煙草吸う人だから、「ああもうこりゃ駄目だ……」ってんで、アタシャ父さんの死を覚悟して泣いたことがあったのさ。
 そしたらどうよ。ただの肺炎だよ。アタシャその時強く思ったよ。「この人は多分私より先に死なない」って。
 肺炎って分かったのは入院してからかなり経ってからで、入院当初は母も私もかなり覚悟決めてたのにさ。夜な夜な財産分譲について話し合ったりして。──いや、違う。そんなことは(あまり)していない。
 そうではなくて、インターネットで肺癌の知識拾い集めて、癌に効果がある(かも)とされているAHCCとかプロポリスとか、小遣い叩いて片っ端から入手したのに、全部無駄だったよ。
 これであの父さんがビビって醜態でも曝していてくれたら、この入院騒ぎも良い思い出になったかもしれないのに、本人「癌かもしれない」って時点でも「まぁそうならそうで、仕方ねぇだろ。わっはっは!」ってんで、病院でも隠れて煙草吸ってたほどの豪傑でね……。
 振り回されるだけ振り回された苦い思い出……。まぁ勿論「健康でいてくれて、アリガトウ」って気持ちはあるんだけどね……。
 ──で、話を戻すさ。こんな父さんも、最近になって漸く「年取ったなぁ……」って感じる場面が出てきてね。それをふとH江に洩らしたんだよね。そしたらH江の言葉が洒落てたよ。
「まぁ『年取った』って言ったって、タカセのお父さん、ポテンシャルが並じゃないし。まだまだ充分すぎるほどパワフルじゃん。無敵不敵になったくらいでしょ。もうちょっと経つと素敵になるんじゃない?
 上手いっ! 技あり、1本っ!! アタシャ早速、「友人名言集」にこの言葉を書き止めたよ。
 遊ぶ時間が少なくなると、こんなふうに爽快な言葉を紡ぐ友達との時間も削られちゃうんだな……。実際、友達と話すとかなりストレス発散できるからね……。遊ぶ時間……っつーか、友達と話す時間は私にとってかなり大切なのよ……。

 それにしてもZ社に出向になってから遊ぶ時間が激減したなぁ……。
 もう今日なんかさ、帰り道、俄然虚しくなっちゃってね……。だって会社出たのが20時半よ? こんな時間からどうやって人生エンジョイしろってのよ。疲れてたらTV観ることくらいしか出来ないし、そんなんしてたらどんどん馬鹿になるだけじゃないか。
 普段の生活の中に本を読む時間すらなくなっちゃったもんだから、電車の中で本を読むようになってさ……。アタシャ電車の中じゃ本を読まないタイプだったんだよ。電車の中ですることは読書ではなくもっぱら空想だったのに……。なのに……プライベートの読書の時間が削られるもんだから、仕方なく電車の中の空想の時間を削って、読書に回したよ……。慣れないコトしてるもんだから、お陰で今日なんか降りる駅間違えっちゃったじゃないのさ! ったく!!(←ヤツ当タリ)

 人通りのない夜道歩きながら、なんか妙に苛々して切羽詰っている自分に気付いてさ……。このまま感情の膿を溜め込んでいたら身体に良くないと思って、
「も〜〜〜いやだあぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
って叫びながら家まで全力疾走してみたんだけど……スッキリするどころか、ヤバイ気持ちになっちゃって参った……。(←気持ちどころか、既にヤバイと見た)
 その後、泣いてみようと試みたんだけど(いや、泣くって行為はストレス発散に繋がるから)、これが不思議なくらい泣けなくてね……。今の状況は泣ける状況でもないらしい……。要するに悲しくはないみたいなのよね、腹の底から。ただ疲れて虚しいだけ。
 ………………悲しい方がマシな気がするなぁ……。


 2000年6月27日(火) 仕事場は冷蔵庫  晴/残業 0:30 (+0:30) 
 プロジェクトRもいよいよ大詰めを迎え(しかし現時点で6月30日の納期に間に合わないことは確実……)、私もZ社でテストして客先R社で開発して……と、勤務地が毎日コロコロ変わる状況に追い込まれてきました。

 さて、ここで問題になるのがR社での私の居場所なのですが……これがなかなか……。
 まあさ……R社はお客様でこっちの立場が弱いのは分かる……でも……もうちょっとどうにかスペース作ってくれてもいいんじゃないかな……って思っちゃうな……。今私が開発している場所は、サーバー室なのです……。
 基本的にマシン室って必要以上に暑いか必要以上に寒いかのどっちかなんだよね。マシン室が適温と言うことはまずない。狭い部屋にマシンを詰め込んで、人間様が長居する場所じゃないってのが大前提だから、空調がまるで効いていなければ暑いし、マシンを労って奴らがカッカしないように空調に気を配っていたら寒いし……。
 ──で、R社のマシン室は後者だった訳ですね。
 冷蔵庫で仕事をする気持ち……分かるかなぁ……。能率上がらないんだよね……手足がかじかんで……。息吐いたら白いんじゃないかと思って何度も「ハァ〜」「ハァ〜」って試してたら、I田さんに「そんなに溜め息吐かなくても」って笑われちゃったよ……。いや、溜め息吐きたい気持ちはあるが、今のは溜め息じゃないんだ。まぁもうどうでも良いケド。

 またさぁ……このマシン室……当たり前とは思うけど狭いんだ……。2人入室したらもう一杯一杯って場所に、私とI田さんともう1人Z社の社員が常駐してるよ……。2畳あるかな……ないだろうなぁ……ってくらいの場所にだよ? この人口密度は労働法に違反してるぞ。
 人口密度も酷いモンだが、開発する状況も負けずに酷いのね……。2畳あるかないかのスペースに、当然何台ものサーバーやらハブやらダンボール箱やら本やらが置かれてるもんだから、新たに加わる私のマシンなんてもう置き場がないのよ。その気持ちを表すかのように、私の開発用のPCはその狭い部屋のど真ん中の床にデンと置かれていたよ……。勿論机も椅子もない。っちゅーか、このマシンを表に出さないと机と椅子は入らん。

 会社行って、さぁ仕事だ!っつって、「入室禁止」って張り紙が貼られた扉を開けて……一歩仕事場に足を踏み入れると、足元に私が使用する開発マシンが置いてあんの……。シュールさ〜……。
「……………………罰ゲーム?」
 そう思うほどの視覚的&精神的暴力……。
 狭い冷蔵庫で正座しながらシステム開発に臨む気持ち……分かるかなぁ……。
 身体が壊れるのが先か、心が壊れるのが先か、自分で賭けちゃおうかな。うふ。


 2000年6月28日(水) I田マジックの威力  雨後曇/残業 0:00 (+0:30) 
 今日は思い切って、ニコニコ笑顔が恐いI田さん(人物詳細6月12日参照)に下記の台詞を言うつもりだったんだ……。

「私は元々『残業はなし、遅くとも19時まで』という契約なんです。毎回プロジェクトが始まる度にそのことを確認して了解を得ているにも関わらず、プロジェクトの大詰めを迎える度に、その約束は済し崩しにされています。今回のプロジェクトはもう仕方ないので、目処がつくまでは残業もしますが、次からのプロジェクトではもう絶対にそんなことはしませんので、最初からそのことを考慮して仕事を組んでください。このプロジェクトが終わったら、とりあえず1週間お休み頂きますから」

 ──でも、実際に言えた台詞は以下。
鷹瀬 「あの〜……(←始まる前から既に弱腰)……このプロジェクトの目処がつくのって、いつなんですか?」
I田 「なんで?」
(「なんで?」と返ってくるとは思わなかったので、この時点でかなり怯んだワタクシ)
鷹瀬 「……いや、その、有給を消化したいので、お休み頂きたいんですけど、7月のいつ頃から取ったらいいかな、と思って……」
I田 「長く休むつもり?」
(I田さんの声のトーンが落ちたことでビビリまくったワタクシ……。Z社に入ってから一番恐かった瞬間……
鷹瀬 「いや、あの、その、……1週間くらいです」
I田 「1週間は長いねぇ……。うーん、リリースは7月14日だけど、その後色々メンテナンスやらなんやら入るから、7月はちょっと駄目だな。8月はN田さんの新しいプロジェクトが始まって、そのプロジェクトで Express シリーズ使うって言ってたから、多分鷹瀬さんに聞くことあるが出てくると思うんだよね。そうなると鷹瀬さんにはいてもらわないと困るからなぁ……。有給は9月以降に取ればいいじゃないですか
 全然よくねぇよ! どうせ9月以降にゃ、また火の車のプロジェクト押しつけるクセにっ! そう思ったのに、さすがI田マジックは強力だったよ……。口をついて出た言葉はたったコレだけ。
「そうですか……」
 私らしくなぁーいっ! 大体当初の予定と言った内容がまるで違ぁーうっ!
 I田さんの下に長くいると、なんか人格変わりそう……。って言うか、もう変わっちゃってないか?! こんなん私じゃないもん……。
 I田さんもさ……私のこと気に入ってるなら大事に扱って欲しいよ……。……もう私がクタクタだって、気付いてくれないかな……。(←戦う元気がないので他力本願になりつつある今日この頃……) あまり酷使すると逃げちゃうって分からないかなぁ……。すり減らしては「次の人〜」、すり減らしては「次の人〜」ってやってたら、人は居着かないし、いいことないと思うよ……。人間は細く長ーく大事に使わないと……。

 最近の総括。
 さてと。次は何の仕事をやろうかな……。

【追記】
 今常駐しているR社って外資系の大企業で、外人の社員とかもチラホラいるんだけど、やっぱ外人って働き方が明らかに違うよ。彼ら、少なくとも私が見た限り、定時ピッタリで帰ってるもん……。たまたまってなレベルじゃないぞ、ありゃ。定時過ぎると本当に外人の席だけが空くんだよ……。いいなぁ……。1年間くらい勤めてみたいな……外資系に……。私の英語力じゃ無理だけど。


 2000年6月29日(木) 情シスへの提案  曇/残業 0:35 (+0:30) 
 本日の日記は、6月7日に書いた「goo!」事件に続いておりますので、以下を読むのなら、まずはそちらをご一読ください。

 情シス──それは、多くの企業に存在する「情報システム部」の略称。
 情シス──それは、無限の可能性を秘めた部署でありながら、大抵は灰色の会社生活に拍車を掛けている源。
 情シス──それは、インターネットや e-mail が FAX を追い越し、電話に追いつく勢いで普及しつつある今、社員と情報とを結ぶ掛け橋……。
 と、言う訳で、情シスにはもっとユーモアがあっても良いと思う。

 いきなり私がこんなことを言い出している経緯から話そう。
 6月7日の日記に対して、友人からこんなメールを貰ったのが始まりだった……。
ところで、6/7の日記に載っていたアドレスを開いてみようと思って、さっそく会社のPCから入ろうとしたら以下のようなメッセージが大書きで出てきてさ。おかしかったのでつい知らせたくなってメールを書いてます。

以下引用。

*********************************

!!アクセス禁止!!

-----------------------------------------------------

業務と無関係なホームページの
閲覧は禁止されています。



このページが必要な場合には、所属長を通じ、
××××(株)情報システム事業部
××××××(株)情報システム部
まで申告下さい。


××××(株) 情報システム事業部長

*********************************

 さすが大企業の情シス! 暇なんだか忙しいんだか、チェックが厳しいことだけは確かみたいだね!
 きっとアクセスログ見て、アクセス数の多いアダルトサイトとか業務に無関係なサイトとかを片っ端から調べて行くんだろうなぁ……。そういう仕事ってのも楽しそうだな。
 嫌いな上司とか専務とかさ、どんなページ見てるのか逐一チェックして……。プライバシーの侵害? 盗聴法がまかり通る世の中で、プライバシーなんてあるもんか。しかもここは会社よ? 見られちゃまずいサイトにアクセスしていること自体が間違ってる、ってなもんよ!──なーんて開き直っちゃってさ〜。
 うお〜〜やりてぇ! 情シスのトップに立ちてぇ!! 色んな企画を出してぇ!!!

 私ならさ〜、ヒラ社員を遠回しに責めるようなセコイ警告ページなんか作ってないで、自分たちの会社の上層部の動きを監視する方に時間を費やしちゃうねー。部長クラス以上の人間が怪しげなサイトを頻繁に訪れているようなら、即、警告すんの。高圧的に。
 でも相手は自分より身分が高いお方だからね。一般のヒラ社員と同列に扱っちゃ気の毒だよね。だから、そういうお偉方専用の警告ページを作ったりして。例えばこんなん……。

*********************************

一見業務に無関係なホームページであるように思われますが、
どういうご意向でこのサイトの閲覧を望んでおられるのか、
我々情シスではお手間を取らせぬよう独自に調査を進めております。

このサイトへの貴方のアクセス回数は 【00034】 回です。

!お願い!
業務への関連性が見出せぬままアクセス数が50回を超えますと、
当部署調査員が事前連絡の上、事情徴収に伺わせて頂きます。
お忙しいとは存じますが、お時間を頂くことをご了承ください。

××××(株) 情報システム事業部一同

*********************************


 個々のマシンに対して専用のアクセスカウンタ付き警告ページを作る訳だから、汎用性が乏しい上に、かなり大掛かりなシステムだよね〜。遣り甲斐ある仕事だべさ〜。このシステム作るためなら残業してもいいなー。だってもーココまで来りゃー趣味だもん。

 話を戻すけど、そもそもさ、「goo.co.jp」の間違いは、やましい心がなくても起こってしまう可能性のあるものでしょ? それを最初から「!!アクセス禁止!!」なんて非難の色を滲ませて疑って掛かっちゃ、一生懸命働いている社員に対して失礼だよ。
 gooで何かを調べようとしている人が「……え? 何を怒ってるの……?」って涙ぐんじゃうよ。会社に疑われたことがショックで、もう次の日から登社拒否になっちゃうかもね。毎日遅くまで残業してて、その扱いがコレ?みたいな。

 例え狙って「goo.co.jp」を打ち込んだとしても、世の中に星の数ほどあるアダルトサイトの中から「goo.co.jp」を選んだそのいじらしさに目を瞑ってあげないさいよ。恥ずかしげもなく堂々とエロサイトの検索しているような奴だっているんだろうから、そいうい輩を懲らしめることに労力を費やした方が良いって。
 多分「goo.co.jp」からアダルトサイトを覗こうなんて狙ってる社員は、見付かったら慌てて
「アレ? おかしいなぁ! 調べものがあったからgooを開こうとしたのに! なんでだろう。あははははー!」
とか不自然にテンションを上げちゃうような小心者なんだから……。きっと毎晩遅くまで残業なんかしちゃってさ。しかもその半分くらいはただの付き合い残業なんだよ。疲れてるんだよ。楽しみ少ないんだよ。可哀想じゃん。大目に見てあげなよ。情シスも思い遣りの心ってものが足りないよ。
 私だったら以下のような緩衝ページを作るけどね。

*********************************

サーチエンジンgooのURLは以下の通りです。
http://www.goo.ne.jp


URL入力の際に間違いがあったようなので、
自動的に目的のサイトにジャンプいたします。
しばらくそのままでお待ち下さい。


××××(株) 情報システム事業部長

*********************************


 ん? 慇懃無礼? はっは! だって趣味なんだもーん。どこかにこの提案を買ってくれる情シスがないもんかね。(←絶対に無いと見た)

【追記】
 お仕事中にウチのページを見て下さっている方、いつも有り難うございます。そんな方たちのために実体験コーナーを作りましたので、お立ち寄り頂けると幸いです。では、どうぞこちらへ……。


 2000年6月30日(金) 明るい勤務計画  晴/残業 0:50 (+0:30) 
 とりあえず、現状記録。
 今日がリリースの筈のプロジェクトRは、当然のように終わらず……。来週もR社に常駐で開発が続きます。あ、でも「マシン室で正座しながら開発」ってのは逃れました。今はR社情報システム部の片隅で秘めやかに開発をしています。

 んでもって、本題。
 凄いよ〜。今月23日も働いてるよ〜。残業も26時間! 私の基準でMAXの域に達してるね。なんだこの人生は。
 勤務時間191時間っつったらT社に勤めて最高だよ、今までで一番働いてるよ〜。もうこれからは休日のない月は病気になるだね。1ヶ月に170時間以上働いたらマズイよ。160時間でもヤバイっちゅーのに。
 とにかく今後は木目細かに勤務時間を計算して、月の勤務時間が170時間を超さないように調節しようっと。

 でもまぁ、この程度じゃ「そんなに残業してない方」になるんだから、この国もねぇ……。1992〜6年の5ヶ年計画で、年間労働時間1800時間なんて目標掲げてたくせに、どこの企業がこの目標守ってるんだよ。目標にすんなよ、法律にしろよ。ったく。
 1800時間っつったら、月平均150時間の筈だよ。1800時間でも多いと思うけど、この際許すよ。その代わり徹底してくれ。月150時間なんて、今の私にとっちゃパラダイスだよ。今より41時間働かなくて済むんだから。月に41時間余分に貰えたらかなりのことが出来るよ。
 もー経済成長はいいから、そろそろ国民に人生謳歌させてやったらどうよ。物的には豊かになったかもしんないけど、精神的にはちゃんと貧しくなってるじゃないのさ。どっちが幸せかって言ったら答えは明らかなんじゃないの? 物的に豊かなのはほどほどにしないと、結果的には何かが腐ってゆくだけだよ。

 アンタこんなに日本人が馬鹿みたいに働いている傍らで、ドイツ人は95年には年間1580時間を達成してるのよっ?! ナニ、この差は。1580時間っつったら勤務時間は月平均131時間だよ。1日7.5時間労働として、211日勤務……ってことは、154日が休日に当てられるって訳? 日本の通常企業は120〜125日が年間休日だから、それプラス約1ヶ月の休暇が与えられてるってこと?!
 そりゃ欧米人だって全員が全員のんびりしてる訳じゃないのは分かってるよ。一部のエリートはそりゃもう朝も昼も夜もなく働いてるってのは周知の事実だろうさ。でも、そうじゃない人もいる。「仕事命!」じゃない道も選べる。そういう余裕があるんだと思う。
 対して……余裕ないなぁ……。なんでじゃ。良くも悪くも「勤勉」なんだよねぇ……。アタシャ仕事命じゃないんだから、年間に土日以外に2ヶ月くらい休みたいなぁ……。

 今フリーターが急増していることに対して、TVで「若者にちゃんと勤めるよう、早くから教育しないといけない」って言ってたコメンテーターがいたらしいけど、笑わせてくれるねぇ。アンタ、どうして今フリーターが増えるのか、その根本理由から見つめ直したらどうだい、って感じさ。
 フリーターが増えてるのは、周囲の大人たちを見たって全然羨ましくないからだろう。特定の会社に正社員で勤めても、夢も希望もない仕事奴隷になるだけだってことが分かっちゃってるからなんじゃないのぉ? 低収入の定収入貰って毎日ちょっとずつ腐るよりも、自由気侭にその場限りで生きて行くさ、ってな刹那的感情が蔓延してるからなんじゃないの?
 真面目にやったって報われるとは限らないしね。悪いことした奴が豊かにのびのび生きてる世の中で、どうやって真面目に働こうって思えっちゅーのよ。

 以上のようなことを思ってはいますが、私はフリーター推奨派という訳ではありません。
 フリーターには2種類あると思うんだよね。やりたいことがあるがゆえに定職に就かずにいて、本人的には夢に向かって頑張っているつもりでも、端から見ると「仕事もせずにフラフラしている」と評されてしまうタイプ。もう一つは、「ただ単に仕事がしたくない」というだけのタイプ。
 前者のタイプは心底応援するけど、後者のタイプには「とりあえず一度でいいから早いとこサラリーマンやってみな」と言いたい……。モラトリアムは分かるが、グズグズして結論が出ず、結局サラリーマンになるしか道がなくなった……なんてことになったら悲惨だぞ。
 ──ま、基本的には他人事なのでどうでもいいが。

 そういや私は「フリーター」ってやったことないなぁ……。「定職に就いている時期」と「無職の時期」があるだけだ。一度やってみたい……。




2000年6月の勤務表
 出勤日数 23日(うち休出 1日)/勤務時間 191:05  欠勤日数 0  有給休暇 0
 月残業時間 26:05  日平均残業時間 1:08  今月最高残業時間 1:50/26(月)
 【一言】 休出はするわ、休んじゃいないわ……なんなんだこの勤務表はっ! くっそ〜〜〜〜!


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