stay in IRELAND

愛蘭滞在記(6)〜Ennis編D


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 帰国が見え隠れするようになったアイルランド滞在。帰国を意識して改めて痛感する日本社会の息苦しさ。さてと、どうしようかなぁ……。
2003年5月1日(木)〜5月31日(土)の小見出し一覧
 5/1(木) LIDLにメロメロ  5/2(金) 日本で働くということ  5/3(土) 雨天中止と代替案
 5/4(日) 雨天中止再び  5/7(水) 愛蘭哀歌小話  5/8(木) 続・愛蘭哀歌小話
 5/10(土) アデア1日小旅行  5/12(月) 43日ぶりの回復  5/16(金) ネットパニック再び
 5/17(土) 病院再び  5/19(月) 英国旅行計画(前)  5/20(火) 英国旅行計画(中)
 5/21(水) 菓子を通して心構え  5/22(木) 取り敢えず安堵  5/23(金) 英国旅行計画(後)
 5/24(土) 蔓延する疲れ  5/25(日) エニス音楽祭  5/26(月) 帰りたくない病
 5/27(火) 嫌々帰国計画  5/28(水) 嫌々帰国日決定  5/30(金) 勢い任せのYH予約
 5/31(土) 又聞きの帰国地獄  −  −


2003年5月1日(木) LIDLにメロメロ
 かなり地域色の強い話になりますが、私個人の記録のために……。
 アイルランドには大きなスーパーが5店あります。普通にこじゃれている品数勝負の「DUNNES STORE」、アジア人に人気の安さで勝負の「TESCO」、最近勢力を伸ばしつつある質と価格のバランスで勝負の「SUPER QUEEN」、小さい都市や町に存在確率が高い「Super Value」、そして安さで大勝負の「LIDL」です。私的観点からそれぞれの特徴を述べますと以下のようになります。

DUNNES STORE 食料品から日用雑貨、衣類まで、幅広い品揃え。でも値段は高めに設定されている気がする。時々破格値の特売品が出るので、狙いを定めて利用するも良し。立地条件は各都市、各町で常に非常に良い。ほぼシティ(or タウン)センターにあると言っても過言ではない。イギリス発の店……?
TESCO 食料品から日用雑貨まで、品揃えはそこそこ良好。食品部門では DUNNES に勝るが、日用雑貨では負ける。TESCOブランドなる破格値の独自ブランドを打ち出し、熱烈な支持者を持つ。安かれ悪かれのこともあるが、そうでないことも多い。貧乏な留学生に人気のお店。またアジア人の立場から、痒い所に手が届く食材が他に比べて揃えられており、お世話になる可能性は高い。立地条件は各都市、各町で常に良い。アイルランド発の店。
SUPER QUEEN まだアイルランド全都市に浸透はしていない。エニスにはないけれど、リムリックにはある。品数も多く、目玉商品的な格安品は少なかったが、上記2店よりも品質が良く、果物などは安かった感がある。野菜や果物のばら売りが徹底しており、細かいところに手の行き届いた経営方針には好感が持てた。
SuperValue ゴルウェイにはあったがリムリックやコークにはなかった。大都市よりも町や村に広がっているのかもしれない。価格に関してはよく覚えていない。
LIDL 各都市、各町のセンターから遠ーく離れた場所にあり、品数は少ないが、とにかく安い。とにかくとにかく安い。多くの種類が大きなサイズしか売っていないので、短期滞在の留学生向きではないが、少ない量で買えるものがあればとにかくお得。上記店の50〜80%程度の価格。しかし車を持っていないとかなり辛い。ドイツ発の店。

 立地条件だけの問題で、私が利用するのは DUNNES かTESCO ですが、以前から聞いていた「LIDL は安くて品質もイイ!」という支持者たちからの熱い推薦により、本日初めて噂の LIDL に足を伸ばしてみました。
 …………この「足を伸ばす」という言葉が文字通り以上の重みを呈していると気付いたのは、友人に連れられて LIDL を目指している途中でした。
鷹瀬 「……まだ?」
友人 「まだまだ全然」

(10分後)
鷹瀬 「もう直ぐ?」
友人 「まだだな。でもあとちょっとだよ」

(5分後)
鷹瀬 「あ! あれがそう?!」
友人 「ううん。あれはただの駐車場」
鷹瀬 「……まだなの?」
友人 「あとちょっとだよー」

(5分後)
友人 「アレだよ!」
鷹瀬 「………………本当に遠いんだね……」
 タウンセンターから徒歩35分、私の家とはセンターを中心に逆方向のため、帰りは荷物を抱えた状況で約50分、荷物が重ければ約1時間の小旅行です。ただもう LIDL に着いたらすべてを忘れるほど安い安い。しかも安かれ悪かれではなく、「大元で一括大量購入しているために実現する破格値」と理由が明確なため、安心して購入することが出来ます。ドイツ発という点も安心できるポイントです。

 勢い込んで買い込んだ帰り道。お互いに7〜8kgの荷物を持っていたため、とりあえずヒッチハイクでもしてみようか……と親指を立てて笑顔を振り撒きますが、車が急に止まれる道ではなかったためか、単に止まる気がなかったのか、1台も止まってくれませんでした……。

 さて、それはさて置き、最近では慣れてしまって何とも思わなくなりましたが、当初はかなり衝撃を受け、いつか記録しておこうと思ったことをこの機会にまとめておきます。
 アイルランドのスーパーマーケットはある意味、無法地帯です。子供が鬼ごっこをしている程度は可愛いもので、例えば最新情報の LIDL で実際に見た光景ですが、子供(推定4〜5歳?)が商品のお菓子の袋を開けて勝手に食べちゃってます……。それって一種の万引きじゃ……と思うのですが、周囲に驚いた様子を見せる人間などおらず、当然警備員がやって来て……などという場面は見たことがありません。大抵は親が「駄目じゃない!」的な注意を施し、子供を引き摺って……という幕引きで終了しますが(※注:開封された袋はそのまま放置状態)、それにしたって……と初めて見たときは呆然としました。
 こういう場面に頻繁に出くわす訳ではありませんが、決して珍しいことではなく、2週間に1回くらいの割合で見ることが出来ます。また、ポテトチップスやジュースなどの商品をレジで購入する前に開封し、食べ始めてしまうケースも珍しくありません。これは子供ではなくむしろ大人がよくしています。
 ぶどうなど1粒試食するケースもチラホラ見ますが、かなりご年配のおじいちゃんが洋ナシを丸ごと1個試食していたのには度肝を抜かれました……。私が今まで見て来た中の最もダイナミックな試食でした。

 客も大雑把なら店だって大雑把です。「コレはゴミ箱? それとも売り物の棚?」というレベルの腐りかけた……というか完全に腐っている野菜や果物が陳列されているのだって珍しいことではなく、きゅうりを買おうと1本掴んだらぐにゃりとした時の衝撃は今でも忘れられません。商品が床に落ちているケースも日常茶飯事で、チョコレートやクッキーが置かれている棚に生鮮肉が置き去りにされていることだって稀ではありません。
 ただこれは時間帯によるところが大きいらしく、私がスーパーを訪れる時間帯は比較的遅い時間が多いため、こういう場面に出くわすことが多いだけで、朝早い時間に行けばキッチリと整理整頓されているようですが……。

 値札の位置は常に「大体」であり、例えば安いと思って購入したヨーグルト、実は自分の見ていた値札はまったく別の商品を指していた、なんてことも多々あります。大抵の場合、商品自体に定価が明記されていないため、値札が明確でないと非常に困るのですが、この国の文化なのか、日本がキッチリしすぎているのか、とにかく「これはいくらなの?」という基本的な疑問に頻繁に突き当たります。

 スーパーマーケットの在り方ひとつを取っても、日本はレベルが高いと言うか、きっちりし過ぎていると言うか、とにかく凄いっす。核心からズレたところで如何に完璧に近付けるかで鎬(しのぎ)を削るよりは、大体レベルで折り合いをつけて、残りのエネルギーは余暇に回す、という感じに日本の世の中がなると、皆もうちょっと余裕を持った生活が出来ると思うのですが……。これも国民性というヤツで、そうそう変えられないことなのかもしれませんがね。

【追記】
 6月に入ってから、何やら TESCO が LIDL を強烈に意識した広告を打ち出し始めました。「Why go elsewhere?」というキャッチコピーで、LIDL との価格比較リストをポスターとして貼り出し、商品値札には「TESCO EUR2.04/LIDL EUR2.05」と言うように、勝てるもののみに特別なレイアウトを施しています。お陰で、どの商品が TESCO の方が安いのか明確になり、「よーし、比較の値札が無いものはやっぱり LIDL が安いんだな」という判断材料になります。


アイルランドに押し寄せる競争社会の波

 しかし私が渡愛した当初はどこもかしこもジャンル問わずで「価格調査? 何ソレ?」と言わんばかりだったというのに、競争社会の波はアイルランドの町にまで届きつつあるんだなぁ……と、少々切なくなってしまうのでした。

【追記2】
 8月に入り、店の装いを新たにした DUNNES STORE ですが、なんと「LIDL を意識し始めた TESCO」を意識し始めた広告を打ち出し始めました。キャッチコピーは「Why pay more?」で、TESCO との商品価格比較をリスト形式にしてポスターにして貼り出し、商品値札には「DUNNES EUR1.60/TESCO EUR1.64」と言うように、勝てるもののみに特別なレイアウトを施しています……って、TESCO が LIDL にしていることをそのままそっくり真似している訳です。


本格的に押し寄せているらしい競争社会の波

 いやー……何となく……面白いの半分、憂鬱な気持ち半分と言ったところでしょうか……。


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2003年5月2日(金) 日本で働くということ
 最近では、「何をしても楽しい」というのが基本スタンスで、料理にしろヨガにしろ、その他のことにしろ、とにかく「やってみたい」という気持ちに満ち溢れています。勿論私の現状は「仕事をしていない」というかなりお気楽なもので、「そら楽しいだろうよ」というのが当たり前にも思えますが、では日本で仕事をしていなかったときにここまで爽やかな気分だったかというと、全くそんなことはなく、それどころか仕事をしていなければしていないで非常に精神状態が宜しくなく、かと言って勤め始めた後のことを考えるとブルー、そして勤めれば本格的に憂鬱という、常にアン・ハッピーな状況でした。
 話題再び。現在は仕事をしていない身ですが、ではアイルランドで仕事をしたら日本で仕事をしていた時のように憂鬱になるだろうかと考えると、そういうことはないだろうなと簡単に想像できます。まずこちらでは日本のような働き方、つまり朝から晩まで、サービス残業当たり前、休日出勤当たり前、有給年に10日程度、連続して取れる休暇は1週間がほぼMAX……が常識として通りません。働いていても自分の時間を確保することは簡単で、命を削って働いているような人は、もしかしたらいるのかもしれませんが、あくまで極々一部であり、いわゆる「普通の仕事」に就いている人間がシャカリキに働くなどということはありません。

 現在私は何事に対しても気軽に、前向きに考えることが出来ていますが、それはのんびりの国アイルランドにいるからで、日本にいた時には物理的にも精神的にもこうは行かなかったなぁ……と帰国を数ヶ月後に控えて軽くブルーになってしまいます。本当に、日本に蔓延するあの人のやる気を殺ぐ殺伐とした悲壮感はどこから生まれるものなのでしょうか。
 日本で生きていると「どうせ駄目だよ」「意味ないよ」「遅すぎるよ」「考えが甘いよ」「通用しないよ」という否定的な意見は簡単に聞くことが出来ますが……と言うより、頼んでもいないうちから仄かに芽生えた挑戦の芽を寄って集って踏み潰すように言われる訳ですが、「やってご覧よ」「何事もチャレンジだよ」「失敗したらまた挑戦すればいいよ」という励ましの言葉には現実でなかなかお目に掛かれません。
 以前、何かのドキュメンタリー番組で「ベンチャーが育たない国」という視点でアメリカとの比較の上で日本を捉えていましたが、日本のあの「30歳過ぎたらオシマイ」という風潮は心底息苦しく、これらから派生する絶望感が延いては若者たちの倦怠感、虚無感に繋がっていることは明白です。

 よくやる気(働く気)のない若者が増加していることに嘆いている人がいますが、直接的に若者の態度を嘆くのはお門違いではないかと私は思います。彼らが前向きに飛び込んで行けるほど今の日本は明るくなく、正直者が報われるシステムが確立している訳でもありません。ガツガツゴリゴリ働いて、身体を壊して結局失業というケースと、最初から働く気もなくプー太郎というケースと、言ってしまえばどちらも同程度に最低です。働き過ぎで身体を壊すなんて言うのは、結局は思考力低下による人間の自己防衛本能の麻痺から生じる結果に過ぎず、そんなことが「一生懸命」に分類別けされて美徳とされるのはクレイジーな日本だけでの話です。ヨーロッパで同じことをしたら「自分の限界を超えるほど会社に命を捧げるなんて馬鹿じゃないの?」の一言でせせら笑われる、もしくは気持ち悪がられる出来事なのです。
 稼いだお金がそのまま入院費に消えてしまう……などというケースも決して珍しくないこの国で、一体どうして前向きに「さぁ働こう!」などという気になれましょう。しかもそのゴリゴリガツガツ働いている人に限って、その状況を「当たり前」と受け入れており、周囲に会社を辞めようとする人間が現れようものなら「君みたいな人が多くなって来て、これから日本はどうなるんだか心配だよ」などと嫌味を言ってきたりするのです。

 私は何も働きたくないなどとは言っておらず、「人間的な労働時間分だけ普通に働いて、年に1ヶ月くらいの休日があれば満足です」と言っているのですが、それがそもそも常識知らずの贅沢者の言葉になってしまうのですから堪りません。
 アイルランドに来ていると、社会人のヨーロピアンで「会社を辞めて海外に勉強しに来た」などという人には滅多にお目にかかりません。皆さん会社の休暇を利用して2週間〜1ヶ月程度の留学を果たしており、逆に言うなら日本人で22歳以上でこちらに来ている人は、99%会社を辞めて来ています。日本に属している限り、「勤めながら海外留学」などはほんの一部の人を除いて夢のまた夢で、こんなところからも日本の「死ぬほど働くか、辞めるか」という極端な二者択一が伺えます。

 「働く」ということから派生して、日本というのはつくづく悲しい国だなぁ……と思わざるを得ません。皆一生懸命なのに、本当に世界を見て日本人ほど勤勉で信頼に足る国民はなかなかいないというほど基本レベルが高く、エリートに限らず裾野の能力が高いにもかかわらず、悪い方向にしか転がって行かないのは何故なのでしょう?? もう少し手を抜いて、皆が精神的にも幸せになれるように改善しようという動きが、どうしてこうも起こらないのか不思議で不思議で仕方ありません。
 それどころか、「俺たちはこの勤勉さで戦後復興して来たんだ! 資源がないこの国では人の命を燃やして社会を成り立たせるのさ!!」というある意味、見事な自虐精神が常識として蔓延しているこの事実。無駄な道路を作ったり、無駄な建造物を乱立させたりすることで生じる不自然な税金の流れには目も向けず、馬鹿正直に湯水となる税金を疑問も反発もなくせっせと払い続けると来れば、これはもう政治家天国。こんなにコントロールし易い国民もないでしょう。
 しみじみと、日本で生きて行くということに根本的な不安があります。日本で幸せになるのは物凄く難易度が高い気がしますねぇ。

 ――と、まぁディープな話を書こうと思ったのですが、最近どうにも集中力に欠けるため、今度改めてします。
 健康って素晴らしいものですね……。失って分かる有り難味……。


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2003年5月3日(土) 雨天中止と代替案
 本日、エニスから車で1時間半ほどの場所にある小さな可愛い村、アデアに行く予定でしたが、天候がかなり悪く急遽中止。友人を招いてケーキ作りに勤しんだのであります。うう……幸せ過ぎる……。


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2003年5月4日(日) 雨天中止再び
 昨日のリベンジ、本日再びアデア小旅行に臨みましたが雨天中止……。平日天気が良かったのに、何故に週末だけ天気が崩れるのでしょう……。


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2003年5月5日(月・祝) 小休憩
 本日も祝日です。
 アイルランドには毎月必ずと言っていいほど3連休が仕込まれています。小学校では2ヶ月に1度2週間の休みがあるようですし、イースター休暇、クリスマス休暇などはそれとは別扱い。ああ……なんだか優雅だなぁ……。


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2003年5月6日(火) 小休憩
 本日は2回目のヨガの日です。たった1時間半ですが気持ちいいんだこれが。


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2003年5月7日(水) 愛蘭哀歌小話
 先日、近くのパブで行われた Karan Casey という女性歌手のアイリッシュ伝統音楽(系)のコンサートで、とても気に入った歌に出合いました。歌詞はゲール語(アイルランドの古い言葉)ではなく英語だったのですが、ただでさえアップテンポのリズミカルな曲で、歌詞を聞き取ることは完全に不可能だったので、メロディラインだけを覚えていて、フンフン♪と鼻歌で楽しんでおりました。
 しかしこのコンサートでCDを購入した友人に、本日改めてCDを貸して貰い、そのCDの中にお気に入りの上記の曲を見付け、改めて「これは自ら歌ってみたい!」という強い思いに駆られます。そして「ヨシ、歌詞を覚えよう!」と歌詞カードを確認すると……タイトルの「The Ballad of Tim Evans」からは推測も出来なかった物語が展開されていたのでありました……。


The Ballad of Tim Evans

Tim Evans was a prisoner
Down in his prison cell
And those who read about his crimes
Condemned his soul to hell
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

For the killing of his own dear wife
And the murder of his child
The jury found him guilty
The hangin' judge, he smiled
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

They took Tim Evans from the dock
And they led him to his cell
They closed the door behind his back
Saying "damn your soul to hell"
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

Tim Evans pleaded innocent
He swore by Him on high
He never killed his own dear wife
Nor caused his child to die
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

Tim Evans walked around the yard
Some screws, they walked behind
He saw the sky above the wall
He knew no peace of mind
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

The governor came to his cell
The chaplain by his side
Saying, "Your appeal has been turned down
Prepare yourself to die"
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

They took Tim Evans to the place
Where the hangman did prepare
They tied a rope around his neck
With a knot behind his ear
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

A thousand lads were screaming
And cursing at the doors
Tim Evans didn't hear them
He was deaf forever more
Sayin', "Go down, you murderer, go down"

They sent Tim Evans to the dock
For a crime he didn't do
It's Christy was the muederer
The judge and jury too
Sayin', "Go down, you murderer, go down"



ティム・エヴァンスの物語

ティム・エヴァンスは囚人
彼は刑務所にいた
彼の罪状を読んだ人々から
地獄行きを宣告された
「地獄に落ちろ、殺人者め」

彼の愛しの妻と
子供を殺したとして
陪審は彼に有罪判決を下した
絞首刑を下した裁判官は笑って言った
「地獄に落ちろ、殺人者め」

彼らはティム・エヴァンスを
被告席から牢屋へと送った
彼らは彼の背後で扉を閉めて言った
「貴様の魂は地獄行きだ」
「地獄に落ちろ、殺人者め」

ティム・エヴァンスは無実を訴えた
彼は神に誓った
彼は愛しの妻も
子供も決して殺してはいないと
「地獄に落ちろ、殺人者め」

ティム・エヴァンスは所内を歩いた
数人の看守がその後を歩いた
彼は壁の上の空を見上げた
彼は心の平安はないと知った
「地獄に落ちろ、殺人者め」

父親が彼の独房に来た
彼サイドの牧師は言った
「あなたの上訴は却下されました
死への準備をしなさい」
「地獄に落ちろ、殺人者め」

彼らはティム・エヴァンスを
絞首刑を行う場所に連れて行った
彼らはロープを彼の首に巻きつけ
結び目を耳の後ろに回した
「地獄に落ちろ、殺人者め」

大勢の野次馬が悲鳴をあげ
罵っていた
ティム・エヴァンスは何も聞こえなかった
彼はもはや未来永劫聞くことはなかった
「地獄に落ちろ、殺人者め」

彼らはティム・エヴァンスを
無実の罪で被告席に送った
殺人者はクリスティだった
裁判官と陪審員も殺人者だった
「地獄に落ちろ、殺人者め」



 ……………………無実の罪で殺されてしまった人の物語だったんですね……。「Ballad」って英和辞典で調べると「素朴で感傷的なラブソング」なんて意味もあるのですが、どう見てもこの歌詞はソレではないので、「素朴な民間伝承の物語詩」という方を尊重し、タイトルは「ティム・エヴァンスの物語」にしてみました……。英訳は当然所々おかしな点もありましょうが、英語に問題がない人は原文を読んで理解してください。
 しかしコンサート会場で聞いた時には歌詞内容が全く分からなかったため、特に「Go down, you murderer, go down」の部分はイイ感じのサビにノリノリで鼻歌を歌っていたのですが、よもや自分が「地獄に落ちろ、殺人者め」と繰り返しているとは知りませんでした……。いやぁ……。

 アイルランドの伝統音楽は、メロディラインもどこか明るくなり切らない、切なさを含んだ旋律が多く、そこが好きな要素でもあるのですが、歌詞をよくよく聞いてみると驚くほど暗い内容ということがしばしばあります。すべての歌詞をキッチリと読んでいる訳ではないので何とも言えませんが、この「The Ballad of Tim Evans」ほど悲惨な歌詞は稀にしても、他の歌の聞き取れる単語の中に「dark sky」やら「down」やら「black」やら、何やらネガティブなものが散りばめられています。
 実際この国はかなり悲惨な歴史を持っており、今でこそ国民は慎ましくも裕福な暮らしをしていますが、ほんの数十年前まで本格的に貧しかったと聞いたことがあります。そのような土台がこういったもの悲しい旋律を築き上げるのでしょうか……。


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2003年5月8日(木) 続・愛蘭哀歌小話
 昨日思いっきり暗いアイルランドの歌を紹介したばかりですが、折りしも本日、図書館で借りたCDの中に気に入ったメロディラインの歌を見つけ、よくよく歌詞を見てみたら再びどっぷり暗かったので、紹介しておきます。今回の歌は和訳しにくかったので、所々変かもしれませんが、興味がある方は原文を見て自分で解釈してください。
 伝統音楽の分野で有名な「altan」というグループのアルバムからです。


Daily Growing

The trees they grow high, the leaves they do grow green,
Many is the time my true love I've seen,
Many an hour I have watched him all alone,
He's young but he's daily growing.

Father, dear father, you've done me great wrong,
You have married me to a boy who is too young,
I am twice twelve and he is but fourteen,
He's young but he's daily growing.

Daughter, dear daughter, I've done you no wrong,
I have married you to a great lord's son,
He will be a man for you when I am dead and gone,
He's young but he's daily growing.

Father, dear father, if you see fit,
We'll send him to college for another year yet,
I'll tie a blue ribbon all around his head,
To let the maidens know that he is married.

One day I was looking over my father's castle wall,
I spied all the boys playing with a ball,
And my own true love was the flower of them all,
He's young but he's daily growing.

And so early in the morning at the dawning of the day,
They went into a hayfield to have some sport and play,
And what they did there she never would declare,
But she never more complained of his growing.

At the age of fourteen he was a married man,
At the age of fifteen the father of my son,
At the age of sixteen his grave it was green,
And death had put an end to his growing.

I'll buy my love some flannel, I'll make my love a shroud,
With ever stitch I put in it, the tears they will pour down,
With ever stitch I put in it, how the tears they will flow,
Cruel fate has put an end to his growing.



日々成長している

木々は育ち、葉は緑になります。
(上手く訳せず)
多くの時間、私はずっと独りで彼を見ていました。
彼は若いけれど、日々成長しています。

親愛なる父さん。あなたはとんでもない間違いをしました。
あなたは私を若すぎる少年と結婚させました。
私は12の2倍の年で、彼は14歳。
彼は若いけれど、日々成長しています。

親愛なる娘よ。私がお前にしたことは何も間違っていない。
私はお前を偉大なる領主の息子と結婚させた。
彼はいずれ私が死に去った時にお前のためになるだろう。
彼は若いけれど、日々成長している。

親愛なる父さん。もしあなたが妥当だと思うなら、
私たちは彼を大学にもう1年間通わせないと。
私は彼の頭に青いリボンを結ぶでしょう。
少女たちに彼が既婚だと知らせるために。

ある日、私は父の城の壁越しに
少年たちがボール遊びをするのを見ていました。
そして私の愛しい人は少年たちの中の華でした。
彼は若いけれど、日々成長しています。

早朝、夜明けに
彼らは遊ぶために草むらに行きました。
彼らがそこでしたことを、彼女は決して明かさないでしょう。
しかし彼女は決して彼の成長を咎めたりしません。

14歳の時、彼は既婚の男になりました。
15歳の時、私の息子の父になり
16歳の時、彼の墓は緑で覆われました。
死が彼の成長を止めたのです。

私は愛しい彼のためにフランネルを買い、白布を作るでしょう。
縫う度に、涙が零れ落ち
縫う度に、どれだけの涙が零れ落ちるでしょう。
残酷な運命が彼の成長を止めたのです。



 ……うう……なんでこう暗いんでしょう……。


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2003年5月9日(金) 小休憩
 先週天候不良のため諦めたアデア小旅行ですが、今回は数日前からレンタカーの予約を入れ、今週末には天気にかかわらず何が何でも行こう!と計画していました。しかし昨日、学校の先生からこんな不吉なお言葉を……。
「今週末はかなり天気が悪いみたいよ。特に土曜日は最悪って天気予報で言っていたわ」
 …………アイルランドの天気予報なんか当てにならないモン……。


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2003年5月10日(土) アデア1日小旅行
 朝から天候は不安定でした。晴れ間が広がったかと思うといきなり大雨、空を見れば真っ黒。これは……と怯みかけると再び晴れ間が広がり太陽が眩しい……。そんなことの繰り返しです。
 雨が多いというイメージがあるアイルランドですが、ここ数年は地球温暖化の影響か、「アイルランドらしからぬ快晴」が多いそうです。喜んでイイのやら悲しんでいいのやら微妙なところではありますが、そうでなくてもアイルランドは「1日中雨が降り続いている」ということは実は珍しいのです。1日のうちで必ず雨は降りますが、逆に言うなら必ず晴れ間は覗きます。

 と、言うことで本日、進行方向を見るとイイ感じに晴れ間が広がって「来て良かったねー」などとルンルンですが、背後を見るとドス黒い地獄を彷彿とさせるような雲が広がっており、「逃げろー」とばかりに絶景の続く道を直走りに走ったり。アップテンポなアイリッシュ伝統音楽を掛けて、車内はノリノリ。ああ、たかだか車で30分ほど走らせただけで目の前に広がる雄大な景色……いいなぁ……エニスに家を買うといくら位なんだろう……。
友人 「以前ホストファーザーに聞いたことがあるんだけど、エニスくらいの町で大体平均で『two handred thousand euro』って言ってたよ」
鷹瀬 「2ハンドレッド、サウザンドってことは、200に0を3つ加えるんだから……20万でしょ。20万ユーロってことは……今なら2600万円ってこと?」
友人 「安くない? それであの家でしょ? あの広い庭でしょ? 2階建てでしょ?!」
鷹瀬 「買えるんじゃない? 夢じゃないんじゃない?! 皆でお金出し合って買ってさー、年間で数ヶ月ずつ使うとかどうよ? シェアフラットみたいにしても良いし」
友人 「いいねぇ!」
 気持ちが昂揚しているため白昼夢は留まるところを知りません……。実際、その後再び先生に家の購入に関して質問したところ、住民もしくはこちらで会社を興すなど、特殊なVISAを持っていない人間は家は購入できないのでは、という話になりました。しかし安い家なら1千万円で買えるとのことで、夢は膨らみます。東京にいたら庭付き一戸建てなんて夢のまた夢ですから……。

 そんな訳で白昼夢が絡みつつ、大自然を満喫し、お手軽な幸せにどっぷりと浸った1日だったのであります。そんな桃色の思い出写真集はこちらこちら


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2003年5月11日(日) 小休憩
 昨日の余韻に浸りながら、まったりと1日を過ごしました。


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2003年5月12日(月) 43日ぶりの回復
 図書館の無料インターネットが私の知る限り最低でも43日ぶりに復旧しました。今までネットカフェに流れに流れていた住民たちが一斉に図書館に舞い戻ってきます。ネットカフェにとっては冬の時代到来ですが、漸く私たちに春がやって来た……という感じです。


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2003年5月13日(火) 小休憩
 本日はヨガの日です。
 ヨガ自体も楽しんでいるものの、帰り道を車で送って下さる先生の父上との交流も仄かな楽しみであります。定年して暇を持て余しているらしいこの方、典型的なアイリッシュといった風情で、お話大好き、サービス精神旺盛。今日はエニス郊外まで2時間のドライブに繰り出してくれました。日が長くなっているため22時頃まで明るく、目一杯楽しんだエニス郊外ドライブ。


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2003年5月14日(水) 小休憩
 図書館のネットが回復したことで、そろそろ帰りのチケットを押えなくては……とサーチするのですが、いかんせん心は帰りたくないものですから、お得意のネットサーチにも切れがありません。


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2003年5月15日(木) 小休憩
 本日もつつがなくまったりと1日を過ごしました。ああ……帰りたくない……。


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2003年5月16日(金) ネットパニック再び
 今週月曜日に43日ぶりに復旧した図書館の無料インターネットですが、本日まさに私が使用している最中15時25分に再び全マシンがぶっ壊れました……。たった5日間の儚い回復劇、陽炎並みの命……。これでまたネットカフェ春の時代がやって来る訳ですね。ってか、これってもしかしてネットカフェの陰謀……?

【追記】
 今回は19(月)に無事回復しました。


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2003年5月17日(土) 病院再び
 4月初めから長らく患ってきた風邪ですが、咳はほぼ治まり、出ても1日に2〜3回ほどで、未だに胸に微かな痛みはあるものの、順調と言っても過言ではなく、嬉し恥ずかし健康の仲間入りを果たしつつあったうららかな休日――悪夢は再び唐突にやって来たのであります……。

 13時、遅めの昼食を作っている時、ふと勢いよくくしゃみをしたと同時に聞こえた肋骨のゴキッという音と微かな衝撃……そして同時に常に常に仄かに痛かった左胸鳩尾辺りに走る激痛。音が音だっただけに、「何もしかして肋骨ズレた? ってか、ヒビでも入ったっ?!」と瞬時に思いました。そのくらい痛い痛い……もう並みの痛さではありません。余りの痛さに背筋を伸ばせず、うう……と前屈みになりつつ呻き声を上げ、暫くじっとしてみます。咳をして骨が折れるなんてお婆ちゃんみたいだ……と侘び寂び感情も極まりつつ、現状打破のためにもがき苦しみの素人療法炸裂です。

 とにかく肋骨から聞こえた音が余りにも明確だったため、骨がズレたのだと思い、早速試す危険な素人療法。ストレッチをしてどうにか骨が元の位置に戻らないかと、胸を反らし、身体を捻り、と繰り返してみますが、痛いばかりでどうにもならず。そう言えば諸悪の根源のこの風邪が悪化したのも素人療法のせいだったっけ……と初歩的なミステイクに気付き、ふて寝を決め込む13時20分。
 とりあえず横になって様子を見て見て、状況が良くならないようなら病院に行こう……とベッドに横にな……ろうと思うとこれがまた激痛。身体を横たえるだけでヒィヒィ言いつつ、家庭の医学に思いを馳せます。今ならば日本時間は21時20分、なかなか良い時間ではありませんか。明日まで耐えられるか自分に自信がなかったので、速攻で実家にヘルプを求めます。遠く離れた親に心配は掛けたくありませんが、アイルランドのお医者さんを信用できるほど私も豪胆になれません。小心者結構、とりあえず赤本「家庭の医学」様様なのです。
 そして赤本先生のご回答ですが……。
「背中と胸を同時に押してみて、痛みが走るところが骨折している可能性あり」
「軟骨にヒビが入っているケースなどは素人判断は難しいため、病院に行くこと」

 ………………明日まで様子を見て、それでも症状が良くなっていないようなら病院に行こうかな……と思い、とりあえずベッドから起き上がってみようとすると、これが先程10分前の痛みを軽く上回る深刻な痛みが今度は上半身全体に広がっているではありませんか。痛ぇのなんのって、痛ぇ。こらもう大人しく病院に行こうっと。病院通いも慣れたものです。
 大家さんに助けを求めようかな……とも思いましたが、肋骨の骨折、もしくはヒビ程度ならそんなに深刻ではないし、病院に独りで行くのも初めてのことではありません。痛みが酷い割に、気持ち的に余り深刻でないのは、スノーボードをしている人から「肋骨とかよく折るよ。肋骨の骨折とかはもう病院に行ってもどうしようもないんだよね。ただ骨が治るのを普通に生活して待つだけ」という情報を聞いたことがあったからで、とりあえず骨折なのかヒビなのか、それとも単なる痛みなのかの状況把握だけしておこうと、徒歩で歩いて30分の距離にある病院を目指します。

 お馴染みになった病院ですが、行く度に違うお医者さんに看て貰うため、対応も新鮮です。そんな中、看護婦さんは毎回同じで、「ハーイ、また来たの? 今度はどうしたの?」と徐々に親しくなって行く現実に、ああ私もうこの病院に3回も来ているのねーと感慨一入。
 体温と血圧を測ってから車椅子に乗せられて胸部レントゲン撮影室まで連れて行かれました。「歩けます」と主張してみましたが、遠慮しないでと半ば無理矢理乗せられた車椅子。ある意味、念願の車椅子でもあります。今度この病院にお世話になるときは救急車(無料)に挑戦したい……などと夢見つつ、レントゲン結果を待ちます。
 私的に肋骨に異常があるのではと疑っていたため、レントゲン撮影医師から渡されたレントゲン写真を担当医に渡す前に自分で勝手にチェックしていると、廊下を行き交うお医者さんたちが面白がって声を掛けて行きます。
医者A 「自分で診察してるのかい? 好奇心が強いね」
鷹瀬 「骨にヒビが入ったと思ったんですけど、異常が見付からないんですよ。コレってどっちが左ですか? 左の鳩尾付近の骨が痛いんですけど、それってどこになります?」
医者B 「この『L』っていうマークが左だから、この写真は正しくはこう見るんだよ」
鷹瀬 「ここら辺にヒビが入っていると思うんですけど……何も異常はないみたいに見えますね」
医者A 「異常が見付かって欲しいみたいな言い方だね」
鷹瀬 「だって痛いんですよ、そらもう」
医者B 「筋肉痛ってこともありえるよ」
鷹瀬 「え〜……でも物凄く痛いんですよ……」
医者A 「OK、君のために Finger Cross しておくよ」(※注:finger cross とは日本のエンガチョの指ポーズで、アイルランドでは日常的に「幸運を祈る」という意味で使われています)
 いちいちの場面でこういう軽い遣り取りが楽しめるのがアイルランドの良い所でもあります。
 そしていよいよ担当医による診断ですが……
担当医 「骨に異常はありません。肺にも異常はないので、恐らく筋肉痛でしょう。痛み止めを出しますので、それを数日使ってみて、状況が良くならないようならまた来てください」
 ………………筋肉痛? この痛みが?? 座ったり立ったりするだけでも身が竦むほど痛いんですけど……。本当なのかなぁ……。筋肉痛ってこんなに突然起こるものなのかなぁ……。かなり明確な音を聞いたと思ったのですが、ではあれは何だったのでしょう……やはりどこか心配……。
 骨の音のことや痛みが突然起こったことも話したのですが、その結果得られた回答が上記なので、もう信じるしかありません。そう言えば前回、やはり医者の回答に疑いを持った時にお世話になったロンドン在住の日本人医師も言っていましたっけ。(※詳細は4月22日参照)
日本人医師 「今はアイルランドにいるんですか? エニス? はぁ……じゃあもうそこのお医者さんを信用するしかないでしょう」
 そう、信用するしかない。信用するしかないのです。病は気から。気持ちさえスッキリすれば……スッキリ……スッキリ……しないなぁ……。早く健康になりたいものです。
 そんな私にお馴染みになった看護婦さんからのこんなサヨナラのお言葉。
看護婦 「Maybe I'll see you again! Good-bye, take care!」
 ……アナタ、思いっ切り爽やか笑顔でそんな恐い台詞を……。ああ早く健康になりたい……。


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2003年5月18日(日) 小休憩
 だって立派な病人ですもの。大人しく1日まったりと過ごしていました。


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2003年5月19日(月) 英国旅行計画(前)
 通貨がユーロでないために、常に旅行先として敬遠してきた近くて遠い国イギリス――留学終了を間近に控え、ついに紳士の国に向かうべく重い腰を上げることにしました。正直な話、英国に興味は全くありませんが、日本から渡航しようと思うと価格的にも時間的にも苦しいこの国が、アイルランドからならほんの1時間、交通費だって国内旅行並みです。これは行っておくしかないでしょう。
 そうと決まれば善は急げ。いつもいつもいつもいつも場当たり的に打ち立てて来た旅行計画ですが、今回だってその法則に則って、1ヶ月を切ったこの時期に何の計画も立てずに格安飛行機 RYANAIR のサイトを訪れます。RYANAIR を使用するにあたって、エニスから最も近いシャノン空港から行けるユーロの通用するEU諸国(ドイツ、フランス、スペイン)には行き尽くしてしまったので、最後の選択肢ということでイギリスを選ばざるを得なかったという理由もあります。

 神様の計らいか単なる偶然か、折りしも RYANAIR はバーゲン期間、21(水)までは料金格安とのこと。よっしゃこの3日ですべてのチケットを押えましょうとも。ま、RYANAIR のバーゲンは表示価格が魅力的でも税金や空港使用税など加えて行くと最終的には軽く表示価格の倍額になることがあるので余り喜ぶ訳にも行きませんが、日本からならば格安でも6万円程度はかかると思うので、5ユーロか25ユーロかという価格差でガタガタ言うのは止めようと思い、やはり「行くったら行く」という方向で気持ちを固めて行きます。

 今まで旅行をした他の国々と違って、イギリスは特に行きたいと思う都市が思い浮かばなかったため、1度やってみたかった列車の旅をすることにしました。そうなると安直に「鉄道パスが必要なんじゃ……」と思う訳で、やはり安直に旅人のバイブル「地球の歩き方」で調べると、「ユーレイルパス」「ブリットレイルパス」「ブリットフレキシーパス」なるものが用意されていることが分かります。
 これらのパス、大抵の国では使いまくらないと元が取れないケースが多いようですが、イギリスの場合は物価が高いので、通常は元が取れるというのが旅人たちの定説です。数ヶ国周遊するなら「ユーレイルパス」がお得だと聞いたことがありますが、そもそもイギリスはこの利用区域に入っておらず、しかもこのパスは原則的にヨーロッパでは購入できないので却下。ではイギリスとスコットランドのみを縦横無尽に走り行く今度の旅に打って付けなのは「ブリットレイルパス」か「ブリットフレキシーパス」なのか……と思い、早速「地球の歩き方」のWebサイト アルキカタ・ドット・コム にて申し込みをしようと申し込みページを開くと、そんな私の逸る気持ちを鎮火させるかのように、太文字でこんな注意書きが……。
【ご注意】海外在住の方はお申込みいただけません
 ………………拒絶ってどんな種類でも傷付くものですね……じゃなくって。えーなんで海外在住じゃ申し込みできないのさー。大体どうやって私が海外在住かどうか分かるんだよー。母さんか友達に頼んで申し込んじゃえば分かりゃしな……と極々普通の企みを持つ私を打ちのめすかのように、やはりこんな注意書きが……。
【海外在住の方のお申込みについて】
当社でご旅行の手配を承るのは、日本国内在住の方のみとさせていただいております。 また、日本にお住まいのご家族・知人等を介しての手配のご依頼もお受けしておりません
上記は当社の営業方針に基づく判断です。何とぞ悪しからずご了承の程お願い申し上げます。

 ………………って言うか、インターネットかFAXで申し込みが可能なのに、どうやって依頼なのか本人なのかを見分けるのでしょうか……? そして何故こんなに厳重に海外在住の日本人からの申し込みを拒絶するのでしょう……?? 理由がよく分かりません。
 プロキシを通してインターネットから申し込むも良し、母か友人に頼んで申し込んで貰うも良し、どう転んでも購入できる気はしましたが、何となく面倒になってしまうのが人情というもの。他に手はないかとアイルランドにある旅行代理店に赴き、「イギリスで使用できる鉄道パスみたいなものはありますか?」と尋ねると、そこはアイルランド、「駅に行って聞いてみて」というたらい回しの序章を早速繰り広げて下さいます。
 ああもういいさ、たらい回すがいいさ、と半ばヤケっぱちに駅に赴くと、窓口は「Closed」……。はは……よくよく時間を確認すればもう17時半か……そら働く気はないわな。すまんすまん。つい日本人なんで、君たちの勤務感覚を忘れちゃうんだよネ。

 このような経緯を経て本日再び駅に訪れたのですが、駅員がいても事態は大して変わらないというアイルランドの法則を思い知らされたこの遣り取り、明確に記録しておきましょう。
駅員 「あなたの言う『ブリットレイルパス』というのは分からないけれど、多分同じようなもので『インターレイルパス』というのがあるわ。区域を選んで使うパスみたいよ。ハイ、これがパンフレット」
鷹瀬 「ありがとうございます。――なるほど、区域が国別でAからHまで選べるんですね。私が購入したいタイプはこの 『Zone A』になると思うんですけど、対象国が『Great Britain, Northern Ireland, Republic of Ireland』とあるのは、スコットランドも含まれますよね?」
駅員 「そうは思わないわ
鷹瀬 「え……でも普通、『Great Britain』って言ったらスコットランドも含まれませんか?」
駅員 「私はそう思わないわよ。ちょっと待って、今、センターに問い合わせてみるから」
(電話中)
駅員 「大丈夫みたいよ。『Zone A』はスコットランドも含まれているわ」
鷹瀬 「……そうですか。えーと、このパスで使用できる鉄道っていうのは、イギリス国内の鉄道すべてを指すんですか? それとも国鉄や私鉄といった区別があって、使えない鉄道もあるんですか?」
駅員 「さあ? そのパンフレットに書いてない?」
鷹瀬 「……書いてませんけど……」
駅員 「多分使えると思うわよ?」
鷹瀬 「…………ありがとうございます。取り敢えずネットで調べてから申し込みますね」
駅員 「そうね。バーイ」
 ……く……これぞアイルランド、役に立たないったらありゃしない。
 信じられるのは自分だけさ、とばかりに Inter Rail のWebサイトで詳細を調べてもイマイチよく分からず、友人たちからの情報に頼ります。
 ヨーロッパに半年以上住居している人であれば購入できる恐らく最もお得な鉄道パスで、1週間以上イギリスに行くならばほぼ確実に元が取れるとのことで、このインターレイルパスの購入を決意したところで本日は過ぎて行ったのであります。


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2003年5月20日(火) 英国旅行計画(中)
 例によって例の如く、場当たり的に、乱暴に決定したイギリス旅行(スコットランドを含む)ですが、取り敢えずイギリス国内の移動手段に対するチケットはインターレイルパス(248ユーロ/12日間有効)を利用しようと決意しましたが、この鉄道パス、アイルランド一大きな町エニスでは申し込むことが出来ず、リムリック鉄道駅までわざわざ申し込みに行かなければならないとのこと。取り敢えず即日発行できることまでは確認が取れたので、今週末にでもリムリックまでこのパスの申し込みに行くか……と徐々に旅行計画の外郭が明確になって行きます。

 さて、そうなるとお次はメインでもある航空券を押えなければなりません。
 インターレイルパスを使う今、イギリス&アイルランド国内の鉄道料金は無料も同然。イギリスに行って、アイルランドに帰って来ることが出来れば良い、ということで、最も安い経路を選びます。行きの「シャノン→ロンドン・スタンステッド/19.99ユーロ」は簡単に格安チケットを見付けることが出来ましたが、値段を決め手にしつつ帰りの経路を探すと、なかなか良いチケットが見付かりません。そんな中、漸く見つけた格安チケットは「エジンバラ→ダブリン/4.99ポンド」でした。


大雑把な地図
「Shannon→London」と飛んで、鉄道をフルに使った英国旅行をし、スコットランドから
「Edinburgh→Dublin」と飛んで、「Dublin→Ennis」と鉄道を使って帰ってこようかと……。


 上記地図をご覧になっていただくと分かり易いかと思いますが、首都ダブリンから私の住むエニスまでバスで4時間35分、電車で3時間30分……最近めっきり健康に対する自信を失ったワタシク、体力的に厳しい気もしますが、インターレイルパスがあれば価格的には厳しくない……。航空券は安いに越したことがありません。
 よっしゃそろそろ腹を括ったろか、と黙々とネット上で申込手続きを進めて行くと、行きの「シャノン→ロンドン・スタンステッド」は押える事ができましたが、帰りの「エジンバラ→ダブリン」の申し込みの際、最終確認ボタンを押した段階で「Sorry」の文字が……。「ただいま大変混み合っておりますので、暫くしてからサイド申し込んでください」と拒絶されてしまいました。
 こう言ったことはネット上の申し込みでは珍しくはありませんが、RYANAIR の申込画面では初めてのことです。1分ほど待ってから再度申し込みの手続きを開始すると……数分前には確かに「4.99ポンド」だった価格が、同じ日程、同じ経路、つまり全く同じ飛行機にも関わらず「14.99ポンド」に値上がりしているではありませんかっ! たった数分の間に一体何が……?!
 考えられることとしては、申し込みの殺到に RYANAIR 側が優位に立ち、値段の吊り上げを開始したのかもしれません。このまま待って様子を見た方が良いのか、それともこの先価格はグングン上昇してしまうのか……。10ポンドと言えば1900円相当です。思い切って申し込んでしまうべきか、暫く様子を見るべきか……。
 数分悩んでみましたが、やはり今日中にケリをつけた方がイイかも……と思い、「14.99ポンド」で入札(←気分的に……)することにしたのであります。

 最終結果の報告を兼ねて、表示価格と税を加算した実際の価格を明記しておきましょう。
11(水) Shannon → London 表示価格19.99ユーロ → 税込価格37.65ユーロ(約5,000円)
18(水) Edinburgh → Dublin 表示価格14.99ポンド → 税込価格29.85ポンド(約5,700円)

 勿論日本から行くより格段に安いのですが、つい「あーあ、もっと安い時があるだろうに……。この前だったら1ユーロでイギリスまで行けたのにー……」と勿体無い感も高まります。株にはまっている人は、こういう気持ちの繰り返しなのでしょうね。健康に悪そうだ……。

【追記】
 翌日、何気なく「エジンバラ→ダブリン」の同じ日程の飛行機の価格を再確認すると、どういう訳か大バーゲンが再度行われており、私が14.99ポンドで購入したチケットが0.01ポンドで売り出されていました……。約15ポンドの損……。日頃「あっちのスーパーではリンゴが1ユーロ安かった」「特売で50セント安かった」などとささやかな節約に励んでいても、たった一瞬のボタン操作で15ポンド損してたら意味ないじゃないかぁーっ! くっそ〜〜〜 RYANAIR め〜〜〜〜っっっ!!
 このことのせいで丸3日間ブルーでした……。「15ポンド」という数字が長いこと頭から離れなくて……。人間関係のストレスには比較的強くても、浪費にはトコトン弱々な私……。お金持ちってどんな気分なのかなぁ……。


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2003年5月21日(水) 菓子を通して心構え
 別になんてコトはないのですが、アイルランド……というか、どこの国でも日本に勝るお菓子の質や種類を誇る国はなかなかありません。「食」という分野に関して、日本はとにかくレベルが高く、私的には「世界随一」の称号を与えてしまってもいいのでは……と思うことも少なくありません。
 目下の現実、アイルランドに話を戻しますが、アイルランドでお菓子と言うと、大雑把に言ってビスケットかチョコレートしかありません。それもメーカーが違うだけで似たような種類ばかり、早々に飽きてしまうというのは私だけの意見ではなく一般論です。数少ない種類の中から美味しいものを選ぼうと思うと、結局毎回同じようなものに手を伸ばすことになり、たまには変わったものを食べたいという欲求は募るばかり……。だからと言って試してみたいと思う魅力的な商品がある訳でもなく、欲求不満もいいところです。
 そんな中、何を食べても外れがないと評判のメーカー「Fox's」が、初めて見るパッケージの心くすぐる商品を売り出しているのを発見しました。


心くすぐる商品写真(約270円)

 2ユーロ……安くはないが高くもない。試してみる価値はありそうです。中に入っているのはイチゴとパイナップルか何かかしら? クリームは何味? ホイップクリームよりもヨーグルト風味の方が好みなんだけどなぁ……。ま、食べれば分かることよね。
 もうお分かりのようにルンルンです。購入して店を出ると同時に1つ摘まんでみようと思い、逸る気持ちを抑えつつ箱を開けると、中から現れたのは予想もしていなかったお菓子だったのであります。


どこからどう見ても空洞……「話が違う」と大評判

 ………………え……? パッケージの商品写真と大分違うモノに見えるんですけど……。何コレ、中身のクリームは自分で作れって? 自分で作って詰めろって?!? コノヤロウ、そりゃないゼ!! めっちゃ楽しみにしてたのにっ!! 詐欺じゃん!!
 ――ご理解いただけますかね、私のこの憤慨が。(いや、正確には大ウケしていたのですが……) 楽しみに楽しみに楽しみにしていて、普段はぐっと我慢する2ユーロという大金をはたいて購入したウキウキの贅沢嗜好品が「お前こんなのタダでも食わねぇよ!」と突っ込みたくなるようなシロモノだった暁の小市民の感情が……っ!

 怒り(……勢い?)に任せてそのまま店に引き返し、返品を迫ろうとする私の一欠けらの理性がパッケージの再確認を迫ります。どこかパッケージに「外側のみ」のような注意書きがあったのかもしれません。英語が不自由な者特有のミステイクなのかもしれません。
 落ち着いてトーコ。
 取り敢えず、この商品名を確認します。「BRANDY SNAPS」――辞書で snap を調べると、「4◆[C] [料理名には [U]] [通例複合語をなして] 薄くてもろいクッキー」とありますが、それにしたって……と怒り(正確には笑い)が収まらない私の目に飛び込んできたのは小さな小さな真実の商品写真……。


詐欺的商品紹介写真とその拡大図

 …………汚ぇ……。
 もー、こーゆー詐欺まがいのことをする国はドコよー。アイルランドかー? それとも輸入品ー?!


発売国

 ………………紳士の国だと思っていましたが、そうでもないみたいですね。今度の英国旅行の前に、イイ感じに心構えが出来そうです。良かった良かった。

【追記】
 食べてみたらこれまたマズイの何のって、マズイっ! いやもう本当にイイ心構えが出来そうで……。


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2003年5月22日(木) 取り敢えず安堵
 2ヶ月以上前……正確には3月14日、15日の試験結果が、本日返って来ました。
 3月15日の日記では
 まぁ受かれば受かるに越したことはないのですが、この試験が私の人生を左右することは皆無なので、大事なのは結果ではなく過程――そう、この試験のために本当に(私にしては)よく勉強したので、マいっか、ってことで。(略)
 何はともあれ結果が返ってくるのは2ヶ月後……その頃にはこのテストがあったこと自体忘れていそうですが……。受かれば御の字、落ちれば残念ってなカンジで受け止めることが出来そうです。

などと強がっていますが、やはり心弱々な小市民ですもの……落ちたら悲しいな、って。受かったら嬉しいな、って。
 そして本日嬉し恥ずかしの結果が返ってきたのであります。結果、ギリギリ合格。良かった……本当に良かった……ギリギリでも何でもいいがな。嬉しいがな。
 しかし私の予想と現実が結構食い違っており、特に Reading に関して意外感が強い結果だったのであります。
普段: Grammer > Writing > Reading > Speaking > Listening
予想: Grammar > Reading > Speaking > Writing > Listening
実際: Grammar > Speaking > Listening > Writing > Reading

 ああでも何にせよ、取り敢えず明確な成果が得られて良かった良かった。

 最近、RYANAIR のチケット予約の際にほんの一瞬の判断ミスで15ポンド損してみたり(詳細は20日参照)、期待して購入したお菓子に失望させられたり(詳細は21日参照)とささやかな憂鬱が祟っていたので、少し浮上できそうです。


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2003年5月23日(金) 英国旅行計画(後)
 19(月)20(火)に引き続き、イギリス旅行の準備に励んでおります。
 15ポンドの損失という不本意な背景を含みつつも(←かなりしつこい)、取り敢えず押えた往復航空券。お次は鉄道パス、インターレイルの申し込みです。アイルランド一大きな町エニスでは、このパスの申し込みができないため、エニスから最も近いレイルパスの申し込み場所、アイルランド第三の都市リムリックまで往復9.5ユーロの出費を覚悟しつつ、友人に会いに行くという大義名分を掲げつつ行って参りました。
 エニスの駅で貰ったインターレイルパスのチラシによると
One Zone pass/12 days travel EUR 248
です。現在為替が1ユーロ=139円ということは、インターレイルパス12日間、248ユーロは約35,000円です。8日間の旅ですので4日間分が無駄となり、少々高い気もしますが、英国の鉄道は大抵乗り放題パスの元が取れるほど非常に高いと聞きましたし、多少お得になる英国専用のブリットレイルパスは海外在住者は購入できないということなので、諦める他ありません。でも……と諦めきれない脳内フレンドが囁き始めます。
 19日の日記にも書きましたが、「地球の歩き方」のWebサイトでブリットレイルパスを購入する際、パスポートチェックや本人確認が一切ない行程で、どうやって海外在住かそうでないかを見極めるのでしょう。念のためブリットレイルパスの価格を調べると、連続使用8日間のパスで30,100円、4日間のパスでは20,800円です。これに「地球の歩き方」→「実家」の送料900円、「実家」→「アイルランド」の速達送料約400円を加えてもインターレイルパスより安い……。
 ダメダメ! 「海外在住の方はお申込いただけません」ってあんなにあんなに書いてあったじゃない!
 でもでも! 誰に迷惑を掛ける訳でもない規則なんて、破るためにあるようなものじゃない! その辺りの判断も出来ないようなヤツが間抜けなのよっ! 大体下らない規則ばっかり表面的に追っているからマニュアル人間が増えるんじゃないっ!

 脳内フレンドも良いポイントを突いて来ます……じゃなくって!
 うーんどうしようか……とかなり真剣に悩みながら取り敢えずリムリックの国鉄窓口に赴き、悩み迷う気持ちのまま、しかし徐々に面倒になり、ええい、もーいーや!とインターレイルパスの申し込みをしようとすると……
係員 「インターレイル、Aゾーンの12日間パスですね。ええ、即日発行できますよ。266ユーロです」
鷹瀬 「……え? 248ユーロですよね? ホラ、このチラシにそう書いてありますよ」
係員 「あー、これね、古いチラシですよ。ホラ、ここ見て下さい。2002年版って書いてあるでしょ?」
 266ユーロってことは約37,000円! コレは痛い!
鷹瀬 「あ、ちょっと申し込みは見合わせます。念のためその新しいチラシを2部いただけますか?」
 そもそも乗り放題のパスを持っていると、「元を取らなくちゃ!」という思いに駆られて、乗りたくもない鉄道に乗る羽目に陥るという話を聞いたことがあります。必ず移動する必要があるロンドン−エジンバラ間だけでも軽く15,000円はするようですが、それ以上使うかどうかの保証はナイ。それならばブリットレイルパス連続4日の20,800円というのはかなりお得になる確証がある。よーし、ブリットレイルの4日間パスを申し込もうっと、「地球の歩き方」のWebサイトで。
 脳内フレンドの誘惑に無関係で、自ら簡単に決断を下すワタクシ。

 こうして、往復の飛行機チケットに加え、国内移動手段である鉄道チケットを手配し、英国旅行の一通りの外郭を固めました。あとは初日と最終日の宿探しですか……。


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2003年5月24日(土) 蔓延する疲れ
 ホストマザーとの関係が上手く行かずに家を移る決心をした人、ハウスメイトとの関係が上手く行かずに家を移ろうとしている人、ハウスメイトとの関係は上手く行っているものの逆に仲が良すぎて自分の時間が作れずに疲労が溜まっている人、やることが多すぎて思考回路がショートしてしまっている人、そして、帰りたくなくて帰りたくなくて気持ちが沈んでいる人、それぞれです。


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2003年5月25日(日) エニス音楽祭
 そう言えばついつい忘れがちですが、エニスは、私が言うところの「アイルランドで一番大きな町」という肩書きが主流ではなく、「伝統音楽が最も盛んな町」という紹介文こそが相応しい町なのです。確かにパブでの音楽セッションはほぼ毎日どこかで行われており、これは他の都市では見られない傾向なので、この町は「伝統音楽が最も盛んな町」なのでしょうが、パブに足を運ばない私にしてみれば、他の町とさしたる違いは見られなかったのです。……最近までは。
 18日(日)から始まったエニス音楽祭に合わせ、観光シーズンが幕を開けたことから、このこじんまりとした町に明らかにアメリカ人観光客と分かる人々が徐々に増えて行き、更にはユースホステルに楽器を抱えたミュージシャン達が世界各国から続々と集まり、道端などで生演奏を繰り広げています。また、夜もパブでいつものアイリッシュのメンバーに加えて、恐らくこの音楽祭を通しての長年の友達なのであろう世界各国のミュージシャン達がアイルランドの伝統音楽を奏で合い、ただいまエニスの町は活気付いております。

 そんなエニス音楽祭の最終日、町は明るい内から活気づき、音楽パレードやアイリッシュ・ダンスの披露会などで賑わいます。夜も明け方近くまで酔っ払いとミュージシャンが交じり合い、そこかしこでセッション、セッション。文化が生活に密着しているというのは良いものです。
 写真はこちら


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2003年5月26日(月) 帰りたくない病
 早く書きます。


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2003年5月27日(火) 嫌々帰国計画
 英国旅行計画を進める傍らで、「イギリス行きのチケットはいいけど、日本へ帰る飛行機の予約はしたの?」と友人から素朴に問われてしまい、いよいよ現実を見据える時がやって来たことを実感します。夏のチケットは高いので、ぐずぐずしていると値段がどんどん高騰してしまいます。帰国日を決定したくないという思いと、安いチケットを押えたいという相反する思いに苛まれ、取り敢えず価格調査に乗り出すか……と漸く重い腰を上げました。
 エニスにある旅行代理店にて8月中の最安価格を聞くと、「6〜14日までなら税別で470ユーロ」と言われ、既にネットでチェックしていた最安価格550ユーロ(税別)よりもかなり安いため一瞬予約をし掛けますが、14日かぁ……いよいよなのかぁ……と思う内に段々気分がブルーになってきてしまったため、価格を聞くだけ聞いてその場を離れました。

 周囲の日本人留学生に安い航空券を聞くと、USIT(学生サービスセンター)ならば最安で買うことが出来るのでは、と言われ、早速で電話で確認すると、確かに350ユーロと最安で、たとえ最寄のUSITに行くためにバス往復9.5ユーロを支払うにしても、USITで購入した方が安いということが判明しました。
 と、言うことで、明日USITに赴き帰国便を予約してきます。


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2003年5月28日(水) 嫌々帰国日決定
 現実から目を逸らしたくて仕方ありませんが、逸らし続けていても仕方ない。――おお! 「仕方ない」の使用法って奥が深いんですね!……って、言ってる傍から現実逃避しがちな自分に少し苦笑してしまいます……。たはは……。
 そんな訳で、嫌で嫌で嫌で嫌で……(以下エンドレス)堪らない帰国チケットの手配を本日済ませました。嫌だ嫌だと現実逃避しながらも、最も安いチケット購入のために徹底的にサーチしまくる自分に、映画「クライング・ゲーム」の名言、「それが僕の性(さが)だから……」を思い出してしまいました。ああ、またしても言っている傍から……何だかどこかイマイチ現実と向かい合っていませんね、ワタシ。

 ええ、ええ。とにもかくにも帰国便を押えましたよ。税込み426ユーロ、「往復ですか?」の問い掛けに思わず頷きそうになりながら、決死の思いで「いえ、片道です……」とどうにか告げた昼下がり。
 飛行機が落ちない限り、8月21日(木)にアイルランドを出国し、22(金)に日本に帰国します。

 しかし今回の帰国便予約に当たり、19日の鉄道係員に引き続き、またもアイルランドの事務処理能力の低さを見せ付けられました。私も大概アイリッシュの事務員を信用していないので、電話やネットで前もって価格などの情報を知っている場合でも、その度ごとに改めて係員に最安値を聞き、その価格が同額か安ければOK、その価格が事前情報よりも高い場合には「以前に調べた結果……」と交渉に乗り出す、というやり方を日常的に用いています。
 昨日の電話でシャノン−ロンドン−成田が380ユーロと聞いていたのですが、本日窓口で最安を聞くと、ロンドン−成田が379ユーロと言われます。昨日の電話での話を持ち出し食い下がっても、これが最安で代替案はあるけれどもっと高いと言われてしまいます。シャノン−ロンドン間は別途購入しなくてはならず、その別途料金が50ユーロ程度。すべての税金など込むと約470ユーロ程度になるとのことです。これではエニスの旅行代理店で提示されたチケット470ユーロ(税別)とほぼ同額、もしくはちょっと安い程度で、リムリックまでバス代を掛けて来た意味が……とも思いましたが、離陸の時間やトランジットの時間が良いことや、日程が選べることなどから、まぁ良しとしました。しかし手持ちのお金が足りず、取り敢えずその場を離れることにします。
 そして再び列に並び、違う係員に当たったことから再び「ヤッテクレルゼ、アイリッシュ」劇が火蓋を切るのであります。
鷹瀬 「8月中のアイルランド−シャノンから日本−成田までの最も安いチケットの値段を教えてください。乗り換え回数や待ち時間などは気にしません」
担当B 「往復ですか?」
鷹瀬 「いえ、片道です……」
(コンピュータで空席情報などを調べている)
担当B 「シャノン−ロンドン、ロンドン−成田という経由で620ユーロですね」
鷹瀬 「え……? 620ですか?? もっと安いチケットがある筈なんですけど……」
担当B 「620が最安ですよ」
鷹瀬 「えーと、2時間ほど前に私ここを訪れていまして、その際にあの一番奥にいらっしゃる女性(担当A)から、ロンドン−成田は379ユーロだと伺ったんですけど……。シャノン−ロンドンはどんなに高くても50ユーロ程度ですよね? そうすると税別で430ユーロくらいになると思うんですけど……」
担当B 「……少々お待ちください」
(コンピュータで再び何かを調べながら、担当Aに早口で話し掛けている)
担当B 「シャノン−ロンドンがエア・リンガスで54ユーロ、税金が17ユーロ。ロンドン−成田が339ユーロ、税金が16ユーロ。合計426ユーロですね」
 …………全く、油断も隙もあったモンじゃねぇ。このダブル・ツイスト・トリプル・ミステイクたるや……。
 まず、最初に担当Bが提示した「620ユーロ」のミステイクも然ることながら、実は担当Aの「379ユーロ」も最安ではなかったという……。今回の一連の価格変動を時系列にまとめると、以下のようになります。
27(火) 電話 シャノン−ロンドン−成田 380ユーロ
28(水) 窓口 担当A ロンドン−成田 379ユーロ
28(水) 窓口 担当B シャノン−ロンドン−成田 620ユーロ
28(水) 窓口 担当B ロンドン−成田 339ユーロ

 本日リムリックのUSIT窓口で行われた会話から何が分かるのかと言うと、彼らは「ぼってやれ」というつもりでこのような適当な価格を提示しているのではないのです。もしもぼってやれ、という精神ならば、彼らにとってのカモ(=私)は最安が「379ユーロ」だと思っているのですから、更に安い「339ユーロ」を提示する必要はない筈です。食い下がって質問したところ、一生懸命調べてくれて、挙句の果てに想定価格よりもかなり安いチケットを(悪びれる素振りもなく)提示してくれるあたり、やはり親切は親切なのです。言葉を変えると間抜けとも言いますが……。

 大体、どうしてオンラインで繋がれているコンピューターを使っていながら、係員によって最安価格が違ってくるのでしょう。皆それぞれ独自の検索方法を持っているんですか……? 胡散臭いなぁ……もう……。

 とにかく、アイリッシュの問題点は、「ぼってやろう」とか「騙して巻き上げてやろう」という意識的なものではなく、純粋無垢朴訥素朴に事務処理能力が低いだけということに集約され、騙されないために気を張る必要はないけれど、うっかりミステイクをされないために気を張る必要がある、という結果に落ち着き、要するにどんな状況でも気を抜くな!という、またしてもサバイバルちっくな心構えに落ち着くのでした。
 私は少しでも金額がおかしいと速攻で「なんで? おかしくない?」と食い下がるタイプなので、結果的に時間は費やしても金額的には余り損はしていませんが、コレ、心の中でおかしいと思いつつもなかなか言えない……という人、もしくはそもそもこういうことに気を張っていない人は、様々な面で損をしている気がします。だってアイルランドではこのようなことが日常茶飯事ですから……。

【追記】
 ちなみにこの日、チケットの発券が間に合わず、「明日取りに来て下さい」と呑気に言われてしまったので、少々恐いな……と思いつつも、「私、エニスから来ているので、郵送して頂けませんか?」と頼むと、やはりそこは親切なアイリッシュ、快諾して下さいました。
担当B 「ごめんなさいね、今日中の発券はどうしても無理みたい」
鷹瀬 「あ、いえ。郵送して頂けるならそれで構いませんので。ただ、絶対に今週中に投函してくださいね。私、来月は旅行したりと家を空けるし、忙しいので」
担当B 「大丈夫よ、チケットは明日には必ず発券できるし、明日中に即日投函するわ」
鷹瀬 「絶対ですね? 明日中に絶対お願いしますよ」
 少々失礼とも思われかねないこの遣り取り、まさか私だって素面の相手にはこんな幼稚園児相手のような対応はしません。しかし相手はアイリッシュです。これは事務処理の関わる場面において、「素面ではない」というのとほぼ同義語です。
 結局この週に、チケットは当然届かず、6/2(月)が祝日だったため、3(火)まで待ち、それでも届かないチケットに苦笑しつつもリムリックのUSITに電話すると、悪びれることなくこんなお答え。
鷹瀬 「先週28(水)にチケットを購入した鷹瀬ですけど、当日はチケットを受け取ることが出来ず、翌日に投函して頂くことになっていたのですが、未だに届いていないんですけど……」
受付 「ああ、ハイ。先週は私たちとても忙しかったから。心配しないで、今週中に届くわ」
鷹瀬 「……ではまだ投函していなくて、今週中に投函していただけるんですね?」
受付 「ええ。安心して」
 ………………安心できない……。おまけに信用も出来ない……。
 そう、そんなことは毎度毎度のことなので、ある意味全くもって予想通りとも言えるのですが……。参考までに去年7月3日の旅行代理店との遣り取りをご覧いただけると、要するにアイルランド滞在の最初から最後まで「要確認」を繰り返し、その度ごとに裏切られているのがお分かりかと思われます……。
 ああ、でも、留学初っ端から掛け続けていたクレームや問い合わせの電話のお陰で、今ではかなり気軽に電話を掛けられるようになりました。ありがとう、事務処理能力が地を這うアイルランド! 「親切だけど、役立たず」――留学に最適な環境要素です!

【追記2】
 ――案の定、6/10(火)になっても届きやしません。11日から旅行なので、帰ってくる頃までには届いているといいな……。


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2003年5月29日(木) 小休憩
 早く書きます。


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2003年5月30日(金) 勢い任せのYH予約
 早く書きます。


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2003年5月31日(土) 又聞きの帰国地獄
 友人ではありませんが、何度も長話をしたことのある知人であり、更には友人の友人という位置にいる、私より1歳年下で2年以上アイルランドに滞在しており、先月日本に帰国した女性Aさんの近況報告が人伝に舞い込みました。彼女はアイルランドでパートタイムの仕事をしていたのですが、帰国間際には「アイルランドにいても何かやりたいことをしていると言う訳でもないし、それなら帰ろうかと。今は日本に帰るが楽しみです」と仰っていました。――そして、帰国1ヶ月後の近況報告という訳です。
友人 「そうそう、Aさんの友達から連絡があってね。なんかね、Aさんも大変みたいだよ、馴染めなくて
鷹瀬 「馴染めないって……もう職、探したんだ。この不況の時期に凄いね」
友人 「あ、ううん、まだ就職はしてないと思うよ。職探しをしている段階なんじゃないかな?」
鷹瀬 「え? じゃあ何に馴染めないの……? まだ会社も始まっていないのに……」
友人 「うん、だから……日本社会にってことじゃないの?」
 ……こ、これは厳しいっ! 日本に帰りたがっていたAさんでさえ、その愛しの日本に「馴染めない」ってことは、端から帰りたくない私が馴染める訳ないじゃないかーっ! 嫌だー帰りたくなーいっ! ジタバタ!!!

 いやもう、留学する前から「きっと途中『帰りたい』なんて思うことがあるかもしれないけど、私のことだから、帰る頃には『帰りたくないよー』とか思うんだろうなぁ……」とある程度予想はしていましたが、まさか1回も微塵にも帰りたいと思わず、更にと言うかやはりと言うか鬱病になるかもしれないくらい深刻に「帰りたくない」と思うとは予想できませんでした。
 嫌いとか好きとか、そういう意味合いとは別に、自分が日本社会に合っていないことを痛感するのでした。

【追記】
 その他にも、又聞きではなく直に聞いた日本帰国感想をご紹介。
 まずは、アイルランドに1年留学して、またアイルランドに戻ってくるかも、という友人からのメールの抜粋です。
 日本ねぇ、いいけどしんどい。人々が、チクチクしてる。もっとゆっくり歩けばいいのにさ。
 今日、母を最寄の駅まで、車で送って行くことになって、そして今日はごみの日だから、母は、でっかいゴミ袋2個を、一緒に車につんだのね。で、ごみ置き場に接近したとき、その前をあるおじぃがたらたら歩いてたんよ。で、私もその人の後ろにゆっくりついていたら、いつの間にか、私の後ろに一台車がついて来ていてから、慌てて、止まりますって指示機だしたのよ。そしたら後ろのおっちゃん、さっさと出しとけよみたいな顔して、私を抜かして行き、ついでに軽くクラクションならしていきやがった。傷ついた。ちぃーっちゃいことやけど。そんなことで鳴らさんでいいし、鳴らし方もなんか、陰湿なんよ。もう。こわい日本人。。。みたいな。
 もっと田舎行きたーい。ここもけっこうな田舎なんだけど。

 「たかだかクラクションを鳴らされたくらいで……」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、のんびり穏やかなアイルランドに1年も住んでいて、道で擦れ違う他人にも微笑みかけてしまうような場所での生活に慣れてしまうと、このような苛立ちのぶつけ合いは非常に衝撃的で、精神的に傷付くものなのです。

 そして、もう1通。今回の2週間の帰国は完全に一時帰国であり、アイルランドに確実に戻って来ることが決まっている友人からの日本帰国時に貰ったメール。彼女はこの一時帰国をかなり楽しみにしていたのですが……。
 日本は行く前はもっと楽しみにしてたけど、意外と楽しくない。まあ友達とかに会うのは確かに楽しいけど、このままずっと日本にいるんじゃなくて良かったー。と思うよ。アイルランドののんびり生活に慣れている私たちには、日本での生活に慣れるのはちょっと時間がかかるかも。
 だから、早く帰りたいよ。

 アイルランドと日本を比べて、まず何が一番違うのかというと、それは恐らく時間の流れではないかと思います。勿論、日本も田舎などに行けば行くほど時間の流れはゆっくりになるのかもしれませんが、日本に蔓延する国を揚げての疾走する……と言うよりも、追い立てられるような逼迫した雰囲気は、やはり日本独特のものではないかと思うのです。
 私など、日本の、しかも東京で生まれ育ち、このセカセカした時間しか知らずに28年間生きて来た訳で、かなり精神的にキツイなぁ……ツライなぁ……と思って、それでもどうにか遣り過ごしてきたのですが、一度外に出て、いわゆる「人間的な生活」と言うものを経験してしまうと、あの狂ったような時間に再び戻ることが出来るのかなぁ……という不安に駆られます。

 また、国土面積上、仕方のないことだと理解していますが、あの空間の狭さに耐えられるかどうか、かなり不安です。兄がN.Y.郊外に2〜3年滞在して一時帰国したときに、新宿を歩いていたら「人込みに酔って、立ち眩みがした」と言っていましたが、私は日本を出たことがない時から既に渋谷を歩くと精神的にかなり疲れる人種でしたから、恐らく帰国後数ヶ月は人込みを歩くのにそれ相応の覚悟が必要になりそうです。


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