stay in IRELAND
愛蘭滞在記(5)〜Limerick編F
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->>
いよいよ5ヶ月滞在したリムリック、11週間通った学校を去り、新天地に赴く準備をしなければなりません。フラット探し、再びです。年末にはパリ旅行も控えており、パリから帰って来ると同時に引越しと、しばらくバタバタした日々が続きそうです。
特に何もナイ日々です。
特に何もナイ日々です。
10月21日に書いた「ハイテク大国日本」に引き続き、「日本製品って凄いなぁ……」と感心したお話。
日本から持ち込んだ蛍光ペンが息も絶え絶えになり、アイルランドでは文具の価格は日本の約2倍とは言え、たった数本の蛍光ペンをわざわざ日本から送ってもらえば送料の方が高く付いてしまうため、仕方がない、多少高くても購入することにしました。この国で文具を買うのは、止むなく購入した「切れないハサミ」、必要に迫られて購入した「粘着力のないガムテープ」、恐る恐る購入した「直ぐに使えなくなった修正液」に続いて4回目です。
大学構内にある購買部に赴き、どうせショボイんだろうなと覚悟して文具置き場を覗くと、想像程度にショボイ品揃えで筆記用具が陳列されていました。お目当ての蛍光ペンは大きく分けて3種類――どうしてこういうデザインにしたのか未だに納得の行かない当然1種類のペン先を備えた極太軸の外国製、日本でお馴染みゼブラの両サイドに太・細2種のペン先を備えた細身軸のもの、やはりゼブラの細身軸で1種類のペン先を備えた液状インクが見えるスケルトンタイプのものです。
筆箱にだってスペースという名の都合があります。出来れば細い……というか、日本では通常サイズの軸の蛍光ペンを購入したかったのですが、値段の関係で最も使い勝手の悪そうな極太軸の外国製を購入するに至りました。

細身で機能的な日本製(上2本)と太身で使い勝手の悪い外国製1.21ユーロ(約150円)
写真に写っている日本から持参した蛍光ペンと同じようなゼブラ製の蛍光ペンは、驚くなかれの2.4ユーロ。蛍光ペン1本に300円はちょっと厳しいものがあります……。
容姿が悪いこの極太蛍光ペン、「美人じゃなくたって性格が良ければ僕は容姿なんかには拘らないよ!」という顧客の紳士的な妥協の手を振り払うかのように、性格(質)も良くありません。日本のものとはインクの質が違うのか、やたら水っぽく、ざらついた紙には染み入って裏面まで線が引かれてしまい、ツルツルした紙には馴染まずに本を閉じると対面する頁にインクが移ってしまい、どう転んでも1本線を引くと2本の線が引けてしまうという、ミラクルな性質を備えているようです。
ふと我に返って筆記用具の陳列棚を確認すると、7割程度が日本製ではありませんか。(価格の関係で売れているのは国内製)
いやはや、日本という国の成果物面でのレベルの高さを、あらゆる場面で思い知る今日この頃。これで変にガツガツした悲壮感、もしくは蔓延する虚無感がなくなって、ゆとりがあって文化・自然を守ろうとする風潮が強まれば、心底誇りに思える国なんですけどね。惜しいなぁ……。
先月家賃を掻き集めるためにすったもんだしましたが、そのすったもんだ再開です。
毎度毎度トラブルが起きている、という印象がある我がフラットですが、そもそもの根本に問題があるため、これらは起こるべくして起こっているトラブルに過ぎず、「なぜ私がこんな目に……」という気持ちにはなるものの疑問はありません。
今回のすったもんだの原因はマイケルです。12月3日の日記にも書いた通り、彼ときたら12月分の家賃を「週明け戻ってきてから払う」と言って11月末に実家に帰ったきり、フラットに戻って来ないのです……。荷物はどうやら部屋に置いてあるようなので、いずれ戻ってくるつもりなのでしょうが、折しも時期はクリスマス休暇、次学期が始まるのは年明け、私がこのフラットを離れるのは今月末。そんな状況で彼の家賃を立て替えるのは嫌です。
しかし、マイケルの家賃立て替えにおいて、「私は今月でここを去るから、後はもう君たちで勝手にしなよ」とシュリやナズを突っ撥ねることが出来ない理由もあります。――と言うのは、私たちは未だに私の次に入る入居者を見付けられず、そうなると残る彼らは「1月分の家賃が徴収できない」という点で困りますし、去る私は「予約金235ユーロを回収できない」という点で困るのです。そう、ありがたくもないことですが、私たちはまだ運命共同体なのであります。ここで変に彼らを見捨てると、私が去ってから次の入居者が見付かった場合、その新人から徴収できる予約金が私の元に戻ってくるかどうか、危うくなってしまいます。
そんな訳で、未だに私の予約金も戻ってくるかどうかさえ定かではない状態で、嫌で嫌で仕方ないけれど、マイケルの家賃の3分の1を立て替えました。気持ち的に疲れている私を迎え撃つは、シュリによって蹂躙され尽くした5つの鍋たち……ああ……速やかにこのフラットと縁を切りたい……。
同じ学校の生徒たちのフラットで、クラスの隔たりなくお別れパーティーをしました。ぶっちゃけて言うならば、私は全く馴染んでいなかった学校ですが、私以外の人は(中国人を除いて)ほぼ楽しく過ごしたようです。「中国人を除いて」というのは、彼らは常に中国人同士で固まってしまい、しかも授業をサボる人が多く、馴染むも馴染まないもナイといった感じだからです。
中国人とは違った経路で、しかし同様に余り馴染んでいなかった私ですが、それでもこのお別れパーティーは適度に楽しかったのでした。パブに飲みに行くよりも、こうして皆で各々が作った料理を持ち寄ってのパーティーの方が楽しいですね。
さて、年末の引越しに備え、いよいよ始まりました。次の都市……いえ、町、エニスでのフラット探しです。
リムリックでのフラット探しで方法論が分かっているので、オタオタすることなく下準備に取り掛かることは出来ましたが、下準備と良い部屋が見付かるかどうかは必ずしも比例しないのがフラット探しの醍醐味でもあります。「見付かる時は見付かる」――裏を返せば「見付からない時は見付からない」という大前提の下に、それでも多くの物件を見れば見ただけ良い部屋に巡り会う確率も高まるワケで、そうとなれば可能な限り見て周りたいのが人情というもの。
取っ掛かりはリムリックの時と同様、「毎週木曜日発売の地元新聞の不動産情報欄」「ショッピングセンターなどの掲示板」を活用することから始めます。
ただいま私は部屋を探すと同時進行で、今のフラットの私の次に入る入居者を探しているので、売り手に買い手、双方の事情が伺えるのですが、現在はクリスマス・シーズンで多くの人がフラットを引き払って実家に里帰りするためか、完全なる買い手市場――そう、次の入居者を見付けるのは困難なのですが、次の部屋を見付けるのは容易なのです。
1時間ほど掛けてエニスに赴き、地元新聞を手に入れ、その足でタウン・センター(※注:標識が「City
Centre」ではなく「Town Centre」だったのに少々ショックを受けました……)にある2大ショッピング・センター、DUNNES
STORE と TESCO の掲示板を確認しに行きます。掲示板を確認しに来たというのに、食材の品揃えという意味でこの町で暮らすことに不安を覚えていた私は、ついつい食品売り場を隈なく確認し、一般的な食材に加えて白菜と春雨があることに安心してしまうのでした。
さて、「食」よりもまず「住」ということで、我に返って再び不動産情報探しです。
この日の内に電話を掛けてしまっても良かったのですが、買い手市場の今、闇雲にフラットを探し回るのではなく、こちらの条件を提示して効率良く探すことが出来る筈です。とは言うものの、リムリックに住んでいる状態で、リムリックからバスで1時間ほどかかるエニスでのフラット探しをするのはそれほど簡単ではないので、フラットの見学は1、2日間で集中的に済ませなければなりません。加えて19(木)から27(金)まで旅行をするため、フラット見学に割ける日程は今週末14(土)と15(日)の2日しかありません。
取り敢えず入手した地元新聞に加え、ショッピング・センター内の掲示板にあったフラット情報を書き写して、これらの不動産情報はリムリックに帰ってから1晩かけて条件のふるいにかけることにします。
また、今の買い手市場ということ上手に利用し、能動的な不動産探しと同時進行で、受動的な不動産探しもしてみることにします。ショッピング・センターの掲示板に下記のような広告を置いてみました。
Looking for Single Room
A mature female student requires single room to let.
If you are seeking someone very clean and tidy and quiet, please send a
message to my mobile.
My mobile number is 086-*******.
とにかく、何が何でも「綺麗」で「静か」で「月260ユーロ以下」のフラットを探してみせます。意地でも。
昨日ゲットしたエニスのローカル紙「The Clear Champion」の不動産情報欄(Accommodation)を確認し、地図を片手に、「場所」「価格」「人数」などの条件に合わない物件を消去して行きます。
この選別初期ステップを終えると、いよいよ「コンタクトおよびアポイントを取る」という英会話が不自由な者にとっての最大の山場に突入します。しかしソコは手馴れた者の方法論、通話料金の異様に高いこの国でシドロモドロで問い合わせをしていては料金がかさむことに加え、精神的にも厳しいモノがあるので、ここは買い手市場という現実を存分に活かし、連絡先が携帯になっている募集には携帯メールでこちらの条件を提示し、待ちの姿勢でふるいに掛けることにしました。いや〜、買い手市場のフラット探しは楽ですねぇ。

毎週木曜日発売の「The Clear Champion」と汗と涙(?)の結晶
消去法で生き残った物件19件の内、連絡先が携帯電話になっている14件に下記のようなメッセージを片っ端から送ります。
I saw the Champion. I'm looking for a clean &
quiet house from 28 or 29 Dec. If it's like that & a room is still
free, please let me know price & place. I'd like to look at the house
ASAP. Hoping 14 Sat or 15 Sun. I'm a office worker in Japan but i came
here to study, so now a student. Female. (346 letters)
するとどうでしょう、送っているそばから電話が掛かってくるわ、メッセージが届くわ……5ヶ月前の自ら電話を掛けては「Already
gone.」と言われ続けたフラット探しとは比べものにならない安易さではありませんか。ただ、贅沢者の言い分としては、メッセージで価格と場所を教えてくれる分には問題ないのですが、少々厄介なのはいきなり電話を掛けてくるケースです。直接話したくないからこそメッセージを送ったというのに……。
しかし怯んでばかりもいられません。メッセージにはメッセージで見学の日時を問い合わせ、掛かってきた電話にはその場で詳細を話し合い、着々と土曜日か日曜日に見学の予約を入れてゆきます。
見学の予約を決めるに当たって、電話の方が面倒が少なくて良いのですが、ここで問題になって来るのが地域名や通り名などの住所関係のヒアリング、もしくは場所説明の際の方向関係のヒアリングです。とにかく未知なる単語で構成されている住所は何と言っているのかサッパリ分からないことが多く、綴りを言ってもらうように頼むのですが、綴りを聞くに当たっても音質の悪い携帯では「P」「T」、「B」「D」「V」、「M」「N」などの聞き分けも結構大変で、番地などの数字に関しても「〜ty」なのか「〜teen」なのかなど色々と厄介です。携帯のメッセージであれば明確なので、そういう意味でもメッセージでの遣り取りを好んでいるのですが、相手にしてみたら話すことで人間性を窺い知りたい、ということもあるでしょうし、何よりも会話に不自由がなければ手っ取り早い手段なのですから仕方ありません。
どのメッセージがどの物件なのか、今話している相手はどの物件の主なのか、電話番号を頼りにメモ帳に整理し、価格と住所に加えて見学日時を記した訪問スケジュールを作成して行きます。
明日の土曜日と明後日の日曜日に見学の予定を入れて行き、合計9件の見学予定を立て、明日に臨みます。
本日のフラット見学予定は5件です。昼前にエニスに降り立ち、早速見学予定を入れていたお宅に改めて連絡を入れ、訪問を開始しました。
ここから先の見学内容の詳細を報告しても意味がないので、要点だけにしますが、こちらから「綺麗で静かな家を探しているので、それに見合った家ならば返信ください」という高飛車な要求をしていただけあって、見た家はすべてまぁまぁ綺麗で、まぁまぁ静かそうでしたが、月260ユーロ以下という条件では私の現在のフラットほど綺麗で広い台所を有するフラットは無い、ということと、私の現在の部屋ほど広くて日当たりの良い部屋は無い、ということが骨の髄からよーく分りました……。
エニスもリムリックと同様、新興住宅がここ数年でガンガン建てられ、建物自体が新しく、設備も新しいのですが、綺麗な家=新しい家はなぜか各部屋の大きさが非常に狭いのです。
見学したフラットの家主と話しているときに、「確かに新しい家ほど部屋はどんどん狭くなっているね」と認めていたので、気のせいではなくそういう傾向があるようなのですが……。少なくとも本日見学した5件のうち4件は、部屋はベッドを置いただけでほぼスペース一杯という感じか、辛うじて棚を置けるだけのスペースはあるけれど、机は置けない、といった感じでした。
また何故か狭い部屋にも拘らずダブルベッドを置いているので、狭い部屋がより狭くなってしまっているのです。ベッドはシングルで良いから、スペースが広い方が嬉しいのですが……。アイリッシュにとって各々の部屋に空間は必要ないのでしょうか? 本当に寝るためだけの部屋、という感じがします。
ホームステイをしていたときにも感じたことですが、この国には子供部屋に勉強机を置くという習慣がないようで、子供たちは台所か居間で宿題をしていました。各部屋は狭くても居間や台所は広いので、各人が自分の部屋に篭る習慣がないのかもしれません。
しかし本日見た5件の内で無理やり選ぼうとすれば、最初に見学した姉妹で住んでいる家の
En-Suite の机がギリギリ置けるかどうか、という部屋になりそうです……。最初に見学したため「狭!」と思ったのですが、その後4件見学する内に「そんなに狭くなかったかも……」と思うに至った部屋なのですが……。
現在、物理的には完璧なフラットに住んでいるので、この贅沢感覚で次のフラットを探すとなると、2日では見付けられないかもしれません。不安だなぁ……。
本日も4件ほど見学の予定を立てた状態でエニスに再びやって参りました。
本日の最初に見学した家はエニスで見学したフラットの中では1番広く、電気シャワーで乾燥機も付いていました。物理的には文句ナシに高得点のフラットですが、やはり完璧ではありません。まず猫を飼っているため臭い。しかもそこら中に毛が……。また、家主が住人の説明をする際に「この部屋にいる男の子がね……まぁ煩いと言うか……(原文:He
is kind of noisy.)」と言葉を濁していたのが非常に気に掛かり、しかも居間はお世辞にも片付いていると言える様相ではありませんでした……。そう、パーティーの後のような……。台所も綺麗ではありません。しかしこの部屋の広さは……と悩みつつ、取り敢えず本日の見学をすべて終えた上で返事をすることにします。
部屋が大きければ家が汚い、家が綺麗で設備が良くても部屋が狭い。部屋も家もそこそこでも住人に問題あり。なかなか「これだ!」という家が見付かりません。
そんな中、漸く部屋がリムリックのフラット程度に広く台所も綺麗で、住人の雰囲気も良さそうな家を見付けました。7件目にして初めての合格ラインです。昨日から歩き回ってなかなかピンと来る家が見付けられなかった私は、勢い込んでその場で「決めます!」と言ってみましたが、今度はあちらが優位に立つ展開となりました。
「申し訳ないんだけど、実は今日、君の後にもう1人ここを見に来る男性がいてね。君は3ヶ月と非常に短いし、もしも後に見に来る人が3ヶ月以上の契約をするようなら、僕たちは彼に決めようと思うんだ」
世の中なかなか上手く行かないように出来ていますねぇ……。
後で連絡をくれるということでそのフラットを後にしましたが、3ヶ月というのは非常に短いので、恐らく私の後に見に来るその男性に決まるだろうな……と思いつつ、仕方ない、フラット探し再開です。本日はまだあと2件の見学の予約が入っています。
――そして次に見学する8件目のフラットこそ、私にとっての運命のフラットだったのであります。
まず部屋が広く窓が大きく、裏庭に面している。そして今までのフラット見学経験すべてを合わせても初めての学習机付きの部屋! 住人は全3人、1つの部屋はバス・トイレ付きのため、バス・トイレは2人で使用でき、何とも嬉しい電気シャワー。大家さんが綺麗好きで、毎週家賃を集金する際に台所と居間を掃除をするらしく、かなり綺麗に保たれています。乾燥機が無いのが唯一の難点ですが、もう贅沢は言っていられません。ここは今まで見た中で最上級の家なのです。ここで逃してしまえば、これ以上の家は見付からないでしょう。
現在この部屋を使用しているアイリッシュの女性が今週末20(金)に引っ越すということで、その後21(土)から家賃を支払うのならば、即決できるとのこと。私はパリ旅行の後に引っ越すので1週間分無駄になりますが、50ユーロ程度は手付金と思えば安いものです。
こうして私のフラット探しは2日間、8件の見学の末に幕を閉じたのであります。
|
家賃 |
自室 |
En-suite |
ベッドタイプ |
電気
シャワー |
乾燥機 |
台所の
綺麗さ |
家の
雰囲気 |
住人数 |
学校までの
距離(分) |
| (1) |
210/m |
△ |
○ |
Double |
○ |
× |
○ |
○ |
3 |
20 |
| (2) |
260/m |
× |
○ |
Double |
× |
○ |
○ |
○ |
4 |
25 |
| (3) |
50/w |
△ |
× |
Double |
× |
× |
△ |
? |
5 |
20 |
| (4) |
200/m |
○ |
× |
Double |
○ |
○ |
× |
△ |
3 |
25 |
| (5) |
40/w |
△ |
× |
Single |
× |
× |
△ |
△ |
4 |
25 |
| (6) |
50/w |
○ |
× |
Double |
○ |
○ |
× |
× |
5 |
20 |
| (7) |
260/m |
◎ |
× |
Double |
○ |
× |
○ |
○ |
4 |
25 |
| (8) |
50/w |
◎ |
× |
Double |
○ |
× |
◎ |
○ |
3 |
15 |
7件目の比較的気に入っていた家も、私の後に見学しに来た男性が1年契約を申し出たそうで、どの道縁の無い家だったようです。
面白かったのは、「日曜日の夜に返事をします」と言い残しておいた方たちに以下のメッセージを送ったことから判明した、アイリッシュの口癖でしょうか。
「Hi it's To-ko. I decided other house. But thank
u very much for yr time.」
「No problem thank u letting us know」
「No problem good luck」
「No prob tks for reply」
見事なくらい全員が全員「No problem」というフレーズを使ったのが非常に印象的だったのであります。
私の次の入居先が決まってほっとするのも束の間、次の入居者が見付かりません=私の予約金合計265ユーロが返って来る目処が立ちません。大学構内に張り紙をしても、今は多くの空き部屋があるため即ライバルたちに剥がされてしまい、加えてクリスマス休みに突入した構内は学生の数が激減し、生き残った募集を見てくれる人すらもどれだけいるのか……という非常にヤバイ状況にあります。
とにかく私に出来ることは構内に張り紙を張って張って張りまくることくらいで、その他にはもうどうしようもありません。次の入居者が見付からなければ困るのは私だけではなく、というよりも、残る連中こそが困ると思うのですが、なぜか私だけが一生懸命で、この現状に納得が行きません……。
もう次の人が見付かって予約金さえ取り戻したら、その後はこのフラットに関することは一切するもんか!と心に誓って、今日も張り紙に勤しむのでした……。
本日シュリの携帯に「フラットを見学したいのですが……」という連絡が初めて入り、私たちは小躍りしておりました。
シュリ 「構内のチラシを見て連絡してきたらしい。スペイン人の女の子なんだけど、英語が上手くなかったから何を言ってるのかちょっとよく分らなかった」
……構内のチラシを見た、英語が上手くない子って……語学センターの子なんじゃないかな……と思っていたのですが、見学しに来た子が別のクラスではありますが正しく語学学校の顔見知りだった時には怯みました……。一見完璧に見えるものの問題の多い我がフラット、知人知り合いを騙すのが嫌で一般公募をかけたというのに……。
彼女は私の部屋を見てその広さ、日当たりの良さ、台所の広さ、綺麗さ、その他の設備などすべての物理面に痛く感動し、即決してしまいました……。私も彼女と2人で会ったならば「止めておきな」と忠告もできましたが、シュリが横にいる状況ではそれも出来ず、黙って彼女がこの家に決めるのを見守るしかありませんでした……。
まぁそれでも彼女が私の部屋を取ると決めたとき、「いいなぁ……安くて良い部屋が見付かって」と思ったくらいですから、ある意味、本当に良い家なんですがね。
こうして私は彼女から予約金合計265ユーロを取り戻すことができ、安心してパリ旅行に行くことができるようになったのでした。
明日からパリだということで、地味に浮き足立っていたのでしょうか……。それともパリから帰るとすぐに引越しということで、最後のチャンスと血迷ったのでしょうか……。とにかく自分の正確な気持ちは量りかねますが、以前から買い物に行く度にチラチラと視野に入っていたお菓子の量り売りに何も考えずに挑戦してしまいました。
27種類37個、すべて口に含みましたが、胃まで到達したのはたったの7種類12個だけでした……。

27種類(37個)のうち、食べられたのは7種類(12個)
3.22ユーロ(約400円)
不味いも不味いも……驚くべきこの不味さ……口に含んだだけで吐き気を催したモノあり、どう頑張っても喉まで到達できないモノあり……。こういうものが食品コーナーで売られているという事実にビックリしました。
| 2002年12月19日(木)〜27日(金) 巴里旅行記 |
特別別館、9日間分の巴里旅行記へどうぞ……。
タイトル通り、引越しは元旦にすることに決めました。
昨日パリ旅行から帰ってきて、9日間分の台所の汚れにゲンナリしたのですが、私はもうあと数日で出て行く身です。意地でも掃除なんかするもんかと、食事前に自分の使う食器と鍋だけをそっと洗い、床の汚れにもシンクの汚れにも目を瞑り、知らぬ存ぜぬを貫きます。つい気を緩めると台拭きを持って台所の上に散らばった細かい屑を拭き集めている自分に物悲しさを感じながら、それでも掃除機を掛けたり床をモップで拭くというような本格的な掃除だけは絶対にするもんか、と自分を戒めるのでした。
追記として、本日シャワーを浴びると排水溝が詰まり、水を吸い込まなくなっていることに気付きました……。今はまだ辛うじて水は流れているものの、このまま放っておけば完全に詰まって水が溢れ返る日もそう遠くなさそうです。でも知ったこっちゃありません。もはやここは私のフラットではなく、あと3日の我慢なのですから。
マイケルが彼女を連れて約1ヶ月ぶりに我がフラットに戻ってきました。慢性的掃除当番の私が9日間家を空けたため、既に薄汚れていた我がフラット自慢の綺麗な綺麗な台所は、このアイリッシュの女の子の乱入により、トドメを刺されました……。「アイリッシュと暮らすのは嫌だ」と頑なに拒否していたナズの気持ちも解らないでもないこのたった1人の破壊力……。
まず、基本的に料理はしないものの、パンを切ったらそのナイフは出しっ放し、パン屑をそこら中に撒き散らしても意に介さず、ジャムの瓶もしまわず、零れたジャムはそのまま。使った食器はシンクに置いたまま洗っておらず、電子レンジで温めた牛乳の吹き零れも当然そのまま、その牛乳の雫が床に数滴垂れていたところで拭く訳もなく、そんな人が食卓の上のパン屑を拭き取る訳がありません……。
惨憺たるあり様の台所を横目に、そろそろ最後の洗濯でもしようかね……と洗濯機を見ると、マイケルの洗濯物がギュウギュウと押し込められており、洗剤を入れる場所から水が溢れ出ています。慌てて電源を切ってマイケルを呼び、その後の処理を任せ、私は買い物に出かけますが、買い物から帰ってきても洗濯機の故障は直っていない模様。どうやら水が止まらないようになってしまったらしいのです。誰のせいで壊れたのか定かではありませんが、昨日の夜、私が使ったときには正常に動作しており、マイケルが使っていた今朝、壊れたとすると……。
「うお〜良かった……。私、このフラットとはあと2日でサヨナラなんだ……」と思い残すことなく引越しが出来そうです。
12月分家賃の立て替えについてですが、マイケルの言い分によると、12月分の家賃は1ヶ月前シュリ宛に小切手で送ったと言うのです。しかしシュリは何も受け取っておらず、私たちは依然として彼の家賃を立て替えた状態です。私はあと2日でこのフラットから去るため、取り敢えずシュリからマイケルの立て替え分を返して貰いました。
マイケルの小切手がどこに行ったのか、12月分の家賃はどうするつもりなのか。予約金を手にした私にしてみれば、今度こそ「君たちで勝手に解決するがいいさ」状態です。ふんだ。
パリ旅行記のまとめに勤しみ、ここ数日ずっと家で書き物をしています。このくらい真剣に英語の勉強をすると、きっともうペラペラになっているような気がするんですがね……。
いよいよ明日、この地リムリックおよび5ヶ月過ごしたフラットを去ります。ここを去る感慨はただひとつ、「無料・24時間接続可能・自前PC接続可能」という最高のインターネット環境から去るということだけで、アミットが帰国してしまった今となっては、別れを寂しいと感じる人も幸か不幸かおりません。それどころか早く次の新天地に赴きたい……という気持ちで満ち満ちています。
こんなサバサバした気持ちに拍車を掛けているのは、紛れもなく現在のフラット環境にあります。
私が来た当初から設置されていない換気扇やコンセントは未だに設置されておらず、夏の間に出来た水漏れによる天井の穴は未だ塞がれておらず、暖房も未だに使用できず、シャワー・ヘッドを固定する取っ手が壊れ、排水溝は詰まり、挙げ句の果てには洗濯機が壊れ、トドメに「掃除」という概念を知らないアイリッシュの女の子が加わり……。
更には毎度毎度の家賃徴収におけるゴタゴタ。加えて1月下旬にはナズが妻を呼び寄せるために一時帰国し、入れ替わりでザックが妻を連れて戻ってくるようで、2月にはこの家の人口は一体何人になるんだか……。5部屋8人ですか……? 冗談じゃありません。そして本当に冗談ではないのです……。
私の部屋は日当たり最高、広さも充分、窓は裏庭とその先の草原に面しており、静かで清潔で、とにかくこれ以上の部屋は見つけられないであろうレベルの部屋でしたが、家自体が上記のような調子だったので、出来ればこの部屋でもう少し暮らしたい、という気持ちは正直ありますが、それ以上に「この家と縁を切りたい」という気持ちの方がずっと強かったのであります。
次の家は家自体が非常に綺麗で、部屋も今までほどではないにしてもかなり大きな部類に入り、気になるのは乾燥機がないことと住人同士の触れ合いが全くなさそうなことくらいです。しかしそれでもいい。とにかくもう、私だけが奔走するという事態から解放されるだけでも大満足です。
そんな訳でアッサリと、さよならリムリック。
<<- Limerick編E Ennis編@
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