1999年9月の就職日記&コラム

【現在進行形の就職日記】一覧に戻る

トップページに戻る


 さぁ、始まりました。っつーか、まとめました。新しい会社での日々を綴った、現在進行形の就職日記1999年9月版! 会社概要やエスパニオ記録(17日の日記参照)の始まり、まだまだ教育期間ということもあって、のんびりした日々。とくとご覧ください。
日記の小見出し一覧
◆注目の日記にはセルに水色を付けています◆日付を押すとジャンプ出来ます◆
 03(金) 就職前夜  06(月) 入社初日  07(火) お買い物
 08(水) 望んでいた孤独  09(木) ビンゴの景品  10(金) いいかもしんない
 13(月) 続く職探し  14(火) 打刻記録  16(木) 凪のような毎日
 17(金) 親愛なるエスパニオ  20(月) 会社行事に物申す!  21(火) 残業横行に物申す!
 22(水) 布石……?  24(金) 沈黙の歓迎会  27(月) 無神経な人
 28(火) 落ちこぼれる  29(水) 騙された……  30(木) 東海村臨界事故




 1999年9月3日(金) 就職前夜 
 来週月曜日からいよいよ就職。
 うーんうーん。嫌だよー。会社なんか行きたくないよー。今度はどんな人生が待ち受けているのかなぁ……。


 1999年9月6日(月) 入社初日  残業 0:04 
 行ってきたよ、会社(以下T社)。家から徒歩7分の所にあるので、今日なんか早速、昼休みには家に帰ってきちゃったよ……。別に「辛いことがあった」とか、そんなんじゃなくて、単に近いから。
 何て言うんだろうか……難しいよ、T社の感想は……。今までの会社はさ、そりゃもう初日から七転八倒が始まったり、すっごく楽しかったり(←こういう場合は後々七転八倒する)、なんかこう明確な感情の起伏があったんだけど……T社……うーん……うーん。感想も出ないほど何も無かった……。なんかアルバイトみたい……。まぁ、それを望んでたって言えば望んでたんだろうけど、自分の部屋にいる時よりも静かな1日を過ごしてしまった……。

 基本設定を説明しておこう。
 T社はソフトウェア会社で、私はプログラマー(PG)&システムエンジニア(SE)として採用。未経験者OKで残業が少なさそうな会社はT社しかなかったので、入社を決意。基本的にSEとかって、ひとつの会社に雇われてても、出向とかで外に出ちゃうので、社内での交流が希薄になるのは知っていたけど、ここまでとは……。
 全社員約40人のうち、今日会社にいたのは11人くらい。この内役員が3人、新入社員が4人なので、普通に働いているSEで会社に残っているのはたったの4人。その内1人は途中から出向先に行っちゃって、最後の言葉が「じゃ、今日から1年は戻ってきませんから」だって。

 とにかく、社内は静かだった……。古株の2人はちょこちょこ話してたけど、他のメンバーはほとんど声を発することなく今日1日が終わったよ……。新入社員は今、勉強期間だからなのかもしれないけどー、けどー……。なんつーか……皆おとなしそうな人々であることは間違いなさそう……。

 他人と喋らない人生って、結構キツイものなのね……。でもN社のように周りが皆喋ってて、自分だけ黙っているよりはずっと良いけど。良いんだけど……。うーんうーん……。ストレスも無くていいんだけど……うーんうーん……。
 私も文句多いのは承知してるのよー。T社は嫌な訳じゃないのよー。でもさー、でも、なんかー……この状態をずっと続けていくのだとしたらちょっと不安。話し相手が欲しい……。
 ──ま、今日なんか初日だし、今後どうなるか分からないけどね。明日辺りには「最高だよ!」とか言ってるかもしれないし、1ヶ月後には泣き喚いてたりして。はは……。とりあえず、今日の感想ってことで。

 今日は1日 Visual Basic(VB)の基本を勉強をしていて、その練習問題の中で「今の日時は?」という質問画面の「確認」ボタンを押すと「1999/09/06-14:23:30」と答えが出る、というプログラムを作ったんだけどさ。その練習問題の発展系で、その答えの横に「今日はあとX時間XX分XX秒です」っていうメッセージ・ボックスを作る、ってプログラムを組まされたのよ。要するに「23時間から現在の時間数を引いて、59分から現在の分数を引いて、59秒から現在の秒数を引く」って命令文を自力で加えるんだけどね。ワタシャ思わず定時時刻から現在の時間を引いて、メッセージ文も「今日の仕事はあとX時間XX分XX秒の辛抱です」に変えて作っちゃっただよ……。こんくらいしか楽しみが無いのであった……。

 帰り、エレベータの中で同じく新人の男の子M浦君と鉢合わせたので、会話、会話、と思って「疲れたねー」とか何とか無難な切り出し方をしたら、相手の返事は頷くだけ……。なんかどうしていいのか分からなくなって、エレベータの中では2人とも無言。階数表示の点滅を黙って目で追ってた……。
 さすがにM浦君もこれじゃマズイと思ったのか(どうか分からんが)、1階に着くと今度はM浦君の方から話し掛けてきた。
M浦 「家、どこなの?」
鷹瀬 「あ、私ねぇ、会社から凄い近いんだよ。歩いて7分くらいなの」
M浦 「ふーん」
鷹瀬 「…………」
 終わっちゃったよ……。これもやっぱマズイだろう、と思って、今度は私が頑張ったさ。
鷹瀬 「M浦君はどこなの?」
M浦 「丸の内線」
鷹瀬 「…………」
 M浦君……君、丸の内線が家なの?(←突っ込める雰囲気ではなかったので宙に浮いたままの疑問)

 ──会話がしたい……っ。


 1999年9月7日(火) お買い物  残業 0:03 
 今日のスケジュール。
 9:00〜12:00 …… VBのお勉強
13:00〜14:00 …… VBのお勉強
14:00〜15:30 …… 買い物のため外出(東急ハンズ新宿店)
15:30〜17:30 …… VBのお勉強

 さて、なんか午後の真ん中辺りにご機嫌なスケジュールが挟まれてるように見えるね。SEが秋葉原に買い物に行くなら分かる。が、私の目的地は東急ハンズ。何を買いに行ったの?って、好意的な人なら不思議に思ってくれるよね……。
 買い物の内容はねぇ……Y口取締役から渡された買い物メモをそのまま写そうかな。その方が分かり易いだろうし。
【買い物メモ】
  ・ビンゴゲームセット……1セット
  ・ビンゴカード……50枚
  ・ラッピング・ペーパー……20枚
  ・ファンシー袋……40袋

 ……以上のブツを購入してまいりました。
 今週末に先輩方の出向先のN**社で打ち上げの宴会があるんだって。そのための準備をね、T社がしなきゃいけないんだって。景品45人分をね、私たち新入社員が用意するんだって。明日の私のスケジュールは「景品の袋詰め&包装」だよ。はは。
 ──SEの仕事って、奥が深いんだねぇ……。もしかして「職種:SE」って、「Super Employee」のコトだった?

 で、だよ。東急ハンズ新宿店1階のパーティ用品売場、行ったよ。最初、ビンゴゲームっつったら「ゲーム」コーナーだろうと思って、探してたらお目当てのビンゴがなくてねぇ。「人生ゲーム」とか「転落ゲーム」とかそんなんばっか見付けちゃったさ……。横見たらガラスケースの中には「風水カード」が燦然と輝いてるし。
 ──買えって? 占えって? 職……いや、人生を。

 気を取り直して、ビンゴビンゴ……と思って探してたら、途中で色んな宴会グッズに巡り会ったさ。「アンタが大将!」とか「私が本日の幹事です!」とかいうタスキを見た時には、魂を吸い取られるような感覚に陥ったね。
 「変装グッズ」コーナーのヒゲとかヅラとか陳列されてる一角に迷い込んだ時には、ちょっと気持ち的に一杯一杯になった……。不覚にも視界が滲んだよ……。

 結局ビンゴは「くじ引き」コーナーにあった。ビンゴはジャンルでいうと「ゲーム」ではなく「くじ引き」なんだね。VBのプログラミングよりもよっぽど社会勉強になった……。取締役も私に社会人として成長して欲しくて、このお使いをさせたのかな……ははは。

 なんかねぇ穏やかな会社すぎて、文句にも情熱が篭められないんだ……。っつーか、この買い物頼まれた時、いつもの私ならきっと「えーっ?! なんですか、ソレッ!」とかブーブー言っていたと思うけど、今日のワタクシの態度たるや「あ……ハイ。分かりました」だもん。なんだろうねぇ、人生ってのは。


 1999年9月8日(水) 望んでいた孤独  残業 0:06 
 技術屋の人たちって皆こんなもんなんだろうか……。それともたまたまT社にいるSEの人たちがあんなんなんだろうか……。
 ──代名詞のみで成り立っている文章だが、この雰囲気が伝わるだろうか……。
 会話……会話はもう無理やりしている。最低線、話掛ければ返事が返って来るようになった。周りが和気藹々としていて孤独なよりも、みんな孤独を望んでいたのは私の方だ。贅沢言っていられない。この独特の人間関係にも、もうちょっと我慢したら慣れるだろう……か。
 それよりも問題は仕事内容でもあるプログラミングだ。まだ3日目だし、結論は出せないが、難しいよ。分かんねーよ。
 早く休みが来ないかなぁ……。頭を休めたい……。


 1999年9月9日(木) ビンゴの景品  残業 0:02 
 午前中はVBの勉強。そして午後、明日に控えるN**社**プロジェクト終了打ち上げビンゴ大会の景品の包装……。
 景品の内容は、1位がGショック、2位が高級時計、3位がラジカセ、と言う具合に始まり、無難系でボードゲーム、サングラス、トランプ、万歩計、処置に困る系ではダンシング・ベイビーやビカチュウの縫いぐるみ、ファービーもどきなんてのもあった。縫いぐるみとかね、箱に入ってない景品は包装するの難しいんだよ。VBのプログラムより難しかったりして。はっは。

 机に陳列された品々を見てしみじみ凄いなぁ……と思ったのが、30種類も景品がありながら、私だったらどれを貰っても嬉しくないだろうなというY口取締役(もしくは買い出しに同行させられた新入社員)の品定めのセンスね。
 唯一これならまぁ無駄になるまいと思ったのが、ハズレ景品のCD−ROM。私なんか参加する訳でもないクセに、思わず「外れるといいなぁ……」などと願う始末。やっぱり私、一杯一杯らしい。

 ──ちょっと会社を辞めたくなった。


 1999年9月10日(金) いいかもしんない  残業 0:02 
 15時までVBのお勉強。その後、昨日用意したビンゴの景品の山を、N**社に運び込むため、会社に残っている社員(多くの社員は出向している)のほとんどが駆り出された。「女の子はいいよ」とのことで、私と先輩3人が会社に残される。
 3人の内1人は今日出向先から戻ってきたため初めて会った先輩で、ノリの良い人だった。この先輩と話していると、他の2人の先輩も話し始め、この会社に入って初めて長時間の会話が出来た……。物凄く嬉しい……。うう……。ホントに会話に飢えていたんだなぁ……。

 加えて、「ああ、この人たち良いなぁ……」って思った1件があった。終業ベルが鳴って、私が「じゃあ週末頑張るか……」とかなんとか言いながらVBの参考書を鞄に入れようとしたら、先輩たちが寄ってたかって「家でまで仕事することないよ」「給料分だけ働けばいいんだよ」「仕事とプライベートは分けなくちゃ」「休日は遊びな」「プログラムなんて嫌でもいずれ憶えるんだから焦ること無いよ」と言ってくれた。いいねっ! こういう過剰労働を回避する姿勢っ!!
 SEなんてゴリゴリ働く人が多いのかと思ってたけど、この会社の風潮なのか、結構「残業やだよ〜」とか言ってる先輩がチラホラいるんだよなぁ……。まぁそういう会社を選んだんだけどさ。何にしても結構話が出来て、最後の1時間は楽しいとさえ思ったよ……。

 技術屋さんって、取っ付きは悪いけど、慣れると人柄的にスレてないし、営業マンのような調子の良さも無くて、私好みの人種かもしれない。まぁ人によるんだろうけど傾向として。話したくない時には黙ってれば無理やり話し掛けてきたりしないし、基本的にみんな孤独で群れないし。慣れれば良いかも……って、いやいや、まだ喜ぶのは早いか。またどうせ私のことだし、山あり谷ありになるだろうなぁ。
 ま、とにかく、入社5日目にしてようやく、胃が軋まずに帰宅できたのであった……。また来週にはどんな七転八倒が待ち受けているのかドキドキだよ。

 ちょっと思ったけど、9月に入社して良かった……。9月には2回も休みあるし、10月に1回、11月に2回、12月は冬休みが……って具合に、1ヶ月に1、2回は必ず休みが入るもんな。
 1年ぷー太郎やってた身の上としては、たとえ歩いて7分の会社だろうが、1日8.5時間拘束されるのは辛いのだ。しかも歩いて7分の特権も、出向しちゃえば関係ないし……。


 1999年9月13日(月) 続く職探し  残業 0:06 
 だから1日中VBの勉強だってば……。黙るのにも慣れた。今はオンリー自分のために時間を使っているのでストレスはないけど、仕事が始まったらまた愚痴っぽくなるんだろうな……。私のことだし。

 昨日の朝日新聞・日曜版で思わず求人広告欄を見てしまった。──と、言うのも、今の会社も長くはないだろうと予想されるので、今の内から次を探さないと……と、不安になったからである。だって、T社、離職率高いみたいなんだもん……。1番長くいる人が社長1人で17年、次が5年、その次が3年……。大体の人が2〜3年以内に辞めて行くらしい……。
 基本的にSEと言うか、ソフトウェア業界自体が流動性の高い業界なんだけどさー……ちょっと落ち着かないのは嫌だなぁ。とりあえず、今から次の職探しをしておいても悪くはないような気がするので。職安、土日もやっていて欲しい……。

 残業がない良い会社、ないかなぁ……。仕事したくない、って言ってる訳じゃないんだよねー。いや、まぁ出来れば好きな事だけしていたいけど、さすがにそれを声を大にして言う勇気はないし。
 私が言いたいのは、最初に定められている勤務時間以上は働きたくない、っちゅーコトなんだよねぇ。大体、ドイツの例で実証されてるけど、勤務時間を短縮した方が生産効率は上がるんだぞ。今の日本で本当に濃密に残業してるサラリーマンって、どれくらいいるんだろう。周囲を見る限り半分以上は、付き合いとか、金稼ぎとか、必要ないのに残ってるってケースだと思うけどねぇ。仕事が終わったらさっさと帰れよ〜。

 アタシャ残業代なんかいらねーんだよ。かなりの安月給でも安定して勤められて残業なければ全然OKなのよ。定時で帰らせてくれるなら時間内は集中して人一倍仕事するさ。勤務時間一杯本当に集中したら、くたびれちゃって残業なんか出来ないと思うけどねぇ。
 でもまぁ会社によっちゃあ本当に残業しなきゃこなせないほどの仕事を1人1人に振るしね……。アレもどうかと思うよね……。企業の成績を伸ばすのも結構だけど、一応従業員の幸せも考えてやったら?ってしみじみ思うよ。ま、コキ使われてる当のサラリーマンが疑問も不満もないなら私が横でゴチャゴチャ言っても仕方ないけどさ。

 なんにしても私はさ、自分のしたいことを実現できるだけの時間を確保したいんだよね。よくまぁ皆残業してるよなぁ。最低でも仕事のために1日8〜9時間くらいは潰されてるのに……。睡眠時間やら何やら引いたらたったの数時間しか残らないのに。
 自分の時間がなくて生きてる意味なんてどこにあるんだろう……。仕事が趣味、って言えば聞こえは良いけど、それってホント?って感じ……。自分で趣味を見付けることが出来ないから、仕事で間に合わせてるだけなんじゃないの?

 ──はぁ〜。久し振りにとぐろ巻いてみました……。いつもいつも考えていることですが、もっとこういう考えの人が増えて、会社の体質を変えるくらいの力を持つようになればいいなー……と思ってます。まだまだ少数派ですからね。求む、同志!


 1999年9月14日(火) 打刻記録  晴/残業 0:02 
 今日から天気と打刻を加えることにした。ちなみに定時は17時30分。今の所、17時36分が最長というくらい残業ナッシングだけど、これがこの先どう変化して行くのか、私自身記録を残しておこうと思って……。
 今日も1日VBの勉強。昨日の夜はなんか夢の中でVBの勉強してた……。


 1999年9月16日(木) 凪のような毎日  曇/残業 0:02 
 14日に打刻時間を記録しようとしたが、出向になれば定時がズレる可能性があるので、純粋に残業時間を記録することにした。ついでに今までの記録も加えておいた。今のトコロ舐め切っている記録だが、どこまでこの調子を通せるのだろう……。
 入社前に散々「残業は出来ないんです」って言っておいたのに、今日何となく確認の意味も込めて、「ホラ、私、残業あまり出来ないから……」と言ったら、「え? そうなのっ?!」と新鮮に驚かれた……。おーいー……頼むよー……。私、最初から最後までこのことだけに拘ってたでしょー……。

 今日もVBのお勉強。だんだんプログラミングというものを理解してきているようで、課題も自力で組み始めている。分かったことは、「私はプログラミングは嫌いではない」ということと、「しかしこれを何年もやるのは嫌」ということ……。だって1日中PCと睨めっこ……。最近無口になったよ、アタシャ。なんかちょっと口を挟みたくても「まぁいいや。黙っておこう」って会話回避の姿勢が板に付きつつある……。こんなん何年も続けたら私が私でなくなる〜。嫌じゃ〜〜っ!!!

 今日は会社に上司が1人もいなかったため、だらだらと過ごすことを許された。最初がこんなに楽々だと後が恐い……。
 それにしても今までの会社に比べて凪のような毎日だなぁ……。毎日のように繰り広げられるイベントや刺激に慣れきった私には、ちょっと辛いのかなぁ。もう既に「辛い」という感覚すら摩耗しつつあるよ……。七転八倒の毎日が恐ろしくも懐かしい……。誰か占いやってたり、借金取りに追われてたり、空飛んじゃったりしないかなー……。(←間違っていることは重々承知しています。ちょっと言ってみたかっただけなの……)


 1999年9月17日(金) 親愛なるエスパニオ  曇時々雨/残業 0:03 
 結構ずっと以前から日記に書きたい書きたい、と思っていたことがある……。だが、コレを書くのは道徳的に如何なモノか、誤解されはしないか……という消極的な感情に揺れ、今まで敢えてこの話題には一言も触れなかった。
 そうこうしている内に、入社から9日が経った。この間、私の記録魔としての血は騒ぎ続けていた。抑えても抑えても沸き上がる下らない記録へのリビドー! 私の人生の半分は記録で成り立っているのだ。やはりこういった「記録に留めておきたいささやかなイベント」は大事に扱うべきだと思い直し、意を決して今日から記録を付けることにした。どうせこの記録は、対象である先輩とお別れした時点で中止とならざる得ないものなのだ。一緒にいる時くらい、思う存分記録しておこう……。

 さて、何の説明もせずに独り言に突っ走ってしまって申し訳ない。コトの始まりから解説しよう。
 現在私はソフトウェア会社であるT社で、SE……というよりPG(プログラマー)として修行を積んでいる。つまり今はベタベタの教育期間の最中である訳だが、当然この教育は自習ではなく、先輩の指導の下につつがなく行われている。
 今回の主役は、この記録の対象となる先輩である。

 ここで、この先輩の伏せ字だが……。いつもは露骨に本名をそのままイニシャルにしていたり、仮名にもなっていない仮名を使ったりして、事情を知っている友人からは「まんまやんかっ!」とビビられているが、今回のこの先輩の伏せ字に関してだけは全く関係のない伏せ字にさせてもらう。私がこんなトコロでこんなコトを書いているなどと、100万が1にも本人に知られてはいけないのだっ! 当の本人がこれを読めば、鷹瀬が誰なのか直ぐに分かるだろうが、先輩はこんなHPは絶対に見ない。恐ろしいのは、先輩の友人知人が何かの偶然でこのHPを知り、ここに書かれている人物が先輩であると分かってしまった時なのだ……。
 ──と、言うことで……そうだな先輩の仮名は……エスパニオにしよう。うん、なかなかどうして、いいんじゃないか? エスパニオか……。コレなら絶対に先輩と結び付けて考えることは出来まい。よし。

 仮名も決まった所で話を戻そう。
 その先輩であるエスパニオは28歳。非常に親切で、技術屋にありがちな「日常生活において、人間よりPCとの対話の方が圧倒的に多い」というタイプの人だ。そしてエスパニオの特徴を決定付ける最も安易な単語は「デブ」だ……。私がこの話題を遠慮していた訳が分かって頂けるだろうか……。エスパニオはとても親切で良い人なのだ! 私が心底そう思っていることは認めて欲しい。でも、仕方ないのだ。エスパニオはとってもデブなのだ。歩く度にふぅふぅ言っているのだ。暑くもないのに汗だくなのだ。多分道を歩けば10人中7人くらいは振り返るほどの稀なデブなのだ。

 私の兄が一時期とても太っていて、175センチで100キロ以上あった時があったが、エスパニオはその当時の兄よりもずっとずっと太っているように見える。しかも兄は「硬く太っている」という印象を受ける「陽性デブ」だった感じがしたのに対して、エスパニオは「いつの間にか身体が液体に……」という印象を受ける「陰性デブ」という感じなのだ。身長は私より少々低いので、168センチくらいだと思う。
 しつこいようだが誤解しないで欲しい。私はエスパニオを尊敬しているし、とてもいい人だと思っている。太字にしてまで真意を伝えようとしている私の意気込みを信じて欲しい。それに私はエスパニオに(特別ではないが)好意だって抱いている。こんなに酷い言い方をして心苦しいのだが、他に何と言っていいのかの逃げ道さえないほど、事実はたったひとつなのだ……。

 エスパニオの異常な太り具合は最初とても不思議だったのだが、入社2日目でその理由は直ぐに分かった。端的に言おう。

 エスパニオ、食い過ぎ。

 それはそれは驚くほどに、エスパニオはいつ見ても何か食っちょる。ちょっと目を離すと、先程とは違うものを手にしている。食うもの食うものすべて高カロリーそうなモノばかり。太っている人と言うのは、「もしかして自ら願ってそうしてるの?」と思わせるほど、納得の行くものを食いまくる傾向がある。
 そこで(どこで?)、私の記録は始まるのである。

 昨日のエスパニオの昼食は、マクドナルドのポテトのL、バーガー類3つ、ペプシコーラ、アイスクリーム「爽」だった。そして15時頃にはグミを食べていた。ちょっと目を離した隙にグミはプリンに変化していた。帰り間際にはスナック菓子を食べていた。
 今日は朝一番からデカビタC、それが飲み終わると続けざまにペプシコーラ(お気に入りらしい……)、その後グミらしき小粒のお菓子。昼は私は外出してしまったので、エスパニオのランチ・チェックは出来なかったが、15時頃にはアイスクリーム「爽」(やはりこれもお気に入りらしい)とそれが終わったと思うとベビースターの「らーめん王」というスナック菓子を頬張っておった……。

「エスパニオ〜〜いくらなんでも身体に悪いよ〜〜。その辺で止めときなよ〜〜」
 ──とは言えない……。だって相手は先輩だし。いや、そういう問題でもない。
「エスパニオ……ちょっと食べ過ぎなんじゃないかな?」
 ──コレも言えない。敬語にしたって言えないものは言えない。
「身体が軽いって気持ち良いですよ〜」
 ──明るく言えば嫌味になる。暗く言ったら挑戦的だ……。

 難しい……。特に親しい間柄ではないし、かと言って「勝手にデブってな!」と言い捨てられるほど愛情がない訳でもない。出来れば本人のためにも痩せた方が良いと思う……。大きなお世話なのは充分承知しているが、ちょっと心配……。
 忠告や警告をしようというのではない。ただちょっと「気を付けた方がいいんじゃないかな〜……」と、悪気なく思っているだけなのだが……。いくら相手のためを思って言う台詞でも、どんなに優しく婉曲に表現したとしても、「もう食うな。とにかく痩せろや」という主旨を伝えるのは難しい。

 誰でもそうだと思うが、凄く親しいか、敵対しているか、はたまた無神経か、というような極端な理由がない限り、極限近くまで太っている人に面と向って「痩せた方がいいよ」と言うのは至難の技だろう。
 もしこの文章を太っている人が読んだとしたら、気を悪くしないで聞いて欲しい……。悪気がなくて、心配だからこそ、いらぬ世話を焼く人がいたとしたら、それは本当に気に掛けているからだと思う……。私がこんなところでこんなふうに言えるのは、面と向っていないからだ。

 太っている人にとって、痩せた方が良いのは百も承知だろうし、それが簡単に出来ないからこそ太ってしまうのかもしれない。しかも四六時中食べることが習慣になっていると、その習慣を絶つのはとても大変なことだと思う。変に急激なダイエットをすると、結局はストレスから脳疲労が溜まって、リバウンドを起こす可能性も多いので、「痩せなきゃ!」という強迫観念は良くないと思うが、徐々に間食を止めるように心掛けることくらいは出来るのではないだろうか。

 ウチの兄は中学、高校で太っていたことが原因で嫌な思いをしたことが多かったようだ。しかし28歳の今、175センチくらいで体重は80キロ程度に落ちた。標準から比べればまだ充分太り気味だが、私から見れば気にならない程度だ。兄は、ダイエットらしいダイエットはしていないと思うが、間食の量を数年かけて減らしていったのは確かだ。体重が軽くなるとアウトドアになるし、行動的にもなる……傾向があると思う。それに何よりも健康な状態に近付くのは絶対に良いことだ。
 焦ることはない。徐々に頑張って欲しい。また、凄く親しい友人に太っている人がいる方は、注意してあげるのが友人ってもんじゃなかろうか……。難しいのは分かる。でも頑張って欲しい。(今話している「太っている人」と言うのは、それこそ170センチ120キロ、とかそんなレベルの話である。少々の太めはむしろ健康的なのだ。誤解しないで欲しい)

 誰に熱く語っているのか分からなくなったところで、話をエスパニオに戻そう。

 私は多分、この先もずっとエスパニオに「間食は控えた方が……」とは言えないだろう。エスパニオの親しい友人がエスパニオを説得してくれることを、陰ながら願うのであった。

 ──就職日記か、これは。


 1999年9月20日(月) 会社行事に物申す!  晴/残業 0:01 
 今日のエスパニオ記録。朝一番にデカビタ飲んでた。昼前までにペプシコーラ。ランチは見逃した。15時になるとコアラノマーチを頬張ってた。以上。
 ちょっと少な目。私の願いが届いたのか? 良い傾向である。

 ──さて、一番重要(?)な報告が終わった所で、就職日記に移ろう。
 昨日も朝日新聞の日曜求人広告で職探し。いや〜……ないねぇ……。残業がなさそうで、長いこと勤められそうな会社って。

 それはそうと、VBの教育期間がそろそろ終わってしまいそうで恐い。エスパニオに次の仕事が入っちゃって、応援を頼まれ次第出向しちゃうらしい。教育係のエスパニオがいなくなったら、プログラミング未経験者は自力でなんか勉強できないから、結局は私たち新人も出向しなければならないらしい。出向になれば今みたいに定時キッチリで帰ることも出来なくなるし、家からも遠くなるし、嫌なこと尽くめ。
 1日でも長く教育期間が続いてくれるとありがたいんだけどなぁ……。

 話は変わるが、今日、何かの拍子に11月末に例年行われている社員旅行の話になった。私は当然、何かしら理由を付けて行かないつもりで、布石として「あ、丁度その頃は法事が……(←凄い分かり易い逃げ口上)」とかナントカ言っておいたが、私が心配するまでもなく、去年も女子(計3人)は1人も参加しなかったようだ。
 50代の経理部長が「去年は伊豆で地味だったから女の子が1人も参加しなかったんだよねー。だから今年は海外(タイ)にしようと思って」と言っていたが、本当にこの年代の人って若者の気持ちが分かってないんだなぁ……と感心した。

 女の子が参加しないのは伊豆だから、って訳じゃないと思うぞ。休日まで会社の人たちと付き合いたくないという気持ちが、どうして解からないのかなぁ。基本的に社員旅行って男より女の方が嫌がる確率高いと思うけど、なんでか想像出来ないのかなぁ。

 社員旅行なんかさ、どうせ夜になれば男どもっつーか、オヤジどもが飲んで宴会しでかす訳じゃん。酒を介さないとコミュニケーション出来ないからね、サラリーマンってのは。
 宴会好きな人が宴会始めちゃうのはイイよ。勝手にやっててくれって感じ。でも嫌いな奴もちゃーんと出席させられるんだな。旅行という状況下では逃げ道なし! 地獄だよ。んでもって、畳み掛けるように、宴会の裏方やるのはどーせ女子社員なのよ。
 男も新人は雑用させられるだろうけど、2年目からは給仕される側に回るだろうさ。(社員数が少ない、とか、新人が入ってこない、とかは別だけど。一般的な話) でも女子社員なんかいつまで経っても世話係よ。酒を注ぐのも女、ビール用意するのも女、机片すのも女。ざけんなっ! なんでせっかくの休日を会社の奴等の世話で潰さにゃならんのじゃッ!!(怒)

 会社主催の運動会とかでもそうだもんね。知人の会社じゃ「お弁当作ってくるのは女子社員」って、何となく決まってるって言うし。社則にあんのかっ!ってくらい忠実に、ソウイウコトになっちょる。
 「そういうモン」「皆やってる」って、サラリーマンお得意の根拠のない大前提、またも炸裂って感じか? こういう基本事項に「何でですか?」「誰が決めたんですか?」なんていちいち質問してると、嫌われ者になるし。もういい加減にしてくれ、ってなもんだよ。

 私はこういうことを強要されるのが死ぬほど嫌だけど、皆が皆、こういうことを嫌がっている訳ではないのは承知してます。いわゆる女の子らしい女の子なら、お弁当を作るのも苦じゃないかもしれないし。それどころか嬉しいとか楽しいとか思うのかもしれないし。でも、少なくとも私の周りでは「ざけんな!」という意見の方が圧倒的に多いけどね。

 でも、今までの会社と違って、今の会社なら年に2〜3回くらいなら飲み会とかに出席してもいいな〜とか思ってるんだな、これが。これは私にしたら革新的な進歩だよなぁ。なんでこんな前向き(……と言うか何と言うか)になったのか、というと、あのメンバーなら、飲み会に出席しても全然辛くなさそうなんだ……。皆バラバラ……。いいよ〜〜。ほんっと、今の会社は人間関係が楽です。ベタベタしてないし、社員旅行とか欠席でも「あ、そう」の一言だし。裏で何か言われてる、って心配も全然ない。N社の時なんか、「新人なのに部内旅行を欠席するのはマズイでしょう」とかいい年した部長が大真面目に言ってたもんね。何が「マズイでしょう」なんだか、400字以内で言ってみろ、っての! アホか。

 ──いつの間にか……長いですね……。思わず熱く語ってしまいました。スミマセン。でもこういうこと考えてる人って、私だけじゃないと思うんだけど……どうなんだろう……。とりあえず、今日はこんなとこで。


 1999年9月21日(火) 残業横行に物申す!  曇後雨/残業 0:01 
 今日は丁度昼休み中と15時の休憩時間が大雨だったため、エスパニオはお菓子を買いに出掛けることが出来なかった。良かった良かった。っつーことで、今日のエスパニオも小食。朝一番にデカビタC、昼には小さ目のお弁当+カップラーメン、デザートにプリン。そしてコーラ。以上。

 さて、今日は会社で特に変わったことはなし。それよりも特記すべきことは、夜に浪人時代の友人Kちゃんに会ったのだが、その時に出た話題について。
 26歳ともなると、会ってまず話すことは「どうよ、(仕事の)調子は」ということになりがちだけど、類に漏れず今日もそうだった。Kちゃんは、私の周囲で就職している人たちの中で、2人しかいない「私から見て羨ましい職」に就いている女性である。もう1人はエッセイなどでも頻繁に登場している友人Z。KちゃんといいZといい、どちらも企業には就職していない(=サラリーマンではない)トコロが勝因か?

 Kちゃんは「研究が仕事」という特殊な職に就いている。もちろん、その道で食べて行くのはそれなりの苦労が伴うのだろうが、Kちゃん本人も、自分の友人達の状況などと比較して、「私は運が良かった」と言っている所を見ると、本当に良い就職先だったのだと思う。何せ命令されることがない。すべきことは自分で決める。自分の努力がすべて自分の身になる。──これは素晴らしいことだ。

 で、まぁ彼女と話していて、彼女の友人2人(女性)の話になった。
 1人は上智大学の××語科を出たものの、語学を活かした仕事がなく、結局大手食品メーカーに勤務することに。そこで1年販売員をやって、2年目で事務に異動。3年目を控えた今、再び異動をするとかしないとか……。企画職を希望しているが、希望通りの異動になる確率は低い。チャンスがあればいつでも辞めたいと思っている。
 ──こういう言い方が良くないのは承知してるけど、敢えて言うなら、上智まで出ておいて販売員や食品メーカーの事務職って……。なんだかなぁ……。切ないよ……。

 もう1人は大手電気メーカーH社の営業勤務。もともと営業気質ではないため、1年目からずっと「楽しくない」というようなことを言い続けていて、2(3?)年目の今年3月には本当に仕事嫌々病が深刻になり、Kちゃんも心配するほどだったが、ついに退職を決意。(確か9月20日付けとか言ってたので、昨日辞めているのかも……) 希望の職(職人色の強い専門職)に就くべく専門学校に入りなおすため、今は試験に向けて勉強中だそうだ。
 ──いいね! 素敵だねっ! 端から聞いていてもイバラ道な感じがするけど、夢に向って頑張って欲しい。陰ながら応援したい。

 以上の2人の話や私の友人の現状などを見ても、会社に満足している人って全然いないし、話を聞いていて羨ましいと思うような会社がそもそもない。私が羨んでいる2人(KちゃんとZ)は、どちらも企業には勤めていないし……。これはたまたま、私の周りの事例が悪かっただけ? そうじゃないよねぇ? 割合の問題で、「会社なんて嫌だ……」って思ってる人が圧倒的に多いってことだよねぇ?
 まぁサンプルはほとんど女性だから、これもポイントかも。男性って仕事に関して文句言わない人、多いからね〜。男性は多分、働くことが当たり前、って心構えが女性よりずっと強いんだろうな。(注:ここら辺りの意見に関しては【はじめに】の「脱サラのススメ」に延々記してありますので、ご興味ある方はご一読下さい)

 なんにしても、人生のほとんどを過ごす会社が「嫌」、「辛い」ってのはキツイよね……。そんでもって、その「嫌」で「辛い」会社で残業なんかさせられた暁にゃ……。
 大体オカシイんだよ。1日8時間も会社で過ごして、それ以上の労働を強要するってことがさ。なのに残業しないと「仕事しない」みたいな感覚が横行しちゃってて。また日本人って真面目だから、会社がメチャクチャな仕事量を押し付けてきても、それが出来ないと「給料分は働かなくちゃ」ってサービス残業しはじめちゃうし。
 アホか。自分の働きが足りないのか、会社の仕事配分能力が劣っているのか、冷静に見極めろ。

 今、兄貴がN.Y.に行ってて、電話とかで「そっちって、やっぱ残業とかあるの?」って聞いたら、「残業してる奴なんか滅多にいないね。一部の超エリートとアジア人だけだよ。ゴリゴリ働いてるのは」だってさ。Kちゃんもオーストラリアに留学経験あって、研究室でもなんでも白人はさっさと帰っちゃうらしいよ。
 欧米賛歌する訳じゃないけどさ、これが人間の生き方として当然のことだと思うぞ、私は。日本人って誰に義理立てしてこんなにゴリゴリ働く訳? それとも自分の楽しみを自分で見付けられないの?

 「仕事が終わらないんだから残業は当たり前」って違うでしょ? 1日8時間も仕事してんでしょ。それで充分だろうが。就業時間は最初から決まってるんだから、その時間内に終わらないような仕事を押し付ける会社の方がどうかしてるんだよ。(もちろんその人の手際が悪くて仕事が遅れる、ってことはあると思うけど、そういう人の残業が月80時間とか超えるだろうか?)
 人間が集中できるのなんて1日に3時間あれば良い方なんだよ? それを「長くいないとダメ」ってことを当たり前にしちゃってるから、いつまで経っても効率の悪い働き方が改善されないんだよ。

 家に帰ってもすることないから会社にいる、ってのは絶対に間違ってる。仕事が本当に楽しいなら構わない(というか、素晴らしい)けど、自分で楽しみを見付けることが出来ないから仕事をしている、ってのは間違ってると思うぞ。生きている以上、何がなんでも趣味や生き甲斐を作るべきだよ。夢を持つべきだよ。自分の時間にすべきことを作って、もっと自分の時間を大事にすべきだよ。じゃないと生きてる意味ないでしょ?
 会社なんて(よほど特殊な職業を除いて)ただ与えられたことをやってるに過ぎない場なんだよ? 大企業に勤めていようがいまいが、サラリーマンなんて言われたことをただやるだけじゃん。けど、稼がなくちゃ生きていけないんだから、それは仕方ないよ。でもね、朝7時から好きでもない会社に向って、23時頃に帰宅。家では寝るだけ、休日はぐったり──なんて人生に意味はあるのか?

 仕事は楽しんですべきことだけど、多くの人はそんな幸運にはありつけない。ならば、そういう人たちは自分の時間に自分の楽しみを見い出すべきなんじゃなかろうか。自分の時間を使って、夢を実現させるべく、努力すべきじゃないか?
 「いい歳して夢みたいなことを」と批判的なことを言う奴等には言わせておけばいい。歳をとるほど夢を持つことは難しくなる。会社の言いなりになって過度に働くことよりも、夢を持つ方がよほど大変なのだ。
 目指せ、精神的な脱サラ! 勢いと自信があれば、本当に脱サラを目指せ! 頑張れ! そして、頑張ろう!!

 ──うーん……最近熱くなりやすい……。人生が楽しくなってきたからかもしれない。


 1999年9月22日(水) 布石……?  雨/残業 0:07 
 まず最初にエスパニオ記録。朝一番にデカビタC飲んでた。昼はおにぎり2個とよく見えなかった何かとデザートにプリン、ペプシコーラ。15時にらーめん王。これだけ。最近食べる量が少ないのは、単に外が雨でコンビにまで行くのが億劫なのか、それとも私の密かな思いが通じているのか……。どっちなんだろう……。

 仕事の方は今はまだ勉強期間なので楽。ホント、9月は週中に休みがある週が2回もあって、楽々ですなぁ。来月辺りにツケが回ってきそうで恐い。最近出向が迫っているせいか、エスパニオが何かと脅しを掛けてくるのでちょっと怯む。「休みが多くても嫌なもんですよ。結局休日出勤しなくちゃ仕事が終わらないし」とか、「こういうプログラムのちょっとしたミスで残業しなくちゃならない事態になる訳ですよ」とか……。私が逃げ腰なことを見抜いて、布石を打ってるのか?

 今日から日記にタイトルを付けることにした。内容の要約ってことで。なんのことはない、ただそれだけ。


 1999年9月24日(金) 沈黙の歓迎会  曇/残業 0:01 
 何と言っていいのやら……今日の昼、私たち新入社員の歓迎会があった。歓迎会……って言って良いのかどうかもよく分からない、ニュータイプのイベントだったな……。事の起こりから詳しく話そう。

 ご存じの方もいると思うが、改めて基本事項から。
 私が現在通っているT社はソフトウェア会社。従業員はもちろん右を見ても左を見てもPCを愛して止まない技術者(SE)たち……。まだ勤め始めて3週間しか経っていないが、この短期間で判った技術者の特徴がいくつかある。偏見が強い乱暴な意見かもしれないが、敢えて端的にまとめよう。
・人付き合いが下手(PCとの付き合いの方が長い&多い)
・団体行動が苦手(と、言うか、周囲を気にしていないと見た)
・協調性に欠ける(そんなものは必要ないらしい)
・話し掛けなければ話さない(でも話し出すと結構話す)
・仕事さえしてりゃいいんでしょ、というタイプが多い

 ──ムチャムチャ私好み……。と、まぁ、私の個人的意見は置いておいて。

 先週辺りから「新入社員も入ってきたことだし、歓迎会やらないとマズイよね」ってことで、いつやるか、今日は駄目か、明日はどうだ、ってな具合に話題としては何度も登っていたものの、20数人の社員の内、ほとんど出向しているし、新入社員だけで歓迎会やっても仕方ないだろう、ってことでずっと伸び伸びになっていた。
 私は基本的にそういう会社の集まりは苦手なので、伸び伸びついでに中止になっちゃえ、と密かに願っていたのだが、24日の金曜日に集まれるメンバーだけで歓迎会をしようと、急遽決定してしまった。

 先にも言った通り、社員のほとんどは出向中なので、この歓迎会は本社に残っている面子だけで行われることになった。メンバーはエスパニオ、T中先輩、同期新人のY沢君とH井君、Y口取締役に社長、そして私の7人。
 「夜、拘束するのはマズイよね。皆嫌がるよね」ってことで、歓迎会は昼に行われることになった。この姿勢は大変ありがたいし、良い会社だなぁ……と思う……が、今日の歓会、ある意味物凄いカルチャーショックを受けたイベントになってしまったのである。

 歓迎会会場は会社近くのインド料理屋、歓迎内容はランチ980円のカレーの食べ放題……。ま、まぁ、会社の経費を浮かせるってことも大事だよね。うん。大事大事。それはいい。気を取り直して。
 このカレー屋、予約している訳じゃないし、昼時だと混んで席が確保できないかも、ってんで、11:45には会社を出た。Y口取締役と社長は後から来るってことで、従業員メンバー5人が先にカレー屋に向った。歩いて歩いて15分、カレー屋に着いた時には12時に差し掛かってしまっていたため、7人がまとまって座ることが出来ず、3人と4人に別れて座ることになったのね……。私はT中先輩とH井君と3人で入口付近に座り、エスパニオとY沢君が店内の奥に2人で座って、Y口取締役と社長が来るのを待つ……。

 ──そもそもここから雲行きは怪しいよね……。だって、一応歓迎会なのに3対4でしかも店内の端と端で座って……意味あるの? しかもバイキングなもんだから、席に着くと同時に店員が簡単に料理と食べ放題のシステムについて説明を始めて、その説明が終わると押し出されるように料理が並ぶ机の前に皿を持って向う……。
 皿にカレーとナンをよそりながら、「……これって……歓迎会なの?」と素朴な疑問が浮かんだけど、まぁとにかくセルフサービスで自分のランチをセッティングして、席に着いたよ……。私の方のメンバー3人は、何となく社長と取締役が来るのを待つべきなのかな……って感じでキョロキョロしてたんだけど、ふとエスパニオの方を見たら、案の定と言うべきか何と言うべきか、エスパニオ、自分だけさっさと食い始めちゃってんねん。
「あ、あれ? もう食べちゃっていいのかな……」
とかおどおどしてる内に段々状況が馬鹿らしく思えてきて、T中先輩の「俺達も食おうぜ」の一言で全員が黙々とカレーを食べ始めたのね……。バラバラの席に着いて、そりゃもう黙々と。「美味しいね」なんて一言すらない状態で黙々とカレーを食べた……。

 その内に私たちの隣の席の人たちが食べ終わって出て行って、店員さんが気を利かせてエスパニオ達を空いた隣の机に呼んでくれて、丁度その時に社長と取締役が現れて、開始から10分ほど経ってようやく全員が集合した状態になったのよ……。でもさ、形式はバイキング……。社長と取締役は、現れるなり自分たちの食事をよそるために席を立ち、2人が戻ってくる頃には私たちがお替りのために席を立ち……。
 常に誰かが席を立っている状態が延々続き……。この間、誰も話さなかった……。本当に、一言もない状態が約30分。私なんか皿しか見てなかったよ……。途中でこの状態があまりにもおかしくなって、社長が席を立った隙にH井君に「凄いシュールな歓迎会になっちゃってるね……」とか声掛けたくらいで、あとはずっと黙ってた……。社長なんかわざわざ出先からこの歓迎会のために会社まで戻ってきたのに、何も話さなかったよ……。
 また、バイキングをやってるような店だから、周囲の回転も速いし、なんとなく雰囲気的にセコセコしてるのよ……。そんな中、どうやって歓迎会を展開しよーっちゅーのよ……。土台、無理があるんだってば……この設定には……。

 結局、時折「美味しいね……」とか「それどんな味?」とかいう台詞が数回零れただけで、それ以外の会話は一切ないまま歓迎会は幕を閉じた……。歓迎会って数回経験してるけど、こんなに静かなのは初めて……っつーか、やっぱT社ってちょっと変わってるんじゃない?! T中先輩も「社風とは言え、すげぇ歓迎会だったな……。社長なんかただ飯食いに来ただけじゃん……。なんだったんだろう……」と呆然としてたよ……。私もなんだかキツネに摘ままれたような気分になったイベントだった……。帰り道、自分の身に何が起ったのか見失い掛けた……。

 今まで散々、歓迎会って苦痛だったり、早く終わらないかなーって思ったりしてきたけど、この30分間の沈黙の歓迎会は、ある意味とても面白かったし、楽しくはなかったけど、辛くもなかった初めての歓迎会となった……。
 ──私はふと思った。適材適所か……? 良い悪いは別にして、もしかすると私、この会社の社風は好きかもしれない……。しかし、結論を出すには、今の私はまだ動揺冷め遣らぬ状態らしい。あまり明確な発言は控えておく。

 あ、エスパニオ記録忘れる所だった。朝デカビタC1本、ランチバイキングでは8皿分。15時頃にペプシコーラ。以上。


 1999年9月27日(月) 無神経な人  晴/残業 0:10 
 今までの経験上、どんな環境にもイケ好かない奴が最低1人は存在してしまうものだが、T社にもちゃんといた。社員全員を知っている訳ではないので、まだこれからも出現する可性は高いが、とりあえず目の前にいるY沢という同期新人(22歳男)が嫌いだ。アルファベットの伏せ字は混乱の元なので、分かり易いように、今後彼のことを「無神経Y沢」と表記する。まぁ今日の日記以外では話題にも上らないだろうが。

 ……うーん……私、よほど怒っているらしい……。

 話は順序立ててするものだった。まずは、なぜ私が無神経Y沢を嫌いになったのかの経緯から話そう。
 別に私は無神経Y沢のことを最初から嫌いだった訳ではない。彼の外見上に不快感を誘発するようなパーツはないし、取り立てて変な癖(貧乏揺すりとか)がある訳でもない。強いて難点を挙げるなら、話し方が詰まるような感じで、快活な印象からは遠く懸け離れている人物ということくらいだ。だが、「快活」というジャンルに振り分けられる人間は、そもそもソフトウェア業界には少ないと見た。なので無神経Y沢が特別勘に障る存在になるためには、そんな些細な要因だけではインパクトに欠ける。
 とは言え、最初に「……なんかなぁ」と無神経Y沢に引っ掛かりを憶えたのは、この話し方のせいだった。なんだろう、簡単に言えば非常に苛々する話し方(声質や言葉の選び方も含む)なのだ。
 だがいくら私でも、単に話し方がどうこうというレベルで彼を嫌いになるほどエネルギッシュではない。「なんかなぁ」から「……ムカツク」になるには小さな苛々の積み重ねが必要となる。今の私が彼にムカツイている、と言うことは、その小さな苛々がかなり積み重なっちゃったからだろう。
 無視すればいいのは百も承知だが、彼の言動はサラリと無視できないほど無神経なのである。

 例えば、無神経Y沢は毎日白湯を飲む。なんだかよく分からないが日課らしい。1日に何度も頻繁に、少々小さ目の茶碗に湯だけ注ぎ、それを飲んでいる。ジジ臭い奴……と思うのは、私が彼を嫌いだからであって、エスパニオ辺りが白湯を飲み始めたら、私は感動のため視野を滲ませながらエスパニオが湯を啜る姿を暖かい目で見守ることだろう。
 話を戻すが無神経Y沢はとにかく白湯を飲む。コーヒーや紅茶などいわゆる「柄モノ」の飲み物は一切口にしない。ペプシコーラやデカビタCなどもっての外だ。言っておくがY沢は太ってはいない。むしろ痩せている部類に入る人種だ。彼が白湯を飲むのは、単に習慣だと思われる。
 これが普通に好意を持っている人であれば、「なんでそんなにお湯ばっか飲むの?」とか気軽に質問したりして会話も生まれるが、私はもう既に彼にあまり良い印象を持っていなかったため、自分から話し掛けるようなことはしなかった。だが、エスパニオは違ったようだ。

 先日も、毎日の日課ヨロシク無神経Y沢は白湯を飲んでいた。すると、エスパニオがこう話し掛けた。
「Y沢さん、そこにあるコーヒーもティーパックも勝手に使っていいんですよ? せめてお茶にしたらいいのに……」
 すると、無神経Y沢はこう答えたのである。
カロリーが気になるから……。それに習慣だから別に……」
 …………………………先程も言ったと思うが、彼は痩せている部類に入る人種である……。
 もーさー……なんでそう言うことをエスパニオに向って言うかなー。この台詞、前半は要らないでしょ? 後半だけで充分会話は転がるじゃん。
 大体、この時エスパニオはペプシコーラ飲んでたのよっ?!(いや、勿論エスパニオにも問題あるんだけど……)  コーヒーも紅茶も茶も、カロリーなんてゼロに等しいだろっ?! 何が「気になる」んだよっ!! ほんっと、状況が見えてないと言うか、相手のことを考えてないと言うか……。エスパニオ、ちょっと気まずそうにして「はぁ、まぁそうですね……」だって……。なんか凄く可哀相だったよ……。

 そして先週の金曜日、歓迎会のために6人が一緒にエレベータに乗った時のことである。我がT社は8階なのだが、途中の5階で若い痩せ型の男性が1人乗り込んできた。エレベータの定員は9名600キロまで。しかし「ブーッ」っとブザーが鳴った……。乗り込もうとしていた男性は一瞬「あれ?」という顔をして乗るのを諦めた。エレベータの扉は何事もなかったかのように静かに閉まった。
 ──多分、この時その場に居合わせた全員が、同じことを思っただろう。だが、敢えて誰も何も言わなかった。視線をある人物に固定させてはイケナイと、皆が皆、俯きがちだった。緊張を孕んだ沈黙が流れた。が、その数秒の沈黙を破ったのはまたしても無神経Y沢だった
「アレ? 9人まで乗れるのに、なんでブザーが鳴っちゃったんだろう……?」
 …………あのなぁ……ッッ! なんでもクソも、分かるだろうっ!?! 状況を見ればっっ!!! 貴様こそなんでそういう無神経な台詞を吐くんじゃッッ!!!
 皆、ちょっと困ったように笑った。逃げ場のない密室の中で、エスパニオは視線を下げて、やはり困ったように少し笑っていた。無神経Y沢はまだ黙らなかった。
「オカシイですよねぇ? このエレベータって定員9人ですよね? ホラ、そこに重量限度は600キロって書いてあるのに……」
 …………っっっ!!! オカシイのはお前だっ! 貴様は黙っとれッ!! もう本当に、首を絞めてやろうかと思ったくらい腹が立った……ッ!
 この時にハッキリと、私は無神経Y沢が大っ嫌いになった。

 本人を見たことがないと雰囲気は伝わり難いだろうが、このY沢、エスパニオに思う所があって嫌味でこういう台詞を言っているのではない。本当に、何の気なしに言葉を紡いでいるのである。
 誤解しないで欲しいが、私が怒っているのはY沢がエスパニオを傷付けるような台詞を言ったからではない。もちろん、エスパニオを傷付けたことに対しても腹立たしく思っているが、私が怒りを覚えるのは、Y沢が無神経だからだ

 私の神経回路に納得いかない人もいるかもしれないが、私はY沢の言葉が故意の嫌味ならまだ許せたのだ。意識的に人を傷付けるのはもちろん良くないことだが、「分かってやっている」ということは、意識的にそういう言葉を避けることも可能だろう。
 だが、無意識というのは手に負えない。自分の言葉が相手にどう受け止められるのかのシミュレーションが出来ない、ということは、想像力がないことに等しい。自分でも何が悪いのか分かっていなければ、直る見込みはないだろう。
 ──そして、Y沢は絶対に無神経の部類に入る奴なのだ。

 無神経というのは自分の持つ物差しで測るものなので、私にとってはたまたまY沢の言動が甚だしく無神経に映ったが、こんなことは別にサラリと受け流せる人もいるだろう。癇に障る言動の基準は人それぞれ違うだろうし、私の言動の方がよほど無神経に映る人も多いと思う。無神経の絶対評価は世の中にないと思うが、でも、エスパニオに対するY沢の数々の心無い暴言、私はどうしても許せないのである。

 そんなこんなで渦中の人=エスパニオ記録に移りたいと思う。(さんざん無神経論議をしておきながら……と思うかもしれないが、これはまたちょっと違うのである。ここら辺はもうニュアンスと感性のみで判断されることなので、どう思うかは各人に任せたい……)
 朝ペプシコーラ1本。昼はおにぎり2個とから揚げ1パック、デカビタCとお菓子っぽい何か。15時にはエクレア。口の周りにクリームが付いていたのが哀しくも切なかった……。最近間食の量が減っていたのはやっぱり雨だったかららしい……。今日は当初の全開状態に戻っていた……。

 さて、職務内容の方はと言うと、VBに一区切りがつき(と言うか、つかせ)、今日からSQLという問い合わせ言語(?)の勉強に移った。エスパニオがいつ出向になるかとハラハラしているが、出向先に場所を確保できないようなので(別にこれはエスパニオの容積的な問題ではなくて)、まだ私たちの教育に当たってくれている。エスパニオは教え方が上手いのでありがたい。


 1999年9月28日(火) 落ちこぼれる  晴/残業 0:04 
 私の愛PC(メビウスMN-5400D)の調子が著しく悪い……。CPU 133MHz、HDD 1.44GB、メモリ 32MBという老人ちっくなプロパティなので当然とも言えるが、最近は3回に1回はフリーズで終了するようになってしまった……。起動時も、電源を入れると取り敢えず画面に文字化けの嵐が走り抜け、その嵐が治まった後にエンターキーを3回押さないと起動しない、という変な癖がついているし……。

 んでもってとうとう昨日、長い日記を書いたせいか、複数のアプリを開いたまま作業していたせいか、フリーズではない何か新しいタイプの問題を起こしたまま電源が落ちた(というか、落とした……)。今日、恐る恐る電源を入れると、1回目は起動音が鳴っているのに画面が現れなかった。2度目には起動したが、必要以上にチリチリ鳴っている……。気のせいか今もなんだかガタピシ言っている。
 次なる新参者(SOTEC PC-STATION M246)が来るまで過激な更新は避けようと思う……。(多分、そういう問題ではないと思うがなんとなく……) でも133MHzから466MHzになったら、世界が変わるんだろうなー……。HDDもメモリも約4倍だし。文字を打ってから画面に字が現れるのを腕を組んで待つこともないんだろうなー……。ほぅ……。でもこのヨタヨタさが愛らしいのよね……。この愛PCには長生きして欲しい……。
 っつーことで、PC養生のため今週末まで日記も短めに抑えます。でも何かデカいイベントがあったら構わず書くけど……。

 そんでも今日の記録はしておく。
 VB、2度目の山を迎える。分っかんねーよ。SQLってなんだよ。DAOってなんだよ〜。エスパニオは「そろそろヘルプとかで自分で調べられるようになって下さい」って言うけど、分からない用語を分からない言葉で解説されても何の助けにもならないんですケド……。ラテン語の授業をイタリア人に教わっているような感じ……。
 はぁ〜。皆はついて行っているようなので、どうやら落ちこぼれたらしい。ま、ぼちぼち頑張るけど……。

 忘れちゃイケナイ、今日のエスパニオ記録。朝、ペプシコーラ(本当にお気に入りらしい)。昼おにぎり2個、サンドイッチ1セット(和洋折衷……)とプリン、烏龍茶。(カロリー0の飲み物に手を出すようになった! 素晴らしい! もしかして無神経Y沢のお陰かっ?!) 15時にアポロチョコ1箱。ちょっと時間をおいてデカビタC。以上。
 進歩しているのか退化しているのか、微妙すぎて分からない……。


 1999年9月29日(水) 騙された……  曇/残業 0:14 
 もーさー……入社する前に散々確認してたんだよねー……「残業はないんですね?!」って。(職安の求人票の時間外の欄が「月平均10時間程度」って書いてあったんだよね……) そしたらY口取締役は「やってる人は勿論いるけど、やらないならそれは構いませんよ。残業を全くしていない人もいますし。会社として強制はしてません」って言ったんだよねー。
 安心して入社を決めたんだけど、周囲の知人友人には散々「そんなの嘘に決まってんじゃん。SEで残業ないなんて聞いたことないよ」と忠告されたんだよねー……。私も馬鹿だから自信満々に言い切ったんだよねー……。
「そんなことないよ。ちゃんと聞いたもん。騙して入社させたって、私は『出来ない』って言ってるんだから、残業あったら辞めちゃうんだよ? そんなことしたら会社だって面倒じゃん。まさかこんなことで嘘は吐かないでしょう」
 ──本日、嘘を吐かれていることが発覚した……。そして残業があると分かってもそんなに簡単に辞める訳には行かないということも……。明日から出向が急遽決定。先に行っている人たち、全員残業してるってさ。こんな中で「じゃ、定時なんでお先に〜」と言えるか……? こういう状況を世の中では「強制」と言うのだと思うんだけど……Y口取締役の中ではそうではなかったらしい……。

 もー私もいい加減4社も見て人よりは会社ってもんがどんなもんだか知ってる筈なんだから、ちょっとは思考力を応用させろよっ!って感じ……。我ながらお目出度さ加減に頭が来るよ……。明日からいきなり残業の嵐、ってことにはならないと思うけど、これからじわじわと増えて行くのだと予想される……。2年……いや、1年くらいは持たせないとな……。同時進行で職探しか……。

 今日は色々あって、書きたいことも山ほどあったけど、疲れているのでまた今度……。
 しかしどんなに暗くなってもエスパニオ記録。今日は朝デカビタC。昼はおにぎり2個と何かオカズちっくなもの、プリン、ウーロン茶。15時にはチーズケーキ味のパウンドケーキを1本──通常3〜4人で食べるものと思われる──を1人で平らげた……。エスパニオも出向先が一緒なんだけど、今度の出向先、昼休み以外の外出は禁止らしいんだよね……。15時のおやつ、どうするんだろう……。


 1999年9月30日(木) 東海村臨界事故  晴/残業 0:05 
 今日から出向で、来年3月までの6ヶ月間、N**社勤務が決定。結論だけ言うと最低。今日は語りたいことが山ほどあるけど、それよりももっと深刻で重大な事件が起ったので、今日の会社での出来事は後日改めてまとめる。

 気持ちがまとまっていないが、東海村の原発(正確にはウラン処理工場で発電所じゃないけど、そもそもウラン処理工場の存在は原発から派生しているので)……。
 こんなことがいずれ起るということは、「原子力発電とは何か」という基本知識を持つ人なら誰しもが分かっていたことだと思う。核を扱う上で、「絶対安全」なんて言葉を使うこと自体どうかしているのに、それを鵜呑みにしてどうする。鵜呑みにしてないなら、原発なんか建設すんなよ。原発のように一度事故を起こせば致命的な大惨事を引き起こすようなモノは、99%安全でも1%の危険性がある限り、建てるべきではないんだよ。それでも「絶対安全」って言い切るなら東京のど真ん中に立てれば? それこそ国会の隣とかに。電力の消費が一番多いのはどうやったって東京なんだから。どうして一部地域(それも郊外)の人たちの生命の安全を犠牲にしてまで原発を建てるのさ。日本の電力なんて本気で取り組めば火力、水力の技術革新で充分に賄えるだろうが。

 建設関係は莫大な金が動くからね。一部有権者達が私腹を肥やすために、下々の者は命を犠牲にする訳だよ。よくもまぁ、見え見えの建前を堂々と前面に押し出して、それで通ってるよな。でもそれでもなんでも通るから恐いよ、この国は。また国民も、これだけ粗末に扱われて馬鹿にされてても暴動も起さないしね。上の人たちは本当にウハウハなんじゃない? やりたい放題やってもどこからもクレーム来ないし。来ても一時的に息を潜めてると皆忘れてくれるし。他の国に住んだことがないので何とも言えないけど、国家ってこんなもんじゃないよね、普通。だって、今の日本、マジ凄くない? 政治家とか(企業も含む)、「どこまで好き勝手できるかなぁ〜?」って国民相手に挑戦してんのかな……って思うくらい、滅茶苦茶なことしてるし。それが小気味いいくらいまかり通ってるし。

 原発の話に戻るけど、案の定というか、事故を起こした今になって原因である会社の上層部が「どうしていいのか分からない」という態度を取ってるって、どういうこと? 被爆するのは結局は下っ端の作業員たちで、無責任な指揮・管理をしていた上の者はトラブル発生と同時にトンズラだよ。詳しいことは調べてから書くけど、とにかく恐ろしいほど杜撰な作業方法を取っていたらしいね……。
 これって別に今回のことだけじゃないと思うんだよね。いつでもそう。毎回毎回、状況を変えて同じことの繰り返し。一時的に騒がれても、すぐ世間から忘れられて同じことが起るし。ここまで踏み付けにされて、それでも黙っている小市民たち……。マジ、この国、これから先どうなるのか心底心配だよ……。

 今回の事故で、作業員の一人が火傷するほど被爆したって? 放射能で火傷するってことは、事態としては最悪……ってことなんだよ……。しかも道路を閉鎖するほどの事故でしょ? これ、世界的に見ても物凄い事故だよ。チェルノブイリほどではないにしても、日本って一応先進国で通ってる国なのに……。またこれで日本は世界的に有名になるんだろうな。「スゲェ幼稚な国だな」って。

 でも本当の意味で「お先真っ暗……」と思うのは、今日こんなに騒いでいても、多くの人たちは時が経てば日々の仕事に追われて、「こんな事件は自分には関係のないこと」と受け流してしまうことなんだよね……。話を無理やり繋げている訳ではなくてね、日本の多くの社会人は「考える時間」を持っていないと思うんだ。だってそうだよね。朝早く起きて会社に行って、くたびれて帰ってきて、いつ考えろっちゅーのよ。ちょっと離れた地域で放射能汚染があったって、自分には関係ない──そんな考えになっちゃうよね……。「世の中変えよう! 良くしよう!」なんて元気なんか当然ないし、それどころかサラリーマンなんかやってたら、ますますそんな考えが浮かぶ暇もないよね。別にサラリーマンじゃなくても、なんかもう皆「疲れてる……」ってカンジだし。

 これは今回の原発事故に関してだけではなくて、最近起っている事件すべてに対して言えることだけど、今、世の中殺伐とし過ぎ。これって全部、人々に余裕がないからだと思うよ。「余裕」と原発の事故って、一見無関係に見えるかもしれないけど、ちゃんと繋がってるんだよ。だってさ、人間が生きている社会なら、一部地域の人々の生命の危険を考慮して、そもそも「原発なんか廃止しよう!」って考えになる筈だからね。それを「安全ですから、さあ建てましょう」って大手を振るって建てちゃうんだもん。地域住民が反対しようと、結局企業や政府が押しきる形でいつの間にか無理やり建てるしね。しかも事故が起れば下っ端のせいにして、事実は隠蔽。
 ──これも、社会人が考える時間を持っていて政治に積極的に参加するような世の中なら、こんなことは許されていない筈なんだよ。選挙権を持つ人たちが考える時間を持っていれば、何が悪くてこのような事態が起ったのか、という根元を冷静に見極められる筈だし、そこから浮かび上がる政治家なり企業なりに制裁を加えるような雰囲気を作り出すことが出来ると思うんだよね。でも今の日本じゃ無理だよ。皆忙しいもんねー。それこそ身ィ削って働いてるもんね。自分の時間さえ持っていないような人間が、世の中のことなんか考える時間なんて持ってる訳ないし。ましてや世の中をよくするための行動なんか、起こしている時間がないもんね。

 人が安全に、幸せに生きるためにシステマティックな社会が生まれた筈なのに、(日本の)現代社会において国民の幸せとかって2の次、3の次なんだね。でも当の被害者たちが文句を言わないんだから、良くなる筈がないよなぁ……。この国が住みやすい国になるのはいつなんだろう……。一度完璧に息の根が止まるほどの勢いで潰れないと駄目なのかな……。


※今回の事故に関してのトピックスを日記とは別に開設しましたので、お暇な方は【1999年9月30日東海村臨界事故】へどうぞ。




1999年9月の勤務表
 出勤日数17日(うち休出 0日)/勤務時間 129:43  欠勤日数 0  有給休暇 0
 月残業時間 01:13  日平均残業時間 0:04  今月最高残業時間 0:14/29(水)
 【一言】 「残業してないならしてないと、そうハッキリ書け!」──そーゆー感じですね。


【1999年10月の就職日記&コラム】に進む

【現在進行形の就職日記】一覧に戻る

トップページに戻る