2000年2月の就職日記&コラム

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会社に慣れてきました。生活に慣れてきました。今です。今こそ、すべきことをして、自分の時間を謳歌するのですっ! この状況に慣れるのは一向に構いませんが、馴染むのだけは御免です。何が何でも自分を保ち続けないと……。──ってことで、焦燥の始まりなのです。

2000年2月の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 01(火) 未定  02(水) 2時間が限界  03(木) 再燃する炎
 04(金) インフルエンザ?  07(月) 有給累計2日  08(火) 有給累計3日
 09(水) 病み上がりに鞭  10(木) 冷徹な鎮火術  14(月) 統括管理という仕事
 15(火) 新しい統括管理者  16(水) 揺れる杉J  17(木) 残業姿勢の嫌な傾向
 18(金) 心強い先達  21(月) 素晴らしき家族愛  22(火) ハラハラドキドキ
 23(水) ゼィゼィ……  24(木) 逆ギレ勝ち  25(金) 3年目の憂鬱
 28(月) 意味のない朝礼  29(火) 2月も終わり  −




 2000年2月1日(火) 未定  晴/残業 0:00 
 ……今週末に書きます。


 2000年2月2日(水) 2時間が限界  晴/残業 2:10 
 ふぅ……。私にしては最大級の残業をしてしまいました……。たった2時間程度の残業でクタクタ……。ってことは、月40時間残業している人なんかはこのクタクタを毎日繰り返している訳ですね……。凄いや。私だったら何かを麻痺させなきゃやってられないだろうな……。ぶーぶー文句言えるのも、まだ精神力が残っているからなのかもね。


 2000年2月3日(木) 再燃する炎  晴/残業 0:40 
 最近、残業か遊びかで更新が滞りがちです。最低線このホームページの更新だけは身に染み付いた習慣にしたいのですが、週末にまとめて……という押せ押せムードが既に漂いつつあります……。いけない……こんなんじゃイケナイ……。溜めるから大変なんですね。ええ、ええ。そして、分かっちゃいるのに実行に結びつかないのが人生なんですね。

 ──さて、悟ったフリをしている場合ではないのです。先月から会社生活をスパイシーなものにして下さっているS藤姉さん(詳細は1月20日参照)ですが……ついに新しい教育係である穏やかテイストな杉Jまでもがキレ始めています……。正確に言うと──杉Jはキレるようなタイプではないので──グッタリし始めています。いつもはニコニコしている杉Jですが、最近では無表情に半眼開きで、しかも焦点が定まっていません。日に日に衰える様が余りにも明確なので、周囲の人達もさすがに原因がどこにあるのか気付き始めているようです。

 杉Jと廊下などで擦れ違うと、毎回のように「鷹瀬さん……知らん顔してないで助けて下さいよ……」とSOSを発してきます……。気の毒です。気持ちは分かります。しかし「助ける」と言ったってどうやって? 余計に手出しをして今のギリギリムードの最後の一線をぶち壊しにしたくありません。今の状態は、杉Jだからこそ持っている、という感じなのです。それに正直言って、面倒だし。(←これが本音らしい) 私は私なりに先月末にやれるだけのことはやったので、それで全く態度を改めていないS藤さんの相手を再びするのはちょっとしんどいのです。
 私が「私はホラ、2週間くらい前にずっと独りで彼女の相手をしてた訳だし……やれるだけのコトは全部やったから。アハハハハ」と逃げ腰の姿勢をあからさまに見せていると、杉Jは生気を失った瞳で恨めしそうに見つめてきます……。スマン、杉J……アタシャもう関わらないって決めたんだ……。

 関わらないと言っても、私の隣の席で教育は展開されているので、どんな様子で研修(?)が進んでいるのかリアルタイムで窺うことが出来ます。杉JとS藤さんの遣り取りは、端で聞いていても痛いっス。
杉J 「あの……S藤さん、それはさっき言いましたよね? 忘れないようにメモとか取った方がいいですよ」
S藤 「私、メモとか取るの嫌いなんですよ」
杉J 「いや、嫌いとかそういう問題じゃなくて、メモを取ると覚えるし、メモを取るのも勉強ですよ……。さっき言ったこともメモってれば何度も何度も言わないで済みますよね?」
S藤 「理解してないから何をメモしていいのか分からないんですっ」
杉J 「書きながら理解するってこともあるんだから、取り敢えずメモを取る姿勢を身に付けた方がいいと思いますよ」
S藤 「………………」(←ムクレテいる)
杉J 「えーっと……さっき言った Sub と Function の違いは分かりましたか?」
S藤 「分かんない(←タメ口&堂々)
杉J 「………………え……と。 Sub と Function ですよ? ホラ、一番初めにやった……」
S藤 「全然分かんないモン(←こうなるとお手上げ……)

 他人事ながら、「お前一体何様じゃっ!」と叫び出しそうになりました……。ハッキリ言って、S藤さんの教育風景は横で聞いているだけでも非常に不愉快になります。これは私の心が狭いからなんだろうなと思っていたら、たまたまその場に居合わせて教育現場を見ていたプロジェクトリーダーのA原先輩が、後で私と2人きりになった時にこう言ったのです。
A原 「さっき杉JがS藤さんに教えてるの見てたんだけどさ……何、アレ。あの人、態度悪すぎるよ。教えてもらうのが当然って勘違いしてるんじゃない? 俺だったらキレるね。杉Jから聞いたけど、あんなんで『早く業務に入りたい』とか言ってるんだって? 俺が入れさせないよ。あんな人に仕事なんか任せられるか」
 ──A原さんは杉Jの次の次に穏やかな先輩です……。もう駄目かもしれません……。
 杉Jの登場で鎮火したと思われていた炎は、呆気なく再燃してしまったのです……。杉Jは最後の教育係です。彼がS藤さんの教育の匙を投げれば、もう後はないのです。こうなると、「心配」というより「事の成り行きに興味津々」って感じです。


 2000年2月4日(金) インフルエンザ?  晴/残業 0:20 
 会社にいた時からなんとなく風邪を引いたかなー……と思っていたら、本日5(土)の現在15:30の時点で、38.8度の熱が出ています……。身体の節々が痛いし、熱いんだか寒いんだか分からない状態……。っちゅーことで、大人しく寝ています……。

 大人しく寝ていたら39度を越えたので、夕方、近所の大学病院に急患として診察を受けに行きました。身体の節々は痛いわ、頭痛はするわ、寒くて熱いわと、高熱特有の症状は出ていたものの、本人的には昼食のうどんを平らげるほど元気(?)だったので、病院に行くのは大袈裟かと思ったのですが、普段あまり病気になることが無いもので、体温計の39度の表示を見たら「このまま放っておいたら死ぬんじゃなかろうか……」とビビってしまったのです。
 ──で、母が病院に電話をして急患の受け付け状況など問い合わせてくれたところ、直ぐに来れば診てあげよう、ということになり、大至急独りで歩いて行ったら(途中まで母が車で送ってくれた)、先生方が「えっ?! 独りでいらっしゃったんですか?! 歩いて?! 確か39度の熱でしたよね?!」と驚いていました……。初めての経験なので何とも言えませんが、39度ってもっとフラフラかと思ったら結構元気に歩けるモンなんですね……。

 若い医者2名と看護婦サン数名に迎え入れられ、熱を計りながら早速問診。休日出勤ご苦労様……とか思いながら質問に答えていると、診察していた医者Aが「なんか……病気じゃない松村さんよりよっぽど元気に見えるよね……」ともう1人の医者Bに話しかけていました。後ろでは看護婦さんたちが大爆笑しています……。松村って誰よ? 内輪受けはいいから、さっさと済ませてくれ……と少し思いましたが、相手は休日出勤しているお医者サン。うんうん。大変だモンね。いいよいいよ、笑うがいいさ。
 ……私も熱が高かったのでしょう。

 問診の途中で「今までも高熱が出ると身体の節々が痛くなりましたか?」と聞かれたので、「いや、こんな熱出したのが初めてで……。あまり病気にならないもので」と答えると、「ああ、なんかそんな感じですよね」と医者Aが深々頷き、医者Bも「俺もそう思った……」と小さな声で(しかし聞こえる程度の大きさ)同意し、後ろに立っていた看護婦さんまでもが「先生、失礼ですよ。……でも、本当に病気とは縁がなさそうですよね……」と付け加え、皆で笑っています……。
 ──なんなんでしょう……私には人を失礼にさせてしまう要素があるのでしょうか……。

 一通りの診察が済み、その場の雰囲気から「大したコト無い」のだと分かり、最後に「あの〜もしかして私、健康なんですか?」と聞いたら、医者達は「えぇっ?!」とビックリしてから大笑いしていました……。私が悪いのかもしれません……。

 インフルエンザが流行っているようですが、風邪などにはくれぐれも気を付けて下さい。


 2000年2月9日(水) 病み上がりに鞭  晴/残業 2:00 
 ピーク時は39度の猛威をふるって私をビビらせたインフルエンザですが、高熱という点で言えば土曜日と日曜日に出尽くしてしまったようで、月曜日には37.5度前後に落ち着き、火曜日には36.8度前後に治まりました。出世を気にするサラリーマンであれば、欠勤せずとも土日の休日のみで遣り過ごせるスケジュールですが、そこはまぁ出世を気にしない私のことですので、充分な休暇をいただきました。無理して出勤して、周囲に伝染しても嫌だしね。

 私の個人的な見解としては、病気になったら完治するまで欠勤するのが理想です。単に休みたいということも勿論ありますが、基本的に私は病気を完治せずに無理して出勤してくる人は嫌いです。ポジション上やむなく、と言うのであればまだ分かりますが、数日無理して出勤しようが休もうが大差ない立場の人間が、やる気と根性を見せるためだけに、マスクもせずに出勤してくるのには腹が立ちます。「もっと休めば良いのに」と言うのは相手のことを思い遣っての台詞ではなく、「伝染すなよ……」という本音が篭められているのですが、まぁ多分通じてはいないでしょう。
 っちゅーことで、現在「お前、休めよ」という輩がゴロゴロ出勤しています……。こういう人達に限って、有給も未消化なんだよね。ったく、働くのが好きな奴らめ。

 土日から続けざまに2日会社を休むと、なかなかに社会復帰が難しいものです。そんな私の心のひだを察してくれたA原先輩が、私の業務復帰がスムーズに行われるように、「リハビリ」と称して修正を3本も渡してくれました……。「あの……締切は……?」とおそるおそる聞くと、ニッコリ笑って「今日の定時まで。上げたら定時で帰って良いよ。病み上がりだもんね」と答えるA原先輩……。何か恨みを買うようなことをしてしまったのかもしれません……。
 結局このリハビリのおかげで、出社時の「なんか仕事する気しないモード」もあっちゅー間に消え去り、午後にはほぼ日常に戻っていました……。染み付いた感覚ってのは恐いですね。「働くのが当たり前」という感覚は、身に付けてしまえば本人的には楽ですが、それってやはり何かを麻痺させた代償で得られるものだと思っているので、「働くのイヤ」と感じている自分をいつまでも大事にしたいものです……。

 なんか本調子ではないので今日はここまで。


 2000年2月10日(木) 冷徹な鎮火術  晴/残業 0:30 
 教育もままなっていないS藤さんが、いよいよ業務に入ることになりました……。こうなるに至った経緯は既に先週末から始まっているのですが、ちょっと更新をサボっていた時期に当たってしまったため、この件の報告はお蔵入りになっていたのです。しかし今回のことを話すに当たっては、まず先週末4日(金)の一件から話を始めなければならないでしょう。
 ──っちゅーことで、先週末のS藤さんのお言葉をご紹介しましょう。あまりにヤル気が見られないS藤さんに、私が「調子はどう?」と聞いた時に返って来た答えです。
S藤 「いつ業務に入れるのかも教えて貰ってないし、そんな状況でやる気になれないんだよね〜。中だるみしちゃってさぁ……。業務に入ればやらなきゃならないからやると思うんだけど……」
 あのさぁ……アンタ、何様? 余りの進歩のなさにグッタリしました。「貴様、中だるみ出来る立場かっ?!」と思わず躍り掛かりそうになりましたが、それはどうにか抑えました。しかし根がアグレッシブなもので、ちょっと頭に来て思わず受け答えをしちゃったんですね。
 もう彼女の言う不平不満の類は、すべて受け流そうって決めてたのに……脆くも儚い決意でした。
「今、プロジェクト自体が大詰め迎えててスケジュール管理してるA原さんも多忙でね、S藤さんに出来る仕事を振り分けるのだって大変な状況なんだよ。ぶっちゃけた話、『これはどうだろう。簡単そうかな。出来るかな?』なんていちいち詳細確認しながら仕事振り分けてたら手間だからね。仕事に入れば書類的な手順とか覚えるだけでも一苦労だし、色々聞くことが出てくると思うんだけど、そんな中で技術的に基本的なことまで聞きなおすようなことになると、A原さんも皆も大変でしょ。
 杉Jは最低線、S藤さんがそういう技術面では人に聞かなくても出来るレベルまでになっていて貰わないと困ると思ってると思うんだよね。『業務に入れる』なんて安易なことは、A原さんのことを考えても言えないと思うんだ。業務に入りたいって思うなら、それ相当のレベルに達しないといけないってコトはハッキリしてるし、ならそのレベルに達するためには、やっぱヤル気がないといつまで経っても業務に入れないんじゃないかな。
 皆、状況を考えて一生懸命S藤さんに誠意を見せてるのに、当のS藤さんが『やる気になれない』なんて言ってたら、それはちょっと皆に対してあまりにも失礼だと思うよ

 語気を荒げるでもなく言い淀むでもなく、感情を交えずに淡々と言ったつもりでした。本人的には「ええ加減にさらせよ、我ェ」という本音を優しく優しくオブラートで包み込み、非常にマイルドに仕上げての発言のつもりだったのですが、周囲の人達から後で「鷹瀬さん……恐かったよ〜。端で聞いててS藤さんがキレるんじゃないかってハラハラしたよ〜」と言われました。どこがだよ。それに陰でコソコソ悪口みたいな愚痴を言うより、現状を彼女にも分かる形で伝えた方が親切だと思うんですけどね。

 私の価値観ではこんな台詞は恐くも何とも無いし、言われたら落ち込みはしても、キレる方向には行かないと思うんですけど、皆から言わせれば端で聞いていてキレるんじゃないかと心配するような内容だったようです。でもこの台詞のどこでどうキレるんだろう……。尤もなことしか言ってないじゃん。キレられても困るよ。まぁS藤さんはキレませんでしたが。「分かってるよ〜」と拗ねた声出しちゃって、反省している様子もなかったけどね。

 ──で、そんなこんなで月日は過ぎ、いよいよ煮詰まり返った本日。「業務に入らないとやる気が出ない」S藤さんにやる気を出してもらうために、杉Jが見切り発車でS藤さんに仕事を与えてしまいました。きっとコレ以上教育するのが嫌だったに違いありません。それにしたって、VBの基本も理解していない人がどうやってプログラムの修正をするのか、端で見ていても無謀な試みって感じでドキドキしますね。もしかしたらドギマギなのかもしれないけど、心臓が高鳴ってる点では一緒なので、あえてドキドキってな擬音にしておきます。

 ドキドキしようがドギマギしようが素人目にも「ムチャなんじゃ……」と思っていたら、やっぱりムチャだったようです。技術レベルの「分かンない」に加えて、手続きレベルの「ワカンナイ」が加味され、そりゃもう大騒ぎさ!って感じでした。故障処理票の見方から始まって、ソースの貸し出し方法、修正するための手続き、準備する書類……研修期間中からの彼女の悪癖=メモを取らない大胆な姿勢はここでも大爆裂です。「分からないことはメモしてね」という杉Jの虚しい合いの手が何回挟まれようとも、彼女は一向にメモを取りません。だから貴様は一体何様なんだっちゅーのっ!

 心の中ではS藤さんの台詞に一対一対応で突っ込みを炸裂させていましたが、表面上では隣で展開される「無謀な試み」に一言も口を挟まず、黙って自分の仕事をしていました。杉Jは四六時中私に助けを求めてきますが、それも軽く躱し、とにかくひたすらに仕事をしていました。今週は2日も休んじゃったし、頑張らないとね!とか、自分に嘘まで吐いたりして……。

 そうこうしているうちに定時まで残り2時間となりました。その時です。杉Jが社内蒸発しました……。どうやら先ほど聞こえてきた「あとは自分で考えて下さい」という台詞は、穏やかテイスト杉Jがキレた合図だったのかもしれません。
 当然、メモも取っていない彼女がたった一人残されて出来ることはたかが知れています。独自で資料や書類を調べるなんて高等技術(基本とも言う)も身に付けている訳がありません。S藤さん、さて困った。杉Jがいない時に第2の生贄としてよく捕まえていたM平さんも、杉Jと一緒に蒸発中。その他の人達も、S藤さんの余りの覚えの悪さと態度の悪さに近寄ることすら避けている状態。彼女に残された救いの手は、隣に座っているオッカナイ鷹瀬さんしかいなかったのです。
S藤 「あのさ……鷹瀬さん。今、聞いても大丈夫? 悪いんだけど、コレ教えてくれるかな……」
 彼女が「悪いんだけど」なんて前置きを付けて教わる相手は私しかいません。どうしてこうなったのかはよく分かりませんが、杉JやT中さんやM平さん曰く、
「鷹瀬さん相手の時は、S藤さんも腰低くなるんだよね。あの人、俺たちには敬語も使わないじゃん。教えてもらって当然って態度だし。でも鷹瀬さんには謝ったりするし、言うこと聞いたりするし、口答えもしないよね。まぁ気持ちは分かるけどさ。鷹瀬さん、説教する時スゲェ恐いもん。一見笑いながら、静かーに相手に反論を許さないオーラ出しながら叩き潰すようなコト言うもんな……」
だそうです。失礼な。叩き潰した覚えなんかありません。

 とにかく、私は自ら積極的に教えようとは決してしませんが、聞かれて無視するほど意地悪でもないつもりです。「いいよ。どこで詰まってるの?」と、本人的には飛び切り親切な態度を持って、彼女に答えました。私は仕事上での疑問点に答えてやろうとしているに過ぎないっちゅーに、S藤さんは堰を切ったように置いてきぼりを食った現状を切々と訴えてきます。
S藤 「なんかさー、杉Jってば業務に入れるだけ入れておいて、『あとは自分で考えて』って言っていなくなっちゃうし。今忙しい訳じゃないんでしょ? 無責任だよね
 右も左も分からない新人サンには優しく接しようという3ヶ月前の私の決意は、吹けば飛ぶほど薄っぺらなものだったようです……。高熱出した後だしねぇ……S藤さんの一言に、私の理性のタガは簡単に外れちゃったようです。後に周囲でこの遣り取りを聞いていた社員たちに「例えどんなに分かりやすくても、例えどんなに困った状況に陥ったとしても、鷹瀬さんから教育を受けるのだけは遠慮したい……」と言わしめた怒涛の教育(?)風景、一挙公開いたしましょうか……。
鷹瀬 「(ニコニコ笑顔で)他人の無責任を非難できるほど自分の今の状況が責任感あるものかどうか、一度じっくり考えてみるといいかもしれないねー。杉JがS藤さんを業務に入れたのは、S藤さんが『業務に入らないとやる気にならない』って言ってたからなんじゃないの? 実際1ヶ月の教育期間があったんだから、今業務に入るのは早過ぎるって訳でもないけどね。ちなみに言うなら、業務に入れば普通はもう1人で仕事を進めなきゃいけない状況なんだけどね、親切にも心配性の杉Jは、S藤さんを業務に入れた後にもこうしてマン・ツー・マンで教育してくれてる訳だ。杉JはS藤さんの教育のために自分の仕事を完全にストップしてるんだけど、そういう彼の行動が当のS藤さんには『忙しい訳じゃないんでしょ?』って受け止められてる、っていのうは、端から見てると悲劇なんだか喜劇なんだか分からないねー。──さて、何が分からないんだって?」
S藤 「………………あ、あの……この引継項目ってどうやって確認すればいいのかな……」
鷹瀬 「はい、引継項目だね。じゃあまず、この画面の大まかな処理の流れは理解しているのかな? 引継項目はこの画面処理のどこで登場するものだか説明してくれる?」
S藤 「えっと、それはまだ教わってないから分からな……(言い終わらないうちに)
鷹瀬 「んー? 今日の午後に杉Jが画面処理の大まかな流れを図に書きながら説明してたの、私、横で聞いてたよ? そこら辺に杉Jが書いた図とかない? あったあった。コレだねー。さ、この杉Jの図を見ながら、2時間前を思い出して私に説明してくれるかな」
(ここでS藤さんの理解していないと思われる説明が延々続く。途中で行き詰まり、結局私が最初から説明し直すことになる。教えるに当たって、S藤さんがどこまでなら理解しているか、という話になって……)
S藤 「杉Jはここまでしか教えないで次に行っちゃったから……。T中さんはこれをこんなふうに教えたのね。なのに杉Jはこれをこう教えて、なんか教え方が全然違うから私も分からなくなっちゃって……」
鷹瀬 「うんうん、誰がどう教えたかなんてコトは今聞いてないし、興味もないから。S藤さんが何をどう理解してるのかを教えてくれる?」
S藤 「…………(黙ってでんでん虫を描いている。場を和ませたいのかムクレテいるのか不明)
鷹瀬 「あのさー、時間は大事にしようね」
S藤 「分かってるよ……。でも分からないんだもん」
鷹瀬 「んーとね、『時間を大事に』っていうのは、S藤さんの時間も勿論だけど、主には教えてる人の時間のコトを指してる言葉だからねー。ま、それは良いとして。じゃあこっちから聞くけど、そもそもS藤さんは大まかな流れも理解していないのに、どうして引継項目の確認をしようと思ってたの?」
S藤 「分かっててしてるんじゃないの。杉Jがやれって言うからやったんだけど……」
鷹瀬 「あのね、『やれって言うからやった』って言うなら、私はS藤さんに『1人で調べてやって』って言うよ? そしたらS藤さんは『鷹瀬さんが1人でやれって言うからやるもん』って言ってくれるのかな? いい加減、人に言われたから、とか、そういう言い方するのは止めてね。聞いてて辛いから。要するに、引継項目の確認をなんでするのか、それはまだ分かってないのね?」
S藤 「……うん」
鷹瀬 「じゃあまず、やっぱり画面処理の流れから話した方がいいね。覚えようとしなくて良いから、大きな流れを掴むような感じで理解してね」
S藤 「用語とか細かいことって耳に慣れてないから、理解以前の問題で、聞いても直ぐ忘れちゃうんだよね」
鷹瀬 「細かいことは確かに直ぐには覚えられないと思うけど、大きな流れとか全体像はお話として1回で理解できると思うよ。っちゅーか、してもらわないと困るのさ。今日の午前に杉Jが講義してたけど、改めて今から今回のプロジェクトの全体像と、画面処理の大まかな流れを説明するから、必要だと思うことはメモしてね。段落ごとに話を区切るから、その時にまとめてもらっても良いし、直ぐにでもメモを取りたければ私の話を中断してもらっても構わないから。鷹瀬さんに悪いから話を中断できなかった、とかいうチャチな心配りは無用だから。何度も同じコト説明させる方がよっぽど悪いからね〜。一通り話し終わったら、今度はS藤さんに説明してもらうからね。じゃあ行くよ〜」
 ──我ながら寒いっス! 友達にこの話をしたら「S藤さんも大概だけど、アンタ鬼だね……」と言われました……。母にも「……嫌だわぁ……恐〜い」と恐れられる始末。本人的にも自覚あるほど寒い会話のオンパレード……端で聞いている人が心温まる訳がありません。私の斜め前に座っている別会社の仲の良いオジサン社員が帰り際に言ってました。
「………………私、きっとあの調子で尋問されたら、全部吐いちゃいますよ〜……」
 何を尋問するのか知らないけど、勝手に人を鬼刑事にしないで欲しいですね……。うちの会社の人達も、「S藤さんって、鷹瀬さん相手だとキレないんだよなぁ……。鷹瀬さんが話し始めると鎮火するよね」と不思議そうな様子。でもねぇ、上記のような言い方されても、キレるのは難しいと思うなぁ。ウェットに嫌〜な言葉って、カッとはなりにくいし……。って、全部私がやってることなんだけどさ。
 まぁ私がこんなこと言われたら廊下に飛び出て泣くな。でもその前にこんなこと言われないように頑張るけど。なんにしても我ながら性格悪くて参りますね……。でもでも〜だってだって〜……腹立つんだもん……。(←揺れ動いているらしい)

 結局、私が教えている間中、S藤さんは粛々と私の説明をメモっていて、可哀想だな……と思う気持ちと、最初からメモ取っとけよ!という気持ちと半々ってトコロでした。なんにしてもたった2時間教えただけでグッタリ疲れた……。杉Jは凄いわ。S藤さんのためにも私のためにも、もう教育には乗り出さないようにしよう……。


 2000年2月14日(月) 統括管理という仕事  晴/残業 0:15 
 慕っていた統括管理担当のA原先輩が、明日N**社のプロジェクトから抜けることになりました……。私がこの事を知ったのは先週木曜日の午後、A原先輩本人がこのことを知らされたのは先週木曜日の午前でした。
 余りに急な展開なので、当然のように「なんで?」と思いましたが、今日知った真相によると「T社の親会社のトップの人間とA原先輩の相性が良くなかった」ということらしいのです……。社長が言っているので間違いないと思います。これはかなりショックでした。
 私が知る限り、A原先輩に仕事上での落ち度はなかったと思います。A原先輩の元で仕事をするのは非常にやりやすくて、私はとても頼りにしていました。私以外の人も今回の件でかなり動揺していたので、多分普通の人から見て「A原先輩は頼りになる統括者」だったのだと思います。しかし現実は、ただ単に「上と相性が合わなかった」という理由でクビ(と言うか、何と言うか)……。なんだかなぁ……。前々から思っていましたが、改めて、実力で人を見ないこの会社に尽くすのは絶対に止めようと思いました……。

 A原先輩の仕事内容は、故障で上がってくるプログラムを確認し、故障原因を調査して目処を立て、具体的な修正をしてもらうべく私たち作業員のレベルに合わせて仕事を振り分ける、ということです。統括管理とは、簡単に言ってしまえば「上がってきた故障をPGたちに振り分ける」だけの仕事ですから、やろうと思えば誰でもできます。しかし、なんでもそうですが、良い統括管理者というのは個々のPGの力量を熟知していて、的確に仕事を分配し、無理のない仕事をして行く上で非常に大きな役割を担っているのです。プロジェクトやPGのことを考えて真面目にやろうと思えば、そう簡単に引き継げる仕事ではない筈なのです。
 ──で、こんな「簡単に引き継げる仕事ではない」仕事を、簡単に引き継がせていました……。

 会社に行くのがますます嫌になりました……。


 2000年2月15日(火) 新しい統括管理者  晴/残業 1:00 
 A原先輩は今日が最後なのかと思っていたら、昨日が最後でした……。お別れも通達も無く、本当にいきなりのことだったので、多くの社員はA原先輩が今日抜けることを知り、しかも今日から来ないことを知り、大変動揺していました。そりゃそうでしょうとも……。
 で、仕事です。すっちゃかめっちゃかです……。新しい統括管理のS木さんは、悪い人ではありません……。でも……仕事をして行く上で(慣れていないせいも勿論あるのでしょうが)ちょっとマズイ気がします……。だって……今日修正するプログラムを渡されて、私が「これはいつまでに登録すればいいですか?」って聞いたら、「今週末までに」という返事が返ってきて、ちょっと中身を確認したら30分で終わる仕事だったんだもん……。思わず「あの〜……今日中には仕上がると思うんですけど……」って言ったら、「え? そんなに早く? コレ、大変な修正じゃないんですか?」って逆に聞き返されてん……。大変かどうかを見極めるのは多分アナタの仕事だと思うんですけど……。

 もういい……もうたくさんです。(←一杯一杯らしい) 仕事はもういいとして……私は私のプライベートを充実させなくては。


 2000年2月16日(水) 揺れる杉J  晴/残業 0:00 
 A原先輩を追って、杉Jもこのプロジェクトから抜けるよう会社に頼むと言い出しました……。原因は……原因は……割に合わない仕事量や、その他諸々のすべてが嫌になった、ということです。その「諸々」の中には「S藤さんの教育」という項目も入っているようです……。(本人談)
 疲れました……。


 2000年2月17日(木) 残業姿勢の嫌な傾向  晴/残業 0:30 
 最近、以前に比べて「残業が当たり前」という態度が染み付きつつあります……。勿論私の残業なんてたかだか1時間以内、どう頑張っても2時間は越えないという軟弱ぶりですが、少なくとも1年前の私は10分の残業でもぶーぶー文句を垂れる人種だったのです。それが今の私ときたら30分程度の残業は別に……という気持ちになりつつあるではないですかっ! 何たることっ! この私がッ!!
 こんな「30分程度は残業と言わないよ」という態度は、成長でもなんでもありません。30分残らなくてはならないなどという半端な状況は稀ですから、この30分の残業は「自己を強く持てば回避できるにもかかわらず、周囲に流されてただダラダラとその場に居残っただけ」というものに分類される残業なのです。
 とかく日本のサラリーマンは定時に帰ることを「恥ずかしい」と思いがちですが、冷静になれば決められた時間内に仕事を処理することは、用も無いのに会社に居座ることよりもずっと大切で難しいことなのです。しかしこういう考えは今のところマイナーです。T社などは社長自ら先人を切って「仕事も無いのにとにかく会社に居座る」ことを体現して下さっているので、定時でさっさと帰る人間に対する風当たりは強いのです……。
 「同じ仕事量なのに、俺だけ残業代つけちゃっててなんか申し訳ないよ……。ごめんね」などと謝ってくれるのは仲良し同期のH井君くらいです。他の人はやはり定時帰りの人間に対して「なんでそんなに早く帰るの?」と否定的です。「なんで」って……お前らみたいに家に帰って寝るだけの人生を送ってる訳じゃないんだよッ!と胸倉掴んで怒鳴りつけてやりたい衝動に駆られます。えへ。遅刻した挙げ句に23時までゲームをしていて、しっかり18時〜23時までを残業代につける奴もいます。そういう阿呆から「鷹瀬さんは残業しないよね〜」と言われた時には首締めて殺してやろうかと思いました。あは。

 ──あれ? なんか私の文章、静かに荒んでる?!? まずい……マズイよ〜〜〜ッッ!! 駄目だ〜っ! 最近私、イキイキしてないよ〜。淀んだ会社で淀んだ空気吸って生きてるからだ……きっと。まだ自覚があるからいいケド、これで自覚がなくなって、こういう現状を辛いと思わなくなった時に立派なサラリーマンが出来あがるんだろうな……。
 とにかく、自覚あるうちにこの状態から脱出せねば。まずはなるべく定時内に仕事を仕上げて、用が無ければ人の目を気にせずに堂々と帰ろうっと。


 2000年2月18日(金) 心強い先達  晴/残業 1:15 
 最近のへぼへぼムードを一喝して下さる檄メールを頂きました。これはメールの内容が厳しい説教であった、とかそういう訳ではなく、普通のリンク依頼のメールだったのですが、この方の作っているWebサイトを拝見させて頂いて、一喝されたような気持ちになったということです。
 丁度ウチのサイトの主張と重なる面も多く、「リストラ」「就職観」「人生観」「社会観」をキーワードに様々な情報をほぼ毎日更新の勢いで紹介しているWebサイトです。

「マァいいか小父さんの部屋」「団塊の世代の部屋」

 ご興味ある方は是非訪れてみて下さい。

 この「団塊の世代の部屋」の他にも、いつ訪れるとも限らないリストラに備えて(?)パソコンの知識習得に励む奮闘記「パソコンの部屋」も読んでいて胸が熱くなりました。(いや、多分これは正しい読み方ではないのだと思いますが、30歳過ぎてから何か新しいことに取り組むという行動力は、10代20代の人間が同じ事をするのとは比較にならないエネルギー消費に相当すると思うんですよね……。「こういう姿勢って凄いなぁ。素晴らしいなぁ。自分も10年後そうなれるかなぁ……」って憧れるんですよ……)

 以前、掲示板で「社会人10年目の人間から言わせれば、『学生やプータローには面白いネタだけど、社会人が読んだら一笑されて終わり』な内容ですね」という書き込みがありましたが、違うんですね。社会人を何年やろうと、サラリーマン精神に染まらぬ力強い心根を持った人間は少数派として確実に存在するんです。ただ、その染まらぬ姿勢を「青臭い」「子供っぽい」と見るか、「活力に満ち溢れている」「精神が若い」と見るかは、各々の持つフィルターや価値観の問題であって、通り一遍に「社会人になってガタガタ言う奴は社会不適合者なんだよ」と決め付けてしまうその姿勢こそが、私が最も忌み嫌うサラリーマン精神な訳です。

 変わらないことは、時として変わることよりもずっと困難です。と言うか、自分が変わることで環境を変えないケースは多々ありますが、逆に自分が変わらないことで環境を変えて行くことこそが難しいのではないでしょうか。何も自分の意見に固執した頑固者を目指そうと言うのではありません。
 体制派に染まって不平不満を感じなくなるように己をコントロールすれば、当面の苛々やストレスは減りますが、その反動で大切な何かを失っているのは確実だと思います。その大切な何かと言うのは、ありきたりで臭い言葉ですが、「夢」とか「希望」とか「野心」とか「情熱」なのではないでしょうか。

 どんな小さなことでも努力を必要とする何かを続けることは難しいし、止めてしまうのは簡単です。っちゅーことで、非常に安易な結論なのは百も承知ですが、まずは身近なことから……。私はこれから最近滞っている【日常エッセイ】を最低月1回は更新すべく頑張ります……。(この結論ってセコすぎますかね……? ま、出来ることからコツコツと……)


 2000年2月21日(月) 素晴らしき家族愛  晴/残業 0:00 
 今日が週の始まり月曜日であることを、ちょっと認めたくない心境です。残業もしてないのにくたくた……。っちゅーのも、本日、今週末からこのプロジェクトが終わるまでの間、2週間に1日は強制休日出勤をすることが決定したからです……。仕事がある訳ではなく、「ただいてくれればいいから。それで体面保てるからね」という我が社お得意の休日出勤……。こんな会社に保つほどの体面があるのか?!
 まぁそろそろプロジェクトの締め日も近付いてきたことだし、緊急対応を迫られるかもしれない、ってことで休日にも2〜3人常駐してなきゃならん、ってのは分かる。ならローテーション組んで休日出勤させて、金より休日が欲しい人には代休を与えてやればいいだろーが。今日だって何もすることがなかったんだし、代休くれるなら引き受けてもいいっちゅーに、「代休は駄目です」だと。
 もー散々繰り返してきた場面なので、「アホか!」とか「ふざけるな!」とか、そういう基本的な反応も湧き上りませんでした。漏れ出たのは湿った溜め息のみ。これが私の勢いを削ぐための新しい戦法(ロボトミー出勤とかいう戦術なんだよ、きっと)なら大した物なんですけどね……。

 さて、湿っぽい話は終わりにして。
 本日の19時からやっていた何の番組でしょうかね。たまたまTVをつけたらやっていたので、なんとなく観てしまったというだけなので、番組名も放送局も分からないのですが、なんだか良い番組をやってました。
 5、6歳の兄妹がパパにお願い、ってな感じのコーナーでね。パパはどうやらいつもソファーで寝ちゃうらしくて、子供達と一緒に寝てくれないらしいんだな。そんでこの兄妹が「なんでソファーで寝ちゃうの?」ってTV局を通してパパに質問したのさ。そしたらパパの答えがビデオで送られてきて、そのビデオを兄妹二人で観る様子が放送されてたんだけど、まず、この兄妹がしこたま可愛いっ! こんなに可愛い子供は久し振りに見た、ってくらい本当に可愛いのよっ! 仕草とか表情とかがね、子供らしいっちゅーかなんちゅーか……。またお兄ちゃんと妹が微笑ましいほどに仲良しさんでねぇ……。

 ま、それは置いておいて、肝心のパパの答えは「ただ単に面倒だからです」ってことで、そこまでは普通の番組だったんだけど……怒涛の感動が押し寄せるのはその後。ビデオは子供達の質問の答えから始まって、パパの告白に移ります。
 現在30代前半のパパは実は昔、ちょっと凄い人だったんですね。17歳の時にアイドル歌手を目指して上京。その後どっかの雑誌主催のオーディションを受けて、応募総数4万3千通の難関を勝ち抜き、見事準グランプリに輝くのさ。その時の写真なんかも紹介されて、子供達はパパの若かりし時の姿に、こう……恥ずかしそうに笑っちゃって、これがまた可愛くてね〜。ま、だからそれは置いておいて。

 で、夢に一歩近付いたパパは、その後アイドルグループに在籍してたこともあったんだけど、結局デヴューは果たせず。でも好きな音楽の道で食ってくんだ!ってんで、その後もずっと音楽関係の仕事に携わってるのね。で、ママと出会って結婚して、子供達が生まれて……。でもパパの生活は収入も勤務時間も不安定だったのよ。パパは愛する家族を守る収入と、子供達と過ごす時間が欲しかった。そしてパパは大事なものを守るために音楽の道を捨てて、運送業に転職するのです……。
 一通りのパパの人生が紹介されると、今度はママが映って、「パパが大好きな音楽の道を捨てるって言った時、ママはショックだったけど、パパが選んだ道なら……」と言いながら涙ぐんで言葉を切ると、もうそのビデオを観ている子供達もボロボロ泣き始めちゃってさ……。TVの前の私も一緒になって号泣してたんだけどさ……。
 パパは最後に「パパの大事なものは君たちです。君たちも夢を持って生きてください」と言います。もう子供達はおいおい泣いてて、TV局の人が子供達に「なんで泣いてるの?」って聞くと、子供達はしゃくりながらこう言うんだな。
「分かんない……でもパパ……音楽辞めちゃって可哀想……」
「大好きな音楽辞めちゃう事ないのに……」
「パパみたいになりたい……パパになりたい」

 こんなちっちゃな子供にも分かるんだね。夢を追う素晴らしさと、夢を諦める辛さってヤツが……。そんでもって多分、この子達はパパが自分達を物凄く愛してくれてるってことを、痛烈に感じたと思うんだわ。夢を捨てたパパを泣きながら語るママを見て、ママのパパに対する愛情も理解したと思うし、パパはパパで見るからに「家族を愛してます」って感じの人だしさ……。感動したんだよね……この素晴らしき家族愛に……。

 最近世の中殺伐としてて、「泣き声がウルサイから窓から子供を捨てちゃいました」とか「お金欲しいからちょっと実の子に保険金掛けてみました」とか「我が子が幼女を誘拐して長いこと監禁してるなんて知りませんでした」とか……ニュースを聞く度に暗〜い気持ちになってたんだけど、このバラエティ番組観て、心が洗われる様だったよ。バラエティ番組も侮れないもんだね……。

 話をこの男性に戻しますが、彼は結局、最初はサラリーマンではない夢追い人として人生のスタートを切って、家庭を持ったことで物理的にはサラリーマンの道に入った訳ですが、彼にとっての大事なものは、仕事ではなく今でも音楽であり、そして、愛する家族なんですね。彼はサラリーマンではなく、良き父親であり、良き夫であり、一家の大黒柱であり、そして今なお音楽を愛する夢を持った人なんですね。こういう脱サラもあるんだなぁ……と、しみじみ思いました。

 幸せには色んな形がありますが、必要不可欠なのは夢と希望と愛だね。やっぱ。


 2000年2月22日(火) ハラハラドキドキ  晴/残業 0:00 
 時々言われることですが、
「このホームページのことは会社の人にはバレてないんですか?」
 ──ええ、バレてません、絶対に。私がWebサイトを作ってるなんてことすらも、一切口にしていません。Webサイトのことに関しては、会社の人だけでなく、友人も限られたごくごく身内にしか言っていないので、巡り巡ってバレる可能性も低いと思います。(っちゅーか、願います) 加えて会社ではプライベートの話は全くしていないので、時々漏れ出る話の端々だけを聞き取った同僚に、「鷹瀬さんってさ……なんか計り知れない趣味とか持ってそうだよね」と疑われるのが関の山です……。

 業界が業界だけに、同僚の中にWebサイトを開設している人は数人いますし、開設していなくてもHTMLやJAVAに詳しい人はたくさんいます。ですからWeb開発絡みの話から個人Webサイトの話題が上がることは珍しくありません。そんな時に結構な確率で聞かれるのが、「鷹瀬さんは作らないの?」と言うことです。なんでその話を私に振るんだよっ!と焦りながら、「いや、技術的な問題以前に、テーマがなきゃ作れないじゃないですか〜」とかお茶を濁すのですが、私の何を知っているのか分からない先輩が、
「でも鷹瀬さんって主張とか多そうじゃん。なんか発信量の多い読み物系のページとか作れそうだけど……」
と無邪気に核心を突いてきます。なんなんでしょう……この急所を押さえた物言いは……。恐い……恐いです、この人たち……。

 アクセス数が増えればそれだけバレる可能性も高くなるとは言いますが、世の中1億人以上いる訳だし、たかだか数万のアクセスがあったとしても、ウチの社員約20人にバレなきゃ全然OKな訳です。
 しかし百万が一にもバレてしまったら……その時は会社を辞める時になるのでは……と思うほど、私のイニシャルトークは露骨です。以前一度だけ手違いで「S藤さん」を本名のまま掲載してしまったことがあって、友人Zから「本名になってるけど……いいの?」と教えられて慌てて修正したことがありました。本名のままアップしていた時間はおよそ5時間……。その間に読んだ人なんて多くても数十人でしょうし、まぁ大丈夫だろう……大丈夫だよねっ?! と、ちょっと慌てていたら、友人Zがこう言ってきました。
「私の友達が『アレって斉藤さん? 佐藤さん?』って言ってるけど……慰めになった?」
 ……………………いいんです。想像がついたとしても、断定できなければ

 さて、こんなふうに微妙にハラハラした感覚を持て余していた私ですが、そんな中途半端な私の感情に「ドキドキ」が加わる事件が起きました。
 本日昼休み、誰かが持ってきた去年末の週刊アスキーを皆で読んでいると、そこに「ホームページ日記の楽しみ方」のようなコラムが掲載されていて、そこには私が参加している「Read Me!」や「日記猿人」が紹介されていたのです。この両サイトは非常に有名ですし、日記・読み物系のWebサイトを開設している人にとっては常識中の常識サイトだと思います。が、日記や読み物系のWebサイトに興味ない人にとっては「ふーん、こんなサイトもあるんだー」ってなもんでしょう。で、多分ウチの会社の人で日記・読み物系のWebサイトに興味がある人はいません……でした

 不吉な過去形で、大体の事情は察していただけたでしょうか……。
 古びた週刊アスキーを見ながら、始まった何気ない会話……。しかし私にとってはハラハラドキドキの会話でした……。
「日記とか公開して何が楽しいんだろーねー」
「でも有名なホームページとかは1日でアクセスが数千とかあるらしいよ」
「でもそういうサイトってどうやって探すの?」
「それが、この『Read Me!』とかいうヤツで、順位が高いページとかで紹介されてるんじゃん?」
「へー」
「俺、前なんかどっかの日記ページ見たけど、結構面白かったよ」
就職関係のこととか書いてる日記とかもあるんだってね」
転職話とか、結構ためになったりするんじゃん?」
「あ、そっかー。転職かぁ……。他人事じゃないもんな。今度そういうサイト探してみようかな」
「なんか良さそうなのあったら教えてよ」

 …………………………恐いよ〜……。このサイトに来る可能性なんて1%もないと思うけど、それでもやっぱ恐いよ〜……。


 2000年2月23日(水) ゼィゼィ……  晴/残業 1:40 
 今日のことは明日まとめます。今日はもう疲れたので寝ます……。


 2000年2月24日(木) 逆ギレ勝ち  晴/残業 0:00 
 最近、灼熱の太陽=S藤姉さんのことを書かないのは、彼女が問題を起こしていないからではなく、彼女が問題を起こすことが慢性的な日常になりつつあるからです……。「問題を起こす」と言っても、一番荒れていた1月20日のような状態ではなく、「……また言ってるよ」とか「……またやってるよ」ってなレベルでの話ですが。
 しかし、彼女は私の隣の席です。皆が彼女と鉢合わせた時にたまたま聞かされる「また」の言動も、1日約8時間受信し続けるのは結構キツイものがあります。まともに相手にするのも馬鹿らしいので、半分受け流すような勢いで気のない相槌を打っているだけにも関わらず、そんな私のシラけた態度が目に入っていないのか、会社への不満を懇々と私に浴びせ掛けています……。
「やることもないのに、ここにいなくちゃいけないなんて信じられない」
「結局、社長は金儲けのことしか考えてないんだよ。普通なら上は社員のことを考えるべきなのに」
「勉強しろって言われたって、何を勉強して良いのか教えてくれないから出来ない」
「私はSEになりたいから、こんなところで些末な仕事をしていたくない」
「この会社に入ってから勉強する意欲が失せた。先週末の休日も何も出来なかった」

 ──黙ンねえとブッ飛ばすぞ、このアマ……ッ! 思わずそんな台詞が口を突いて出てきそうになります……。頼むから文句を言うのは人並みに仕事をしてからにしてくれ……。

 彼女の台詞の中には字面だけ追えば頷けるものもありますが、彼女の人間性と照らし合わせてその台詞を吟味すると、「貴様、そんなこと言える立場か……?」という気持ちが強くなり、結果として彼女が何を言っても苛々するという末期的なところまで来ているような気がします……。疲れるんです、S藤さんの隣の席は。
 最近になって今まで以上に疲れを感じるのは、A原先輩が抜けたこと2月14日参照)も要因のひとつではありますが、もしかしたら最大の要因はS藤さんが隣の席だからかもしれません……。

 昨日、S藤さんがまた社長と揉めて、その余波が私に降り掛かりました。私が緊急リリースの仕事を振られてスッタモンダしている横で、仕事を与えられていない手持ち無沙汰な彼女は、私の状況を一切考慮に入れずに思う存分愚痴を撒き散らします。私が真っ直ぐモニターを見ている横で、S藤さんは私を真っ直ぐに見る姿勢に身体を90度回転させ、社長への罵倒を私に浴びせ掛けるのです……。マジ、勘弁してくれ……。
 この現場を斜め前の席でモニターの隙間から窺っていたT中先輩が、3分ほど私たちの遣り取り(正確にはS藤さんの独り言)を観察してからそっとその場を去り、後で私が1人でいる時に近寄ってきて面白そうにこう言いました。
T中 「いや〜凄いね〜。噂には聞いていたけど、ずっとあの調子なの? 杉Jが『もうS藤さんには関わりたくない』って言ってた理由が分かるよ〜。あんな感じで1日中愚痴聞かされたら、俺なら登社拒否になっちゃうよ〜。鷹瀬さんも大変だね〜」
鷹瀬 「そう思うなら助けて下さいよっ! なんなんですかっ! 面白半分に覗くだけ覗いて、満喫したらさっさと逃げちゃうんだからっ! 卑怯者っっ!!!
 ──この後、ウチの社員たちの間で「卑怯者」という言葉が流行っていました……。まぁなかなか日常会話では使わない用語ですものね……。T中先輩も嬉々として、「俺、『卑怯者』なんて言われたの、生まれて初めてだよ〜」とか周囲の人に広めてるし……。ちょっと何か言うと、すぐ噂になります。皆よっぽど面白いことがないんだね。ったく。
 なんにしても、所詮、自分の身は自分で守らないと、誰も助けてくれないようです……。

 私が恨み言を言ったせいか、T中先輩が気を利かせてS藤さんに仕事を与えてくれました。要するに仕事もなく変に暇だからS藤さんもガタガタ言うのだろう。では、仕事を与えれば黙るんじゃないか──それがT中先輩の思惑でした。しかしS藤さんはまだ一人でコードの修正が出来るようなレベルにいません。では、そんなS藤さんに与えられた仕事はなんだったのか。
 書類整理……これがT中先輩からS藤さんに与えられた仕事でした。

 さて、この書類整理の仕事を振られたS藤さんは、というと……女王様はプライドが高く、高貴な方だったのです……。
S藤 「なんで私がこんなことやらなきゃいけないのっ?! 結局、雑用押し付けられただけじゃん! 私はPGとしてここに雇われたのに、こんなの契約違反だよっ!!」
 ジャックナイフを持っていたら、私は人殺しになっていたかもしれません……。良かった良かった。

 いや、そうじゃなくて……。あのなぁ……「なんで」って、アナタに出来る仕事っつったらそのくらいしかないからでしょー……。お前、PGとしての仕事すらしてない状態で文句だけはよく言うなぁ……。
 S藤さんが振り撒く公害は、こんなレベルでは収まりません。結局彼女はこの書類整理さえ出来なかったのです。書類の見方が分からない彼女は、「順番に並べて」と指示されても、どういう順番に並べればいいのか分からないと言うのです。
S藤 「書類の見方とかっ、教えてもらわなきゃ分からないよ。何も指示してくれないんだもん」
鷹瀬 「えーっとね、こっちの『修正依頼完了ファイル』は日付順で、こっちの『故障処理票ファイル』は画面番号順に並べてね」
S藤 「大体さー、こんな仕事振るなら、やり方くらい教えろって感じじゃない?」
鷹瀬 「それでね、この画面番号ってのはココを見れば分かるから。まず、大きくアルファベットで振り分けて、それから細かく分類してこうね」
S藤 「こういうことって、本当は誰がやるの?」
鷹瀬 「決まってンじゃん。手が空いてる下っ端だよ。日付順の方は、このリリース日ってのを基準に並べて行くから」
S藤 「………」
鷹瀬 「私も手伝うから、さっさとやろう」
 案の定と言うか……ムクれちゃって大変でした……。先にキレられると、後からテンションを上げるのは大変です。彼女に与えられた仕事を、私は手伝っているに過ぎないというのに、礼のひとつもないばかりか、途中から突っ掛かるような勢いで、「で? 次は何をすればいいのっ?!」という感じで私に不満をぶつけてきます……。
 この人、本当に私より年上なんでしょうか……。小学生とか言われないと納得できないのですが……。

 まぁ、あんまりっちゃーあんまりな態度だったので、必要最低線のことしか話し掛けず、ムクれる彼女を放っておきました。途中、空気の重さに辟易して、「こんな子供っぽい人と同レベルでもマズイな……」と思い直し、こちらから明るく話し掛けてみると、突っ掛かるような感じで返事を返すので、わざわざ気を遣ってやってこの態度なら、もう二度と気を遣うまいと決心し、その後は完全に会話をしませんでした。
 私は席から離れれば話し相手はいくらでもいますが、S藤さんは皆から距離を置かれているので私という話し相手がいないとかなり孤独です。可哀想だとは思うものの、それ以上の強さで「いい加減にしろよ……」とも思っているので、やはり放っておきました。

 一番最初の教育係であるN村さんからは距離を置かれ、次の教育係であるH山さんからは縁を切られ、最後の教育係である杉Jからも見離され、懐の広いM平さんからは呆れられ、もともと気の短い私から放っておかれ……まぁ彼女も凄い経歴の持ち主です。

 この日、S藤さんは定時になると挨拶もせずに帰っていきました……。そして本日、また何事もなかったように会社に対する不平不満を私に撒き散らしていました……。本当に、彼女はなかなかお目にかかれない珍しいタイプの人です。良い経験をさせていただいています。
 私たちが考えているよりずっと、世の中は逆ギレした人間に寛容な気がします……。


 2000年2月25日(金) 3年目の憂鬱  晴/残業 0:30 
 さて、順調に会社勤めをしていれば(と、言うより転職をしていなければ)、同級生の友人達は今度の4月で勤続3年目を迎えます。私は一浪しているので、中高時代の友人で浪人せず、かつ、院に進まず就職した友人に至っては、そろそろ4年目を迎えることになります。
 多少の変化はあれど、基本的に同じ環境に3〜4年身を置くということは、私にしてみれば驚異的なことですが、見る人から見れば、1年と待たずに転々と居場所を変えている私の方が驚異的かもしれません……。──と、まぁそれは置いておいて。

 転職せずに(または、大きな環境変化を経ずに)社会人3、4年目を迎えた友人達が揺らいでおります。「今の仕事は楽しい?」と聞くと、躊躇せずに「うん」と答える友人はほぼ皆無です。友人の友人……と範囲を広げてみてもそれは同じようなので、多分、社会人の多くの人が今の生活に何らかの疑問や不満や不安を感じているのでしょう。

 本日5ヶ月振りに会った大学時代の友人Aちゃんが、こんなことを言っていました。
「今の会社に満足してる訳じゃないし、むしろ辞めたい気持ちはあるんだけどさ……でも、『じゃあ転職するか?』って言うと、今以上の条件で勤められる会社があるかどうかも分からないし、給料下がったら生活できないし……結局転職するほどの勇気は無いんだよね。それに周りの友達の話を聞いてても、どこの会社も似たり寄ったりで、良い会社なんてなさそうなんだもん……。でもこのまま行って、今の会社にもあとどれだけいられるんだか……。いっつも『とりあえず今度のボーナスまでは我慢しよう』って思って毎日過ごしてるよ」
 彼女はSEで、入社2年目くらいまでは残業もほとんどせずに「暇だよ〜」と言っていたのですが、最近では多い時には50時間ほど、平均でも月30〜40時間の残業は当たり前になったと言っています……。
「でもさ……2年目で寮を出ることになって、今、家賃が7万円なんだ……。会社からの手当なんか2万円だから、結局5万円は余計に稼がないといけないんだよね。だから今じゃむしろ残業はありがたいよ。それで家賃を払ってるんだし。でも虚しいよ……なんか家賃払うために残業してるみたいでさ……」
 ……………………厳しい話です。重い溜め息しか出てきません……。「残業なんか大っ嫌い! やれって言われたって絶対しない!」と言い切っていた1年前のAちゃんを懐かしく思いますが、現実の壁を前にすると、昔のAちゃんを懐かしがっている私が単なる甘ちゃんだと思い知らされ、しかしやはり納得し切れず、仄かに物悲しくなりました……。

 話はちょっと逸れますが、COSMOPOLITANという雑誌の今月号で、20代後半〜30代の女性の年収を紹介していて、覗いて見たら「マジで皆こんなに稼いでるのっ?!」と驚くほどの数字でした……。最高が確か番組製作会社勤務の30歳の女性で、年収が1050万円でした。他にもSE25歳、年収650万円なんて人もいました……。まぁこれらはこの雑誌で紹介されている人の中でもかなりの高給取に位置する人たちなのですが、それでも私と同年代の人の平均年収って私より100万円くらい多いような感じでした……。
 SE・PGなどの技術職って高給取のイメージがありますが、些末な会社にいる限りみんな残業で稼いでいるだけなんですね……。かなりのスキルがあり、中間搾取を介さないプロフェッショナルになってしまえば物凄い高給取になれるようですが……。(それこそ月給100万円とかは全然夢じゃないらしい) 少なくともウチの会社では時間内に仕事をして基本給だけ貰っていたら、洒落にならないほどの薄給です。(例として、現在私の基本給は17万円……前職Q社より8万円下がりました) 皆が用もないのに夜遅くまで会社に居座る理由が、ちょっと分かるような気もします……。

 この記事を読んでいて俄かにブルーになりましたが、でもこの人達って給料を時間で割って時給にしたら、きっと私と同じようなもんなんだろうなぁ……と思うと、素直に羨ましがることは出来ないっちゅーか……。毎日朝から晩まで働いて、自分の時間と引き換えに年間100万円収入が増えてもなぁ……一人暮ししてない分、家賃や生活費は抑えられる訳だし、金遣いも荒い方ではないので、やっぱ「金より時間。安月給でも人生謳歌」の方向でいいや、という結論に落ち着いています。
 好きなときに映画見て、本読んで、文章書いて、ゴロゴロして……幸せなんだよねぇ。(但し将来への不安は大きい) ま、一番良いのは好きな仕事をガツガツやって、趣味と実益を兼ねながら充実した人生を送りつつ高給取になることなんだけどさ。最終的な目標はソコな訳よ。はっは!
 ………………スミマセン、言ってみただけです。高給取じゃなくても好きなことして幸せに生活できたら万事OKです……。まぁこれが難しいんですが。

 話を戻しますが、3〜4年目というのは気持ちが揺らぐ時期なのかもしれません。学生でいた時には問答無用に3、4年間の区切りを持って次なる新たな環境が用意されていた訳ですが、社会人になると(よほど幸運なケースを除いて)自分の意思と行動力で変革を求めない限り、延々と同じ毎日が続きます
 加えて年を取れば取るほど環境の変化に順応する能力も衰え、気持ち的にも「まぁいいや……」となりがちです。しかし同時に「このままでいいのかな」「これが最後のチャンスかも」「今動かないと後がないんじゃ……」といった不安は日増しに強くなって行きます。こういった焦燥感は特に珍しいものではないでしょうし、この様な不安を抱かない方がマズイんじゃないの?と、私などは思っています。

 別の友人の話になりますが、新卒と同時にIBMに入社し、今年で勤続4年目になる中高時代の友人がいます。文系大学を卒業し、職種はSEです。
 さすが大企業と言うべきか、さすが外資系と言うべきか、彼女からの話を聞く限り、IBMというのは制度・給料・社風などすべての面で平均以上、もしかしたら最高水準と言えそうです。また彼女自身も多趣味で行動的、当然充実した毎日を送っています。仕事は忙しいようですが、殺人的な残業を強いられている訳ではなく、大きなプロジェクトが終わる度に長期休暇を取り、海外旅行へ行く。また普段の休みにもスキーやドライブを楽しみ、端から見ていて「良い会社に入り、人生を謳歌している」タイプです。
 私はてっきり彼女が今の生活に満足しているのかと思っていました。しかし、この彼女でさえ、「今後どうしよう……」と悩んでいるというのです。なんでも「基本的に私はSEに向いていない。本当にやりたいコトは別にあるけど、収入や休暇のことを考えたら今の生活は捨てられない」と言うのです。

 私としては「やりたいコトがあるならやればいいのに……」とも思いますが、彼女が現在持っているモノを考えると、それらを捨ててまで「やりたいコト」をやるのが非常に難しいのもまた現実だと思います。今持っている平均以上に恵まれた生活を捨てて「やりたいコト」をやったとして、その暁に待っているものが輝かしい充実した人生とは限りません。厳しい話ですが、「ただ単なる失敗」に終わる可能性も充分にあり得るのです。
 「やるだけのことをやって失敗しても、充実感は残るだろう」という考えは、捨てるものが少ない場合には有効かもしれませんが、彼女のように現在の生活にそこそこ満足している場合には当てはまらないかもしれません。私のように転がり始めてしまった状況に置かれれば、「まぁやってみるか」と気軽に言えることでも、安定した立場に置かれている人にはそんなに簡単に言えることではないのかもな、と思います。

 結局は、やりたいコトへの情熱と、今現在の安定していてそこそこ満足感を味わえる生活への執着と、どちらが強いかという話です。これに将来への展望や経済的理由などが複雑に絡み合い、結論は簡単に出るものではないでしょう。
 ただ私は、収入や安定や肩書きといった他の多くのものを諦められる程度に好きなことがあって良かった、と思うのです。それで幸せかというと、これまた微妙な話になるのですが、「良かった」とは素直に思えます。それだけのことなのです。


 2000年2月28日(月) 意味のない朝礼  晴/残業 0:00 
 詳しいことはまた時間のある時にどかっとアップしますが、本日から「朝礼」なるものが始まりました……。始業時間ピッタリから10分間ほどの朝礼……ミーティングでも打ち合わせでも意思確認でもなく、読んで字の如く、朝一番に社員が社長に挨拶するために開かれる会です……。この一見意味のないように見えて、本当に意味のない朝礼は、今日から毎日開かれるそうです……。
 ──他にすることあるんじゃないの? これが私の感想のすべてです……。

 そもそも朝礼が始まった原因は2つあります。
 ひとつは遅刻防止のため。ハッキリ言って、始業時間に間に合うように出社しているのは私とH井君くらいで、残りの人達は5〜30分は必ず遅刻するという状態なのです。その分遅くまで残っているみたいですが、残業時間から遅刻した分を引く訳でもなく、なんだかなぁ……と私などは不満に思っていました。が、それを取り締まるために朝礼を始めるのは、勘弁してくれという感じです……。
 まぁ遅刻をしないってのは社会人の基本だけどね……。でもあんな安月給でコキ使われてたらあんな風になっちゃうのかもね。社長自身も始業時間にいないこと多いし。今回の朝礼は社長にとっても辛いんじゃ……そう思っていたら、さすが「自分が法律!」の社長だよ。持てる権限はフルに使ってるね。「私がいない時はH山が指揮を取りますので」だってサ。ちゃっかり布石打ってやんの。人に注意するならまず自分がお手本見せろよな……。経営者としての基本だろー……。
 そして今ひとつは、社員たちが社長に朝の挨拶をしないから……だそうです……。本人が言っていたので間違いないでしょう……。社員が挨拶してくれないことを拗ねる前に、社長なら社長らしいことをしてくれ……。
 社長は私たち社員に言いたい事があるようですが、私たち社員も社長に言いたい事がたくさんあります……。指示系統は滅茶苦茶、誰にも告げずに突然いなくなる、意味のない会議を開く、意味のある連絡を怠る、本人に注意せずに陰で文句を言う、考えなしに仕事を引き受ける、下にも上にも良い顔をして収拾が付けられなくなる、そしてその責任を取らない──駄目駄目です。

 何度でも言おう。挨拶云々で朝礼をする時間があるなら、他にしなくちゃならないことは山のようにあると思うよ……。社長自らが見本となる態度を示せば、社員は自ずと態度を改めるってば……。
 ──他にすることあるんじゃないの? これが私の感想のすべてです……。


 2000年2月29日(火) 2月も終わり  晴/残業 0:30 
 今月もご苦労様! 私!!!
 こんなに働いた気分なのに、残業がたった11時間ってところがビックリだねっ! さすが私! されど私!! しかも今月ってば有給2日も消化しちゃったんだよね〜……インフルエンザで。

 そうそう、報告があったんだな。杉Jが今日をもってN**社のプロジェクトから抜けます。後任に来る人は、なんでも私生活面でも仕事面でも問題がある人なんだって! 私生活面の問題ってナニ?と思ったら、どうやら妻子ある身でピンク街界隈に入り浸ってるんだって。給料全部をそこに費やしちゃうんだって。
 ひゃっほー! 楽しみぃ〜!! 日記のネタが増えるかもね〜。もしかして弛んでる私たちへの趣向を凝らしたカンフル剤のつもりっ?! 手が込んでるったらないね! さすが仕事内容ではなく挨拶に拘る社長! さっすがT社!! 辞めたい気持ちも120%で絶好調っ!!!!

 ──ふぅ……。月末なので無理矢理はしゃいでみた……。どうかな……私の努力のほどは……。

 私としてはさ、別にピンク界隈に入り浸ろうと、ブルー界隈に入り浸ろうと、個人的に付き合う訳じゃないんだから仕事さえ出来れば全然OKなんだけどさ、どうやらちゃんと仕事も出来ないらしいんだな……。
 ──だーかーらー……どうしてそういう人を雇うかな……。朝礼やってる暇があったら、まず人事からしっかりしろよ……。




2000年2月の勤務表
 出勤日数 18日(うち休出 0日)/勤務時間 146:20  欠勤日数 0  有給休暇 2
 月残業時間 11:20  日平均残業時間 0:38  今月最高残業時間 2:10/2(水)
 【一言】 ちょっと〜……こんなに働いた気分なのに残業がたった11時間ってどゆことーっっ?!


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