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留学費用

(2003年9月8日作成)


 航空券と学校の授業料――そこまでは「必ず掛かる費用」として具体的に計算できても、実際に蓋を開けた留学費用がどの程度掛かるのか、こればかりはこちらで生活を始めてみるまでは結構見当が付かないものです。
 国が違えば物価も違い、留学費用も大きく変わってくるのは当然のことですが、取り敢えず「留学」を考えた際の予定された出費と予期せぬ出費について、2002年5月〜2003年8月にかけて約15ヶ月ほどヨーロッパ一物価が高いとされるアイルランドに留学した私の出費を大まかに記録しておきます。

No. 小見出し一覧 備考
第1章  はじめに 個人差はあれど、取り敢えずの指標になれば……
第2章  渡航費 絶対に必要、かつ明確に計画が立てられる予算
第3章  学費 絶対に必要、かつ比較的明確に計画が立てられる予算
第4章  生活費(1)〜住 ホームステイかフラットかで大きく変わる予算
第5章  生活費(2)〜食 自活をするかしないかで大きく変わる予算
第6章  交通費 滞在都市によって大きく異なるポイントで意外に掛かる
第7章  通信費 意外と掛かる予定外経費
第8章  保険 事前サーチ次第でかなり節約可能なポイント
第9章  旅行費(1)〜国内 インドアに過ごせば0に抑えられる項目ではあるけれど……
第10章  旅行費(2)〜海外 せっかく西洋に来たならば、行ってみたいな近隣諸国
第11章  総括 ネチネチつけていた家計簿が大活躍でご満悦




第1章 はじめに
 まず、私の周りの多くの留学生(半年以上の滞在予定者)が言うことですが、留学費用というのはかなりの確率で予定よりオーバーするものです。比較的詳細を見積もってきた留学生でさえ、やはり予算ギリギリもしくはオーバーするのが通常で、予算より大幅に下回る出費で留学を終えることが出来た人には余りお目に掛かれません。
 しかし一方で、「そう? 以前は予算内で収まってお釣りが来たって話もたくさん聞いたけど?」という話もあり、現在のユーロの高騰やアイルランドの最近の物価高騰が主な理由なのかもしれないので、他の国への留学や円高状況下では当てはまらない話かもしれませんが、少なくとも2002〜3年にかけて私が見てきた局地的な現実としては、予算の関係で留学を数ヶ月ほど短縮して帰国する人も決して珍しくはなく、明確な計画があるのなら、シビアな見積もりをしておいた方が無難でしょう。

 そうは言っても初めての留学の場合、「来てみなければ分からないこと」は多々あり、綿密な計画を立てれば良いという訳でもありません。長期割引を狙って申し込んだ学校が最悪だった、など、綿密な計画が返って仇となるケースもあるため、見積もり計算と留学計画は非常に難しいと思います。
 当然、国や都市、学校が違えば留学費用も全く違ってくるでしょうし、更にはお金の使い方は人それぞれで、私の記録が万人に通用する訳もありませんが、ここでは、「それも承知の上で、しかし留学中にどのようにお金が掛かるのか見当もつかないので、参考までに教えて欲しい」という方のために、私のかなり具体的な出費記録を公開しておきます。

 一般的に、留学は長くいればいただけ、月平均の出費は減少して行きます。半年の留学で150万円出費したとしても、1年で倍額の300万円が掛かる訳ではありません。それには下記に述べたような様々な理由がありますが、とにかく大袈裟に言ってしまえば、3ヶ月の留学と4ヶ月の留学では出費に大した差はないのです。
 その理由の主なものを挙げておきます。


長期留学生の節約術
 ・全出費に対する航空券料金の占める割合の減少
 ・ホームステイからフラット暮らしへの移行
 ・自活に必要なものを揃え終わる
 ・アルバイトの開始
 ・帰国する留学生からモノを格安で譲って貰える
 ・学費の節約(格安の学校を見付ける、長期割引などの利用)
 ・安く生活するコツを掴む(情報やリサイクル・ショップの利用)


 また、留学費用の見積もりを大きく狂わす為替変動についてですが、私が滞在していた2002年5月〜2003年7月の大まかな為替変動表をアップしておきます。
■ユーロの変動('02/5〜'03/7)



 私はシティバンクに口座を作り、アイルランドの口座を事前登録して、インターネットでレートの良い時にまとめて海外送金していました。「事前登録」+「インターネット送金」で海外送金手数料は2,000円とかなり安くなります。私は今回の1年3ヶ月の留学に対して計4回海外送金しています。


'02/5/16〜'03/8/20 の海外送金額
送金日 レート 送金額 EUR 送金額 \
'02/04/23 \117.5 EUR 6,000 \705,000
'02/05/24 \116.7 EUR 6,000 \700,200
'02/11/15 \122.3 EUR 3,000 \366,900
'03/03/17 \127.6 EUR 4,000 \510,400
合 計 EUR 19,000 \2,282,500


 これも、同時期であってもT/C(トラベラーズ・チェック)を利用すればレートは上記レート+4〜8円程度になりますし、クレジットカードを利用すれば約+2円以上は確実です。まとまった金額を換金する場合、海外送金が最も効率の良い手段ですが、その効率を最大限に引き上げるためには、インターネットの使用や事前手続きが必要となります。送金はある意味ライフラインですので、留学が決定したら、まずはいかに効率良く日本円を渡航国の通貨に換金できるか、その辺りから調査し動き始めると大きな節約が出来ると思います。

 また、為替変動は予算見積もりを大きく狂わす要因です。具体的に私の例で検討すると、送金総額は19,000ユーロ、228万円ですが、これも最初から 1ユーロ=140円だとすると266万円 となり、たった1年の留学費用も為替の差だけで約38万円の差が生じるのです。ですから、留学費用の見積もりをする際には、日本円で計算せず、必ず渡航国の通貨で出来うる限り見積もりをし、最終的に為替の変動を込みにした価格帯を日本円で算出した方が良いと思います。


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第2章 渡航費
 言わずもがなですが、飛行機を使いました。
 多くの留学生は年々厳しくなる入国審査に備えて、1年オープンなど、帰りの航空券を用意しておくようですが、私は諸事情により片道航空券でアイルランドに入国し、帰国のチケットはアイルランドで購入しました。日本で購入する場合、片道も往復も価格差はなく、それどころか私の場合は往復航空券の方が1,000円安かったほどです。しかし海外、少なくともヨーロッパから航空券を購入する場合、片道と往復では倍とまでは行かないまでも価格差はありますし、勿論片道の方が安く購入できます。

 色々調べてみると、やはりアイルランドで購入した方がかなり安く手に入るため(※学割を使用したからかもしれません)、特に1年以上いることが確実な人は、片道もしくは格安の往復チケットを購入して、帰りのチケットは渡航国で購入した方がお得だと思います。
 またヨーロッパでは、日本ほど夏休みや冬休み時期の価格の高騰はありませんが、やはり7〜8月頃やクリスマス時期になれば航空券の価格は上昇しますので、帰国時期など調節できるものならした方が節約につながります。


日本→愛蘭・愛蘭→日本の各片道航空券の価格
予約時期 日程 経路 価格(税込) 備考
'02/04/18 '02/05/16 成田→LHR→Cork \105,302 BA、日本インターネット格安航空券利用
'03/05/28 '03/08/21 Shannon→LHR→成田 \54,528 VS、現地USIT(学生センター)利用、学割価格


 アジア経由の飛行機を使えば非常に安くなるのも定説です。例えば往きの飛行機は選択肢が2種類あり、価格のみに拘れば
成田−ソウル(トランジット1時間)−ロンドン(トランジット2時間30分)−コーク……約58,000円
※但し、ロンドン−コーク間のチケット手配は自力。手荷物の直送はロンドンまでで、ロンドンで一旦回収し、再びチェックインの時に荷物を預ける。

という格安航空券もありました。しかしこの格安チケットは4月中旬の時点で既に売り切れ。もし売り切れていなかったとしても様々な不安があったために、大人しく上記チケットを購入しました。


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第3章 学費
 下記の表をご覧になると判ると思いますが、留学のメインの出費である授業料もまた選択する学校によってかなり差が出てきてしまう項目です。


'02/5/20〜'03/6/6 の学費
時期 期間 コース 授業料 週平均
'02/05 6週間 一般 \146,400 EUR 1,246 \24,400 EUR 208
'02/07 3週間 サマー \71,100 EUR 605 \23,700 EUR 202
'02/09 3週間 一般 \40,500 EUR 345 \13,500 EUR 115
'02/10 11週間 一般 \237,100 EUR 2,018 \21,550 EUR 183
'03/01 10週間 試験 \217,400 EUR 1,850 \21,740 EUR 185
'03/04 10週間 一般 \195,200 EUR 1,600 \19,520 EUR 160
合 計 43週間 \907,700 EUR 7,664 \21,100 EUR 178


 「安かれ悪かれ」と一概には言えませんが、やはり一般的にその傾向が強いのは事実らしく、私はアイルランドの学校しか知りませんが、こちらで知り合った「今後イギリスに行く」という留学生はこんなことを言っていました。
「アイルランドは価格調査とか競争とかしているようでしてなさそうだから、語学学校の料金と質は必ずしも一致するって言えないけど、イギリス……って言うか、ロンドンは一致するんだよ。やっぱり良い学校はムチャクチャ高いの。で、本当に授業の質が良いんだよね……」
 アイルランドでも、1対1で先生の家にホームステイしながら英語を学ぶホームテュイションという形式があり、価格は通常の語学学校に比べ物にならないほど高いので(※注1)、私などは端から「考慮外」だったのですが、実際に体験した人はこんなことを言っていました。
「そりゃ高いよ。でも、あれだけ密度が濃ければ当然だと思う。24時間英語の勉強してる!って感じだったもん。本当に行って良かったし、1週間じゃ足りないくらい。もうちょっと英語力が上がったら、また行きたいな。本当に凄かった、先生の手腕というか、生徒に対する集中度が。生徒と先生の相性とか、そりゃ色々あるんだろうけど、多分あの先生は本当にどんな生徒とでも上手くやって行けるんじゃないかなぁ。実際、言ってたし。『今までに嫌な生徒が来たことなんて一度も無い。皆それぞれ個性があって、楽しい』って」
※注1:評判の良い先生だと授業料のみで1週間760ユーロ(約10万円)。ホームテュイションの醍醐味は素晴らしく教え方の巧い先生と24時間べったり過ごすことなので、通常先生の家にホームステイすることになり(と言うか、しなくては意味がない)、授業料にステイ代290ユーロ(約4万円)が加算される。

 このように1対1の授業の場合は、確実にどの先生に当たるのか分かっているため、その先生の評判が良ければ高額を投じる意味もあるようです。しかし、通常の語学学校については、私個人の体験や周囲の留学生たちの体験談などから言えることとして
学校の良し悪しは、その時の担当教師とクラスメイトによる。すべてはタイミング。
という大前提があります。評判の良い学校というのは、「良い先生(教え方が上手い先生)に当たる確率が高い学校」「生徒の層がある程度決まっていて、極端な違和感が生じない学校」ということで、タイミングによっては評判の良い学校に行ったとしても良い思い出は一つもないという人も出てきますし、評判の悪い学校に行ったとしても、たまたま相性の合う先生の下で、気の合うクラスメイトに恵まれれば、それはその人にとって良い学校になってしまうので、こうだ!という正解はあり得ません。

 先生の質はともかく、己の勉強にクラスメイトは無関係と思う人もいるかもしれませんが、「自分は英語の勉強をしに来たのであって、クラスメイトとの交友に興味はない。質の良い教師は勿論必要だけれども、学校のメソッドが重要」と考えるような人は、そもそも留学の必要はないでしょう。今や日本にいても音声教材など良質のものが簡単に手に入るのですから、それを利用して会社や学校を休む(辞める)ことなく英語の勉強をすれば良いだけです。
 ただ英語(語学)なんてものは行くところに行けば3歳の子供でも喋っているタダの道具なので、その道具を使って何をするか、誰とコミュニケーションを取るのかということこそが最終目的に当たり、「英語の勉強」そのものは目的でも何でもなく、単なる手段に過ぎないのです。そういう意味で、クラスメイトたちを含む環境は非常に重要で、自分の考えを伝えたい相手の有無は英語の伸びに大きく関係してくると思います。

 また、上記の授業料以外に掛かる費用としては、現地で受験する試験料、教材や参考書、書籍などがありますが、ざっとどの程度掛かったのか計算してみます。


'02/5/20〜'03/8/20 の副学費
詳細 費用 備考
試験料 2回 \24,300 EUR 195 会場に赴くまでの交通費は含めず
教材・参考書 8冊 \18,800 EUR 154 授業料に込まれている教材は含めず
娯楽書籍 6冊 \4,800 EUR 40 主に古本屋、図書館を利用して節約
その他 \4,200 EUR 36 ラジオ&ラジオウォークマン購入
合 計 \52,100 EUR 425 -


 日本では6,500円程度で受験できる TOEIC が何故かここでは85ユーロもして、私の場合などは受験会場までの往復バス代金を加えなければならず100ユーロ(約14,000円)を越しました。それでも現地にいる間に日本の受験料の倍以上を支払ってでも受験する人が多いのは、英語というのがそれだけ時期モノで、日本に帰れば速攻で失われて行くものだからと言えます。哀しいかな、これは深刻な現実なのです。
 ここで、帰国した友人たちからの証言をご紹介しておきましょう。
<ケース1:1年間留学していた日本人>
●帰国2日目
何でも日本語だし(ていうか**弁。)英語しゃべる必要全くなし。
怖いわ、こりゃ英語すぐ忘れちゃう。。。
アイルランドでは日本語で喋っててもどうしても英語に触れてる時間は長かったからね。

●帰国43日目
最近英語も話してないなぁ。
思い出せないんだよねぇ。。。

●帰国71日目
英検は落ちるような気がする。
だってこっち帰ってきてから一回しか英語喋ってないし。

●帰国82日目
帰ってきてから保つのが一番大変。
でもアイルランドいるときって自分の英語の成長ってあんまり実感できないじゃない?
日本ではそれが実感できるのは嬉しいところかも。
でも、気づくとともに英語力はすごいスピードで去っていくわけで。。。複雑(^^;


<ケース2:10ヶ月留学していたオーストリア人>
To-ko, I'm afraid that I forget my English again, it's horrible when you hear
the hole time the people aroung you speaking in your language, horrible.
I try to speak with my friends sometimes in English but you feel a little bit
stupid when you do that in a public place!
I phoned last week with my Irish family and it wasn't that easy anymore to
speak with them and understand them!

 このように、たかだか1年程度の留学で得られる「語学習得の成果」とは、母国に帰ってしまえばあっちゅー間に失われる夢のように儚いものだと痛感できることでしょう。1年くらいで漸く養われた英語力は、帰国後に余程特殊な環境に身を置かない限り、恐らく誰でも普通に失ってしまうものなのです。特に日本では、テレビやラジオにおける英語番組の貧弱さからも、生の英語に触れる機会は皆無に近くなる訳で、仕事や普段の生活で英語を使わない人間が、せっかくの留学で得た英語力を維持しようと思うと、それはそれは並々ならぬ努力が必要となってきます。
 「語学力の成長」という意味では、気を抜けば「留学していないのと同じ」というレベルにまで舞い戻る可能性も大な留学ですが、それでも私がこの1年の留学を全く無駄と感じないのは、この1年でした体験や出来た友人、そして今後の人生における語学習得への意欲を得ることが出来たからなのです。

 話を学校選びに結び付けますが、「良い学校」の定義とは、その場でいかに多くの知識を詰め込ませて貰えるかではなく、いかに価値観の合う長い付き合いが出来る友人(教師やホストファミリーも含む)を得ることが出来る環境を提供しているか、いかに帰国後の学習意欲を保ち続けるための切っ掛けを与えてくれるか、ではないかと思います。
 例えば、英語を共通語とする友人ができれば、その人とコミュニケーションを取りたいという希望がまず先に立ち、英語学習はその希望を叶えるための手段に過ぎなくなります。英語学習は、そのものが目的である以上、限界があるでしょう。特に語学留学は、ごく一部の人を除いて、切っ掛け作り程度のものでしかないと、私は思うのです。

 余談ですが……。
 「英語が上達するには」という質問に対し、半分冗談半分本気で返って来る答えの中に、「その人とコミュニケーションを取りたい」という希望を最も強く持つ状況作り、つまり「(英語を話す)外人の恋人を作ること」なんてモノも頻繁に挙がり、実際、外人の彼氏を持つ留学生に数多く出会ってきましたが、現実問題として彼女たちの会話力は(勿論例外もいますが)同期間留学している人の平均に比べ、かなり上回っていると思います。(ここで「彼氏」と言い切ってしまうのは、外人男性と日本人女性のカップルは結構いるのですが、その逆、外人女性と日本人男性のカップルは滅多に存在しないからです)
 個人的には「好きになった人が英語圏の人だった」という流れならともかく、「英語圏の人だから付き合いたい」というのはどーよ、と思いますが、英語上達を目的に意図的に英語圏の彼氏を作る留学生も(多くはないと思いますが確実に)存在し、やはり個人的には生理的嫌悪感はあるものの、目的達成のために出来得ることをして、実際に英語力を伸ばしている人には一種敬意を抱きます……。


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第4章 生活費(1)〜住
 下記の家計簿から何が分かるのかと言うと、ホームステイとフラットの経費の掛かり方の壮絶な違いです。


'02/5/16〜'03/8/20 の住居費(旅行宿泊代を含まず)
詳細 費用 週平均 備考
 ホームステイ 6週間 \104,100 EUR 886 \16,410 EUR 140 朝・夕食付、光熱費込、洗濯込
 学生寮 3週間 \64,200 EUR 546 \21,400 EUR 182 食事なし、光熱費込、洗濯代別
 フラット 21週間 \138,700 EUR 1,175 \6,600 EUR 56 光熱費別
 フラット 35週間 \219,800 EUR 1,750 \6,280 EUR 50 光熱費別
住居代合計 65週間 \526,800 EUR 4,357 \8,100 EUR 67 -
光熱費合計 56週間 \28,600 EUR 229 \510 EUR 4.1 上記フラット生活時の光熱費
独り暮らし経費合計 \18,000 EUR 150 寝具、調理器具、ヒーター、椅子、電球、鍋など
生活費合計 \573,400 EUR 4,736 - - -


 私は留学開始の約2ヶ月後という比較的早い時期からフラット暮らしに切り替えたために、約53万円程度の出費で済んでいますが、半年程度ホームステイをしていたとすると、軽く2,000ユーロほど跳ね上がり、日本円にして合計80万円ほどになります。もしも1年間ホームステイしていれば、住居費だけで100万円程度となり、しかも昼食など自分で料理できないのでパブなどで食べる機会が増えるため、食費はフラット暮らしと同程度、もしくは下手をするとそれ以上に掛かります。節約という意味では、私は断然フラット暮らしをお勧めしますが、これも滞在都市や留学期間によってはホームステイの方が安く済むこともあります。また、ホームステイでしか得られない経験もあります。(しかしこれは逆も然りで、フラット暮らしでしか得られない経験もあります)
 ここでホームステイ、フラットの良い点・悪い点をまとめておきましょう。


ホームステイ vs フラット/住居編
ホームステイ フラット
良い点(必ず得られるもの)
・地元民の生の生活を垣間見ることができる
・食事を作る必要がない
・掃除、洗濯をする必要がない
・生活に必要な細々したものを購入する必要がない
   (寝具、ヒーターなど)
・光熱費不要
自由!
・概ね安い
・好きなものを作れる(食べられる)
・他人との対等な関係の下での共同生活体験
良い所に当たれば得られるもの
・お金に代えられない絆を築ける
・英会話の機会が増える
・冠婚葬祭や家族行事などに招待される
・近郊都市への観光
・病気の時など親身に世話をしてくれる
・対等な交友関係を築ける
・フラットメイトを通じて友達が出来る
・友達を呼んでパーティなど出来る
・英会話の機会が増える
悪い点(必ず被るもの)
・概ね高い
・自分の居場所を作るのが難しい
・生活リズムをステイ先に合わせる必要がある
・気兼ねする場面が多い
   (休日の過ごし方、入浴時間帯、洗濯など)
・ホームステイに比べて生活がだらける
・自炊や洗濯をしなければならない
・初期費用が掛かる
   (寝具など購入するため)
ハズレの所に当たった場合に被る被害報告(実例)
・子供がうるさくて家で勉強が出来なかった
・毎週末、ベビーシッターをさせられた
・苛めのような目に遭った
・英会話どころか、会話が無かった
・食事が合わず、毎日こっそり外で食べていた
・暖房を自由に使えず、毎日寒い思いをした
・フラットメイトに食料を食べられる
・フラットメイトがうるさい
・フラットメイトが片付けず家が汚い
・光熱費分担に不公平感がある


 他人が関わってくる分、良し悪しはほとんど運なので、どちらが良いとは断言できませんが、経済的なことだけに着目するならば、大抵の場合フラットが宜しいのではないかと……。


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第5章 生活費(2)〜食
 自活している間、私は比較的妥協せずに、様々な種類の調味料やスパイスを買い揃え、野菜をふんだんに使ってしっかりと料理を作り、食べたいものを食べていたので、そういう意味では平均以上に掛かっている方だと思います。しかし一方で、酒を一切飲まないので、パブに行けば通常1杯3〜5ユーロほど掛かる酒代が全く掛かっていないことや、外食をほとんどしていないということもあるので、総合的に見て平均〜平均以下の出費なのではないでしょうか。


'02/5/17〜'03/8/20 の食費(旅行中を含まず)
時期 期間 状況 食費 日平均
'02/05/17-06/28 43日 ホームステイ \16,400 EUR 140 \381 EUR 3.3
'02/06/29-07/19 21日 学生寮 \14,100 EUR 120 \671 EUR 5.7
'02/07/20-12/31 142日 フラット \76,100 EUR 645 \536 EUR 4.5
'03/01/01-08/20 193日 フラット \107,300 EUR 855 \556 EUR 4.4
合 計 399日間 \213,900 EUR 1,760 \536 EUR 4.4


 ここで分かることは、朝・夕食付きのホームステイをしている最中でも、日々ある程度の出費はあるということです。ホームステイの場合、昼食を自分で作れないため、かえって食費が掛かることさえあります。パブやレストランでサンドイッチなどを食べれば最低でも軽く4〜6ユーロしてしまいますし、スーパーなどで最も安いサンドイッチなど購入したところで、それに飲み物や果物などを合わせればやはり4ユーロほどしてしまいます。
 ホームステイ期間中、私は節約も兼ねて昼食を抜くことがままあり、上記の約140ユーロというのは、付き合いのためのパブ通いでの出費や、週末の近場観光の際のレストランでの出費などです。これも、フラット暮らしをしていればサンドイッチなど自分で用意することが出来るため、基本的に節約できるポイントです。

 第4章に記したように、住居費はホームステイが週140ユーロ、フラットが週53ユーロでしたが、ここにそれぞれ食費を加味しても、ホームステイ週163ユーロ、フラット週84ユーロで週79ユーロの差があるのです。更に光熱費を加え、この差を1年(52週間)に適用しても、年3,900ユーロの差があり、1ユーロ130円とすれば年約50万円の差となります。何度も言うように個人差や滞在都市差はありますが、一般的にはフラット生活がいかに節約生活であるかが分かると思います。


ホームステイ vs フラット/生活費編
ホームステイ フラット
住居費 EUR 140/週 EUR 53/週
食 費 EUR 3.3/日 EUR 4.4/日
光熱費 EUR 4.1/週
週平均 EUR 163/週 EUR 88/週
年合計 EUR 8,476
\1,101,900
EUR 4,576
\594,900
差 額 EUR 3,900
\507,000


 日平均の出費が最も高いのは学生寮に滞在した3週間ですが、これは中途半端に短い期間だったため、まとめ買いが出来ず、しかも初めて始めた自活で、最低線必要な調味料などを買い揃えるための初期費用が掛かってしまったという事情があります。また、この期間中はレストランに2度も行くなど贅沢もしていました。
 リムリックとエニスでのフラット暮らしでの食費を比較するとほぼ安定しているようなので、フラット生活をしている分には、食費は1日4.5ユーロほど掛かると言ってしまって良いでしょう。前述したように食べたいものを食べていましたが、コスト削減のために米は10kg、スパゲティは2kgというように大量購入を心掛け、醤油や油なども細々買わずにボトル購入していました。このような形で経費節減が出来るのが1ヶ所に長期滞在するメリットでもあります。逆に、当然のことながら滞在場所を転々とすると、その度ごとに細々とした費用がかさみます。

 追加情報として、ホームステイは週140ユーロというのは最も安い価格帯で、夏の繁盛期になれば価格は(学校にもよりますが一般的に)週180ユーロほどに跳ね上がります。一方で、フラットは地域によって平均価格が全く異なりますが、それでも大雑把な価格帯としては、安い地域で月150〜300ユーロ、ダブリンなど高い地域では月250〜500ユーロほどになります。
 魅力的な価格のフラットですが、通常半年、最低でも2ヶ月以上の滞在でない限り、部屋を借りるのは非常に難しいと思います。


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第6章 交通費
 基本的にどこの都市でも、同一市内で住宅地からシティセンターまでのバス代は約1ユーロ(約140円)、定期券などを利用すれば週12ユーロ前後、月40ユーロ前後でした。最も長くいた町エニスでは、町内はどこでも徒歩圏で、日常的にバス代は掛かりませんでしたが、航空券を購入するために最も近い都市まで行かねばならなかったり、試験を受けるために往復20ユーロも払わねばならなかったり、バスの利用回数こそ少ないのですが、金額的にはそこそこ行っています。


'02/5/16〜'03/8/20 の交通費(旅行交通代を含まず)
詳細 費用 週平均 備考
 Cork 6週間 \9,300 EUR 79 \1,550 EUR 13 ステイ先から学校までバス必須
 Galway 3週間 \2,500 EUR 22 \833 EUR 7 基本的にバス要らず
 Limerick 21週間 \15,300 EUR 130 \729 EUR 6 初期3週間フラットから学校までバス必須
後半は市街地まで行く場合バス必須
 Ennis 35週間 \9,700 EUR 78 \277 EUR 2 基本的にバス要らず
近郊都市まで行く場合バス必須
交通費合計 \36,800 EUR 309 - - -


 余りにもセコイ考えですが、1年52週間の留学として、バス通学が必須な場所に滞在した場合に掛かる費用が約680ユーロ(約9万円)と考えると、なかなか無視できない塵なのでありました。


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第7章 通信費
 基本的に、私は電話を掛けないタイプですので、これは電話をよく掛ける人には全く参考にならない項目です。


'02/5/16〜'03/8/20 の通信費
費用 備考
国際電話 \62,500 - GlobalTel($447)、現地購入の格安テレカ(EUR54)使用
国内電話 \11,800 EUR 99 主にはフラット探しの際に利用
携帯本体 \6,200 EUR 53 当時の最安機種を購入
携帯通話 \18,600 EUR 155 私はかなり使用していない方でこの金額
インターネット \20,600 EUR 166 リムリック滞在5ヶ月は無料環境あり
エニス滞在8ヶ月は無料環境及びEUR1.5/h
郵便送料 \12,600 EUR 101 ハガキ切手代から国内(1個)&国際小包(3個)、帰国便(3個)まで
合 計 \132,300 -


 滞在環境によって大きく異なる出費、インターネットについて補足説明をしておきます。
 まず、状況の詳細としては、最初の6週間コークでは、ホストファミリーの了解を得て、家の一般電話回線を利用させて頂いており、インターネットカフェはほとんど使用しませんでした。ネットカフェでは30分2ユーロ、家の電話回線を利用すれば30分0.6ユーロ――たとえ10分の使用でも週に2〜4回はメールをチェックしていた私としては、この差はかなり大きいです。
 次に3週間ゴルウェイですが、大学のコンピュータ室を無料で利用でき、更に寮には電話回線が引かれていたため、コーク滞在時同様、無料プロバイダを使って自前のノートパソコンでメールのチェックを行っていました。ほぼ毎日使っていましたが7ユーロ程度の出費でした。
 21週間リムリックでは、学校に24時間365日オープンのコンピュータ室があり、しかも学校で自分のパソコンを使用することが出来たため、インターネット利用割合は最も高かったにも関わらず、使用金額は最も少なかったと思います。リムリックでのネット利用時間を、ネットカフェで換算すれば、軽く5万円は越したことでしょう。
 最後の35週間エニスでは、1日1時間の時間制限がある図書館(日本語使用不可)、20人以上の生徒に対して1台の学校(日本語使用可)という具合に細々としたネット無料環境がありましたが、日本語メールの遣り取りにはネットカフェを利用せねばならず、今回の留学のインターネットに掛かった費用の8割程度はエニス分ではないかと思います。

 上記の詳細状況を読んでいただくと分かるように、私の今回の留学におけるインターネット環境は、行く先々で常に恵まれていたと言って良いでしょう。ですから上記金額はインターネットを充分に利用している割には、「非常に安い」ものです。
 例えば今回お世話になった語学学校の中で、唯一インターネット環境を提供していなかったコークですが、ここでも私は非常に幸運でした。通常、ホームステイ先で電話回線を利用させてもらうことは(不可能ではありませんが)難しいのが実情です。当時周囲にいた留学生で、ステイ先に電話回線の利用を尋ねて、許可を得ることが出来たのは私しかいなかったのです。
 また、大学や図書館の無料環境では、日本語は読めるが書けないというケースが多く、そうなるといくら施設が整っていても日本語メールを書く場合はある程度有料のネットカフェにお世話にならざる得ません。しかし、私の場合は自前のパソコンを持って行ったため、極力ネットカフェを使わずに過ごせた上に、家でメールの返事を書くなどして、ネットカフェの利用時間を短縮できたので、これが大きな費用削減に繋がっていると思います。

 通常の試算として、メールチェックのために週に3回、1回1時間ほどネットカフェに通うとなれば、単純計算して1年52週間で620ユーロ以上(約8万円)の出費ですので、これもなかなか馬鹿になりません。ただ、お金が掛かるようになるとネット使用を控えるようになるので、実際は出費に繋がらないかもしれませんが……。
 留学の際、パソコンを持って行くかどうかと言うのは、ライトユーザーには悩みどころかもしれませんが、上記のように経費節減策にも繋がる……かもしれません。


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第8章 保険
 1年間の海外留学保険に加入し、82,300円の出費でした。詳細は「留学準備」の第2章をご覧下さい。
 恐ろしいことに、私はこの1年の保険が切れた後、追加延長をしませんでした。正確には2003年5月16日から8月21日まで、保険に未加入の状態でアイルランドに滞在しておりました。丁度この保険が切れる間際、2003年4月頃、深刻に肺病を患ったというのに……。この無鉄砲さは何なんだ、と自覚はあるのですが、そんな私の大雑把な姿勢を援護するかのように、計3回通ったエニスの病院からは遂に請求書が来ませんでした。心電図1回、血液検査1回、レントゲン3回、診察3回。金額にして結構行っていると思うのですが……未払いで良いのでしょうか……?
 一時期「エニスの病院は無料なのかも」と思い込もうとしましたが、私より後に病院に行った人たちが次々と領収書を郵便で受け取るのを見て、「ああ、単に私は見落とされているダケなんだな」と気付きました。杜撰大国アイルランド万歳!

 ちなみに、私が神様の存在を感じるのはこんな時です、ええ。全くもって余談ですが。


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第9章 旅行費(1)〜国内
 正直な話、段々このコンテンツを充実させるのが面倒になってきました。……ので、簡単に行きます。
 国内旅行に掛かった費用は下記の表の通りです。


'02/5/16〜'03/8/20 の国内旅行費(交通費を含む)
詳細 費用 備考
 日帰り観光 11回 \18,100 EUR 152 交通費、入場料など
 宿泊観光 3回 \56,900 EUR 484 交通費、入場料、宿泊費など
交通費合計 \75,000 EUR 636 -


 せっかく交通費が安い国に来ているのだから、国内旅行もしておきたいよね、ってコトで。第3章でも述べたように、英語なんて帰国すれば失われるのです。ってコトで、永遠に残る思い出作りに力を入れてみました。


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第10章 旅行費(2)〜海外
 「その他」の中には美術館などの入場料から土産代、ハガキ&切手代まですべて込んでいます。宿泊費に関しては、ユースホステルを始めとし、出来得る限り(価格的に)最低ランクの宿に泊まっています。


ドイツ
'02/09
9日間
フランス
'02/12
9日間
スペイン
'03/03
9日間
イギリス
'03/06
8日間
スペイン+
ポルトガル

'03/07
22日間
航空券 \17,600 \16,000 \20,300 \11,000 \37,500
宿泊費 \45,300 \38,000 \22,200 \17,400 \49,000
食 費 \10,600 \19,400 \12,800 \11,200 \28,000
交通費 \24,400 \21,200 \5,800 \33,000 \48,000
その他 \17,800 \26,100 \35,600 \10,800 \16,000
合 計 \115,700 \120,700 \96,700 \83,400 \178,500
EURO EUR 964 EUR 966 EUR 741 - EUR 1,372
5回 57日間 合計 \595,000


 物価の高い国に行けば財布の紐が固くなり、物価の安い国に行けば財布の紐が緩くなる――結果的に、どこに行っても出費はそんなに変わらないのかもしれません……。私の場合、物価の高い国ではそもそも余り移動しませんでした。ま、そんなこたぁどうでもイイ。


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第11章 総括
 ご覧の通り、ヨーロッパ一物価の高いアイルランドへの留学であっても、旅行を一切しなければ1年以上、15ヶ月の滞在で、約210万円程度で収まります。


'02/5/16〜'03/8/20 の費用総括
項目 費用 備考
航空券 \159,800 帰りは行きの約半額
学 費 \907,700 43週間分、副学費含まず
生活費(1) \573,400 住居費、光熱費
生活費(2) \213,900 かなり健康に過ごした人の食費
交通費 \36,800 余りバスを使わない生活でした
通信費 \132,300 私は電話をしない部類の人間です
保 険 \82,300 1年間分のみ、延長せず
旅行費(1) \75,000 国内旅行(14回分)
旅行費(2) \595,000 海外旅行(5回分)
合 計 \2,776,200 約400日の出費合計


 この他に、娯楽費なども掛かっていますが、私のお金が掛かる娯楽と言えば映画やプールと質素なものばかりなので、月3千円程度として4〜5万円程度。その他の雑費は主に書籍やDVDがほとんどで、衣服なども最低限しか購入しなかったので、どんなに多く見積もってもその他の雑費は15万円程度だと思います。娯楽費などは日本での出費と比例するでしょうから、完全に人それぞれとなる項目でしょう。

 ――以上、留学費用の詳細でした。あ〜疲れた。


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